SCP-3349-JPとその周辺の模式図。破線は境界が不明なことを示す。
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アイテム番号: SCP-3349-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3349-JPの周囲は、カバーストーリー「崩落の危険」により封鎖されます。異常性およびそれが及ぶ範囲の変化を確認するため、3日に1度以上、2名以上の職員による立ち入り調査が実施されます。
説明: SCP-3349-JPは、北海道[削除済]の崖付近に存在する3つの領域の総称です。それぞれの領域は、SCP-3349-JP-T、-V、-Sとナンバリングされています。各SCP-3349-JPは隣接していますが、SCP-3349-JPの異常性および崖という立地を原因として、その正確な範囲の特定には成功していません。現在、その範囲を何らかの方法で特定/推測することが試みられています。
SCP-3349-JP内1へ侵入したヒト(Homo sapiens)は、以下の表に示す感覚を喪失します。ただし、当該人物がSCP-3349-JP外部へ出た場合には、即座に各感覚が復活します。
| SCP-3349-JP | 喪失する感覚 |
|---|---|
| SCP-3349-JP-T | 味覚(Taste) |
| SCP-3349-JP-V | 視覚(Vision) |
| SCP-3349-JP-S | 嗅覚(Smell) |
なお、SCP-3349-JP内においても、計器の上では、味やにおいの原因となる物質および光は問題なく計測されます。また、当該喪失現象に対抗する方法は発見されていません。
発見経緯: 異常発見部門は、SNS上の「当該崖付近で摂食した携行食の味がしなかった」旨の書き込みを発見しました。この事象は非異常であると推定できる2一方、異常を原因とする可能性が否定できないため、低優先度の業務を行う当該部門により捜索が実施されました。
崖周辺を捜索を実施した職員は、偶発的にSCP-3349-JP-Vへ侵入しました。その結果、当該職員が視覚を明らかに喪失したことにより、SCP-3349-JPが報告されました3。なお、この時点ではSCP-3349-JP-Tおよび-Vのみが確認されていました。財団は、当該領域を暫定的にSafeクラスオブジェクトとして指定し、初期収容を実施しました。
この2日後、研究員らが派遣された際に、SCP-3349-JP-Sが生じていることが判明しました、領域の拡大ないし新規出現が確認されたことから、SCP-3349-JPはEuclidクラスに再分類されました。
測定された距離および角度。計測は非常に正確に行われた。
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補遺: SCP-3349-JPの収容のため、領域全体および各領域の範囲を特定することが試みられました。しかし、SCP-3349-JP(特に-V)の異常性や、崖および未開の森林という立地により、当該測定作業は難航し、最終的に打ち切られました。一方で、領域外部から一部の位置関係を測定することには成功しました。図は、当該測定値を示したものです。
計測された距離は1.00mという非常に"キリのよい"数値を取っているうえ、同じ長さのものが3か所連続して測定されたということも特筆すべき点です。さらに、SCP-3349-JPの境界線の角度も"キリが良い"数値であり、かつ自然界においては見られにくい値です4。以上より、SCP-3349-JPの形状に何らかの規則性が存在するという仮説が提唱されました。以下は、提唱者である戦術求解部門5の相馬博士らによる会議の抜粋です。
<記録開始>
相馬博士: さて、2人とも、SCP-3349-JPの報告書は読みましたか?
反田博士: はい。「規則性」の存在可能性について、同意です。
木村研究員: いやぁ、僕は、偶然だと思いますけど。
反田博士: もちろん、偶然という可能性も、否定できない。でも、「キリのよい長さや角度」というのは、裏に規則や法則があることを疑うべき状況。
木村研究員: でも、可能性があったとしても、結局何もないかもしれないじゃないですかね?
反田博士: ……そもそも、異常発見部門が「可能性」を追ったから、このオブジェクトが見つかった。私達は「可能性」を追わなくていいの?
相馬博士: それに、「規則性がなさそうだと判明する」のもまた有益な情報ですよ。
木村研究員: うーん、まあ、分かりましたよ……
相馬博士: では、これらの長さや角度の検討に入りましょう。何か、手がかりと言いますか、怪しい点はないでしょうか?
反田博士: 「長さが等しい線分」からは、二等辺三角形を連想……もちろん、正三角形も含みますが、二等辺三角形の性質が関与している可能性は考慮すべきでしょうか。
相馬博士: まずは、-Tと-Vの境界を考えましょうか。この境目は、どのような位置関係になっていると考えられるのか、ですね。
測定された距離および角度(再掲)。
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木村研究員: 210°って書いてますけど、領域の内側から見れば150°ですよね。これを分割するような境界線ってことですか。
反田博士: 150°といえば、正十二角形の1つの内角の角度……ただ、正十二角形が関連しているとは考えにくいかもしれません。やはり三角形でしょうか。
[1分程、各自が図形の性質を考える]
相馬博士: ……もしかすると、150=60+90ですから、正三角形の1つの角と直角、と分けられるかもしれません。つまり、正三角形と直角三角形(直角二等辺三角形)とへ分割するのが手掛かりとなるかもしれませんね。
木村研究員: いや、いっそのこと、正三角形と正方形に分けちゃいませんか?
反田博士: ……なるほど、三角形でのみ考えていたけど、正方形も悪くないかもしれない。
木村研究員: こうすると、ついでに-Vと-Sの境目も直角になるんですよ。そうすると、360-130-90=140なんで、140°が余ります。まあ、140°なんて微妙な角度ですけど。
反田博士: いや、正九角形の内角……
木村研究員: そうなんですか!?
相馬博士: 正三角形、正方形、正九角形で構成されているとすると、この図のような領域になりますね。
作成された図。
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反田博士: あっ、なるほど……!
相馬博士: ああ、そういうことなのですね! 面白い……「面白い」と言うとアレですが、興味深いですね。
木村研究員: ええと、ごめんなさい、何があったのですか?
相馬博士: 木村君、SCP-3349-JP-T、-V、-Sではそれぞれ何を喪失するか覚えていますか?
木村研究員: それぞれ、味覚、視覚、嗅覚ですよね? だから何なんですか?
反田博士: ……もう言ってる。
木村研究員: ……え、まさか、味覚が三角、視覚が四角、嗅覚が九角に対応してる、ってことですか!? いや、何というか、しょうもないですね!
相馬博士: でも、納得感というか、規則性がありましたね。
反田博士: ……SCP-3349-JPの領域も、多分、特定できたでしょう。それぞれの面積は、-Tが0.366m2、-Vが1.00m2、-Sが1×{1/2×cot(π/9)}×1/2×9なので、えー、6.18m2でしょうか。
相馬博士: それほど広くないようで安心しました。
<記録終了>
これを受け、SCP-3349-JPの再測定が実施されました。結果として、提出された予想範囲に対し、少なくとも矛盾しない測定結果が得られました。しかしながら、当該範囲はあくまで推定されたものであり、断定できるものではないことに留意してください。



