SCP-3272-JP
評価: +30+x
blank.png

アイテム番号: SCP-3272-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3272-JP-Aの存在すると思われる建造物が発見された場合、カバーストーリー「老朽化の可能性」を適用し、当該建造物の補強や取り壊しを行った後、SCP-3272-JP-Aを回収してください。

SCP-3272-JP-Aの存在する建物の特定作業は継続されます。

説明: SCP-3272-JPは建造物を建設する際に行うことで異常性を発揮する一連の動作の総称です。SCP-3272-JPには「ヒト(Homo sapiens)を建造物内に埋める」「少なくとも一人の建設担当者が前手順にて埋めたヒトの血液をおよそ200ml摂取する」等の手順が含まれるため、意図せずSCP-3272-JPを行う可能性は限りなく低いです。SCP-3272-JPの完全な手順については担当職員に申請することで閲覧が可能です。

SCP-3272-JP完了後、手順実行中に建造物内部へと埋められたヒトはピスティファージ実体1へと変化します(以下、当該実体をSCP-3272-JP-Aと呼称)。現在確認されている全てのSCP-3272-JP-Aは意思を持っていないように見受けられます。SCP-3272-JP-Aは自身の存在の維持を最低限しか行わず、発するアキヴァ放射量2も非常に微量です。

SCP-3272-JP-Aは得た信仰の大部分を自身の存在する建造物の維持に使用します。そのため、当該建造物は以下のような特徴を獲得します。

  • 破壊に対する微小な耐性。
  • 風化に対する耐性。
  • 形状を保持する力の向上。

結果として、当該建造物は通常のものと比較し、より長期間使用することが可能です。調査の結果、以上のような特徴は最低一名以上がSCP-3272-JP-Aを信仰している際に発現することが判明しています。また、SCP-3272-JP-Aが建造物内から掘り出されると全ての効果は消失します。

補遺: ██建設(19██年に倒産)が建設の際にSCP-3272-JPを使用していたことが判明しています。現状、インタビュー等によりおよそ47件の使用事例が判明しています。

██建設はSCP-3272-JPを「人柱を作る儀式。行うことで建物が壊れにくくなる」と認知しており、SCP-3272-JP-Aの建造物を保持する性質を利用していたものと見られます。埋める為のヒトを周辺から誘拐する等の非人道的行為を行うことから、SCP-3272-JPの存在を認知していたのは██建設内部でも一部の人間に限られていました。

また、██建設には建設を行う際の日常的な手抜き行為が確認されていました。しかしながら、SCP-3272-JP-Aの性質により、当該建造物に致命的な影響は発生していなかったことが判明しています。

20██/██/██、以下のような事例が発生しました。当事例により財団の把握していないSCP-3272-JP使用事例が存在する可能性が浮上しました。

事例-3272-JP-3

詳細: ██市内に位置する住居が突発的に倒壊しました。しかしながら、当該住居には老朽化の兆候等は確認されていませんでした。調査の結果、当該住居は██建設により建造されたことが判明しました。また、同日██建設の元従業員である高橋 義教が老衰により死亡していました。

当事例はSCP-3272-JP-Aを認知している人物が存在しなくなり、信仰の供給が断たれたことで発生したと推測されています。

当事例を受け、存命の██建設元従業員に対して再度の調査が行われましたが、高齢化による記憶の混濁により、有益な情報を得ることはできませんでした。SCP-3272-JP-Aの捜索も行われていますが、発するアキヴァ放射量も非常に微量であることから検知が困難であり、捜索は難航しています。

現在、財団はSCP-3272-JP-Aを唯一認知していると思われる██建設元従業員らの延命および記憶の明瞭化、██建設の担当したおよそ████箇所におけるSCP-3272-JP-Aの捜索、██建設SCP-3272-JP関連資料の再調査および捜索を行っており、およそ17件のSCP-3272-JP使用事例を発見することに成功しました。

SCP-3272-JPによるものと思われる倒壊事案は現在まで48件発生しています。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。