SCP-3399
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最初に発見されたサイトにおけるSCP-3399-1個体の果実

アイテム番号: SCP-3399

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3399は標準的な保護収容ロッカーに収容されます。偶発的な活性化を防ぐために触れる場合は防護グローブを装着するべきです。

SCP-3399-1の1個体はサイト-██の植物棟にて管理されます。追加サンプルは上級研究員の判断のもと研究のために育成されます。

説明: SCP-3399は主に金で構成され銀で装飾されたスズカケノキ(Platanus orientalis)の果実の複製であり、そのとげは接触の際ヒトの肌を貫通するのに十分な鋭さを持ちます。ヒトの血液に曝されたとき、SCP-3399は側部軸に沿って蝶番で繋がれた2つの離れた断片に裂け、この状態に開いたSCP-3399は外見上スズカケノキのものに似た種子を1つ露出します。この種子が植えられると、SCP-3399-1へと成長します。

SCP-3399-1は基本的に急速度で成長する外見上スズカケノキに似た樹木であり、およそ3か月で完全に成熟します。SCP-3399-1が成長するとともに、樹木の葉はSCP-3399を開いた血液の提供者(以降ドナーと表記)の記憶を描写する画像を映し出し始め、その画像は写実的かつドナーの視点から表されます。この画像はわずかに半透明であり葉の表面に重ねられています。実験から、この画像はドナーたちが思い出せる限りの人生の出来事を正確に描写していることが判明しています。それぞれの葉は1つずつ画像を映し出しており、寿命の限りは変わることはありません。

SCP-3399-1は1度成熟すると、種子を生み出す果実1を結実し、このために受粉の手順を必要としません。これらの種子の1つ以上が植えられると、親の木で新たに成長した葉は潜在的な未来の出来事を映し始め、しばしばドナーが子供をもうける配偶者を包含します。ドナーが既に新生児を育成できる配偶者がいるような関係にあった場合、しばしばその配偶者が画像内に確認されます2

新たなSCP-3399-1個体は成長とともに、元となったSCP-3399-1個体3の葉に映されていたドナーの配偶者とドナー自身との潜在的な子の人生の画像を映し始めます。新たなSCP-3399-1は最終的に自身で種子を生み出し始め、それらが植えられると更なるSCP-3399-1個体へと成長し、親の木に映されていた仮説上の人物の潜在的な子の画像を映します。

SCP-3399-1の健康状態は、その個体と結びつきがある人物(元のドナーまたは仮説上の子)の遺伝的な生存能力によって決定します。表示されている人物のあらゆる遺伝的な障害の存在は非標準的な挙動でのSCP-3399-1の成長の原因となり、通常は目に見える欠陥や異常を示します。観測された異常の一覧については一覧表3399-1を参照してください。

SCP-3399は[編集済]の孤立した谷に存在する、ダエーバイト文明が起源の寺院の中で発見されました。その寺院の様式と装飾はダエーバイトの王族に関連する建造物で発見されたものと一致しました。さらに非常に多くの封のされた巻物の箱が発見され、部分的な解読結果より、保管されていた巻物は多数のダエーバイト一族の詳細な家系の記録、および将来的に望ましい男女のペアについての説明であると判明しました。

寺院は73本のSCP-3399-1個体に囲まれており、SCP-3399-1の葉に映されていた画像はダエーバイトの王族に関連すると推定される衣服の様式や文化的な環境に一致しています。1本のSCP-3399-1個体がサイト-██の植物棟に移送され、残りはそれぞれの標本の種子の回収と分類の後全て破壊されました。

一覧表 3399-1
以下はSCP-3399-1の実験中に観測された特筆すべき異常な成長パターンの一覧です。

ドナー ドナーの特徴 結果
D-5321 嚢胞性繊維症を引き起こす遺伝子のキャリアであることを確認。 植えられた個体のうち25%において、樹皮が健康な個体のものより著しく色薄くなり、葉は乾燥してもろくなっていた。結果は配偶者もキャリアであることを示した。
C██████研究員 統計的に優位な近視の家族史を持つ。 葉に映された画像の大部分は判別できず、基本的に色のついた染み以上のものはほとんど見られなかった。
D-88432 先のがん治療により不妊症である。 SCP-3399-1個体群は通常通り成長したものの、種子を作らなかった。
第二世代の種子。 M███研究員が元個体のドナーである。 なし 植えられた個体の50%が発育不良であり、通常個体の半分の高さにも達せず、枝にできた葉は非常に少なかった。 後の調査で、映し出されたM███研究員の夫と推測される配偶者はハンチントン病の遺伝子を所有することが判明した。
D-75332 家族史から統計的に細菌感染に対して優位な抵抗をもつことが判っている。 SCP-3399-1は高さと太さが実験平均のものより約10%大きかった。葉の表面積は平均より約15%広かった。個体の破壊作業の際、幹が標準的な個体より明らかに切りにくいことが観測された。
D-5411 検査から多くのがん遺伝子のマーカーが陽性であったことが判っている。

それぞれのSCP-3399-1個体が歪曲した幹と枝を持ち成長し、成長途中で非常に多数のこぶと節が現れた。葉は明らかに黄色であった。

補遺1: オリジナルのドナーであったL█████研究員のSCP-3399-1個体の種子を植えた結果、SCP-3399-1の葉はL█████研究員とP███████研究員の交際の画像を映し出しました。当時L█████研究員は財団に無関係の一般人と結婚していました。

およそ1年後にL█████研究員とP███████研究員が、L█████研究員が離婚した後から交際を始めていたことを財団人的資源部門に被雇用者友愛ガイドラインに沿って通告しました。

補遺2: L█████研究員とP███████研究員の間に子供が生まれてから約6年後、第2世代のSCP-3399-1個体によって映し出された画像が彼らの子供に96%の正確性で一致していることが判明しました。

SCP-3399-1による予言の性質を解明する試みの1つとして、L█████研究員とP███████研究員は自身らの子供をサイト-██へ映し出された画像に影響を及ぼさせるために定期的に預けることに同意しました。

補遺3: L█████研究員とP███████研究員の子供を映し出すSCP-3399-1の種子を成長させる試みは全て失敗しました。種子はおよそ1週間通常通りに発育しますが、その後急激な細胞崩壊により自発的に病変します。この理由は現在不明です。

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