SCP-3363-JP
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記録データ情報


ファイル名: A15_SurveyTeam_Documents.ptx
回収日時 2963/08/19
回収者: Terra Verde - 聖域調査部隊-L6A
復元状況: 復元作業中


生存圏管理委員会 情報復元作業室より通知


このファイルは各生存圏に所属する外郭調査隊の遠征調査の過程で最近発見された情報であり、情報整合性の検証および破損した項目の復元・復号化が完了していません。作業が完了するまでの間も参照可能ですが、表示されている情報が正確ではない可能性があります。

なお、情報復元作業室は常に復元ボランティア人員を募集しています。回収情報の復元作業に携わりたい方は、生存圏管理委員会直轄の志願員募集窓口までご連絡ください。

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財団北米本部 サイト-縺?■縺阪e縺
A縺倥e縺?#事故調査班
班長 古河 京介






財団北米本部 A縺倥e縺?#事故調査班 最終報告書






この文書は、我々A縺倥e縺?#事故調査班のこれまでの事件調査の概略と、その調査の末に得た結論をまとめた報告書である。調査過程については別途添付されたアーカイブを参照されたし。

我々A縺倥e縺?#調査班は、アトラスタ財閥が開発した基本システム・プラットフォームであるXANETの暴走と、それによる社会混乱の実態、および財閥に対する先行調査のために結成された班である。その調査そのものは難航することは少なかったものの、結果としてアトラスタ財閥、ひいてはその当主であるトリフォリウム・ラグナダ・イサナギが全て引き起こした、過去類を見ないほど大規模な人類に対する復讐劇であったことが判明した。アトラスタ財閥の際限のない組織の巨大化、XANETおよびインクリニティウムの開発と普及、宇宙ステーション「アストリズム」の建造主導、神格体創造センター「イザナミ」の設置、そのすべてがイサナギが人類の根絶を目的とした布石であったということである。

今回の調査で得た一連の件において、イサナギは完膚なきまでに世界を破壊するつもりで行動していたことは明白である。彼が生きた縺ェ縺ェ縺イ繧?¥年間でそれは計画され、実行され、その結末として迎えたのがこの瞬間である。

しかしながら、その過程で我々A縺倥e縺?#調査班は縺輔sつの切り札を得ることに成功した。縺イ縺ィつは、アトラスタ財閥の役員であり、イサナギの側近であったエノラ・アルセリウス・クラッド氏が我々に協力的な申し出を行ったことによる。氏の説明では、我々のいる「イザナミ」が、不可能を可能にする、幻想を現実に呼び起こす、人類の信仰と願いを集めて具象化するための奇跡の施設であることが示された。施設に対する、アトラスタ財閥に対する畏怖がもたらす信仰の累積が縺イ繧?¥年間にわたって膨れ上がっていたことが、人類に対する大きな切り札となった。

縺オ縺つ目は、数百年前から継続したまま人々の記憶から忘れ去られていた財団の人工衛星探査機、「SCP-縺帙s-JP」の存在である。夜空に輝くあの一等星と見紛う光が何なのかを知る人間は少なく、かつて財団と共同で封じ込めを行ったアトラスタ財閥すらもその存在を忘れきっていたオブジェクトだ。帰還するための地球が失われれば、SCP-縺帙s-JPが戻ってくる事もできない。少なくとも、「正常な地球」であることを前提とするSCP-縺帙s-JPの高い現実性を利用できれば、状況が打開できる可能性がある、という算段である。過去の計画でXANETのプロトタイプが使用されたことを理由に、イザナミの能力をもって、アストリズムを介してうまく接続できれば、SCP-縺帙s-JPとの対話次第ではこの災厄を多少は改善できるかもしれないだろう。

そして、財団が保有するニューロバンク「トツカ」、そしてかつてアトラスタ財閥によって破壊されたSCPオブジェクト「SCP-2000-JP」。数百年前に存在そのものが抹消されたものの報告書が調査の過程で偶然にも発見、トツカに所在するあらゆるニューロデータに「拡散」された。プレイルの説明によれば、「このSCP-2000-JPは本来のそれではなく、破棄されたそれに非常に類似した別の"何か"」であるという。さらにローゼンバーグによる分析では「SCP-2000-JPの報告書を読んだ人間の精神上にイメージとして降り立つ"何か"」ではないかとする見方があるようだ。

この存在については便宜上、つい今しがたプレイルが付けた名称を拝借して「IMG-2000-JP」と呼ぶこととする。この存在がまさに第縺ォの切り札である。我々はこれらの切り札を利用した作戦を立案し、実行した。以下にその一連の作戦の簡単な概略を箇条書きに記した。

  • 神格実体創造施設「イザナミ」に蓄積された信仰エネルギーを元手にしたSCP-縺帙s-JPとの「対話」を実行。
  • SCP-縺帙s-JPの高い現実性を利用し、ニューロバンク「トツカ」、宇宙ステーション「アストリズム」の相互通信接続の確立。
  • 前述の相互通信を利用し、「トツカ」にてダビングアウトを引き起こし増殖したIMG-2000-JP複製体群への全世界拡散命令と、インクリニティウムの増殖を実行しているXANETの破壊命令の実行。
  • 我々のこれまでの活動・調査の過程で得られた記録、メンバーの全行動記録をIMG-2000-JP複製体群を利用してパッケージ化し拡散。
  • "Re:BREAK"に伴う破局的事象を免れたあらゆる残存データの可能な限りの収集をIMG-2000-JP複製体群に命じる事によって、情報の収集、保護、並びに拡散。

これらの切り札がどれほどの効果を示すかは予測不可能であり、失敗する可能性もあるだろう。我々が追った事件の経過について、それらが誰かに伝わる可能性は限りなく薄いだろうが、それでも我々は希望を託し、この記録データが発見されることを祈る。





以上





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