SCP-3334-JP

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SCP-3334-JP

アイテム番号: SCP-3334-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3334-JPは、発見地点である鳥類用飼育設備内に原位置で収容されています。サイト-81UTが収容と研究を担当します。

説明: SCP-3334-JPは、大まかにはフクロウ属の種に類似した特徴を有する鳥型実体です。身体能力はその物理的形状から予想される範囲から逸脱しない一方、知的能力はヒト成人に相当するか、あるいはそれ以上の水準で有します。例としては、高い思考・推論能力、少なくとも3言語を使用可能な言語処理能力、一般常識からより専門的なものまでを含む広範な知識などが挙げられます。

SCP-3334-JPの身体は不明な光源によって常に発光しています。ヒトがこの光を直接視認すると、知的活動に関連する総合的な能力全般 (推論、学習、記憶の想起など) の短時間の向上を経験します。この効果は筆記試験等を含む能力検査で裏付けられており、加えて、脳の血流量の一時的増加や体温の僅かな上昇などの生理的変化も観測されています。しかし、その因果関係は現在まで不明であり、この異常性質の完全な機序は未解明です。

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SCP-3333-JP

SCP-3334-JPは "ミネルヴァの梟" (ローマ神話の知を司る女神ミネルヴァに関連づけられる知恵の象徴) を名乗り、先述の異常性質は「知恵の象徴」としての能力であると自称しました。この発言からSCP-3333-JP 1との関連性が疑われています。

SCP-3334-JPは他の知的存在との会話を好んでおり、特に問答的なやり取りを積極的に行おうとします。オブジェクト自身の証言からは、先述の異常性質と合わせ、会話相手の何らかの問題を解決することを目的としていることが示唆されました。

SCP-3334-JPは、SCP-3173-JP 2内の上野動物園フクロウ舎に対応する地点において発見されました。同空間内の動物園区域においては、動物関連概念に由来する思念体の顕現頻度が非常に高く、SCP-3334-JPの出現もその一部であると推測されています。

補遺1: SCP-3333-JPとの関連性について調査するため、サイト-81UT 研究・開発セクションとサイト-81KK 已己巳己セクション3は、連名でサイト-81CHに対して研究協力を要請しました。当初、SCP-3333-JP主任担当職員である芦洞 侑士 博士は2つのオブジェクトの関連付けに対して否定的な見解を示しましたが、最終的には、関東の別施設への出張の際にサイト-81UTにも立ち寄ることに同意しました。SCP-3334-JPへのインタビューは、2023/10/27に行われました。

インタビュー記録


日付: 2023/10/27

場所: SCP-3173-JP 動物園区域 フクロウ舎

対象: SCP-3334-JP

インタビュアー: 芦洞博士 (サイト-81CH 叡智圏保護課)


[記録開始]

芦洞博士: これに見覚えはありませんか?

芦洞博士がSCP-3333-JPの写真を差し出す。SCP-3334-JPはそれを数秒見つめ、首を傾げる。

SCP-3334-JP: いいえ。

芦洞博士: ですよね。(溜息)

SCP-3334-JP: ご期待に添えず残念です。

芦洞博士: いや、まあ、そもそも期待はしていなくて  

SCP-3334-JP: そうなのですか。では、あなたは私の正体を何だとお思いで?

芦洞博士: いわゆる、Imaginanimalというやつでしょう? ここの動物園に出やすいという話は聞いてます。

SCP-3334-JP: ホホホ、私もそう思いますよ。

芦洞博士: 断言してはくれないのですね。

SCP-3334-JP: 自らの正体を断言できる者の方がそういないでしょう。

芦洞博士: (笑い声) いや、全くその通りですよ。この界隈では特に、断言できることなどほとんどありません。

SCP-3334-JP: ええ、ええ。では、せっかくですし話を続けましょうか。そもそもImaginanimalとは何なのでしょうね?

芦洞博士: まさにそれですよ。それこそ根幹です。どうせ、あなたはご存知ではないか、仮に知っていても教えてはくれないのでしょうけれど。

SCP-3334-JP: 私も完全には分かっていないのですよ。

芦洞博士: 実のところ、我々もそうなのです  人類も人類学者を必要としていますから。

SCP-3334-JP: ホホホ、では、まずは既存の定義をおさらいしてみては?

芦洞博士: えー、教科書的に言うなら「有知性動物概念の形而上集合」となります。ややこしいですね。

SCP-3334-JP: 簡単に言うと?

芦洞博士: 知性を持ち、かつ動物に関連する概念であって、非物質的な場で集合を形作っている者たち。それらはしばしばあなたのように、形を持って実存の世界に現れます。

SCP-3334-JP: 非物質的な場、ですか?

芦洞博士: ええ、思考や観念がそれ自体として存在する  「存在」という言葉が適切かは分かりませんが、とにかく、そのような仮想的空間です。彼らがそのような場に由来するかは分かりませんが、少なくともそこに留まっているか、通過していると思います。

SCP-3334-JP: ほう。具体的には?

芦洞博士: 自分の専門領域に寄せて考えていることは否定できませんが、しかし、叡智圏4が最も可能性が高いでしょうね。叡智圏は異常概念の伝播に非常に適した媒体ですが、特に知性を持つ  伝達の方向を自己決定できる概念にとっては、都合のいい通り道と言ってもいい。

SCP-3334-JP: 我々はその、叡智圏を通ってやってきたと?

芦洞博士: ええ。十分に知られているか、強い感情を向けられている観念は、思念体として現れ得ることが知られています。もちろんこれは、由来への回答にはなりません。あくまで経路の話です。

SCP-3334-JP: 由来についての考えはありますか?

芦洞博士: そちらは正直分かりません。無数の可能性があります。例えば、外来の概念知性との相互作用という説もありますが、こうなるともうお手上げですね。それは一旦置いておきましょう。次に気になるのは、なぜここにそうした思念体が現れやすいのか、ということです。

SCP-3334-JP: やはり不思議に思われますよね。

芦洞博士: ええ、全く不思議です。せっかくですから、一つアイデアを出してみますね…… ええと、例えば、「空席」について考察してみるのはどうでしょう。

SCP-3334-JP: 「空席」ですか。

芦洞博士: はい。ここへ来る道中、Imaginanimalに関連するファイルに目を通していたのですが、インタビュー記録に「空席」という言葉が頻出していました。恐らく、この種の存在が共有する感覚なのではないですか?

SCP-3334-JP: ホホホ、流石の目の付け所です。実際、我々がこちらの世界に干渉するときには、多くの場合「実存の空席」というものに入るのです。もちろん例外もありますがね。

芦洞博士: 確か、既存の研究においては、「指示する言葉や観念が存在する一方で実体としては存在しないもの」という解釈が主流のようでした。思考実験慣用句や比喩表現民間伝承物語の登場人物  その空白を埋めるように、彼らは現実に侵入します。

SCP-3334-JP: それがこの場所とどう関係するとお思いで?

芦洞博士: 実際その観点で見ると、ここは空白だらけではないですか? 動物のいない動物園、がらんどうの展示室、対象を欠いた解説看板。空の箱は中身を求め、それに応えるものがあった…… 私はそう考えています。このアイデアは、この空間全体の性質とも大まかに合致しているように思いますし。

SCP-3334-JP: ですが、それは知性ある実体が現れる説明になっていないのではないでしょうか。仮想的なものがただ実存の隙間を埋めるというのであれば、普通の動物を模した何かでも構いません。

芦洞博士: おお、クリティカルですね。その問いにはいくつかのアプローチがあるような気がしますが…… そもそも単なる動物をそのまま再現するような思念体はそれ自体が考えにくいはずです。それは集団として理解される存在であって、人類が抱くイメージが一点に集まる可能性が低い。像を結ぶには通常、キャラクター化された、明確な個性を与えられたものでなければなりません。

SCP-3334-JP: しかし、イメージが細切れになればなるほどに実体化しにくいようにも思いますが、どうです?

芦洞博士: うむむ、そうですね。それでは、複数の概念を併用しているとは考えられませんか。考えてみると、あなた  ミネルヴァの梟とてそうです。原典はアトリビュート、象徴であって、明確なキャラクターがあるわけではないはずですからね。そもそもの起源が外的な知性ならば、特定の単一の経路に縛られている必要はありません。

SCP-3334-JP: 面白くなってきましたな。ここからどう膨らませていきます? さあ、発想の翼を広げて!

芦洞博士: ええ、とても面白いですよ。飛躍していきましょう。特別な器が用意されているケースでない限り、そのような思念体が顕現するには、より大きなアクセスルートが必要なはずです。それは恐らく、Imaginanimal関連実体の間で共通している要素なのではないでしょうか?

SCP-3334-JP: ほう、ほう。

芦洞博士: そのようなルートがあるとすれば、安定かつ広範なものでなければならないでしょう。つまり、人類全体で広く、そして古くから共有されている、曖昧なイメージ。ええと、そうですね…… 「擬人化された動物」それ自体とか?

SCP-3334-JP: ホホホホ。

芦洞博士: うん、かなりしっくり来ますね。先ほどの「空席」のアイデアともよく合致します。

SCP-3334-JP: まとめてみてください。

芦洞博士: はい。まとめると、Imaginanimal関連実体は各知性に紐づいた個別の具体的要素と、実体化するための大きな枠組みを提供する共通の抽象的要素を同時に参照しているというのが、今回の空想の旅の結びです。

SCP-3334-JPは翼を用いて拍手に似たジェスチャーを取る。

SCP-3334-JP: 素晴らしい、私としても非常に満足なセッションでありました。

芦洞博士: とは言っても、現時点ではただの空想です。実証には時間をかけなければならないでしょう。ですが、このインタビューを楽しむことができたのは、私も同感です。

SCP-3334-JP: 他者に話すことで自分の思考を整理して深められる、でしょう?

芦洞博士: ええ、まるでラバーダック・デバッグの進化系のようでしたね。

SCP-3334-JP: えっ。

芦洞博士: ご存じありませんか? プログラマーが発祥らしいのですがね、オモチャのアヒルを相手に順を追って説明していくことで問題を見つけて解決するという  

SCP-3334-JPが消失する。

芦洞博士: あーっと。これは…… しまったかな。

芦洞博士が記録・通信用のカメラに向き直る。

芦洞博士: ええと、私の考えが正しければですね、ある概念知性にとってより適切な具体的要素に接続したことで実体に変化が及んだのではないかと…… それで、つまり、水鳥展示エリアなんかを捜索した方がいいかもしれません。

録音上の沈黙。

芦洞博士: 本当すみません。

[記録終了]


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捜索で発見された実体。

SCP-3334-JPの消失を受けて直ちに捜索が開始され、最終的に「子ども動物園すてっぷ」に対応する建物において、発話能力を有する玩具のアヒルの形状をした実体が発見されました。

当該実体はSCP-3334-JPと同様の異常性質を持つことが検証され、また、同オブジェクトとの記憶の連続性を主張しました。加えて、身体を軽く圧迫することで同形状の玩具から想定される音を発することが可能になっていましたが、この音の聴覚的受容は発光の視認と同様の能力向上効果をもたらします。当該実体はSCP-3334-JPの形状が変化したものと判断され、アイテム番号指定が再割り当てされました。

SCP-3334-JP自身はこの変化に対して概ね肯定的であり、発見直後のインタビューでは「より話しかけてもらいやすい形になった」「(音を介した異常効果の発生が可能になったことについて) バリアフリーである」などと述べました。現在は経過観察中です。

補遺2: 補遺1のインタビューの後、芦洞博士の助言を受け、サイト-81UTはImaginanimal関連アノマリーを専門に扱う部署を設置することを決定しました。現在、研究・開発セクションから独立する形で動物型思念体セクションが新設され、当報告書の更新業務に割り当てられています。



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