SCP-3335-JP
評価: +38+x
blank.png
0927F08F-A282-4551-9753-79D89195085A.jpeg

発生直後のSCP-3335-JP-B。

アイテム番号: SCP-3335-JP

オブジェクトクラス: Ticonderoga1

特別収容プロトコル: SCP-3335-JPの発生ファクターは現状不明ですが、無害性による優先度の低さから対応は無期限に保留されます。

説明: SCP-3335-JPは、自暴自棄傾向を症状の主体とする重度の鬱病患者を対象として発生する、定型的な夢界変容プロセスです。対象はSCP-3335-JPを夢という形で知覚する事が可能ですが、覚醒後の記憶保持程度には個人差があります。 

より具体的には、SCP-3335-JPは非常に大規模な津波のイメージとして発現します。SCP-3335-JPが発生した場合、対象のオネイロイは典型的にSCP-3335-JPからの逃避を試みますが、例外なく夢界の構成物と共にSCP-3335-JPにより押し流され消失します。

発生からおよそ30分程度でSCP-3335-JPは収束期へと移行し、夢界中の水面の低下が開始されます。この際水面の低下に伴い、水中からは1柄のじょうろを保持した1体の人型実体(SCP-3335-JP-Aに指定)と対象のオネイロイの水死体が出現します。水面の低下は夢界が均一な浅瀬へと変容した時点で停止し、これをもってSCP-3335-JP事象は終了したと判断されます。SCP-3335-JP終了後、SCP-3335-JP-Aは対象の新たなオネイロイとしての振る舞いを開始します。

SCP-3335-JPの発生から平均して1週間後、対象のオネイロイの水死体を実質的な土壌として、1株の樹木性植物(SCP-3335-JP-Bに指定)が発生します。SCP-3335-JP-Bは発生後、夢界の浅瀬中の水を急速に吸収することで、現実における樹木性植物の成長速度を逸脱した速度で成長を開始します。発生からおよそ2時間程度で浅瀬中の水は枯渇し、SCP-3335-JP-Bの成長は一時的に停止します。

SCP-3335-JP-Bの出現と共に、対象及びSCP-3335-JP-Aの行動パターンには変化が発生します。対象が自身の欲求を自発的に満足させる行動を行った場合、それに同期してSCP-3335-JP-AはSCP-3335-JP-Bに対し保持しているじょうろを用いて散水を行います。散水によりSCP-3335-JP-Bは緩やかに成長し、またそれに伴って対象の自暴自棄傾向は徐々に収束していきます。

SCP-3335-JP-Bが成体の樹木として十分に成長した時点で、対象の鬱病は実質的に完治します。対象群へと行われた問答形式での精神調査の結果は、SCP-3335-JP-Bの発生以降、対象が自己愛に対して抱いていた虚しさに徐々な消失が発生していたという共通した事実を示しました。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。