SCP-3170-JP

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アイテム番号: SCP-3170-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 各SCP-3170-JPのうち、腐敗が懸念されるものについてはサイト-81██の冷凍コンテナに保管されています。それ以外のSCP-3170-JPは同サイト内の気密化された低脅威度物品収容コンテナに保管されます。各SCP-3170-JPを用いた解剖、調査を行う際はクリアランスレベル3以上の墓碑部門職員の立ち会いの下で実施してください。

現在の調査はSCP-3170-JPの成因となった未特定事象の痕跡、及びSCP-3170-JP発現に関与していると推測される人物(PoI-9641)の特定に焦点化されています。これらに関する調査は墓碑部門の主導下で行われています。特にPoI-9641は今後同様の事象を引き起こす可能性から、発見次第の確保が予定されています。

Unknown1 3次元顔形状分析
PoI-9641の防犯カメラ映像からのキャプチャー 3次元顔形状分析によって作成されたPoI-9641の顔貌CGモデル

説明: SCP-3170-JPは20██/██/██に自殺した真桑友梨佳氏の死体です。SCP-3170-JPは現在までに56体発見されています。現在までに各SCP-3170-JPに共通した明確な解剖学的異常は発見されておらず、各SCP-3170-JPは単に様々な状態にある死体です。

SCP-3170-JPの異常性はそのすべてが真桑友梨佳という同一の氏名を有している点です。全てのSCP-3170-JPの氏名は法的に認められた状態であり、あらゆる公的記録上においても各SCP-3170-JPは真桑友梨佳として扱われています。一方で大部分のSCP-3170-JPは氏制及び戸籍法上、または所属する文化・社会において通常想定される氏名の範疇を逸脱しています。SCP-3170-JPはこれらの異常な状態であるにも関わらず、現在まで全てのSCP-3170-JPの過去と経歴に氏名を原因とした法上の問題は確認されていません。また、調査から各SCP-3170-JPの親族、関係者はSCP-3170-JPの氏名に関する明らかな疑念・違和感を抱いていないことが確認されており、これらの人物はSCP-3170-JPは当初から真桑友梨佳という氏名であると認識していました。

SCP-3170-JPは、同一の氏名を有する他に次の要素が一致することが認められています。

  • 生物学的に女性である。
  • 20██/██/██(JST)に何らかの方法により自殺を図っている。
  • 20██/██/██(JST)に死亡している。
  • 20██/██/██(JST)時点で身元が不明だった。

SCP-3170-JPは、日本国内において20██/██/██中に自殺した人物のうち5名が真桑友梨佳という同姓同名であるという分析部門の発見により捕捉されました。自殺者における真桑友梨佳という氏名を有する人物の存在割合は、生存中の同姓同名人物の存在割合に対して明確に高く、何らかの異常に関連している可能性が提言されました。この時点で5名の真桑友梨佳氏を対象とした分析から「生物学的に女性である」「20██/██/██(JST)に何らかの方法により自殺を図っている」「20██/██/██(JST)時点で身元不明だった」という共通因子が存在することが判明していました。これらの情報を元に、日本国内で20██/██/██に自殺を図ったと推測される身元不明遺体を対象とした調査が墓碑部門により開始されました。この調査により墓碑部門は、調査開始時点で身元不明であった遺体の内3名の身元が真桑友梨佳氏であることを特定し、これらの人物についても上記条件が合致することを確認しました。日本国外を対象として真桑友梨佳氏と同一の氏名を有する身元判明済みの自殺者を捜索したところ、財団関係者2名を含む43名が真桑友梨佳氏であることが発見され、これらの分析結果においても既知の真桑友梨佳氏と同様の共通因子を有することが判明しました。これらの人物の身元に関する調査の過程で対象の大部分が法定上または文化・社会的に本来想定される名前から逸脱した形で真桑友梨佳という氏名を有している傾向が発見されました。これらの調査により、一連の発見が何らかの全世界的な異常現象/存在/災害に関与している可能性が高いと判断され正式にSCP-3170-JPに指定されました。墓碑部門により全世界を対象とした20██/██/██(JST)中に自殺を図ったと推測される身元不明遺体の特定作業が進行中です。現在までに発見されているSCP-3170-JPの個別概要は以下の通りです。



SCP-3170-JP群個別概要包括的リスト

墓碑部門


SCP-3170-JP-1

SCP-3170-JP-1
性別: 女性
氏名: 真桑友梨佳
年齢: 19歳
発見場所: 日本国 東京都 江戸川区
概要: 東京都に居住していた日本人女性です。████付近の路上で発見されました。死因は████最上階からの転落による全身打撲であり自殺と推測されています。一切の身元を証明するものを所持しておらず当初は身元不明とされていましたが、警視庁の捜査により死体発見から2日後に身元が判明しました。

SCP-3170-JP-2

SCP-3170-JP-2
性別: 女性
氏名: 真桑友梨佳
年齢: 34歳
発見場所: 日本国 宮城県 ████町
概要: 岩手県に居住していた日本人女性です。宮城県████町██に所在する河川から発見されました。高所からの落下に起因すると考えられる下顎骨の粉砕骨折、外傷性椎体骨折等が観察されましたが直接の死因は溺死であると断定されました。発見場所から200mほど離れた橋の歩道上に靴が残されていたことなどから自殺であると推測されています。遺留品に身元の特定につながるものはなく、当初身元不明であったものの宮城県警鑑識課による歯の治療痕の照合から発見から9日後に身元が判明しました。

SCP-3170-JP-3

SCP-3170-JP-3
性別: 女性
氏名: 真桑友梨佳
年齢: 83歳
発見場所: 日本国 北海道 函館市
概要: 現住所不定であるものの、戸籍上は青森県に登録されていた日本人女性です。北海道函館市内の無料宿泊所にて縊死しているところを発見されました。身元を証明するものを所持しておらず身元不明とされていたものの、北海道警が実施した公開捜査により身元が判明し親族である秋山道行氏に遺骨が返還されていました。


SCP-3170-JP-4
SCP-3170-JP-5
SCP-3170-JP-6
SCP-3170-JP-7

SCP-3170-JP-8

SCP-3170-JP-8
性別: 女性
氏名: 真桑友梨佳
年齢: 28歳
発見場所: 日本国 広島県 ██町
概要: 広島県に居住していたフィリピン人女性です。広島県██町山林に存在する農機具小屋にて発見されました。死因は一酸化炭素中毒であり、小屋の扉、隙間等がガムテープによって内部から目張りされており燃焼済み練炭が発見されたことから自殺を図ったものと考えられています。身分証等は所持しておらず当初、身元は不明であったもののSCP-3170-JPに関連した初期調査により捕捉され、身元が判明しました。


SCP-3170-JP-9
SCP-3170-JP-10
SCP-3170-JP-11
SCP-3170-JP-12
SCP-3170-JP-13
SCP-3170-JP-14
SCP-3170-JP-15
SCP-3170-JP-16
SCP-3170-JP-17
SCP-3170-JP-18
SCP-3170-JP-19
SCP-3170-JP-20

SCP-3170-JP-21

SCP-3170-JP-21
性別: 女性
氏名: 真桑友梨佳
年齢: 51歳
発見場所: 中華人民共和国 河南省 安陽市
概要: 河南省に居住していた中国人女性です。中華人民共和国河南省安陽市内の公園において焼死体として発見されました。死因は焼死であり、状況から自殺と推測されます。全身及び所持品の損傷が激しく身元不明であったものの、当局の調査により発見から7日後に真桑友梨佳氏であると判明しました。


SCP-3170-JP-22
SCP-3170-JP-23
SCP-3170-JP-24
SCP-3170-JP-25

SCP-3170-JP-26

SCP-3170-JP-26
性別: 女性
氏名: 真桑友梨佳
年齢: 14歳
発見場所: アメリカ合衆国 モンタナ州 ベルグレイド
概要: モンタナ州に居住していたヒスパニック系アメリカ人女性です。SCP-3170-JP-26は高架から車道上に転落し、直後に通りかかった大型トレーラーに轢かれ意識不明の重傷を負いました。救急搬送されたものの回復せず、3時間後に臓器損傷に起因する多臓器不全により死亡しました。高架上から発見された遺書から自殺と断定されました。身元は不明とされていたものの、発見から5日後にモンタナ州在住のビビアン・ロペス氏により捜索願が提出されていた真桑友梨佳氏と特徴が類似していることが明らかとなり身元の特定に至りました。


SCP-3170-JP-27

SCP-3170-JP-28

SCP-3170-JP-28
性別: 女性
氏名: 真桑友梨佳
年齢: 43歳
発見場所: コンゴ民主共和国 低ウエレ州 ブタ
概要: 低ウエレ州に居住していたバントゥー系民族のコンゴ人女性です。動脈損傷による出血性ショックで死亡していたのを発見されました。SCP-3170-JP-28は調理用ナイフを用いて母親であるエスペランサ・ムアンバ氏を殺害して逃亡し、その後ブタにおいて自身の頸部を刺突し自殺を図ったものと推測されています。当初身元不明であったものの発見から2日後にエスペランサ氏の遺体が発見され、氏と同居していた真桑友梨佳氏の捜索が行われたことで身元が判明しました。


SCP-3170-JP-29
SCP-3170-JP-30
SCP-3170-JP-31
SCP-3170-JP-32
SCP-3170-JP-33
SCP-3170-JP-34
SCP-3170-JP-35
SCP-3170-JP-36
SCP-3170-JP-37
SCP-3170-JP-38
SCP-3170-JP-39
SCP-3170-JP-40
SCP-3170-JP-41

SCP-3170-JP-42

SCP-3170-JP-42
性別: 女性
氏名: 真桑友梨佳
年齢: 17歳
発見場所: イラク共和国 ニーナワー県 モースル ██████
概要: かつてシリア・アラブ共和国ホムス県に居住していたアラブ人女性です。SCP-3170-JP-42はスンナ派ジハード主義者からなる過激派組織である[編集済み]の構成員であり、モースル ██████において高性能爆薬を用いた自爆攻撃を行い死亡しました。発見された残留物から時限発火装置や遠隔起爆装置は発見されず、SCP-3170-JP-42が手動で起爆したものと推測されています。爆発により遺体の大部分が破壊されており現地当局は容疑者の身元を特定できていませんでしたが、死体の復元作業及び事件現場周辺の監視カメラ映像から上記組織構成員の真桑友梨佳氏であると判明しました。


SCP-3170-JP-43
SCP-3170-JP-44
SCP-3170-JP-45
SCP-3170-JP-46
SCP-3170-JP-47
SCP-3170-JP-48
SCP-3170-JP-49
SCP-3170-JP-50
SCP-3170-JP-51
SCP-3170-JP-52

SCP-3170-JP-53

SCP-3170-JP-53
性別: 女性
氏名: 真桑友梨佳
年齢: 39歳
発見場所: サイト-17 防諜局
概要: 白人のカナダ人女性です。SCP-3170-JP-42は財団サイト-17に潜入していたGoI-003(“カオス・インサージェンシー”)の工作員でした。内部調査により工作活動が判明し、拘束下におかれ強化尋問が行われていました。SCP-3170-JP-42は強化尋問中に情報保全のための自殺を目的として上顎左右の第3大臼歯の人工歯及び人工歯根、上顎骨に内包されていた約2gのO-エチルS-(2-ジイソプロピルアミノエチル)メチルホスホノチオラート(VX)1溶液を飲み込みました。SCP-3170-JP-42の異変を察知した職員により迅速に救命措置が行われましたが、27分後に死亡しました。SCP-3170-JP-42がサイト-17で使用していたアレクサンドラ・アバークロンビーの身分は偽造されたものであり戸籍情報も改竄され、本来の身元は不明であったもののカオス・インサージェンシー内の潜伏エージェントからもたらされた情報により工作員の真桑友梨佳であると判明しました。


SCP-3170-JP-54
SCP-3170-JP-55

SCP-3170-JP-56

SCP-3170-JP-56
性別: 女性
氏名: 真桑友梨佳
年齢: 24歳
発見場所: サイト-██ SCP-106ポケットディメンション接続部
概要: 白人のイギリス人女性です。SCP-3170-JP-56は財団サイト-██に所属していた研究員でした。SCP-3170-JP-56はSCP-106収容違反の際に何らかの理由で閉鎖区画からの退避に失敗し、囮を用いたSCP-106再収容プロトコル完了までのいずれかのタイミングでSCP-106に捕獲されポケットディメンション内部に拉致されたものと推測されています。頭蓋骨に残された銃創から、SCP-3170-JP-56はSCP-106により加害されている最中に緊急事態用に支給されていた拳銃を用いて自殺したものと推測されています。SCP-3170-JP-56は死後にポケットディメンションから解放されたものと見られ、再収容後にSCP-106生成物中から発見されました。発見時点で死体は一部の骨格を除いて高度に腐食された状態にあり、DNA検査も組織の腐食の進行により困難な状態でした。また、着衣及び所持品は著しく劣化して身元を証明するものは残存していませんでした。当事案においてポケットディメンション内に拉致されたのは囮を含めて6人であったものの、遺体の回収に成功したのはSCP-3170-JP-56を含めて3体であり、この時点ではSCP-3170-JP-56がどの人物であるのかは特定できていませんでした。その後に行われた墓碑部門による調査により、残存した歯片に見られる治療痕が真桑友梨佳研究員のものと合致することが認められ、身元の特定に至りました。

SCP-3170-JPの氏名に関連した情報の不整合性から、SCP-3170-JPは単なる統計的異常現象ではなく、何らかの理由により特定条件下にある人物の氏名が事後的に改変されたものであると推測されています。この推測を裏付ける具体的根拠は発見されていないものの、極めて広範囲かつ未捕捉の現実改変事象、または官僚災害的異常が発生した可能性が考えられています。

補遺1: SCP-3170-JPが何らかの異常効果により氏名を改変されたという仮説に基づき、墓碑部門により各SCP-3170-JPの改変以前の本来の身元を特定することを目的とした各情報の再調査が行われました。この調査によってSCP-3170-JP-56の本来の身元と推測される職員情報が財団施設 除外サイト-03から発見されました。除外サイト-03はスクラントン・ボックスに利用される技術を応用して構築されており、時空間的に基底現実と隔絶されている特性を利用してCKクラス事象に関連した異常による遡及改変から情報を保護することを目的として、財団の内部情報が記録されていました。除外サイト-03から発見された職員情報は氏名を除きSCP-3170-JP-56のものと合致していました。これらの情報に記載された氏名から、SCP-3170-JP-56の本来の氏名はモーヴ・サドラー(Maeve Saddler)であったと推測されています。

これらの発見はSCP-3170-JPに共通した真桑友梨佳という氏名が何らかの世界的改変の結果として生じたものであるという仮説を支持するものです。また、この職員情報の20██/██/██午前3時46分(JST)に自動アップロードされたバージョンから氏名が真桑友梨佳研究員に変化していました。一つ前のバージョンがアップロードされていたのは20██/██/██午前1時21分(JST)であり、SCP-3170-JPの成因となった事象は20██/██/██(JST)午前1時21分から午前3時46分のいずれかの時点で発生したものであると推測されています。

補遺2: 墓碑部門による各SCP-3170-JPの素性解明を目的とした再調査の過程で、SCP-3170-JP-2に関連した戸籍等の情報には不整合性が観察されないことが判明しました。程度は様々であるものの、他のSCP-3170‐JPが氏制及び戸籍法上、文化・社会において通常想定される氏名の範疇を逸脱しているのに対して、SCP-3170‐JP-2の氏名は日本国の現行法で説明可能な範疇にあることが確認されました。SCP-3170-JP-2のかつての氏名は谷澤友梨佳であり、盛岡家庭裁判所に家事審判申立書を提出していました。これにより、SCP-3170-JP-2は盛岡家庭裁判所での変更申立許可を経て、公的に氏名を真桑友梨佳に変更していました。

以下は盛岡家庭裁判所から回収されたSCP-3170-JP-2の氏変更手続きに関する文書です。


資料-SCP-3170-JP-2:057

家庭裁判所1

資料-SCP-3170-JP-2:058

家庭裁判所2

SCP-3170-JP-2の氏変更は、両親である谷澤照子、谷澤賢司が入信していた宗教法人「松川光擁会」からの脱退に際して氏を変更したいという理由からであったことが確認されています。 なお、SCP-3170-JP-2は宗教法人「松川光擁会」からの脱退に際して非合法な監禁、暴力行為を受けたとして警察に相談しており、これらの背景から盛岡家庭裁判所は氏変更を正当な事由に基づくものとして認可していたことがわかっています。これらの手続きにおいても異常な点は発見されず、SCP-3170-JP-2の氏変更は完全に非異常な範囲で行われていたものと結論づけられています。他のSCP-3170-JPにおいてこのような適正な戸籍の変更は確認されておらず、SCP-3170-JP-2は発生が仮定されている世界的な氏名改変事象の直接的な影響を受けていない可能性が高いと推測されています。

また、SCP-3170-JP-2の再調査の結果、SCP-3170-JPの死亡状況について現在まで明らかになっていなかった点が判明しました。再解剖から、SCP-3170-JP-2の死体の口腔内に極めて軽微な内出血が確認されました。警察による司法解剖ではこれは橋から落下した際に口腔へと突き出した歯及び下顎骨の一部による損傷とみなされていましたが、口腔内粘膜の炎症の様態から何らかの異物が口腔内を長時間圧迫したことによって生じたものであると結論づけられました。また河川の水により大部分は失われていたものの、唇の皮膚表面から微量の石油樹脂が発見されました。これは████株式会社の販売するガムテープに使用されているものと一致することが確認されました。これらのことからSCP-3170-JP-2は死亡する直前までの間、長時間にわたり口腔内に異物を含んだ状態で口をガムテープで塞がれていたものと推測されます。

また、死体の発見された宮城県████町██の河川から46km離れた████市████の山林からSCP-3170-JP-2の健康保険証、運転免許証、財布、上着、携帯電話等が発見されました。これらは灯油を用いて焼かれており、大部分が破壊されていました。近隣住民はこの証拠隠滅を実行したと考えられる人物の姿を目撃しており、目撃情報からこの人物が身元を証明するものを焼却したのは20██/██/██21時頃であると推測されています。解剖から推測されているSCP-3170-JP-2の死亡時刻は同日2時30分頃であり、この証拠隠滅はSCP-3170-JP-2の死後に行われています。

加えて、生前のSCP-3170-JP-2を映したものと思われる防犯カメラ映像が宮城県██町████のホームセンターから回収されました。記録されていた映像は4分程度のものであったものの、映像中のSCP-3170-JP-2は店内において周囲を警戒する素振りを見せており、最終的に包丁を購入して退店していました。また、店舗の外に設置されていた防犯カメラには退店してすぐに██方面に走って行くSCP-3170-JP-2の姿とその後ろを歩いて追いかける人物の姿が記録されていました。SCP-3170-JP-2を追跡していた人物の容貌は、SCP-3170-JP-2の身元を証明する物品を焼却していたと推測される人物の目撃情報と合致しています。これらの発見からSCP-3170-JP-2の死は自殺ではなく、何者かに自殺に偽装され殺害されたものと結論づけられました。これは、他のSCP-3170-JPとの自殺という共通点から逸脱するものです。

SCP-3170-JP-2の氏名のみが現行法で説明可能かつ矛盾しない範疇で変更されていること、SCP-3170-JP-2の死のみが他殺であること、SCP-3170-JP-2の死亡推定時刻がSCP-3170-JPの成因となったと仮定されている事象の発生時刻と推測されている20██/██/██(JST)午前1時21分から午前3時46分の間であることからSCP-3170-JP-2が元来の真桑友梨佳であり他のSCP-3170-JPはSCP-3170-JP-2の氏名を元として改変されたものである可能性が高いと推測されています。また、SCP-3170-JP-2の死体には一切の異常性及びその痕跡が確認されていないことから発生が仮定されている全世界的な氏名改変事象はSCP-3170-JP-2によるものでは無いと考えられています。

現在SCP-3170-JP研究チームは、SCP-3170-JP-2を殺害した人物がこの事象に関連しているものと推測しており、PoI-9641に指定しています。PoI-9641は「SCP-3170-JP-2の死の偽装、または捜査の撹乱を目的として20██/██/██時点で身元不明であった女性自殺体の氏名を真桑友梨佳に改変した」可能性が高いと推測されています。氏名の改変に際し、SCP-3170-JP-2個人の身元を改変することなく全世界的な氏名の改変を引き起こしていることから、PoI-9641は無意識的にこの事象を引き起こしたか、何らかの別の意図に基づいて事象を引き起こした可能性が指摘されています。目撃情報等の一致から、証拠物品の焼却を行った人物及びSCP-3170-JP-2を追跡していた人物はPoI-9641と同一人物であると考えられています。PoI-9641によるSCP-3170-JP群の生成メカニズムが不明であり、目的についても明確には判明していないことから今後も類似した全世界的異常現象が発生する可能性が懸念されており、PoI-9641の捜索が継続されています。なお、高優先度での調査が継続されているにも関わらず身元の特定に繋がる情報は発見されておらず、何らかの異常な手段を用いて自身の痕跡を抹消しているものと推測されています。

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