アイテム番号: SCP-3354
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-3354とその周辺は自然保護区を装い、高さ2.5mの登攀防止フェンスで完全に取り囲みます。頂上に通じる3本の主要道に設置された監視所と自動ゲートには常時人員が配置されます。事前に予定された実験時を除き、領域内への車両の侵入はいかなる状況でも禁止されます。現在、歩行者のアクセスの回復が検討されています。
説明: SCP-3354はアーカンソー州█████████付近に位置する、標高223mの中型の丘です。当該地は地元住民から口語的に「モーター殺しの丘キルモーター・ヒル」と呼称されています。植物の繁茂状況や動物相は同地域内の他の丘にも見られる典型的なものです。ただし、樹木密度は平均を上回っています。建造物やその他の大規模な人工構造物は存在しません。収容プロトコルで記述されている3本の主要道は、小規模な林、劣化および破損した簡易な木製ベンチ、見晴らしの利く場所でもある巨岩に通じています。林には錆びた缶、古い瓶および紙袋が散乱しており、道は様々な形で利用されていた形跡があります。これらの点から、この丘は家族で出かける場として中程度の人気があったことが示されています。
動物・人間を動力としない陸上車両によってSCP-3354を登りきろうとする試みは例外なく事故を発生させ、車両は動作および修復が不可能な状態になります。記録されているいずれの事例においても、関係者は全員負傷しているものの、この負傷に一貫したパターンは見られず、現在まで死者は確認されていません。
発見経緯: SCP-3354は、地元警察の報告書が短期間での異常な件数の自動車事故の発生を示したこと、その全てがキルモーター・ヒルで発生していたことで、初めて財団の注意を引きました。詳細な調査により、一連の事故は近隣でのスポーツイベントに伴う観光客の活発な流入と関連していることと、その一方でこの地域では過去にも低頻度ながら定期的に自動車事故が起きていたことが判明しました。その後に実施された徒歩での探査では、様々な腐食状態にある車両の残骸や複数の車両部品、シャーシの破片、自動車用ランプ、窓ガラスが多数発見されました。
実験記録: (注記: 特に指定のない限り、実験に関与した車両は全てDクラス職員が運転を行った)
使用車両: 無し
結果: 全員が成功裏に林に到達。異常は観察されなかった。
使用車両: メーカーや性能が異なる自転車。
結果: 全員が成功裏に林に到達。異常は観察されなかった。D-████は足首の捻挫を訴えたが、後に、傷の無い唯一の木製ベンチを破壊しようとしたことが原因であると認めた。
使用車両: 木製の荷馬車。牽引は馬が行う。
結果: 実験は成功裏に完了した。異常は観察されなかった。
使用車両: 人力車
結果: 実験は成功裏に完了した。異常は観察されなかった。
使用車両: ヤマハブランドのバイク。試運転を除き未使用。
結果: Dクラスは慎重に運転するよう指示された。中腹付近で、バイクは前輪と地面に埋まっていた岩が接触したことで急激に進路が逸れ、転倒した。Dクラスは切り傷と打撲傷に加え、高温の排気管に触れた皮膚に火傷を負った。Dクラスは運転を再開するよう指示されたが、バイクは始動しなかった。後の調査で、エンジン内に重大な損傷があることが判明した。
使用車両: フォード・フォーカスブランドの自動車。試運転を除き未使用。
結果: Dクラスは慎重に運転するよう指示された。短い距離を走行した後、車両が突然、沿道の樹木に衝突する様子が観測された。Dクラスは後に、ハンドルを切ろうとしたと同時にハンドルが動かなくなり、ブレーキペダルがバラバラになったと報告した。エアバッグは展開しなかったものの、車両の速度が遅かったため、負傷は軽度の脳震盪と額の裂傷のみに留まった。車両はD-████が護送された直後に発火し、対応チームが炎上を発見し、消火する前に回収不能となった。
使用車両: 主力戦車"レオパルト2"。熟達した乗組員が操縦を行う。
結果: 頂上付近でエンジンが故障し、制御装置も無反応となる。制御不能な後退が数秒間続いた後、激しい爆発により戦車が突如として破壊され、全乗組員が重傷と火傷を負った。現場と破片を厳重に検査した結果、爆発はフランス製の対戦車地雷によるものと判明した。SCP-3354が既知のいかなる軍事作戦にも関係していない点は留意すべきである。
-今後は軍用車両の使用は止めておこう。— █████博士
使用車両: 未使用のフォード・フォーカスブランドの自動車。経験豊富な運転手が運転を行う。
結果: 運転手は速度が時速20kmを上回らないよう指示された。直後に特別対応チームが出発し、可能な限り近くで車両を追跡するよう命令された。エージェント・███████が指揮するこのチームは、警備員、医療スタッフ、自動車修理士で構成され、必要な工具、予備の車両部品および消火器を携行していた。実験開始直後、車両は2本の倒木により破壊された。運転手は頭部外傷、複数本の肋骨骨折、多数の裂傷、皮膚にガラス片が食い込んだことによる刺傷を負った。
-これで第一次の一連の実験を終了とする。この土地の生態系に重大な変更を加えでもしない限り、これ以上大したことはできないだろう。 - █████博士