アイテム番号: SCP-3339
オブジェクトクラス: Ectoentropic Online
収容クラス: Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-3339は全ての主要なインターネットサービスプロバイダからブロックされます。SCP-3339へのアクセスにはレベル2/3339クリアランスが必要とされます。無認可の民間人によるSCP-3339アクセスが発生した場合は、SCP-3339-1またはSCP-3339-2を目撃した全ての人物にクラスA記憶処理を施すため、機動部隊ガンマ-5(“燻製ニシンの虚偽”)がアクセス現場に派遣されます。
SCP-3339-2には毎週土曜日の協定世界時19:00に、訓練を受けた研究員を1名入場させます。この研究員は演目の内容、並びにSCP-3339内にいる民間人の数を記録します(詳細は補遺を参照)。
収容更新: 事案3339-A以後のSCP-3339の異常特性の変化を受け、これ以上職員がSCP-3339-2に派遣されることはありません。主な収容プロトコルは現状を維持します。
説明: SCP-3339はドメイン'randall-█████.net.'からアクセス可能なWebサイトです。インターネットブラウザ上にロードすると、SCP-3339は凝ったデザインが施されている紫と緑の背景に、以下の内容を表示します。
ピエロのランドールのドタバタブロードウェイシアター!
しあわせ工場™の提供でお送りします
やぁ、子供たち! 映画を見に行きたいのに親が許してくれない、なんて経験をしちゃったことはないかな? 大丈夫、ピエロのランドールがついてるよ! 毎週土曜日の7:00 PM、ランドールのドタバタブロードウェイシアターへ目ん玉が飛び出しちゃいそうな出し物を見においで! これ以上に見る価値があるものなんてありっこ無し!
土曜日の協定世界時(UTC)18:45~19:10に“おいでよ!”ボタンを押すと、SCP-3339-1が対象者のコンピュータ内部に出現します。しかしながら、前述の時間枠以外でボタンを押しても異常効果は発生しません。
SCP-3339-1は“ピエロのランドールのシアター — 是非ご覧あれ”と記されたチケットです。SCP-3339-1は明確な発生源無しに、SCP-3339の活性化に使用したコンピュータの開口部から発行されます。SCP-3339-1の異常特性は、対象者がSCP-3339-1を保持して現在いる部屋を退出するか、屋外にいる場合は内部空間に入場すると発現します。この際、対象者はSCP-3339-2へ移送されます。影響者はまた、あらゆる出口がSCP-3339-2の入口として機能するようだとも報告しています。SCP-3339-1の異常特性は19:10 UTC以降は消失します。
SCP-3339-2は異次元空間に存在すると理論上想定されている劇場です。SCP-3339-2は大きなステージに面して並ぶ座席で構成されています。SCP-3339-2は完全に木材で構築されており、現代的な劇場と似通った装飾が施されています。対象者がSCP-3339-2に入場すると、これから演じられる演目について記述したパンフレットが対象者の手の中に現れます。
19:10 UTCになると、SCP-3339-2内の照明が暗くなり、低い声が演目のタイトルを告知します。その後、ヒト型生物から成る出演者や裏方(SCP-3339-3に指定)が、ジャンルや質の様々な演目を披露します(補遺参照)。一部の演目では異常な現象が使用されます。SCP-3339-2の客席側正面にある不可視の突破不可能な障壁が、SCP-3339-3との相互作用を妨げています。
SCP-3339は当初、5~14歳の子供の一時的な失踪を引き起こす現象の指定名称でした。2014年、影響された子供とのインタビューに続いてSCP-3339は発見・再指定されました。
研究員注記: 当ファイルの説明セクションは、事案3339-A以前のSCP-3339と関連異常について述べたものです。事案以降のSCP-3339は数多くの面において変化しています。事案3339-Aに関しての詳細は補遺02を参照してください。
- カルヴィン研究員
補遺: 実験ログ
エージェント注記: 適切な書式設定のために、SCP-3339-2への入場を記述する際は以下のフォーマットを使用してください。
研究者: [SCP-3339-2に入場した研究者の名前]
演目タイトル: [演目のタイトル]
演目の説明: [演目についての説明]
上演時間: [演目に際して経過した時間]
民間人の説明: [観客席にいる民間人の説明と数]
注記: [何か特記事項があれば]
- エージェント ギルバート
研究者: ████博士
演目タイトル: “スペース・ウォーズ!”
演目の説明: ある宇宙船で起こったとされている争い。2名の登場人物、ニコラス将軍とヘンリー王が通商問題について話し合っている。この紛争は両当事者間の銃撃戦へと発展し、ニコラス将軍が勝利を収める。ニコラス将軍はその後、個人的な宇宙船に乗り込んで飛び去る。
上演時間: 16分
民間人の説明: 5~12歳の多様な民族の子供たち、少なくとも100名。
注記: この演目は現実的だった。実際のレーザー兵器が使用され、血液・背景の星空・ニコラス将軍が最後に飛び去る際の宇宙船といった細かい点は実物とほとんど区別できなかった。
研究者: ████博士
演目タイトル: “ピローボーイ”
演目の説明: カトゥリアンという名の10歳の少年が太陽から降り注ぐ放射線に曝露し、全身が枕でできたピローボーイに変化する。ピローボーイは時間を過去へと遡り、落ち込んでいる子供たちにキャンディを与えて幸せにする。最終的にピローボーイは悲しい気分になるが、未来からやって来たピローボーイにキャンディをもらう。
上演時間: 15分
民間人の説明: 5~12歳の多様な民族の子供たち、少なくとも100名。
注記: ピローボーイが“タイムトラベル”する時の照明効果は現実と区別できなかった。
研究者: ██████博士
演目タイトル: “ジョンとジュリエット”
演目の説明: 演目は中世に起こった出来事とされている。劇の最初の10分間で、ジョンという名の少年がジュリエットという名の少女に告白する。ジョンの告白後、ジュリエットは「うん」と言ってジョンを抱きしめ、劇が終了する。
上演時間: 11分
民間人の説明: 5~12歳の多様な民族の子供たち、少なくとも75名。
注記: 城は中世の城塞らしくデザインされていたが、他の多くの細部は観客の目から隠されていた。
研究者: カルヴィン研究員
演目タイトル: “フランクのお休み”
演目の説明: フランクという名の7歳の少年が学校をさぼる。フランクは一日中、様々な玩具で夢中になって遊んで過ごす。演目はフランクの母親が彼を捕まえ、外出禁止を申し渡して終了する。
上演時間: 18分
民間人の説明: 5~12歳の多様な民族の子供たち、少なくとも100名。
注記: この演目は現代演劇の基準と同レベルではあったが、以前の演目ほど現実的では無かった。
研究者: ██████博士
演目タイトル: “フューチャーミネーター”
演目の説明: 1体のサイボーグがサンディエゴに住む12歳の少年、フランクを誘拐するために未来から来る。別のサイボーグ、“フューチャーミネーター”もまた、最初のサイボーグの計画を妨害するために未来から来る。
上演時間: 20分
民間人の説明: 5~12歳の多様な民族の子供たち、少なくとも50名。
注記: この演目は他と比べて著しく質が劣っていた。“サイボーグ”はどちらもフェイスペイントを施しただけの標準的なヒトであり、フランクは明らかに大人が演じていた。最も留意すべき点として、カーチェイスの場面は、フランクとフューチャーミネーターが車の中にいる間、裏方が背景の雲を動かして走行中のように見せかける手法で表現されていた。
研究者: ████████次席研究員
演目タイトル: “ファインディング・フィッシュ”
演目の説明: ボブという名の魚が、息子のフィッシュを急流に押し流されて見失う。ボブは演目を通してフィッシュを探し続け、最終的に彼を岩の下で発見する。
上演時間: 15分
民間人の説明: 9~12歳の多様な民族の子供たち、少なくとも20名。
注記: 全ての小道具は塗装した段ボールで作られており、全ての登場人物は魚風のスーツを着たヒトだった。
研究者: ███研究員
演目タイトル: “ザ・フリムストンズ”
演目の説明: この演目はニューヨーク州プリングフィールドに住む一家、“フリムストン家”に焦点を当てている。この演目の主な見せ場は、一家の父親がチャンネルを変えようとする場面である。
上演時間: 10分
民間人の説明: 10歳の子供たち、9名。
注記: 小道具の質が顕著に低下したのに加え、この演目は全般的な脚本の質もまた落ちていた。これに加え、SCP-3339-2内の音響設備は複数回にわたって機能しなくなった。
研究者: カルヴィン研究員
演目タイトル: “オフィス”
演目の説明: 演目を通して、ビジネススーツを着た男が小室でコンピュータに向かってタイピングをしている。
上演時間: 15分
民間人の説明: 無し。観客席にはカルヴィン研究員しかいなかった。
注記: この劇に使われた小道具は、小室の間仕切り、コンピュータ、男が座る椅子だけだった。音響機器は全く使用されなかった。
研究者: カルヴィン研究員
演目タイトル: N/A
演目の説明: N/A
上演時間: 3分
民間人の説明: 無し。
注記: 詳細は補遺02参照。
補遺02: 事案3339-A
回答者: PoI-3339-A
質問者: カルヴィン研究員
序: 2015/██/██、SCP-3339-2では演目が上演されなかった。代わりに、道化師の顔化粧をした肥満体の男性(PoI-3339-Aと指定)がステージ上に現れ、カルヴィン研究員に直接話しかけた。この対話の内容が以下に記録されている。
<記録開始、██:██>
PoI-3339-A: ちょっといいか? 白衣の兄ちゃん?
カルヴィン研究員: 私のことですか?
PoI-3339-A: ああ。幾つか質問しても構わないか?
カルヴィン研究員: いいですとも。
PoI-3339-A: ありがとう。
PoI-3339-Aはステージ上の椅子に座る。
PoI-3339-A: どこで何もかも間違えちまったのか、教えてくれないか。
カルヴィン研究員: すみません、何ですって?
PoI-3339-A: ここには前、何百人も子供たちが来てた。俺は芸をする度に、観客がみんな俺の作品を誉めそやして、ショーを高く評価してくれるのを当てにできてた。今は、なぁ、居るのはアンタ一人じゃないか。最初のうち、俺は単に近頃の子供たちはよく分からんもんだとだけ思ってた。その後、もしかしたら分からなくなっちまったのは俺の方かもしれないと気付いたんだ。
PoI-3339-Aは溜め息を吐く。
PoI-3339-A: 俺は昔の芸を幾つか見直すことに決めた。全部記録しておいたんだぜ? スペース・ウォーズ、レッグ・オブ・ザ・タイガー、全てをな。俺はただ… それを見て唖然としたよ。特殊効果、ナレーション、それに… 何もかも。あんなのを俺が書いたなんて信じられない。今じゃ、俺はそれなりに整った対話文を書いて生活の糧にすることすらできない。俺に何が起こった?
PoI-3339-Aは33秒間無言のままである。
PoI-3339-A: 多分、俺も歳を食ったんだろう。役員連中と過ごすのに時間を使い過ぎた。仕事のためには演劇プレイをしなきゃならないのに、仕事ばかりで遊びプレイ無しだからな。俺は内側から腐っていった。火花を失った。
PoI-3339-Aは12秒間無言のままである。
PoI-3339-A: うん、もう行くか。もうここでやる事は何も残ってないんだ。
<記録終了、██:██>
結: PoI-3339-Aは発言を終えるとステージを歩き去った。この事案以来、PoI-3339-Aは発見されていない。
補遺03: 事案後報告
事案3339-Aに続き、SCP-3339および下位指定オブジェクトの異常な挙動には数多くの変化が認められています。
最も顕著な変化として、SCP-3339を活性化させると、以下のエラーを含むメッセージボックスが表示されます。
FATAL ERROR
ピエロのランドールのドタバタブロードウェイシアターの今後の上演予定はありません。俺のショーを見に来てくれてありがとう。さよなら!
財団所属のプログラマーたちは、SCP-3339のWebサーバに位置しているスクリプトを活性化させ、SCP-3339-1実例を生成することは依然として可能である点に注目しています。しかしながら、現在のSCP-3339-2は空き間であり、観客席とステージは除去されています。
SCP-3339の再分類は承認待ちです。
更新: 現在URLからSCP-3339にアクセスする試みでは503 “Service Unavailable” エラーが発生するため、SCP-3339はもはやアクセス不可能です。オブジェクトはNeutralizedに再分類されました。