SCP-3363-JP
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生存圏管理委員会より、全生存圏住民へ通達

2960年10月24日に発表された生存圏管理委員会に主導される共同声明により、以下に記述される全ての特別収容プロトコルは現行人類の全てに対し実施するものとし、報告書の全文は全人類に対して恒久的に公表されます。


アイテム番号: SCP-3363-JP Level 0/3363-JP
オブジェクトクラス: Shahar.補足情報: 人類文明の存続は危機的状況ですが、事態への対処法は確立しています。 Unclassified

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2968年現在の各生存圏の所在地点。

特別収容プロトコル: SCP-3363-JPの収容に用いられる範囲は"生存圏"と公称されます。現在正式に存在が確認されている生存圏は財団管轄F.5555領有区域アルファ(公称"Terra Verdeテラ・ヴェルデ")、ベータ(公称"緑神リュウシェン")、およびGOC管轄S-N.747領有区域ガンマ(公称"Surface Cityサーフェス・シティ")の3地点であり、これらは"安全活動区域"としてSCP-3363-JP-1およびSCP-3363-JP-2の侵食から継続的に保護されます。

各生存圏の管理運営および治安維持は、生存圏成立時に主導していた各正常性維持機関が対応し、各運営組織による定期通信に基づいて生存圏同士の調停・調整を行う「生存圏管理委員会」が設置されます。それぞれの組織は衛星軌道上に位置する24時間毎に通信可能な外宇宙有人軌道ステーション「アストリズム」に対し通信を行い、生存の確認と運営の現状を報告することが義務付けられています。5日以上生存の確認が取れなくなった生存圏は回復不能状況に陥ったと判断されます。

生存圏におけるSCP-3363-JP-1による侵食深度.補足情報: SCP-3363-JPが安全に活動できる領域のうち、ある区画がSCP-3363-JP-1によって浸食された度合いを測る単位。式はinc/m3で表され、単位表記はXel。が4400Xel以上まで達したことが認められた場合、侵食を受けた区画は安全活動区域の指定を解除され、"対処実施区域"として立入が制限されます。対処実施区域に対しては常に最新のバージョンのクラス-EE攻性植物防壁が展開され、侵食深度を低減させ、機能を回復させるよう対策する必要があります。対処実施区域外郭から半径1km圏内に対してはSCP-3363-JP-1の再侵食の阻止が目的の場合に限り、資源の全面的優先利用が生存圏管理委員会により推奨されます。侵食深度の低減が不可能であると認められた場合、当該区画は完全に放棄され、"圏外"に指定されます。

生存圏内では資源の効率的な利用及びSCP-3363-JPの長期生存を目的とし、生存圏管理委員会によりF3220-人類存続維持規定が設定されています。この規定は原則として生存圏内の全人員に対して絶対的強制力を持ち、規定に対する違反が見られた者は各生存圏の治安維持部隊による罰則が与えられます。治安維持部隊に対する反抗的態度はF3220-人類存続維持規定に違反し、最悪の場合拘束もしくは即時終了されます。

侵食深度4400Xel以上の圏外および対処実施区域への立入・探索は人員の最大多数の生存を優先する為原則として禁止されるほか、安全活動区域内であっても探索者が侵食深度850Xel以上のエリアへの探索で48時間以上が経過した場合(或いは侵食深度850Xel未満のエリア及び圏外への探索で168時間以上が経過した場合)は当該探索人員は死亡したものとして扱われる事とし、食糧等を含めた資源の配給を停止します。再開には本人の意志行使が必要となります。

生存圏外郭調査部隊以外の者による認可を受けていない探索はすべて制限されます。圏外および対処実施区域へ無認可で探索を行おうとする行為はF3220-人類存続維持規定に違反し、最悪の場合拘束もしくは即時終了されます。

SCP-3363-JP-1が生成したハブノードは、SCP-3363-JP-1及び2の侵食影響を食い止める上で非常に有効的に働くため、探索中に発見された場合は積極的な破壊が推奨されています。しかしながら、ハブノードの発見を目的とした探索に関しては、人員の最大多数の生存を優先する為原則として禁止されます。

また生存圏内で使用される全ての人工機器は、SCP-3363-JP-2を搭載しない機器であることが義務づけられています。SCP-3363-JP-2を搭載していることが調査により判明した場合、即時の回収もしくは破壊が許可されます。認可された人工機器を安全活動区域外へ持ち出す事は原則として禁止されます。その他、生存圏内で特別に必要がない限りは、有機物由来の製品の使用が推奨されます。

現在、SCP-3363-JP-1及び2の影響が無力化される"聖域"の探索に向けた部隊編成の設立、ならびに"聖域"を中心に生存圏拡大に向けた「ミズガルズ計画」が進行中です。SCP-3363-JP-1及び2の無力化に関する研究は、各生存圏の研究部門、ならびに人類の全研究の中でも最優先で実施されます。


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アトラスタ財閥が長らく使用していたエンブレム。

説明: SCP-3363-JPはすべての非異常性の知性体です。

SCP-3363-JP自体は非異常性であるものの、結果としてSCP-3363-JP-1及び2を生み出したことによってFE-クラス: "黒鋼の地球"シナリオを引き起こし、同時にその対症療法的解決にSCP-3363-JPが必須の存在である為、その全てがSCPオブジェクトとして指定され保護されます。これには、一部または全部に異常性を保有する場合であっても、その存続に影響を及ぼさない限り特別な手続は要求されません。

SCP-3363-JP-1はかつてアトラスタ財閥の筆頭企業であるアトラスタ・インダストリアルによって開発されたマイクロマシンです。SCP-3363-JP-1は人口の爆発的増加に対応するために開発された最先端建材であり、「インクリニティウム (Incrinitium)」と呼称されています。特殊な多元分子構造から、SCP-3363-JP-1は地球に存在するすべての物質に変質することが可能です。SCP-3363-JP-1は、当初よりSCP-3363-JP-2との同時運用が想定されており、常に自動化された構造生成機能によって非常に堅牢かつ、これまでの建造方法では成し遂げられなかった構造物の建造を可能としました。

しかし、後述するSCP-3363-JP-2側の暴走により、SCP-3363-JP-1は全世界の陸地90%以上を覆い隠す結果となりました。SCP-3363-JP-1は現在も継続して地球全体の侵食を行っており、その速度は年々上昇傾向を示しています。外郭調査部隊による状況報告から得た情報を元にした生存圏人類生存環境調査部門の試算では、既にSCP-3363-JP-1は地殻内部を掘削し終えたであろう箇所が複数見られ、マントル対流を阻害しつつあるという予測が立てられています。このため、2960年現在の最新の計算では、SCP-3363-JP-1及び2の侵食がこのままの速度で継続した場合、500年以内に地球内部の50%がSCP-3363-JP-1に侵食されることに伴う自転の停止、それによる磁力線の消失と宇宙放射線の地上への照射が引き起こされる懸念が示されています。

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SCP-3363-JP-2を示すロゴ。2921年・東京ブロック 第27セクター、アトラスタ・トラフィックプログレスセンターにて撮影。

SCP-3363-JP-2も同様にアトラスタ・インダストリアルによって開発された自己完結型自律志向オペレーティング・システムです。SCP-3363-JP-2は「XANETザネット」という呼称で一般的には認知されており、多種多様な形でディストリビューションが展開され、治安維持、行政、経営、司法、医療、福祉などの社会インフラの根幹にも組み込まれていました。かつてないほど広範囲かつ大規模に一般社会への普及・浸透を成功させたシステムであることから、FE-クラス: "黒鋼の地球"シナリオ以前の社会では事実上の世界の基盤として利用されていた側面がありました。

SCP-3363-JP-2はデバイスごとによって完全に独立した汎用オペレーティングシステムであり、あらゆるデバイスに自動的に最適化されるよう開発されていました。また開発された当初から、SCP-3363-JP-2は人の手を一切介さず、自己による継続的な機能追加と改善が可能で自律進化を行えるよう設計されていました。これらは基本的な製品では導入されるデバイスごとに進化制限が掛けられていたものの、アトラスタ財閥の保有するデバイス上で稼働していたSCP-3363-JP-2に関しては、この機能上の制約を無視した進化方向性を発揮していました。これらの設計上、SCP-3363-JP-2は人の手による制御および解析が非常に難しく、さらにはインシデント"Re:BREAK"前後の経済的・政治的な制約により、財団は2968年現在も依然としてSCP-3363-JP-2の完全な解析は成功していません。SCP-3363-JP-2がどのようなプロセスによって自律進化を含めた活動が行われているのかは依然不明なままです。

現在、SCP-3363-JP-1及び2は、生存圏に対して年々攻撃頻度・勢力ともに激しさを増しており、それによる生存圏の継続的な運営に甚大な影響が発生し続けています。SCP-3363-JP-1が増殖・拡大する際に生成するハブノードはこれらの侵食及び攻撃能力の中間処理に利用されていることが分かっているため、これらは発見次第可能な限り破壊することが推奨されています。

SCP-3363-JP-1及び2は、その自律的侵食活動が開始された2927年のインシデント"Re:BREAK"時点から状況をFE-クラス: "黒鋼の地球"シナリオまで進行させました。その後財団はGOCと連携し人類保全を最優先に対抗措置を実施しましたが、現時点で既に最低でも全人類の約91.97%を死滅させています。


生存圏共通 開示情報参照システム


┏              ┓
Guest権限で認証済
認証ID: G#000129321
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システム概要: 生存圏管理委員会による声明に基づき、各生存圏において調査・研究・収集・補完されたこれまでの記録のすべてはデータベースに定期的に共有され、全生存圏住民に開示されるよう義務づけられています。当システムは前述の事項に則り、全生存圏住民に付与されたIDで認証される限り、恒久的に開示されたすべての調査研究情報が参照可能です。参照可能データを表示するには、項目内リンクを展開して下さい。




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関連データ#001 - 事案記録29271014: インシデント"Re:BREAK"

ファイル概要: 2927/10/14、北米時間午後14時2分10秒に、全世界で普遍的に使用されていたXANETディストリビューションが同時多発的に機能停止、もしくは暴走を引き起こした。これに伴い、社会基盤システムの6割以上が大打撃を受け、それによる一次・二次的被害に由来した死傷者はのべ6億人前後にまでのぼる大災害となった。SCP財団はこの災害の総称をインシデント"Re:BREAK"と命名し、世界オカルト連合と共にインシデントの対処に奔走する事態となった。

本項では、現在の世界秩序の崩壊を招いた未曽有の文明災害の被害規模や状況の記録と、インシデント"Re:BREAK"を引き起こした社会基盤システムプログラム「XANET」が如何なるものであるかについての当時の資料、および事件を追跡・調査を実行していたA15事故調査班の空間心理マップ/主観描述ログが記録されている。


関連文書:

全体容量: 1,598文字


補足文書:

全体容量: 3,731文字

関連データ#002 - A15調査班: 財閥事業体調査記録#2927

ファイル概要: アトラスタ財閥(Atlaster Concern)は、2927年時点で最も大きな影響力と活動規模を有していた超巨大複合事業体である。その影響力は産業、食品、通信、医療、金融、エネルギー、住居、貿易、軍事、研究開発など、ほぼすべての事業形態や市場で多大なる影響力と寡占状態が続いていた。

アトラスタ財閥は当時の3大国家影響圏(北米連邦、EUL、アジア経済連合)を凌駕する経済影響力を保有しており、競合する複合事業体であったTAPトラストや神々廻グループと比較しても、アトラスタ財閥の影響力には圧倒されていた側面が強い。SCP財団やGOCといった正常性維持機関もまた、当時は複合事業体や国家影響圏同士の緩衝材程度にしか機能していなかった点については、よもや語るまでもないだろう。


関連文書:

全体容量: 5,970文字


補足文書:

全体容量: 3,162文字

関連データ#003 - A15調査班: ニューロバンク大規模ダビングアウト事件調査記録

ファイル概要: 回収された情報から、2927/10/14に世界5カ所のニューロバンクのうち3カ所で大規模ダビングアウトが生していたことが判明した。このダビングアウトにより、ニューロアーク技術による恩恵で精神を義体に封じ込めていた人々の多くは人格の崩壊を含む甚大な被害を被ることとなったと思われる。

ニューロバンクの保存されていた人々の人格データからリモート接続していた義体は各地で狂乱と暴走を繰り返し、それが"Re:BREAK"と重なったことで、被害はさらに拡大する結果につながった。この事件によって当時、肉体の機械化の次のステージとして精神の機械化がもたらす不死の技術と信じられていたニューロアーク技術と、それを制御・管理するXANETディストリビューションに加護されていたニューロバンクは、一連の事件によって、それがあまりにも脆く崩れ去る幻想でしかなかったことが知らしめられてしまったのである。

本項では、A15調査班による当時最大規模を有していたニューロバンク『ユグドラシル』に対する調査作戦が行われた際の空間心理マップ/主観描述ログが記録されている。またそれに付随し、前述の調査をもとにアトラスタ・インダストリアルに対して行われた取り調べ記録も併せて整理された。


関連文書:

全体容量: 11,016文字


補足文書:

全体容量: 4,525文字

関連データ#004 - 追跡記録: UX407.2841 - 政令指定工場調査記録

ファイル概要: 回収された多くの情報から推察するされる上では、2920年代当時の社会雇用機会の状況は、世界的に芳しい状態とは言いがたかったと考えられる。それは、現在の複合事業体の台頭とXANETの普及・躍進に伴う人間の介在する職域が縮小されたことによる側面が大きいだろう。特に、アジア経済連合領の国家のほとんどは、アトラスタ財閥による経済介入と複合事業体主導のベーシック・インカムの導入、様々な施策や技術力の実験場として利用されることが多く、民間のほとんどが複合事業体のもたらす経済運営の配下に置かれていたと見ることができる。

本項は、インシデント"Re:BREAK"の発生以前、国家影響圏により複合事業体に対し最低限の運営が義務づけられた、国民の雇用・労働環境の提供を目的とした工業地帯「政令指定工場」におけるA15調査班の行動について整理した情報が記録されている。データは、2800年代にアトラスタ・インダストリアル取締役副社長の役職に就き、記録当時は主に日本国における同工業地帯『常盤第八工場』の工場長を務めていたジン・マキザキという人物に関連する情報を中心に整理された。


関連文書:

全体容量: 6,632文字


補足文書:

全体容量: 9,803文字

関連データ#005 - A15調査班: MC&D強制捜査記録#2928

ファイル概要: 常盤第八工場への調査以降、インシデント"Re:BREAK"の発端となったアトラスタ財閥に対する身辺調査が急速に進められることとなった。当時500年以上前に創設されたアトラスタ財閥は、調査が進められていた当時ですらその過去の記録のほとんどが喪失ないし散逸している状態だったために、追跡は非常に難航していたものと思われる(実際に外郭調査部隊による過去の社会情勢記録の回収データでも、アトラスタ財閥の経歴にまつわるものは非常に僅少である)。

現時点までの回収情報で判明しているのは、2200年代に「アトラスタ・インダストリアル」を創設した初代当主のヘレボルス・イサナギと、マーシャル・カーター&ダーク社の経営陣一族の出身であったアルベルタ・グレイネス・ダークが蜜月関係にあったということ、そして財閥の躍進に対し、TAPトラストの前身であったプロメテウス・ラボ・グループとの対立関係の末、アルベルタ・グレイネス・ダークは暗殺事件の被害者となっていたこと2点である。


関連文書:

全体容量: 5,166文字


補足文書:

全体容量: 10,751文字

関連データ#006 - 内部事案記録: SCP財団北米連邦本部襲撃事件

ファイル概要: 2927/11/4、北米連邦時間午前0時30分24秒、アトラスタ財閥は、財団を含む正常性維持機関、国家影響圏、競合する複合事業体に対し宣戦布告を行なった。暴走したXANETとインクリニティウムによる予測不可能な猛攻に、当時の財団・GOCは寝首をかかれたような状況であった。これに対し財団は何らかの有効な対策を講じる間もなくほとんどの防衛・管理システムがオーバーライドされ、混乱が混乱を呼ぶ恐慌状態となったまま、オブジェクトの脱走を含む収容違反が頻発する事態に繋がり組織は事実上の壊滅状態に陥った。

逼迫した事態が進展するさなか、辛うじて残存した職員らは財団の組織立て直しを図り、直接の宣戦布告を行ったすべての事件の元凶であるアトラスタ財閥に対抗するべくA15調査班には特別捜査権限が付与された。権限に基づき、同班は財閥が言及した『イザナミ』と呼ばれる施設に向けて追跡調査を敢行することとなった。


関連文書:

全体容量: 4,432文字


補足文書:

全体容量: 3,695文字

関連データ#007 - A15調査班: 人工神格体創造研究センター"イザナミ"追跡捜査記録

ファイル概要: インシデント"Re:BREAK"の発生の宣言以降、インクリニティウムはたった1ヶ月で陸地の30%を覆い隠すほどの侵食速度を有していたことが、回収情報からのデータ等から確認された(この結論は正常性維持機関が可能な限りの鎮圧作業を実施して尚この状況であることさえも意味している)。芳しくない状況が刻一刻と進んでいくさなか、アトラスタ財閥の経営者でありつつ、すべての事件の首謀者でもあるトリフォリウム・ラグナダ・イサナギとエノラ・アルセリウス・クラッドの所在する『イザナミ』に対してA15調査班は調査を実行した。

本項では、A15調査班による事件追跡の終端地点となった『イザナミ』での事件経過についてのA15調査班/トリフォリウム・ラグナダ・イサナギ視点に基づく空間心理マップ/主観描述ログが記録されている。回収された一部データは大多数の破損部分の復元はかなわなかったものの、事件において重要な意味を持つデータであることから本データベースに整理・記録されている。


関連文書:

全体容量: 21,582文字


補足文書:

全体容量: 2,122文字

関連データ#008 - 内部事案記録: 正常性維持機関中枢部壊滅事件

ファイル概要: 最終的に、A15調査班の『イザナミ』への調査と事件解決に向けた行動は、状況を打開する有効な手段として働くことはなかった。トリフォリウム・ラグナダ・イサナギが数百年前より緻密に勘案・対策・進行させた人類殲滅に向けた計画は確実に実行され、インシデント"Re:BREAK"として財団等が認知することとなった時点ではすでにその計画を阻止することは不可能な状況にあったと言える。軌道ステーション『アストリズム』に搭載された衛星兵器も当時はイサナギの制御下に置かれていたため、O5評議会員はこの兵器を用いて的確に消滅させられたものと思われる。

しかし、イサナギが計画した人類殲滅の行動に対し、氏の想定していなかった第三勢力の干渉と残存したSCPオブジェクトの利用が、偶然にもA15調査班の事件追跡の過程で可能であることが判明した。この発見が現在の『生存圏』成立につながる契機となったものであると、最新の歴史調査の過程では結論付けられている。


関連文書:

全体容量: 769文字


補足文書:

全体容量: 2,370文字

関連データ#009 - 対策状況報告29601215: "生存圏"の現状と今後

ファイル概要: 現在まで正式に正常性維持機関の管理下に置かれている生存圏は3つ存在している。情報通信技術が衰退した現在において、それぞれは互いに連絡を取り合う手段はA15調査班の残した情報等に伴って奪還された『アストリズム』を用いた間接的な手段のみであり、リアルタイムでの相互通信は不可能な状況が続いている。だが、これまでの外郭調査部隊による探索で得られた情報群と、生存圏の現状調査の蓄積から推測されるに、いずれの生存圏も現状維持を続けた場合、40年~100年以内にすべて消滅する可能性が高いことが示されている。

本項では、生存圏の消滅回避に向けて行っている/行わなければならない行動や方針について議論され、報告書としてまとめられた「生存圏管理委員会状況報告書」が全生存圏住民に対する公開情報として記録されている。その上で、補足文書においては現状打開に有効な可能性として示される特異な事案・現象の記録が併記された。2968年現在、この事案・現象が人類存続にどのように作用するかについて、生存圏管理委員会によって審議が行われている。


関連文書:

全体容量: 5,997文字


補足文書:

全体容量: 6,201文字

全体容量: 3,283文字




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