アイテム番号: SCP-3271
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3271は、常に保安職員2名の警護下にある5m×5m×5mのヒト型生物収容チャンバーに収容されます。この収容チャンバーには雨水の蓄積を防ぐための排水システムを備え付けます。収容チャンバー内における制御不可能な落雷を防止するため、SCP-3271は猿轡を噛ませた状態に保ちます。
SCP-3271から出現した物体や実体は鎮圧し、更なる分析のために二次的収容の対象とします。SCP-3271の全ての栄養補給は、栄養チャート3271-1に従って静脈内投与の形式で行われます。
説明: SCP-3271は、永続的な激しい雷雨を内包する異次元空間を体内に宿した、エイドリアン・ナイトという名の35歳の男性です。この空間の存在はSCP-3271に生物学的問題を引き起こしていないようであり、SCP-3271は未だ正常な身体機能を働かせることが可能です。しかしながら、空間の存在によって、幾つかの肉体的な異常性が明らかになっています。
SCP-3271の皮膚は、異次元空間由来と推定される膨大な量の雨水を絶え間なく放出します。同様に、SCP-3271が口を開くと、そこから稲妻が噴出することが知られています。これらの肉体的異常は、SCP-3271に著しい苦悩を齎している一方で、SCP-3271への物理的な危害は加えられないようです。
時折、飛行機やヘリコプターなどの乗り物を縮小したものに似た物体がSCP-3271の口中に現れることが分かっています。これらの乗り物はエンジニアリングと構造において極めて正確ですが、全ての事例で完全に空です。
SCP-3271の起源は不明確です。SCP-3271は、自らの名前を除いては、フロリダ州タラハシーに唐突に出現する以前の記憶を全く有していないと主張しています。対象が自らの状況と異常な体質を地元警察に通報した時点で、当地の財団職員が速やかに介入し、SCP-3271を収容下に移送しました。
補遺3271-1: 2017/02/03、縮小サイズの財団無人探査機らしき物体がSCP-3271の口から出現し、収容チャンバー内を調査し始めました。その小ささとそれによる脆弱性のため、当該オブジェクトは収容に際して軽微な損傷を負いました。しかしながら、以下のデータが探査機から無事に回収されました。
- ロサンゼルスの“HOLLYWOOD”サインの画像。激しい雨が降っている。看板はベーコンサンドイッチのように見える物体の欠片で部分的に押し潰されている1 。
- ニューヨークのタイムズ・スクエアの画像。激しい雨が降っている。数多くの人々が、通りを上ってくる相当な大きさの波から逃げようとしているように見える。
- 大洋のただ中に浮かぶ、ボートや船の大規模な集まりの画像。激しい雨が降っている。高層ビルの頂点が水面から突き出しているのが見える。
- ある種の研究室で撮影された、SCP-3271と同一の容姿をした人物がカメラに向かって話す2分間の動画クリップ。このクリップの音声は失われているが、男性はパニック状態と思しき様子で早口に話している。巨大な円筒形の機械が男性の背後に映っており、動画は男性が機械側面のレバーを引いた時の閃光と共に終了する。背景の窓の外で、激しい雨が降っているのが見える。