SCP-3212-JP
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アイテム番号: SCP-3212-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3212-JPはサイト-81KNの低危険度生物飼育室にて標準甲殻類飼育手順に従い飼育してください。また、1ヶ月に1度、任意の職員に対して採取イベントを行わせてください。

全国の海水浴場に潜入しているフィールドエージェントによって、SCP-3212-JPは捜索されます。確保した場合、速やかにサイト-81KNに輸送されます。

説明: SCP-3212-JPはカニ(Brachyura)に外見的特徴が酷似している甲殻類の総称です。SCP-3212-JPは白色の外骨格を持ちます。また、SCP-3212-JPは類似の種と比較し、高い空間認知能力、高い知的思考能力を持ちます。当報告書執筆時点でSCP-3212-JPは本州全域、九州、沖縄にて生息が確認されています。

SCP-3212-JPは5〜10匹の群れをなして行動することが判明しています。現在、SCP-3212-JPはその形状や体長からSCP-3212-JP-1〜3の種類に分類されています。以下はその特徴です。

SCP-3212-JP-1: 体長5〜10cmまで成長する、SCP-3212-JPの中でも最大の種類です。SCP-3212-JP-1は他のSCP-3212-JPと異なり、1つの群れに1匹のみ存在します。他のSCP-3212-JPと比較して大きな、体毛が700本ほど生えた鉗脚を持ちます。また、他のSCP-3212-JPと比較して高い知的能力を持つと見られ、後述の採取イベントの際には他のSCP-3212-JPを牽引する様子も確認されます。

SCP-3212-JP-2: 体長2cmほどで、SCP-3212-JPの中で最も頭数の多い種類です。SCP-3212-JPの群れの中で物体の運搬や繁殖等の役割を担います。群れ内部で最も体長の大きいSCP-3212-JP-2が脱皮を繰り返すことで、SCP-3212-JP-1と変化します。同時に当該個体は他の個体の成長を阻害するフェロモンを分泌し、それによって群れにSCP-3212-JP-1が複数存在することを防いでいます。

SCP-3212-JP-3: 体長は4cmほどで、他のSCP-3212-JPと比較して水を保持する器官が非常に巨大であり、体内の殆どを当該器官が占めています。また、過酸化水素を保持する器官も存在しています。通常、保持された過酸化水素は外敵から群れを防衛するために使用されます。採取イベントの際は濃度5%ほどの過酸化水素水をSCP-3212-JP-1や対象に使用することで採取を円滑にする役割を担います。過酸化水素を混合する目的は明確に判明していませんが、細菌がSCP-3212-JP-1に感染することを防ぐ目的があるとの推測がなされています。SCP-3212-JP-3については群れの規模に応じ、一部のSCP-3212-JP-2が変化することが判明しています。

通常時、SCP-3212-JP群は他の甲殻類と同様の食事を行いますが、約1ヶ月に1度の頻度で採取イベントを行います。採取イベントはSCP-3212-JPの生存維持に不可欠ではありませんが、長期間採取イベントを行わなかった場合、SCP-3212-JPは極度のストレスを感じることが判明しています。採取イベントはSCP-3212-JPにとって群れとして結束を高める行為であるのではないかとSCP-3212-JP研究チームは推測しています。採取イベントは以下のプロセスで進行します。

SCP-3212-JP群はヒト(Homo sapiens)の密集している地域1へと移動し、以下の条件に一致するヒトの捜索を開始します。

  • 周辺にヒトが存在しておらず、SCP-3212-JP群が発見される可能性が低い。
  • 睡眠している。特に深い睡眠をしているヒトが選択される確率が高い。

該当するヒト(以下、対象)を発見した場合、SCP-3212-JP-1は対象の口内に侵入します。侵入後、SCP-3212-JP-1は鉗脚の体毛を用いて、対象の歯の周辺に存在する食べ残しや歯垢を除去します。その間、SCP-3212-JP-3によって体毛や口内が濡らされることで、より除去が容易になります。また、SCP-3212-JP-2は周辺の警戒や物品の運搬(補遺参照)を行っています。除去可能な食べ残しや歯垢が存在しなくなるとSCP-3212-JP-1は口外へと出て、SCP-3212-JP群は即座に当該地域から移動します。当プロセスはおよそ3~6分の間に行われます。

その後、SCP-3212-JP群はSCP-3212-JP-1の体毛に付着した食べ残し等を摂食します。「この摂食は採取イベントにおいて最も重要なプロセスであり、摂食が行われるか否かで採取イベント後の群れの結束力が大きく異なる」との報告がSCP-3212-JP研究チームによってなされています。

多くの場合、対象は採取イベント後に身体や精神の能力向上を報告します。これはSCP-3212-JP群によって歯垢等が除去されたこと、過酸化水素水によって口内環境の向上が発生したことや歯のエナメル質の漂白による外見の変化が要因であり、非異常のものであることが判明しています。採取イベントは短時間で行われることから、対象が採取イベントが行われたことに気づくことは殆どありません。

補遺: 採取イベントの際、SCP-3212-JP群は食べ残しの除去を補助するために周辺の物品を使用する場合があります。以下は使用された物品とその詳細のリストです。

使用した物品: ナマコ綱(Holothuroidea)の内臓。

詳細: SCP-3212-JP-1の体毛に付着させることで使用。その粘性や内臓に含まれる砂が歯垢を削り取ることによって容易に食べ残し等を除去することが可能である。口内に付着した内臓についてはSCP-3212-JP-2が摂食するため、口内に内臓が残存する例は確認されていない。また、多くの場合、対象は口内に残存した砂について、風などによって自然に侵入したものと解釈し、違和感を持たない。

使用した物品: フナムシ(Ligia exotica)の触覚。

詳細: SCP-3212-JP-2またはSCP-3212-JP-3が鉗脚を用いて使用。歯の隙間に挿入し、前後に動かすことで隙間の食べ残し等を容易に除去することが可能である。使用の際は複数のSCP-3212-JPが連携し、奥歯や前歯の隙間に対して順番に使用することが判明している。

使用した物品: ゴムやプラスチック。

詳細: SCP-3212-JP-1~3が鉗脚を用いて使用。鉗脚に装着することで口内を傷つけることを防止し、対象が覚醒する可能性を減少させることが可能である。また、歯の隙間に挿入し、前後に動かすことで隙間の食べ残し等を容易に除去することも可能である。使用の際は複数のSCP-3212-JPが連携し、奥歯や前歯の隙間に対して順番に使用することが判明している。

当物品はSCP-3212-JPが摂食して処理することができないため、破片等が口内に残存する場合がある。多くの破片は微小であり、対象がそれに気づくことはなく、ほとんどの場合で対象は当該破片を飲み込む。現在、当該破片が人体に及ぼす影響は正確に判明していない。SCP-3212-JP研究チームは「当該破片は肺炎やめまい、最悪の場合ガンを誘因する可能性がある」という推測をしている。

ゴミの不法投棄が多い地域に生息するSCP-3212-JPは当物品を使用する場合が多いことが判明している。

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