SCP-3162-JP
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アイテム番号: SCP-3162-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 現在までに回収されているSCP-3162-JPはサイト‐8181の中型物品収容ロッカーに電子ロックをかけた状態で収容してください。活性状態であるSCP-3162-JP-Aについては6体それぞれに標準人型収容チェンバーを与えてください。またSCP-3162-JP-A群の中で特に重篤な抑うつ状態、自傷行為が見られる個体には定期的に財団所属の医師による面談を行ってください。SCP-3162-JPを組み立て、SCP-3162-JP-Aへと活性化させる行為及びSCP-3162-JP-Aに対する実験は精神的な負荷を考慮し現在は凍結されています。

説明: SCP-3162-JPは紙製の外装、説明書及びPS1、ABS2製のランナー21枚から構成されています。外装には株式会社██のロゴとともに「アクアメカニカルズVol.1 花織つばさ」という製品名とイラストが印刷されています。SCP-3162-JP、及び製品名について株式会社██を調査した結果現在まで販売された実績は存在しません。

SCP-3162-JPは、各部品をランナーから切り離し付属の説明書の手順で組み立てることで活性化します(活性化したものを以下SCP-3162-JP-Aと指定)。組み立てたSCP-3162-JP‐Aは全長約15cmの人型で、収納されていた紙製の外装に印刷されたイラストとほぼ同様の形で完成します。SCP-3162-JP-Aは医学的検査の結果、発声に必要な器官や筋肉などの諸器官がないにも関わらず組み立て後5分経過すると自発的に動き始めます。財団職員との意思の疎通も可能であり、現在までに収容されている6体のSCP-3162-JP-Aは概ね財団に友好的で収容に協力する姿勢を示します。

収容経緯: 20██/7/12、大阪府大阪市に住む多部██氏の自宅から子供の悲鳴が聞こえると警察へ通報がありました。現場へ駆けつけた警察が多部氏の自宅を捜査したところ子供の姿はなく、生活していた痕跡などは見られなかったにも関わらず近隣住民からは「小学生くらいの声が良く聞こえていた」と証言がありました。それらを不審に思った警察所属の財団職員が自宅を捜査したところ、アクリルケースに収納されていたSCP-3162-JP‐A‐1を発見し収容に至りました。財団職員により多部氏の自宅から回収されたSCP-3162-JP‐A-1本体及びSCP-3162-JPの外装、説明書の情報から全国のプラモデル販売会社、小売店、SNSなどを調査し現在収容されているSCP-3162-JP、SCP-3162-JP‐A-2~6の発見に至りました。収容されたSCP-3162-JP‐A-1はSRQ-D3において20点と高い数値を示しており、財団所属の医師による検査、面談において抑うつ状態であると診断されました。SCP-3162-JP‐A-2~6についても医師の検査、面談を実施しましたが精神的な不調は診断されませんでした。

以下、SCP-3162-JP‐A‐1に対するインタビューです。

対象: SCP-3162-JP-A‐1

インタビュアー: 塩飽研究員

<録音開始,[20██/7/15]>

塩飽研究員: インタビューを始めます。まずSCP-3162-JP-A、貴方のことについて教えてください。

SCP-3162-JP-A‐1: 僕の名前は花織つばさだ。年は12。私立華月学園に通っているよ。

塩飽研究員: 聞いたことのない名前の学校ですが。

SCP-3162-JP-A‐1: 同じことを僕を作ったやつも言ってたよ。でも僕は華月学園初等部の6年生。この世界を脅かす悪魔たちと戦うためにアクアメカニカルズを装備しているんだ。

塩飽研究員: 同封されていた説明書の設定にあった内容と一致していますね。確か貴方を組み立てたのは多部██さんでしたね。

SCP-3162-JP-A‐1: そうだよ。

塩飽研究員: 多部さんは今の説明についてはどんな反応をしていましたか。

SCP-3162-JP-A‐1: あいつのことは思い出したくない。

塩飽研究員: どうして。

SCP-3162-JP-A‐1: [長い沈黙]話したくない。

塩飽研究員: 貴方を発見した際、悲鳴が聞こえたと警察に通報があったと伺っています。貴方は多部さんから何か暴力を受けていたのですか。

SCP-3162-JP-A‐1: [長い沈黙]違う。

塩飽研究員: では何故話したくないのですか。何か別の酷いことをさせられたのですか。

SCP-3162-JP-A‐1: もうこの話はいいでしょ。

塩飽研究員 : いいえ、貴方を適切に収容するためにも必要な情報です。

SCP-3162-JP‐A‐1 : [足で机を鳴らす音]もういいだろ!僕は思い出したくないんだ![数秒の沈黙ののち、すすり泣く声]

塩飽研究員: 落ち着いてください、SCP-3162-JP‐A-1。

SCP-3162-JP‐A‐1 : [すすり泣く声]皆4は普通なのに、どうして僕だけ。

塩飽研究員: インタビュー続行不可能なため終了します。

<録音終了>

補遺: 20██/10/1、SCP-3162-JP‐A-1及びSCP-3162-JP‐A-2~6を同室の標準人型収容チェンバーへ収容したところ、SCP-3162-JP‐A-1の抑うつ状態が軽快したと担当医師より報告がありました。

事案: 20██/12/27、SCP-3162-JP‐A-1が同室のSCP-3162-JP‐A-2~6に襲われる事案が発生しました。それによりSCP-3162-JP‐A-1は胸部及び股間のプラスチックパーツが破損しましたが、これらは接着剤などを用いて修繕されました。この事案により同室に収容していたSCP-3162-JP‐A群は隔離し、それぞれに個別の標準人型収容チェンバーを与えるよう特別収容プロトコルが改定されました。またこれらの事案以降、寛解傾向だったSCP-3162-JP‐A-1の精神状態は劇的に悪化しました。現在も回復の見込みはなく、医師による定期的な面談及び治療が続けられています。

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