アイテム番号: SCP-3206-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3206-JPにおける、21時以降・6時以前における民間人の立ち入りは禁止されます。これには図書館の従業員も含まれます。
SCP-3206-JPの移転が現実的でないこと、および異常性は夜間にのみ発現することから、SCP-3206-JPを日中に開館することは問題ないと判断されました。
説明: SCP-3206-JPは、██県██市に位置する図書館です。
日本標準時22:00~4:00の間にSCP-3206-JP内へ進入した場合、異常性が発現します。SCP-3206-JP内の全ての照明は自動的に点灯します。また、SCP-3206-JP内に存在する書籍は同時に移動を開始します。これらの書籍は重力に反しての移動も可能であり、結果として空中に浮遊する場合もあります。なお、SCP-3206-JPの蔵書であっても、貸し出されているなどしてSCP-3206-JP外に存在する場合は異常性の対象になりません。
厚い書籍やハードカバーの書籍は、積み重なり壁状となります。この壁は、「進入した者」と「SCP-3206-JP中央の開けた空間」との最短経路を作るように、本棚同士の間に作られます。これにより、進入者は、道なりに進むことによってSCP-3206-JP中央の空間へと移動することが可能です。
華美な表紙を有する薄い書籍は、表紙および裏表紙を用いて、チョウ(Rhopalocera)の羽ばたきと酷似した動作をしつつ浮遊しています。これらの書籍は、進入者を先導する形で、SCP-3206-JP中央の空間へと誘導します。
SCP-3206-JPの通路上では、様々な配色の書籍が規則的に飛翔している様子が確認できます。これらの書籍は、進入者に干渉しないように振舞っており、審美上の役割を果たしていると推定されます。また、本棚の側面や壁などの一部には書籍が付着していますが、これらの書籍は実用上・審美上のどちらにも貢献しておらず、存在理由は不明です。
SCP-3206-JP中央の空間には、日中と同様に、背もたれのないベンチが4脚配置されています。ただし、書籍によって構成された十分頑丈な背もたれが追加されており、非常に快適であるという官能評価が得られています。
SCP-3206-JP中央の空間には、厚い書籍によって作られた台が存在します。進入者がベンチに座った後、別の書籍が台の上に移動しつつ、人型に組み合わされます。このような人型実体は複数登場します。また、人物以外にも、何らかの動物・道具を模したと思われる実体に組み合わされる場合も確認されています。
この実体は、SCP-3206-JPの蔵書のうち文学的文章であるものをベースにしたと思われる行動をとります。この行為には、演劇との共通性が指摘されています。なお、この演劇的行為の元となる作品は、作者の死後70年が経過しパブリックドメインとなっているもののみが確認されています。このことから、SCP-3206-JPが著作権についての知識を有することが推測されています。
SCP-3206-JPは、人型実体の行動に合わせ、本同士を衝突させる・激しくページをめくるなどして音を発生させます。この音量は、演劇行為の内容によっては非常に大きくなる場合も確認されています。また、照明の直下に、薄い紙に印刷された本のページを徐々に重ねることで、なめらかに照明の強さや範囲を変更することもあります。これらは、「演劇における演出」であることが示唆されます。
4:00前後に、演劇的行為は終了します。蝶型実体は、進入者をSCP-3206-JP外へと誘導します。進入者が退出しない場合、書籍に押される形で外部へと移動させられます。進入者の退出後、SCP-3206-JP内の全ての書籍が本棚上の本来の位置へと移動します。その後、同日の22:00まで異常性は消失します。
なお、書籍で構成された実体へ干渉することも可能です。例えば、壁や台である本を崩す行為や、蝶型実体および人型実体に触れて移動させる行為に成功しています。外部からの干渉で移動させられた書籍は、低速度で元の位置へと移動します。
ただし、「本棚の側面や壁などの一部に付着している(存在理由不明な)書籍」は、非常に強く固定されており、移動させることに成功しませんでした。調査の結果、このような書籍は、「図書館では静かにしましょう」「本を大事に!」などといった貼り紙を覆うような位置に存在していたことが判明しました。









