SCP-3396
評価: +66+x
アイテム番号: 3396
レベル5
収容クラス:
esoteric
副次クラス:
tiamat
撹乱クラス:
amida
リスククラス:
critical


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デスバレー、排他ゾーン3396の境界近く。SCP-3396分泌液の現地環境への拡散により引き起こされた脱色に注意。

戦略的管理プロトコル: SCP-3396が示す物理的、形而上的な伝染力のため、完全な収容は現時点では不可能です。

SCP-3396の中枢ネクサスが存在する排他ゾーン3396が、現在複数の組織(世界オカルト連合、国際連合、合衆国の異常事件課)によって争われています。そのため、当該地域は世界戦争と引き上げられたベールシナリオを防止するための相互同意により、非武装中立地帯と宣言されました。

公衆への暴露を限定し、世界人口のさらなるSCP-3396汚染を防止するために、全SCP-3396-01実体の捕縛が全てに優先する事項とみなされなくてはなりません。捕獲された各標本は、アトラス-パターン対奇蹟論ルーンアレイで強化されたクラス4危険生物体収容セルに収容しなくてはなりません。

地球の人口の15%が汚染された場合には、職員の撤退、各地域の除染施設の場所、それらに続く財団の主要な指令への変更点の詳細に関して、文書3396-ALABASTERを参照してください。

説明: SCP-3396は、物理的および形而上的に、世界人口のおよそ6%に感染し、影響を与えている変異原性の共生生物のゲシュタルトとして存在する、カテゴリー4異次元実体です。

SCP-3396の中枢ネクサスはモハーヴェ砂漠、デスバレーの南東およそ75キロメートルに位置します。それは視覚的には巨大な、あえて表現するならば樹木と昆虫の双方の特徴を備えた、高さ27メートル、主要な枝の端を基準とすると幅23メートルの生物的な構造として出現しています。この主要な変形体の色は典型的には玉虫色のように変化する青緑ですが、観察者ごとに同時に異なった色調パターンを呈するため、変化することがわかっています。この中枢ネクサスは、発光する青緑の液体をその主要な幹や枝に列をなす通気口から放出し、SCP-3396の基部に浅い池を形成しています。SCP-3396は全体としては選択的に実体化し、物理的な物体や電磁波と通常の相互作用をすることはできません。このことにより、通常の非奇蹟論的な試験や実験は不可能です。

SCP-3396またはその分泌液への身体的な暴露は、生物の物理的、形而上的な特性に劇的な改変をもたらします。これらの影響はすべての例での少数の共通点はありますが、予測不能であり大きく変化します。

SCP-3396に影響された生物(SCP-3396-01と指定されます)は、用途不明の追加の器官や組織を発達させ、それらは体腔へびまん性に速やかに転移します。これらの組織は発光しており色は青緑で、物理的な物質や一般的な物質に対しては適切と思われるエネルギーと相互作用しません。このことはこれらが基本的には奇蹟論的、あるいは非バリオン的な構成であることを示唆します。SCP-3396の増大は一見ランダムに見えますが、常に内部に発生します。SCP-3396の増大している臓器、腫瘍、嚢、組織塊は、外科器具および手技と物理的に相互作用できないため、宿主の体内から外科的に摘出することは不可能であると判明しました。

SCP-3396感染により変異した人間は、典型的には他の感染した生物と同様に生理機能に著しい改変を示しますが、心理的な変化はめったに受けず人格と記憶を保持しているように見え、一部のケースでは知的能力を増大させています。このことはSCP-3396感染により与えられる異常な能力と合わせ、ヒトのSCP-3396-01を極めて危険なものにしています。

補遺3396-01 - SCP-3396への暴露と感染の影響の例。

対象 暴露方法 結果
Pogona barbata(ヒガシアゴヒゲトカゲ)1体、オス SCP-3396分泌液を1滴頭頂部に滴下する 3時間で対象は体長25メートル、質量約5000キログラムへと増加。対象は太くなった四肢、まだら模様と小孔のある表面の質感、様々な有毒ガスと胞子の混合を連続的に放出する背面の大型で多数の気門といった、著しい構造上の改変を示す。対象は昏睡と呼べるレベルまで不活発になり、物理的なテストには反応しなくなる。皮膚からの遺伝子解析は、特にAmanita bisporigera(destroying angel)1Amanita phalloides(タマゴテングタケ)、Claviceps purpurea(麦角菌)など様々な菌類と著しく類似した、しかし完全一致はしない結果となった。
Canis lupus familiaris(イエイヌ)1体、品種はゴールデンレトリバー、オス SCP-3396分泌液4mlを注射する およそ2時間で、対象は体毛を脱落し、全身から角状の構造をランダムに発達させた。生体解剖により、全身にSCP-3396器官と組織の存在を認めた。生体解剖では対象は死亡せず、解剖手順で生じたダメージは速やかに再生した。対象の行動は変化しなかった。
1体の人間、女性、28歳 SCP-3396分泌液を前腕の皮膚に塗布 対象の皮膚は分泌液を速やかに吸収する。即座の肉体の変化はない。気分や感覚に変化はないかと尋ねられると、対象は「私は火力を理解した。」と回答した。非常に多様な種類のガトリング砲が対象の手に表れ、続いて彼女はそれを財団職員たちに発射し、収容を突破した。対応した財団の保安部隊からの応射を受けると対象の肉体は爆発する細片へと断片化した。その爆発は対象にはダメージを与えず、テスト設備に重大なダメージを与え、対象の逃走を容易にした。対象の肉体はダメージを受けるたびに断片化、爆発、そして再生を続け、断片は対象の主要な肉体周辺に浮遊し、さらなる高火力の投射兵器の実例に変化した。37名の犠牲者が記録された。以降のテストチャンバーは強化された。
1体の人間、男性、42歳 対象はSCP-3396分泌液の匂いを吸い込むように指示される 即座の明白な変化はおよそ3時間に渡って記録されない。4体の正確な対象のコピーがテストチャンバー内に出現した。5体全員が同時に「魔法の祝福を呪いとみなすのは汝らがごとき愚者のみなり。」と宣言した。5体全員は手を合わせ、1体の大型の非人間の生物へと融合した。様々な大きさの10本の腕をもち、中央の塊は未分化の肉であり、数ダースの切断された手に似た構造物が浮遊し、それらは掌に固定された目を持っていた。チャンバー内に巨大な水の塊が出現し、激しく渦を巻き、実体を霞ませた。続いて液体はチャンバーの床に落ち、後に分析により非異常性の海水であると判明した。この標本の行方は現在不明である。

SCP-3396によってもたらされる変化のパターンは見出されていませんが、これらの変化は一般に相当の破壊力を持つ異常な特性や能力となります。収容セルの継続的な強化にも関わらず、これらの要素は多数の反復的なSCP-3396-01の収容違反をもたらしました。

SCP-3396の物理的な分析が不可能であると判明する一方で、奇蹟論スキャニングにより、一つの確実な結果が得られました。財団の試作奇蹟論スキャナーは、スキャンするたびに基準概念エネルギーや奇蹟論ポテンシャル値を示すのではなく、必ずそのデータリターンを変化させ、ランダムな言語での「栄えよ」という単語を生成しました。このことの持つ意味は不明です。

SCP-3396とコミュニケーションを取る方法は開発されておらず、その影響を取り除く方法もこれまでのところ発見されていません。

進捗状況: SCP-3396は考古学的発掘の最中に、偶然発見されました。居合わせた研究グループの各メンバーはSCP-3396-01実例となり、数日間SCP-3396を完全に掘り出すために働きました。財団に通報された時には、これらの感染者が大規模な人口密集地に戻るのを阻止するには遅すぎ、結果としてSCP-3396の影響は検査されずに拡散しました。財団の収容の試みは現在全てのSCP-3396-01実例を秘密裏に特定し拘束し、同時に多数の組織や列強各国により係争中であるSCP-3396の中枢サイトの支配を確立することを中心としています。

SCP-3396の出現は財団の情報統制能力にも関わらず、国際社会に前例のない変化をもたらし始めています。未収容のSCP-3396-01実例はこれまでに彼らの新たな異常な能力を、殺人、非暴力的な犯罪、特定の疾患の広範囲での撲滅、公共の福祉活動といった様々な目的のために利用しています。財団が世界的にメディアの統制を表面的には維持し、これまでのところSCP-3396-01実例に関する公衆の知識を制限できている一方で、SCP-3396の汚染は持続しています。結果として、SCP-3396-01は財団の影響力を越えて拡大しています。世界オカルト連合、蛇の手、その他の複数の要注意団体がSCP-3396-01実例を確保し、彼らの目的のために利用し始めると同時に、彼らの幹部を故意に感染させています。

SCP-3396が財団のコントロールを完全に越え、計画的なTPK-クラス奇蹟論的増殖シナリオを引き起こした際には、臨時指令3396-ALABASTERが発効し、財団は残った人類の安全を確保するために必要な手段を取ります。

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