
付属時のSCP-3396-JP
アイテム番号: SCP-3396-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-3396-JPは穴部分を樹脂で塞いだ状態でサイト-8143の低脅威度物品収容ロッカーで収容されています。新たなSCP-3396-JPが発見された際は原則として同様の収容を行って下さい。
SCP-3396-JP発見件数の少なさ、および異常性が認識される可能性の低さからオブジェクトが付属する製品の流通差し止め等の対処は行われていません。現在は付属製品の定期的なサンプリング調査、および発生メカニズムに関する研究が継続されています。
説明: SCP-3396-JPは異常性を持つスチール缶用の巻き取り鍵です。SCP-3396-JPは使用者によりケース①とケース②の異なる異常性を示します。
ケース①では、穴部分に差し込まれた対象はスチールと同様の曲げ剛性・および巻き取り以外の損傷に対する高い耐性を獲得します。この異常性は巻き取りが対象の終端まで達する以外の手段では除去されません。そのためオブジェクトを本来の用途に使用した場合、スチール缶の開封は確実に完遂されます。
ケース②では、穴部分に差し込まれた対象は素材の特性に関わらず極めて断裂に対して脆弱な性質を獲得します。この異常性は物体が断裂した時点で除去されます。そのためオブジェクトを本来の用途に使用した場合、スチール缶の開封は基本的に達成されません。
実験記録 SCP-3396-JP
対象: リンゴ
実験内容: 部分的に剥いた対象の皮をSCP-3396-JPの穴部分に差し込み、D-12556に巻き取りを行わせる。
結果: D-12556の不慣れな手付きにも関わらず対象は途中で断裂することはなく、角度を調節することで対象のほぼ全面の皮を一度に巻き取ることに成功した。
分析: 実験中、対象はナイフによる刺突をはじめとするあらゆる損傷の影響を受けませんでした。異常性が皮のみならず果実にまで及んでいたのは、穴部分に差し込んだ皮に少量の果肉が含まれていたからだと考えられます。オブジェクトがどこまでを同一の対象と判斷するかについては現在調査中です。
財団における実験でケース②異常性を発現させた使用者は全体の約5%であり、そのうちの76%は実験から24時間以内に死亡、行方不明、知性の喪失、ヒト以外への変質といった重篤な損害を被っています。それぞれの損害は個別の要因で生じていることから、発現する異常性は使用者の未来を予知する形で変化するとの推測が立てられました。ケース②使用者が必ずしも重篤な損害を被っていないこと、及び後述する収容経緯から、オブジェクト使用以降の行動により損害は回避できる可能性が示唆されています。
オブジェクトはTULIP社から販売されているポークランチョンミート缶に付属した状態で流通しており、異常性以外の外見、素材等に通常品との差異はありません。現在までのサンプル調査により、小売店流通時点でのSCP-3396-JPの混入割合は0.5%程度と推定されています。ポークランチョンミート缶を製造するTULIP社、および製造工場に対する調査ではオブジェクトに関連する痕跡は発見されませんでした。SCP-3396-JPがポークランチョンミート缶に自然発生する現象なのか、製造・販売過程で人為的に引き起こされた結果なのかについては現在も調査が継続されています。
補遺: 現在収容下にあるSCP-3396-JPの大部分は財団によるサンプル調査の過程で発見、収容されたものです。ポークランチョンミート消費量に対する収容数の低さは、SCP-3396-JPの異常性が発現した場合でもそれが使用者に認知されず、通常手段で破棄されている結果だと考えられています。特殊な状況で収容されたオブジェクトに関しては以下の収容記録を参照して下さい。