SCP-3246-JP
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五徳は一般的にはコンロの上で鍋を受けるのに使用される。

アイテム番号: SCP-3246-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: インターネットなどを通じてカバーストーリーとともに財団の把握するSCP-3246-JP-2の情報が一般社会に流布されています。SCP-3246-JP-1が儀式を実行する際に、可能な限り効力を損なう方法で、かつ対象がSCP-3246-JP-2、あるいは新規のSCP-3246-JP-2の要件を満たす人物となるように誘導してください。

SCP-3246-JP-2に対しては定期的にカウンセリングを行いSCP-3246-JPおよび関連する呪術に対する耐性を維持するようメンタルケアを継続してください。

説明: SCP-3246-JPは五徳の使用方法がその名称に反して5種類ではないことに関連する異常な強迫観念です。

被影響者(SCP-3246-JP-1)は初期には五徳の使用法が少ないことに軽度から中等度の違和感を抱き、他の使い方がないか試行錯誤し、多くは納得できる五徳の使い方を5種類実行することを目的として活動するようになります。「納得できる五徳の使い方」の基準は各SCP-3246-JP-1の主観に依拠しますが、試行した使用法がその基準を満たすことは稀です。

また、これに前後してインターネットなどで五徳の使い方を調べ、五徳が“丑の刻参り”などと呼称される呪術的儀式の際に頭に被るように使用されることを認識します。SCP-3246-JP-1は儀式を実行することに興味を持ちますが、実行対象の不在や罪悪感、呪術の危険性などの要因から実行を躊躇します。強迫観念は漸増するため、最終的には丑の刻参りを実行する傾向にありますが、可能な限り罪悪感を抱かずに済む人物を対象に選びます。

実在する人物を対象として丑の刻参りを実行することがSCP-3246-JPの影響から脱する唯一の方法であるとされています。この際丑の刻参りの手順が儀式として有効である必要はありませんが、五徳が使用されなかった場合はSCP-3246-JPの影響が持続します。この際、丑の刻参りの対象となった人物が新たにSCP-3246-JPの影響を受けます。すでにSCP-3246-JP-1である人物が対象となった場合は影響が累積することはありません。

なお、丑の刻参りが呪術として有効な手順を踏んで行われた場合、SCP-3246-JPの影響とは独立に呪術的効果が発動することが確認されています。

補遺: SCP-3246-JP-1が「納得できる五徳の使い方」を5種類認識することに成功した場合、SCP-3246-JP-1は五徳の使い方の探求については「成し遂げた」ものと主張し、SCP-3246-JPに起因する行動変容や他のSCP-3246-JP-1による呪術に対して「克服」と称する高い耐性を示すことが明らかになりました。この状態に至った人物はSCP-3246-JP-2に振り分けられます。

ただし、SCP-3246-JP-2となった場合にもSCP-3246-JPの影響から脱することはありません。強迫観念についてはSCP-3246-JP-2が「解決したもの」と認識しているに過ぎず、依然として「五徳の使い方は5種類あるべきである」という観念の影響下にあります。

SCP-3246-JP-1の実行する丑の刻参りを呪術的効力を持たない内容に、かつ対象がSCP-3246-JP-2であるよう誘導することでより多くの人物がSCP-3246-JPの影響から脱することを目的としたプロトコルが制定されました。

現在財団はWEBサイト“丑の刻参りポータル”を運営しています。当該WEBサイトは「丑の刻参りをしたいけど呪殺したいような相手がいない人物に、安全な丑の刻参りの方法と呪い返しのリスクの少ない相手を伝授する」と謳い、呪術的効力を可能な限り廃した丑の刻参りの方法、及びSCP-3246-JP-2が対象となるよう調整した個人情報を流布しています。これによりSCP-3246-JP-1の行動を誘導するとともにSCP-3246-JP-1の疑いがある人物を逆探知で把握することが可能です。

以下はSCP-3246-JP-1の丑の刻参りの対象として収容を担当するSCP-3246-JP-2に対する担当研究員のインタビュー記録です。


[記録開始]


██研究員: それではインタビューを開始します。あなたは今も五徳の使用法が5つ必要であるとお考えなんですね?

SCP-3246-JP-2:当たり前じゃないですか。使い道が2つしかなかったら、五徳じゃなくてニトクになっちゃいますよ![笑う]

[中略]

██研究員: では、貴方が他のSCP-3246-JP-1による丑の刻参りの対象となったとしても、SCP-3246-JPの影響の累積は認められず、さらにそれとは独立であるはずの丑の刻参りの呪術的効果に対しても耐性を獲得しているとお考えなのですか?

SCP-3246-JP-2: その通りです。五徳の試練を成し遂げられず丑の刻参りに逃げた者たちの呪術などが、それを成し遂げた私に通ずる道理はありませんから!いくらでも無力化して見せますとも!

██研究員: それは頼もしいですね。

SCP-3246-JP-2: 大船に乗ったつもりでいてください!

██研究員: ありがとうございます。貴方のお陰で財団は五徳の有用な使用法をまたひとつ見つけたことになりそうですね!

SCP-3246-JP-2: [沈黙]

██研究員: SCP-3246-JP-2?どうしました?

[SCP-3246-JP-2は不明瞭な発語とともに顔面蒼白となる。眼球結膜の充血および点状出血が確認され、次第に全身が鬱血し、眼球が上転する]

██研究員: インタビューを中止します!医療班!医療班を呼んでください!

[記録終了]


SCP-3246-JP-2に対して救命措置が施されましたが、12分後に死亡が確認されました。

SCP-3246-JP-2の死亡直前の発語が記録音声から解析されました。以下はその内容の書き起こしです。

それじゃあ ロクトク じゃないかよお

インタビューの内容からSCP-3246-JP-2の呪術耐性は「五徳の使用法が5つある」という認識に依存しているものと考えられています。解析された音声はこの認識が崩れたことで耐性を失ったことを示唆します。

死因は急激な血圧上昇に伴う脳出血および大動脈破裂と診断されました。また、SCP-3246-JP-2の心筋には異常な収縮を認めた形跡がありました。SCP-3246-JP-2が呪術耐性を失ったことで財団により誘導されていた丑の刻参りに僅かに残存した呪術効果が累積して発動し、致死的な結果に至ったものと推測されています。

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