
SCP-3171-JP-A群
収容クラス: Neutralized
特別収容プロトコル: N/A
説明: SCP-3171-JPは、記録上使用されていないとされるアメリカ合衆国の電話番号です。これまで確認された事例の全てにおいて、合衆国東部からスワッティング1目的で緊急通報用電話番号への発信を試みた際に、高確率で誤って入力される形で発信されています。SCP-3171-JPからの発信は確認されておらず、SCP-3171-JPへの架電を目的とした発信は全て不通に終わっています。
SCP-3171-JPに発信した場合、発信者が存在する州の警察のオペレーターを自称する音声が発信者の通報に対応します。発信者は通話中に虚偽の事件の発生地点として特定の地点を報告し、通話は発信者に疑われることなく終了します。この後、2パターンの事象が発生します。
- その州の警察に、SCP-3171-JPから同様の通報がなされます。これにより、報告された地点に対するスワッティングが成功裏に行われます。
- 報告された地点には、その州のSWAT部隊の装備をした3体から6体の、第六の大罪である憤怒への特化で特徴付けられるRageクラス悪魔実体(SCP-3171-JP-A)が出現します。SCP-3171-JP-A群は報告された地点にいる疑わしい人物を確保し、当該人物と共に消失します。この時、出現地点には妖魔共振エネルギー2の痕跡が残ります。
補遺3171-JP.1: 添付資料
対話ログ3171-JP/001 |
音声記録 |
対話者:
- アレクサンダー・スミス(ミズーリ州住民)
- ジム・フリードマン(財団フィールドエージェント)
前記: 2020/02/11にバーバラ・マン氏が州警察に「自身の息子がゲーム中に消えた」という旨の通報を行ったことを受け、警察官に偽装した財団エージェントが派遣されました。結果、マン氏の家屋より異常値のTREが検出されたため、本格的な調査が開始されました。
マン氏の息子のパソコンを調査したところ、あるアカウントとオンラインゲーム上でトラブルになっていたことが判明しました。そのアカウントの所有者がスミス氏であることが判明したため、2020/02/20、Agt.フリードマンが彼の自宅に派遣されました。
<記録開始>
Agt.フリードマン: …さて、あなたのオンラインゲームでの振る舞いについて伺いましょうか。
スミス氏: そうだな、まあたまに誰かと喧嘩したりはしてたと思うけど。それがどうしたって?
Agt.フリードマン: なるほど。あなたは、「XXFlightenXX」というアカウントに対し執拗に暴言を吐いていますね?
スミス氏: ああ、あいつ?確かにちょっと苛つくようなことばっか言うから何度か喧嘩になったけど、それだけだよ。
Agt.フリードマン: では、スワッティング等の行為はして —
スミス氏: 当たり前だろ!俺が、そ — そんな卑怯なことをするわけないだろうが。
Agt.フリードマン: …そうですか。では、あなたの携帯電話の履歴を見させていただいても?
スミス氏: …ああ、いいぜ。
スマートフォンの操作音。
Agt.フリードマン: …なるほど、911にはかけていないようですね。
スミス氏: だろ?
Agt.フリードマン: では、何故さっきから足元の棚を気にしているんですか?
沈黙。
スミス氏: ば、馬鹿なこと言うなよ。
Agt.フリードマン: 理由をお聞かせ願えますか?さもなくば、その棚を開けてもらわなければなりません。
スミス氏: …開けなきゃ駄目か?
Agt.フリードマン: 理由を言えないのであれば。
スミス氏がため息をつく。直後、棚を開ける音が記録される。
Agt.フリードマン: …そのスマートフォンの履歴も見せてもらいますね。
舌打ち。
スミス氏: ああ、いいよ。
スマートフォンの操作音。
Agt.フリードマン: …この、9112という番号は?
スミス氏: …え?911、2?
Agt.フリードマン: はい。履歴にはそうありますが。
スミス氏: そ、そんな馬鹿な!
Agt.フリードマン: …ということは、あなたはやはり911に電話を?
スミス氏: う — ああ、そうだよ。そのつもりだった。
Agt.フリードマン: それでスワッティングを?
スミス氏: そうだ。…なあ、かけてみていいか?
Agt.フリードマン: いえ、私がかけてみます。
スマートフォンの操作音。
Agt.フリードマン: …繋がりませんね。
スミス氏: …嘘だろ?
<記録終了>
後記: 当該電話番号へ複数回の発信試行が行われましたが、いずれも失敗しました。当該電話番号に架電したスマートフォンは回収され、スミス氏にはクラスB記憶処理が実施されました。当該電話番号はSCP-3171-JPに分類され、Euclidクラスが割り当てられました。
対話ログ3171-JP/002 |
音声記録 |
対話者:
- 悪魔実体
- マイケル・カーター(財団機動部隊隊員)
前記: 2020/02/23、5名のDクラス職員に機動部隊が待機する住居5つに対するスワッティングをそれぞれ行うよう指示したところ、2つの住居に悪魔実体群が出現しました。機動部隊は聖水及び祝福済みの弾丸を用いて悪魔実体群と交戦し、全個体の拘束に成功しました。拘束された悪魔実体群の内1体に対し、カーター隊員がインタビューを行いました。
<記録開始>
悪魔実体: なあ、さっさと拘束を解いてくれないか。
カーター隊員: その前に質問に答えろ。お前たちはどこから来た?
悪魔実体: どこからって…地獄に決まってるだろうが。
カーター隊員: あー、違う、そうじゃない。誰がお前を召喚したのか、ということだ。
悪魔実体: …スワッタン教会Church of SWATanだよ。
カーター隊員: 何?…それが、お前たちを召喚している奴らなのか?
悪魔実体: そうだ。俺たちはオペレーターを名乗るあそこの司教共に召喚されてきたんだ。何でか知らんが、ミクロコスモスのためとか大SWATArchSWATのためとか言って、SWATの格好をさせられてな。
カーター隊員: は、はあ。SWATの装備を?
悪魔実体: ああ。それで、スワッティングだったか?家に突入して適当な奴を拘束しろ、ってな。代価はその拘束した奴が指定された。さっぱり意味がわからんが、まあ代価がもらえる以上断る理由も無いし、素直に従ってきたわけだ。
カーター隊員: …代価に指定された人間は?
悪魔実体: 言わなくてもわかるだろ?…とにかく、俺たちは契約に従ってるだけだ。責めたきゃ契約主を責めるんだな。
<記録終了>
後記: SCP-3171-JPへのスワッティング通報によって出現する悪魔実体群はSCP-3171-JP-Aに分類されました。当該個体はインタビューに答えた後、サンプルとしてSCP-3171-JP-A-1に分類されサイト-966に収容されました。それ以外のSCP-3171-JP-A個体は解放され、消失しました。
対話ログ3171-JP/003 |
音声記録 |

ウッド氏のアカウントのアイコン画像
- モリー・ウッド(バージニア州住民)
- アーノルド・デイヴィス(財団フィールドエージェント)
前記: 2020/03/13、財団ウェブクローラーの走査によってTwitter上で「スワッタン教会」に言及するアカウントが発見されました。当該アカウントの所有者がウッド氏であることが特定されたため、ウッド氏の自宅にAgt.デイヴィスが派遣されました。
<記録開始>
ウッド氏: それで、何?
Agt.デイヴィス: 早速ですが、あなたは「スワッタン教会」という組織について知っていますね?
ウッド氏:…調べたの。中々やるじゃない、あんたたちも。
Agt.デイヴィス: 質問にお答えください。
ウッド氏: 私はあそこの侍祭よ。偉大なる大司教様にお仕えする正統なスワッタニストSWATanist。ああ、当たり前だけどSWATは大文字ね。
Agt.デイヴィス: つまり、悪魔の召喚はあなたが?
ウッド氏: 召喚は私なんかにできやしないわよ。オペレーター司教たちがやってる。私はただ、見込みがあると言われて教化された補助員にすぎない。
Agt.デイヴィス: 随分と素直に喋りますね。
ウッド氏: 私たちはオープンな組織だから。まあ、そう簡単に捕まるわけではないけど。あなたもスワッティングしてみれば教会とコンタクトが取れるんじゃない?
Agt.デイヴィス: …では、召喚の目的も話していただけますね?
ウッド氏: いいわよ。その前に、あなたってキリスト教徒?それとも無神論者?
Agt.デイヴィス: お答えできかねます。
ウッド氏: あらそう。まあ、悪魔なんか召喚してるぐらいだから多少は我慢してもらえるわよね。…まず、私たち人間も悪魔も神も、誰もが皆ミクロコスモスmicrocosmと呼ばれる内的宇宙を持っているの — 正確には、神の宇宙はマクロコスモスmacrocosmって呼ばれるのだけど。それで、私たち人間と、悪魔のミクロコスモスはその位階が異なるわけ。悪魔の方が上ね?
Agt.デイヴィス: はあ。
ウッド氏: でも、私たちはスワッティングによって悪魔とミクロコスモスの交わりcommunionを得ることができるの。元々スワッティングというのは、スワッター3がオペレーターとSWATという媒質を介して、己のミクロコスモスで被害者のそれを漂白する行為。でもそこに間違い電話というミクロコスモスの共有を噛ませ、更に媒質の位置に私たちと悪魔を置くとどうなると思う?
Agt.デイヴィス: さあ。…どうなるんですか?
ウッド氏: そこに交わりが起こるわけ。つまり…スワッターという始点からの作用を受けて、私たちと悪魔のミクロコスモスは同一の媒質として交ざり合う。そして、スワッターから生まれた流れflowによって、それらはまるで初めから1条の川であったかのように、1つの終点 — スワッティングの被害者へと帰着する。それによって私たちのミクロコスモスは上昇し、本来手が届かないほどに高い神の位階に1歩近づくというわけ。わかる?
Agt.デイヴィス: …えー、つまり、あなたたちは神になりたいと?
ウッド氏: そんなこと言ってないわよ。私たちはただ、神の位階にミクロコスモスを近づけたいだけ。そして、悪魔はその橋渡しをしてくれる。悪魔は、天使ほどはミクロコスモスの位階が高くないけれど、人間よりは高いから。
Agt.デイヴィス: な、なるほど。…では、スワッタンSWATanというのは?
ウッド氏: 偉大なる至高の悪魔がSWATの力を身に纏った姿、と言えば良いかしら。大SWATとも言うわね。もう暫くすれば、アメリカに降臨されるって聞いたけど。
Agt.デイヴィス: …え、どうやって?
ウッド氏: あら、知らないの?アメリカに憤怒の魔方円が作られているって聞いたけど。私は詳しいことは知らないけど、あなたたちならわかってるのかと思ってたわ。
Agt.デイヴィス: 憤怒の?
ウッド氏: ええ。調べてみればわかるんじゃないかしら。
<記録終了>

作成された画像
後記: ウッド氏はAgt.デイヴィスによってサイト-966へ移送され、3日間の尋問の後にクラスB記憶処理を受けて解放されました。有用な情報は上記以外に得られませんでした。
イェイツSCP-3171-JP担当博士の提言の下、SCP-3171-JPに関係する地点がマッピングされました。結果、パターン2事象の発生地点がアメリカ国土に円を描いている事実が判明しました。イェイツ博士はこれを何らかの奇跡論紋様図形であると断定し、該当する図形のリストアップを行っています。
SCP-3171-JPの収容クラスはKeterに再分類されました。
対話ログ3171-JP/004 |
音声記録 |
対話者:
- ナサニエル・パージター(インディアナ州住民)
- ロジャー・イェイツ(財団神学部門博士、SCP-3171-JP研究主任)
- 男性の音声
前記: 財団はパージター氏がスワッティングを頻繁に行っていることを突き止め、パージター氏のスマートフォンに財団が作成した通話コントロール用アプリケーションをインストールさせました。2020/03/26、パージター氏は匿名のアカウントによる依頼を受けてスワッティングを試み、誤ってSCP-3171-JPに発信し架電しました。
<記録開始>
音声: 911です。緊急事態はどちらで発生していますか?
パージター氏: 親を殺してしまった。
音声: はい?
パージター氏: 拳銃で。ああ、妹も殺 —
[ノイズ]
音声: サー?どうしましたか?
イェイツ博士: もしもし。スワッタン教会ですか?
音声: …これは驚いた。一体どちらの方でしょうか?
イェイツ博士: それは問題ではないでしょう、サー?私たちはあなたたちの —
音声: あー、そういった話は飛ばしてしまいましょう。こちらもあなたたちの動きは大まかに把握していますから。それよりも、もっと有意義な話を。勧誘は…教義上難しいですが。
イェイツ博士: なるほど。では単刀直入に伺いますが、あなたたちが魔法円で召喚しようとしているスワッタンとはどのような存在なのですか?
音声: ご存知ないとは意外ですね。スワッタンは、あくまでサタンという名でも知られている最高位の悪魔の1形態のことです。我々は敬意を込めて大SWATとも呼びますがね。…恐らく、召喚の理由も聞きたいのでしょう?
イェイツ博士: お答えいただけますか?
音声: ええ。我々はサタンを — スワッタンを召喚することによって、彼のミクロコスモスとの交わりを得るのです。そして、我々のミクロコスモスは最も高きところへ、神の位階へと押し上げられる。罪sinsによって描かれた円によってね。…ですが、どうやらそれをあなたたちは快く思わないらしい。
イェイツ博士: その、サタンを召喚する際の代価はどれくらいになるのですか?
音声: 恐らくは、数十万、いや数百万の命が支払われることでしょうね。…さて、あと少しで円は完成します。その瞬間を、全てのスワッタニストにお届けしなければ。では、我々も忙しいですし、ここで失礼 —
イェイツ博士: お待ちを。…そうですね、ではそのお手伝いをさせていただいても?
音声: …はい?
イェイツ博士: 我々としては、正直言ってあなたたちの魔法円が完成しない方が嬉しくあります。しかし、現状それを止める手段を持ち合わせてはいない。ですから、逆にお手伝いして、その召喚をコントロールしたいのです。
音声: …なるほど、大きく出ましたね。構いませんよ、こちらも正直あまり魔法円には詳しくありませんから、もっと適した形にしていただけるのなら嬉しいです。ちなみに、この場合の罪とは何かご理解いただけていますか?
イェイツ博士: 悪魔の召喚、もしくはスワッティングですか?
音声: 前者です。それがわかっていただけているのならば十分。では、宜しくお願いしますね。
不通音。
<記録終了>
後記: 発信先の探知の試みは失敗しました。パージター氏のスマートフォンには、継続してアプリケーションによる通話監視が行われています。
この対話を元に、イェイツ博士はSCP-XXXX-JPのオペレーターらがサタン召喚のための奇跡論紋様図形を描画しようとしていると判断し、以下の対応を指示しました。
- スワッタン教会を自称する該当団体の追跡を継続し、中心人物の捕縛等によって該当団体の無力化を試みる。
- 並行して、悪魔実体の召喚によって既存の図形に新たに代価最小化の対抗図形を追加描画する。サタン召喚の図形が完成するまでに該当団体の無力化が成功しなかった場合を考慮し、対抗図形に召喚自体の阻害効果は導入せず、あくまで財団指定の人物1名を代償とさせる効果に留める。
対話ログ3171-JP/005 |
映像記録 |

サタン召喚の奇跡論紋様図形(赤点)と、財団が描画した対抗図形(青点)
対話者:
- ライナス・スペンサー(テネシー州のストリーマー)
- SCP-3171-JP-A群
前記: 2020/04/02、財団による対抗図形の描画が完成する直前、アメリカ国土に描画された奇跡論紋様図形が青白く発光し始めました。この発光は30秒程度で沈静化しました。この時、奇跡論紋様図形の中心付近には財団対悪魔実体機動部隊および代償となるDクラス職員が待機しており、またその範囲内にはスペンサー氏の自宅も存在していました。
<記録開始>
ストリーミングが開始され、スペンサー氏とその自室が映し出される。
スペンサー氏: やあみんな、今年も俺の誕生日配信に来てくれてありがとう!早速だが、今日は —
衝撃音。
スペンサー氏: な、何だ?
足音が接近し、直後部屋のドアが破壊される。2体のSCP-3171-JP-A個体が部屋へと突入する。
SCP-3171-JP-A個体1: 動くな!警察だ!
スペンサー氏: は!?いや、ちょっと —
スペンサー氏がSCP-3171-JP-A個体によって暴力的に拘束される。その後、ドアから黒い翼を広げたSCP-3171-JP-A個体が侵入し、室内の明かりが明滅する。
SCP-3171-JP-A個体3: 全く、本当に迷惑な話だよ。私がわざわざこんな格好をして、こんなちんけな家に来なければならないとは。
スペンサー氏: 痛え!おい!お前らあれだな!スワッティングか!?
SCP-3171-JP-A個体3: 口を慎め!いいか、私だってこんなことしたくないんだ。しかも代価はお前1人だぞ?忌々しい紋様のせいでまともに力を出すことができずに、お前だけを攫っていくしかない。本当に —
スペンサー氏: なあ、何べらべら喋ってんだよ!いいから離せって言ってるだろうが!
SCP-3171-JP-A個体3がスペンサー氏に急接近する。
SCP-3171-JP-A個体3: 黙れ!さあ、さっさと行くぞ愚か者め。おい、2人とも。
SCP-3171-JP-A個体1及び2: はっ。
SCP-3171-JP-A個体1及び2がスペンサー氏を引き摺っていく。その間も、スペンサー氏はSCP-3171-JP-A群に対し拘束を解くよう要求する。SCP-3171-JP-A個体3はカメラに接近し、舌打ちする。
SCP-3171-JP-A個体3: 呪う価値すらない瘋癲どもlunaticsめ。
SCP-3171-JP-A個体3がカメラに向かって拳を振り上げ、映像が暗転する。
<記録終了>
後記: ストリーミングの終了直後に機動部隊が駆けつけたところ、スペンサー氏は失踪しており、自宅からは観測史上最高値のTREが検出されました。暗転直後、財団によってストリーミング画面には記憶改変エージェントが表示され、更にカバーストーリー「ドッキリ企画」が流布されました。当該事案の直後、スペンサー氏の自宅内を除く奇跡論紋様図形の全範囲内におけるTREの痕跡が消失しました。これにより、サタン召喚の奇跡論紋様図形および対抗図形は消失したものとみなされています。
財団が代償に予定していたDクラス職員ではなくスペンサー氏が代償となった原因は、対抗図形における代償指定の要素の描画が未完了であったことであると推定されています。
対話ログ3171-JP/006 |
音声記録 |
対話者:
- ロジャー・イェイツ(財団神学部門博士、SCP-3171-JP研究主任)
- マイケル・マクラーレン(自称スワッタン教会大司教)
前記: 2020/04/03、SCP-3171-JPから財団外線電話へと着信がありました。イェイツ博士はSCP-3171-JPへと架電し、通話を開始しました。
<記録開始>
イェイツ博士: もしもし、もしもし。
マクラーレン氏: この度はありがとうございました、サー。あなたたちのお陰で、我々は遂にミクロコスモスを神の位階へと漸近させることができたのです。それに、代価も最小限に食い止めることができました。
イェイツ博士: それで、何故電話を?
マクラーレン氏: 自首です。我々は完全に目的を果たしました。後は、罪crimesの精算をするだけです。この通話は切りませんから、逆探知は成功するでしょう。本当に、ありがとうございました。
イェイツ博士: はあ。
<記録終了>
後記: 逆探知によって特定された住所には、「スワッタン教会」と書かれた看板の取り付けてある住居に119名の人物が居住していました。財団はこの全員をサイト-966へ移送し、26名を残してクラスB記憶処理を施し解放しました。26名は現在サイト-966に勾留されています。
また、当該住居内にはウッド氏のアイコン画像と同様の図形が黒いペンキによって描画された固定電話が存在しており、通話履歴からSCP-3171-JPへの発信はいずれも当該電話機に架電していたものと推定されます。しかし、当該電話に特異性は確認できず、非標準的な改造の痕跡も認められませんでした。マクラーレン氏を含むスワッタン教会関連人物は当該電話機についての証言も提供していますが、その内容はいずれも「天Heaven」、「守護者guardian」、「マクロコスモス」および「変化transformation」という共通の単語を用いた抽象的かつ支離滅裂なものであるため、現在までSCP-3171-JPの詳細については解明されていません。
この対話以降、6ヶ月間に渡ってSCP-3171-JP-A群の出現が確認されず、財団が確認できる範囲でのSCP-3171-JPへの発信も確認されなかったため、SCP-3171-JPはNeutralizedクラスに再分類されました。