SCP-3213-JP

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アイテム番号: SCP-3213-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3213-JPはサイト-8102にある人型生物収容ユニットに収容されます。SCP-3213-JPには1日に2度、樋口一葉の写真をコピーしたものを食事として与えてください。収容を円滑にするため、SCP-3213-JPの食事はドローンを通して行われます。

説明: SCP-3213-JPは『学問のすゝめ』などの作品を著した思想家兼教育家として知られる福沢諭吉と外見的に同一の男性人型実体です。SCP-3213-JPは自身を福沢諭吉本人であると称していますが、記録されている生前の人物像と一致しない、自身が著した書籍の内容を全く覚えていないなどの特徴から、財団の研究員によってこの主張は否定されています。

SCP-3213-JPは生存のために栄養を必要としますが、SCP-3213-JPは一般的なヒトの食品を生理的に受け付けず、代わりに野口英世または樋口一葉に関連する文書・記録や日本円の貨幣を摂取することで生存を続けています。SCP-3213-JPが健康を維持するためには、1日に摂取した物体の総額が10000円を超えている必要があることが確認されています。なお、野口英世に関連する文書・記録は1000円、樋口一葉に関連する文書・記録は5000円、両者についての言及を含む文書・記録は6000円として数えられることが確認されています。SCP-3213-JPは福沢諭吉関連の文書や記録も摂取できることが実験により確認されていますが、SCP-3213-JPはこの行動を「心が痛い」「野蛮な行為」と称しており、精神的苦痛を受けることから推奨されていません。

SCP-3213-JPは視覚的に認識した人物に、「福沢諭吉の外見をした10000円札」と認識させる異常性を持ちます。このため、SCP-3213-JPを認識した人物同士ではSCP-3213-JPを10000円札と認識した上での取引が可能となります。この影響は写真や映像を通した上では発現しないほか、Aクラス記憶処理によって除去することが可能です。福沢諭吉に関する知識を持たない人物には「人型の10000円札」と認識されることから、SCP-3213-JPは人間の知識自体には異常性を与えないものと推測されています。

補遺: SCP-3213-JPは2004年11月に、京都府宇治市の平等院鳳凰堂において「福沢諭吉型の10000円札が突然現れて金を食べてきた」といった内容の通報を受け、京都府警に勤務するエージェントによって確保されたことで異常性が発覚し収容されました。発見当時、SCP-3213-JPは福沢諭吉本人と同一の存在であると考えられていましたが、収容後にSCP-3213-JPへと行われたインタビューによってその仮説は撤回されました。SCP-3213-JPを発見した人物にはカバーストーリー「強盗被害」とAクラス記憶処理が流布されました。

更新: 2024年█月、適切な食事を与えていたにも関わらずSCP-3213-JPが栄養失調の傾向を示し、12時間後に生命活動を停止しました。その後3時間ほどでSCP-3213-JPの体が内部から破損し、渋沢栄一と外見的に同一の男性人型実体が出現しました。その後人型実体は消失し、東京駅の丸の内駅舎周辺において落ちた硬貨を捕食しているところを財団に発見され、以前SCP-3213-JPを収容していた収容室へと輸送されました。実体の特徴はSCP-3213-JPと大まかに類似しているものの、以下の点が異なります。

  • 自身を「渋沢栄一」と名乗っている。
  • 認識した人物に、「渋沢栄一の外見をした10000円札」と認識させる認識災害効果を持つ。
  • 野口英世・樋口一葉に関連する文書・記録の代わりに、北里柴三郎・津田梅子に関連する文書・記録を主食としている。
  • 以前の「福沢諭吉」について言及したところ、動揺の表情を示した。

担当の穂田上級研究員により、この実体をSCP-3213-JPに再分類する案が出されました。要求は承認されました。

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