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SCP-3310: 湖の老人
原著者: stormbreath
画像: Crater Lake Old Man of the Lake
発想元: 湖の老人とラオ
あのヨレハマツの林カノンの一部。
この作品の著者の他の作品はこちら。
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「湖の老人、私たちが呼ぶところのSCP-3310は複雑な奇跡論的儀式システムの中核で、不明なオントキネティック能力、ピスティファージ的性質、デウモーフィック特性を持つ休眠状態の最上級多能性実態の破滅的な再誕を阻止しています」
僕にはまだ彼の口にする言葉が何一つ理解できなかった。
淡海あふみ浮く
霧より化生
和に浮かべ
撮影された行動: 妨害されない状態でクレーター湖に浮いている
撮影結果: 光景が完全に切り替わる。写真の大部分はウィザード島の岸から生えているドクニンジンの木で占められている。2体の未知のヒト型実体が木の根元に見え、その内1体が相手の心臓を引きずり出して摂食している様子が描かれている。
注記: 各々の実体が伝承におけるどの実体を指しているかは不明である。
アート:
by stormbreath
アイテム番号: SCP-3310
オブジェクトクラス: Archon
特別収容プロトコル: SCP-3310をクレーター湖から撤去することができないため、収容の努力はSCP-3310の浮遊を妨げた際に発生する活性化イベントを防止することに焦点が当てられています。SCP-3310を湖から引き上げてはならず、またSCP-3310が動けなくなった場合は直ちにSCP-3310を解放するか湖に戻します。
財団エージェントはアメリカ合衆国の公園課に潜入し、クレーターレイク国立公園の職務に就きます。エージェントはSCP-3310に対する物理的な妨害を阻止することで、活性化イベントを防止・抑制します。エージェントの採用はクレーターレイク国立公園で既に働いている公園課の職員から直接行っても構いません。
潜入職員はその公的な身分を利用してクレーター湖への潜水探査を未然に阻止します。阻止し切れなかった際は探査者がSCP-3310を拘束しないようにし、代わりに別の手段でSCP-3310の位置をコントロールするよう求めます。
クレーター湖周辺で異常な、あるいは不自然な天候パターンが見られた場合、潜入職員は直ちにSCP-3310が自由浮遊の状態にあり、拘束されていないことを確認します。SCP-3310の浮遊が何らかの形で制限されていた場合は潜入職員がSCP-3310を解放します。
活性化イベントが発生した場合、潜入職員は発生したSCP-3310-Γ実例を捜し出し、必要なあらゆる手段 (終了を含む) を講じてクレーター湖への接近を阻止します。
説明: SCP-3310はクレーター湖1に浮かぶ全長9mの切り株です。SCP-3310は異常な作用により縦向きに浮いており、常に上端から約1.2mが水上に出た状態を保っています。湖から引き上げて再び湖に戻した場合、SCP-3310は元の状態に戻ります。
SCP-3310は非異常な天候パターンの結果としてクレーター湖に浮かんでいます。SCP-3310の動きを妨害した場合、2つの独立した (関連している可能性もある) 超常現象が発生します。これをそれぞれSCP-3310-ΣとSCP-3310-Γに指定します。かつて活性化イベントはSCP-3310がクレーター湖から引き上げられた際に発生していましたが、最近の活性化イベントはSCP-3310がクレーター湖内にある状態でも発生しています (補遺-A参照)。いずれの現象もその発生原因が取り除かれた段階で終了します。
財団と全米確保収容イニシアチブ (ASCI) により、計7回のSCP-3310活性化イベントが記録されています。
SCP-3310-Σはクレーター湖周辺で異常な天候パターンが発生する現象です。この天候操作パターンの性質や程度はイベントごとに異なります (補遺-A参照) が、概してSCP-3310-Γ実例を標的としている (特に妨害している) ようです。
SCP-3310-Γはクレーター湖の周囲に数体の未知の実体が出現する現象です。出現後、すべてのSCP-3310-Γ実例はクレーター湖に向かって進み始めます。記録上、クレーター湖に到達したSCP-3310-Γは存在しません。この行動の理由やクレーター湖にSCP-3310-Γ実例がたどり着いた場合に生じる影響については現時点では不明です (これに関する仮説は補遺-Cの説明を参照)。
SCP-3310-Γ実例の正確な性質は活性化イベントごとに異なりますが、ダークグレーで半透明の姿をしているという点は概ね共通しています。SCP-3310-Γ実例の姿もイベントごとに異なりますが、1つのイベントで出現するSCP-3310-Γ実例は1種類のみです。
歴史: SCP-3310はクレーター湖周辺で「幽霊飛行機」の目撃報告2の調査に当たっていた全米確保収容イニシアチブにより1894年に発見されました。ASCI職員はSCP-3310を異常存在とみなし、意図せず最初の活性化イベントを発生させました。
2年後の1896年、SCP-3310は民間の地質学者であったジョセフ・ディラーにより発見されました。彼はSCP-3310について記録し、同行していた調査チームのメンバーにそのことを話しました。1902年、SCP-3310に関する記述を含んだディラーの調査報告が公開されました。
これに対し、ASCIは国立公園というステータスがあれば警備や保護活動を増強し、SCP-3310を収容することが容易になると判断し、クレーター湖とその周辺一帯を国立公園にしようとするロビイング活動に参画しました。この活動が実を結び、クレーターレイク国立公園が発足しました。
現在、SCP-3310の存在は公知のものとなっています。1988年の事件が原因で、SCP-3310がSCP-3310-Σと関係しているという話は知られていますが、民間人からは迷信か偶然であるとみなされています。財団はSCP-3310の特異性や常に縦向きに浮き続けていることについて説明を与えると同時にSCP-3310とSCP-3310-Σとの関連性について本格的な科学的調査が入らないよう、偽情報を流布しています。
1894年9月6日の活性化イベント | |
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原因 | SCP-3310の特異性を縦向きに浮かび続けることのみであると考えたASCIによりクレーター湖から引き上げられた。 |
Σイベント | 瞬く間にウィザード島に霧が立ち込め、クレーター湖や周囲の森林を完全に覆うほどにまで急速に拡大した。 |
Γイベント | ASCI職員により、薄ぼけた人型実体群が観測された。正確な外見は識別できなかったものの、解剖学的に正常な人類とは明らかに異なっていたと報告されている。3 |
再収容 | クレーター湖の周囲で急速に異常な天候パターンが観測されたことから、ASCI職員はSCP-3310をクレーター湖に戻す許可を要請した。30分後、要請が認められ、SCP-3310はクレーター湖に戻された。SCP-3310が縦向きに浮いた状態になると、即座に霧はウィザード島へ後退していった。 |
1900年5月4日の活性化イベント | |
原因 | SCP-3310の特異性の再文書化と収容戦略の確立を目的として、ASCI職員がSCP-3310をクレーター湖から引き上げた。 |
Σイベント | クレーター湖の上空に嵐雲が現れ、異常な量の雨を降らし始めた。1時間後には降水量は3mを記録し、クレーターレイク国立公園は大規模な洪水に見舞われた。 |
Γイベント | クレーター湖へ這い寄る巨大な蛇型実体が発見された。実体は降雨によるぬかるみのせいで上手く進むことができていなかった。 |
再収容 | SCP-3310-Γ-2がクレーター湖に近づいているのが見えた後、ASCI職員は実験の終了を決定し、SCP-3310をクレーター湖に戻した。SCP-3310が戻されたのは試験開始からおよそ45分後である。 |
1917年8月19日の活性化イベント | |
原因 | 特異性の再確認のため、新設組織であったSCP財団がSCP-3310をクレーター湖から引き上げた。 |
Σイベント | クレーター湖の周りの風速が急激に増大し始め、周囲に竜巻が発生する。SCP-3310がクレーター湖に戻された時点での風速は120 km/hであり、30分以内に300 km/hに達していたであろうと推測されている。 |
Γイベント | 推定翼幅5〜6 mの巨大な鳥型実体がクレーター湖に向かって飛行している姿が見られた。しかしあまりの風速に耐えきれず、何度か地面に墜落していた。 |
再収容 | 1時間後、財団職員はSCP-3310をクレーター湖に戻した。 |
1945年12月3日の活性化イベント | |
原因 | ウィザード島で以下のメモ (補遺-Bを参照) が発見されたことを受け、特異性の試験のためにSCP-3310はクレーター湖から引き上げられた。 |
Σイベント | クレーター湖の上空に嵐雲が現れ、周囲に異常な数の雷を落とし始めた。試験開始から1時間後には、1分当たり推定200回の落雷が観測された。 |
Γイベント | 大量の犬型実体群がクレーターに向かって押し寄せた。実体の大半はSCP-3310-Σに起因する雷の直撃を受けた。 |
再収容 | 1時間後、財団職員はSCP-3310をクレーター湖に戻した。 |
1988年██月██日の活性化イベント | |
原因 | クレーター湖の潜水探査を安全に行うため、民間の研究者らがSCP-3310をウィザード島の東岸に固定した。4 |
Σイベント | SCP-3310がウィザード島に繋がれた途端に嵐雲が現れた。SCP-3310の拘束を解くと嵐雲は消えた5 |
Γイベント | データ削除済 |
再収容 | 民間の研究者は計画していた潜水探査を打ち切り、迷信に従ってSCP-3310の拘束を解くことを決めた。SCP-3310周辺の財団の警備は増強された。 |
1996年5月21日の活性化イベント | |
原因 | SCP-3310は自然の岩肌に引っ掛かり、抜け出せなくなった。 |
Σイベント | クレーター湖の上空に嵐雲が現れ、雹が降り始めた。雹のサイズは異様に大きく、直径は3 cm 〜 30 cmであった。 |
Γ イベント | 推定肩高およそ2.5 mの5体の鹿型実体群が集団でクレーター湖の方へ進んでいるのが発見された6。 |
再収容 | 潜入フィールド工作員のランス・オーウェンズは直ちにこの超常現象の原因がSCP-3310であると突き止め、活性化イベントから15分以内にSCP-3310を解放することができた。 |
2005年7月28日の活性化イベント | |
原因 | SCP-3310はクレーター湖にあった網に絡み取られた。このイベントの直前におけるSCP-3310の状況に関する詳細な情報は補遺-Dを参照。 |
Σイベント | 潜入職員がすぐに気付くような天候パターンはなかった。後のマザマ山に関する地理的分析により、活性化イベントの時刻辺りで短期間の火山活動が起こっていたことが示された。 |
Γイベント | 推定身長およそ8 m 〜 10 mの巨大な人型実体がクレーター湖の方へ歩いているのが発見された。実体は小火器では目に見えるようなダメージを受けず、クレーター湖の方へ歩き続けた。 |
再収容 | 潜入フィールド工作員のランス・オーウェンズは直ちにこの超常現象の原因がSCP-3310であると突き止め、活性化イベントの開始から5分以内にSCP-3310を解放することができた。 |
補遺-B: パングロスのメモ
以下のメモとSCP-3310の絵画的描像は、1945年11月30日にウィザード島の石に刻み込まれているのが見つかりました。
死者が埋葬された場所を示す墓石もあれば、死者が埋葬されたままにするための墓石もある。ラオの墓石は後者だ。
-パングロス
補遺-C: 戦術神学局の報告
戦術神学局により執筆
題名: ラオとクレーター湖
日付: 1945年12月15日
サイト: 聖遺物エリア27
報告: 戦術神学局の調査により、ラオとはネイティブアメリカンのクラマス族の伝承に登場される、クレーター湖の周辺地域に固有の神であると判明しました。この伝承において、ラオは冥府と魔物を統べる神であり、天空と獣を司る神であるスケルと対立していました。ラオは既に死亡し、その死体はクレーター湖にあるとされています。
以下はその伝承における神話の1つを翻訳したものです。
スケルとラオは最も力強い神であり、互いに争い続けていた。スケルは天空を統べ、獣の魂を支配していた。ラオは冥府を統べ、魔物の魂を支配していた。
ある日、ラオとスケルが戦いに挑んだ。より強く、より獰猛であったラオはスケルを打ちまかし、そのまま殺害した。ラオはスケルの心臓を引き抜くと、自らの領地であったマザマ山へ帰還した。
ラオは戦勝を祝うため、あらゆる魂をマザマ山へ招いた。スケルに仕えていた獣の魂さえもマザマ山へやって来た。ラオは数多くの余興を行い、宿敵に打ち勝ったことを祝った。
その余興の1つに、スケルの心臓を使う遊びがあった。その最中に獣の魂は魔物の魂から心臓を奪い取ることができた。獣の魂は心臓を掴み取ると祝場から逃げ出した。
魔物は獣たちを捕え、心臓を取り返そうとした。しかし獣の方が素早かったため、彼らは心臓を持って逃げおおすことができた。獣たちは取り戻した心臓を用いて儀式を行い、スケルを甦らせた。
生き返ったスケルは再びラオに立ち向かった。スケルは今回は負けず、ラオを打ち殺した。スケルはラオを引き裂いてクレーター湖にばら撒くと、魔物たちはその肉をスケルの身体であると思い込み、それらを貪った。しかしスケルがラオの頭を湖に投げ込むと、魔物たちはそれが誰の肉であるかを理解した。ラオの頭はウィザード島となった。それからスケルは湖にラオの心臓を投げ込んだ。
主を失ったことを悲嘆した魔物たちの身は砕けて風へと変わり、二度と姿を見せなくなった。獣の魂は定命の姿で大地を歩くようになり、今日までこの世は彼らの物である。
また、戦術神学局はクレーター湖周辺で高レベルのアキヴァ放射を確認しました。これは神、あるいはそれに類似する実体が存在していたことを示しています。アキヴァ放射の値は直近の活性化イベント時に急増しており、その時点で神格実体が存在していた、あるいは活性化していた可能性が示されています。
戦術神学局は、これ以上のSCP-3310の試験を直ちに中止し、すべての取り組みは以降のイベントの発生を防ぐために行われるべきであると正式に勧告します。またSCP-3310-Γは必要なあらゆる手段を用いてクレーター湖に辿り着かないよう妨害すべきであると勧告します。最後にSCP-3310の積極的な収容は合意的現実にとって有害であると考えられることから、SCP-3310をSafeからArchonへ再分類するよう勧告します。
補遺-D: 現在の状況
報告者: フィールド工作員ランス・オーウェンズ
イベント発生日: 2005年7月24日
イベントの危険度: 低
シグマの形態: 複数
シグマの形態: 複数
イベント期間: 進行中
ここに書くのが正式なやり方なのかは分かりませんが、他にどうしたら良いのか私は知りません。例の「老人」7が動けなくなっていたらこれを使えとは言われましたが、それ以外で何か連絡する必要がある時にどうしたら良いのか誰にも教えてはもらえませんでしたからね。私が説明を受けたのは3310に対して何をしたら良いかということだけで、それが財団との唯一のやり取りです。間違っていたらすみません。
SCP-3310の活性化イベントは起きていませんがクレーター湖の周りで幾つか奇妙なことが起きていて妙だと思っています。それ自体は取るに足らないような些細なことや断片的な情報の寄せ集めです。それがあまりに積もり積もったので、伝えておくべきではないかと思った次第です。
本題に入りましょう。まず最初に、最近はクレーター湖の周りの天気が変になっています。「老人」が一切問題なく湖に浮いてる時でさえです。シグマイベントの時ほど大規模ではありませんが、それ単体ではどうということはないような小さな事件が続いています。
最近は気温がおかしくなっています。先週は気温が90度 (訳注: 摂氏およそ32度)まで上がっていて、この時期の平均気温より明らかに高いです。その気温のまま1時間が経って、ようやく60年台の頃の普通の気温まで落ちました。断っておきますが、これは初めてのことではありません。この10年間というもの夏が来るたびに2回は起きていますし、冬になると今度は真逆のことが起きます。
天気もどこか妙です。3週間前は7月なのに1フィート (訳注: 約30 cm) も雪が積もりました。7月に雪が降るのはここだと珍しくもないですが、昔より頻度が増えています。「老人」を探しに外に出ましたが、彼はクレーター湖の中央でぷかぷかと浮かんでいて無事でした。雪は降り続いていて、季節外れとことを除けば普通の小雪でした。「老人」のことをずっと見張っていましたが、彼はいつも通りでした
ひょっとしたらガンマに関係があるかもしれない奇妙なものを何度も見ました。繰り返しになりますがそういうのを見た時も「老人」は問題なくクレーター湖の中にありましたし、動きが邪魔されていたことはないのでガンマではないことも確認済みです。
96年のイベント以来、満月になると狼の吠える声がします。声が大きいから数マイル (訳注: 1マイルは約1.6 km) 離れていても聞こえるはずです。問題といえば1つだけ。クレーターやその周りには狼なんて1匹もいないということです。ある満月の夜に私は問題の調査に出かけました。
湖まで降りていくと、車くらいのサイズの狼が何十匹も集まって遠吠えをしていました。そこにいた私のことは全然気にも留めずに立ち上がって水辺で吠えていたんです。体は全員グレーで、アッシュが話してくれたガンマとそっくりのぼやけた姿をしていました。僕が銃を取りに行って戻ってきた頃には奴らは消えていました。
今年の初夏、キャンパーが来ていたので僕とアッシュはまずいことが起きないようにとキャンプに残っていました。その夜、どこからか低いブーンという音が聞こえてきました。キャンパーたちはUFOだと騒いでいましたが、そうではないことは私たちには知っていました。音は次第に大きくなっていましたが、キャンパーたちから目を離す訳にもいかないので何が起きているか確かめには行けませんでした。
音はさらに大きくなって、しばらくするとキャンプの上を黒い影が通りすぎて遠くへ去っていくのが見えました。僕がそれを追いかけて、アッシュはその場に残ってキャンパーを見張ることになりました。2、3分後を追ったところで先に進めそうな道がなくなったので、僕は「老人」を確認しに行きました。
湖に着いた後はボートに乗って「老人」を探しました。「老人」はぽつんと静かに湖を漂っていました。その綺麗で平和な風景に突然あの影が空から水面に飛び込んできました。ここが一番奇妙な点なのですが、奴は水中に潜ることなく、まるでコンクリートに激突でもしたみたいに水面をバウンドしました。水しぶきも爆発も起きませんでした。ただ上に跳んでそれっきりでした。
今すぐ結論を出そうという話ではありません。私自身どれも「老人」と関係があるようには見えなかったから報告を躊躇っていたくらいです。でも最近思うんです。これがどういう仕組みになっているのか、本当のところは誰も分からないのではないかと。ひょっとしたら研究室の頭の良い人たちがとっくに全部解き明かしてくれているのかもしれませんが、そんな話は一度も聞いたことがないですからね。もしラオが「老人」を克服する方法を編み出していたり、もっと強くなっていたりしていたら?
最近の状況を見る限り、「老人」は上手く機能していないように思えます。10年前のインシデントは「老人」がクレーター湖にいるときに起きています。記録にはASCIIは「老人」を縛り付けても反応がなかったと書かれている以上、最近になって何か変化が起きていることは間違いありません。例のゴーストや小さな天候の乱れの件も含めて、何かが封じ込めを掻い潜っているような気がしてなりません。