SCP-3312
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アイテム番号: SCP-3312

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 財団のウェブ監視システムは、動画共有プラットフォーム・クラウドデータベース・チャットフォーラムなど、全てのソーシャルメディアに対し、SCP-3312の兆候がないか監視しなければなりません。SCP-3312に関連するリンク・URL・広告はRR-113プロトコルで無効化します。ATFへの全ての手がかりは、将来の参照のために記録されるものとします。

SCP-3312の影響を受けた人物に対し、ステージ3以前の人物の場合クラスB記憶処理剤を投与します。ステージ4と5の人物にはクラスAの記憶処理剤を投与します。肉食性のステージ6の人物は、サイト-990に収容します。ステージ6の後の未発見のステージを経験した人物は確保し、試験のためにサイト-990に移送します。

説明: SCP-3312は、ファンサイトを偽って存在し、商品・メディア・二次創作物(以下に詳述)を消費するように誘導するミーム的主体です。SCP-3312は、アマチュア起業家集団「Accelerate The Future」(以下ATF)に由来することが知られています。(記録ログ-08/16および事例ログを参照)

ATFは現在、一般的に「ケモナー」と呼ばれる、擬人化された動物愛好家のコミュニティに強く関心を持っています。ミーム的主体の影響を受けた以前の事例には、██████社の漫画・██████ █████████で制作されたアニメ番組・[削除済]などがあります。

201█年5月7日現在、SCP-3312は、ケモナーのコミュニティ中心のウェブサイトとして情報災害化して適応しています1。サイトの内容は、サイトそのものと同じミーム効果を持っています。

現在のSCP-3312は6つの段階で人間に影響を与え、以前にケモナーのコミュニティに関与したことのない人物にのみ影響を与える可能性があります2。SCP-3312は、ステージ4を過ぎた時点で強迫的なミームから精神影響作用へと進化していることに注意してください。

ステージ1: SCP-3312に曝露されると、影響を受けた人物は主流のメディアに登場する擬人化されたキャラクターに興味を持つようになります。その対象には版権マスコット・アニメ・ゲーム・シリアルの箱のイラストがありますがを含みますが、これに限りません。SCP-3312の強迫性影響はこの段階では比較的軽度であり、SCP-3312はステージ1の症例の82%で副作用なく無効化されています。

ステージ1の影響を受けた人物は、20██年11月8日に初めて発見されました。その後まもなく、財団のウェブ監視システムがATFが利用していたチャットルームの履歴記録を発見しました。

ステージ2: 影響を受けた人物は、ケモナーのコミュニティへの参加を開始します。コミュニティへの貢献としては、自分を代表する擬人化された動物のキャラクター(アバター)の作成、擬人化された動物を題材にしたデジタルアートや伝統的なアート、前述のキャラクターを用いたフォーラムベースのロールプレイングゲームなどが挙げられます。ステージ2の人物は、ケモナーの非異常なメンバーとは区別がつきません。ステージ2の人物によって作成されるキャラクターは、ATFメンバーの「olliefox」のそれと酷似しているので注意が必要です。

ステージ3: 影響を受けた人物は、ケモナーのコミュニティに否定的な意見を共有しているインターネットユーザーを積極的に探し出し、SCP-3312を紹介します。ステージ3の人々がSCP-3312を共有することで、SCP-3312の拡散は飛躍的に増加します。ステージ3の人物は時間の大半をATFのウェブサイトに費やします。

ステージ3の人々によるケモナーのコミュニティへの関与は、急速に強迫観念のレベルに達します。
特定のステージ3人物の注目すべき行動は以下の記録の通りです:

- 複数のソーシャルメディアに複数のロールプレイング専用アカウントを開設

- ███の動物コスプレ衣装を平均█████ドル購入

- フォーラム投稿を通じたSCP-3312への███の紹介

- ATFメンバー「olliefox」に連絡しようする一貫した試み3

- ケモナーコミュニティのメンバーの欲望をテーマにした政党を作ろうとする試み。これには、フォーマルな職場環境で動物の衣装を着る権利の主張・動物をテーマにした祝日の提案・"awoo"4の合法化か禁止かの継続的な議論、などが含まれます

- ██はケモナーのコミュニティに関する政党のため既知の場所の襲撃した逮捕者を記録。彼らの容疑には、治安妨害、麻薬の所持と売買、暴力行為、誘拐が含まれています

- 地域の熱狂的な大会や仮装イベントでカルト教化された██件の事例。カルトの実践には、「██████と親しくなる」ために[データ削除済]を犠牲にすることを含んでいました。現在、SCP-3312に直接関係のない身体的および心理的治療のために6人が入院しています

ステージ3へのシフトが判明しているものの約60%が9/25に発生しています。その数日前に、さらにいくつかの記録ログが発見されました。

ステージ4: 行動変容は言語コミュニケーションの変化と連動して進行します。記録されている全ての実例はステージ4の期間中、思春期前の子供としてふるまいました。ステージ4の人物は、自分の欲求に適切に対応することができず、持続可能な意思決定を維持するために外部の支援が必要になります6

ステージ4は、ケモナーのコミュニティへの完全な献身を誘発し、すべてのケースにおいて、影響を受けた人物の経済・社会的交流・雇用・家族関係・生活状況に否定的な変化が起きています。影響を受けた人物の家族に対する複数のインタビューで、ステージ4に進むと家族間のコミュニケーションが突然途絶えてしまうことが明らかになっている。さらにインタビューを行ったところ、ステージ4を過ぎた人物は、ケモナーのコミュニティを「本当の」家族だと考えており、彼らの行動を助長する人たちとしかコミュニケーションを維持しないことが明らかになっています。

ステージ4の人物の生活条件は人間には不適当になります。自分自身を含め、SCP-3312の外にあるものには手を出したがらない傾向のために、居住環境は急速に悪化します。誘発される行動は、重度の溜め込み障害者の行動と一致していることが指摘されています。ステージ4の55%の人は、自分自身と居住地の両方を無視したために、立ち退きを迫られたり、さらにホームレスになったりした経験があります。

ステージ5: 影響を受けた人物は、自分自身が擬人化されたキャラクターであるという妄想に苦しみ、あらゆる手段を用いてこの妄想を永続させようとします。この段階では非異常なコミュニティからの拒絶が開始され、影響を受けた人物同士が結束します。ステージ5の特定の人物の注目すべき行動記録は以下のとおりです:

- インディアナ州の██████████動物園で、ステージ5の人物が█頭の肉食動物との性交に失敗し、該当の動物を負傷させました

- █████の████工場のアナベル・Y█████の終了。█人の従業員を巻き込んだ人質事件の後、彼女が自分自身を「真の豹の███████」であると宣言したことに起因しています

- ステージ5の、特に有翼生物と自身を同一視した人物による██件の飛び降り自殺

- ████件の高体温に関連した死亡。96%が動物のコスチュームを着ている間に発生しました

- ATFメンバー「oliefox」の公共の場での暴行事件

- 火器による██人の死亡。この後13の公園で動物のコスプレが非合法化されました

アナベル・Y█████の事件の後、以下のログが回収されました。

ステージ6: 影響を受けた人物は、高次認知機能を完全に失い、自身のキャラクターの元となる動物の持つ本能的な行動に退行します。元となる人格の痕跡は全てSCP-3312によって破壊されます。一方で、子供のような舌足らずで甲高い発音になりますが、人間としての発話機能は維持されます。全ての試験結果から、影響を受けた人物の発声過程は、人間ではなく、動物の発声に類似していることがわかりました。

肉食動物を模したステージ6の人物は非常に攻撃的で、SCP-3312の影響の有無に関わらず、無差別な殺害行為をします。これまでの記録では、ステージ6の人物は自分と関係のあった人物を認識していません。

次のログは、MTF-S-88("動物管理")がオクラホマ州████████のマイケル・ペリーの住居で実施した強制捜査のビデオ記録です。マイケル・ペリーは財団によってATFメンバーの「MPerry」であると特定されています。映像はS-88-ノーヴェンバーのボディカメラから回収されました。

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