SCP-3411-JP
評価: +6+x
blank.png

アイテム番号: SCP-3411-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3411-JPはサイト-81-109の標準物品収容ロッカー内に収容されます。SCP-3411-JPを許可なく持ち出すことは禁止されており、実験の実施には担当職員3名からの許可が必要になります。SCP-3411-JPによる被害が確認された場合、カバーストーリー「不慮の事故」の流布、関係者への記憶処理、SCP-3411-JPの回収を行います。

説明: SCP-3411-JPは後述の異常性を有したヘアバンドです。外見に異常な点はありません。現在までに21個のSCP-3411-JPが回収されており、別個に枝番号に指定されています。

SCP-3411-JPの異常性は、ヒトが着用することによって発生します。SCP-3411-JPを着用した人物(対象Aと表記)が、その他の人物(対象Bと表記)から行動に関する指摘を受けた場合、SCP-3411-JPは緩速での収縮を開始します。これにより、対象Aの頭部は圧迫され、結果として対象Aは苦痛を覚えることが確認されています。収縮は対象Aが指摘された行動に対して「反省している」旨の発言を行うことによって停止し、再度膨張することが判明しています。


補足情報: 文書3411-JP.1

SCP-3411-JPの所有者の住居について調査を行った結果、以下の内容が記載された用紙(文書3411-JP.1に指定)が発見されました。その内容から、SCP-3411-JPとの関連性が示唆されています。

文書3411-JP.1


しつけ用ヘアバンド

「子供が危険な行動をやめてくれない」と悩んでいるあなたに朗報です! このヘアバンドを使えば、楽に子供をしつけることができるようになります。これで親御さんもお子さんも安心安全の生活を送れるようになります。「このままじゃ子供の将来が心配……」と悲観する前に、このヘアバンドを使ってみませんか?

以上の内容から、SCP-3411-JPとGoI-81-554(シュトルヒ運輸)1の間には関係性があるものとされています。


補足情報: 発見経緯

SCP-3411-JPは2017/11/12に青森県青森市にある家屋内にて発見されました。発見契機は該当家屋に居住していた人物(工藤 日奈子氏2)による「息子が死んでしまった」という旨の通報でした。これを受けて警察が現場に急行したところ、アノマリーの関与が明らかになり、財団に調査が引き継がれました。その結果、SCP-3411-JPの存在と異常性の特定に至っています。

財団は当時の状況を調べるため、工藤 日奈子氏に対する事情聴取を行いました。以下は聴取記録の一部抜粋です。聴取記録の全容については別途資料(資料コード3411-JP-Ψ)を参照してください。

聴取記録3411-JP.1


対象: 工藤 日奈子氏(日奈子氏と表記)

インタビュアー: 箕田博士


«記録開始»

箕田博士: では、当時の状況について聞かせてもらってもいいですか?

日奈子氏: ああ、はい。わかりました。えっと……当時、私は俊3にしつけをしてたんです。俊、ご飯の時に暴れたりするから、「そんなことしちゃだめでしょ」って軽く咎めたんです。

箕田博士: その時、俊くんは何か身につけたりしていませんでしたか?

日奈子氏: しつけ用の、ヘアバンドを。これを使えばしつけが楽になる、って説明書に書いてたから、せっかくだし使おうと思って。

箕田博士: わかりました。続けてください。

日奈子氏: 普段の俊なら、すぐに反省した様子を見せるはずなんです。でも、その時は違って。ずっと泣いてばっかりで、暴れまくってたんですよ。手足をバタバタと動かしてテーブルの上の物を落としたりとかしてて……。それで、うっかり強く叱りつけちゃったんです。「危ないじゃん、なんでそんなことするの!」って。

箕田博士: それで、どうなったんですか?

日奈子氏: 今まで以上に激しく暴れるようになって。ぎゃあぎゃあ泣いたりして。反省する様子を見せなかったから、私は「もう知らないからね!」って言って家事をすることにしたんです。ちょっと時間を置けば反省すると思ったから。でも、違って。

箕田博士: 結果として、俊くんの頭が爆発してしまったと。

日奈子氏: はい。突然、キッチンの方からボン、って感じの音が聞こえてきて。何だろうって思って向かったら、そこには頭が爆発した俊がいて。食器の中に俊の目玉が入ってて、それで、私……

箕田博士: 落ち着いてください。辛いようなら、また後日にでも……

日奈子氏: いえ……大丈夫です。話させてください。

箕田博士: ……わかりました。

日奈子氏: それで、急いで救急車を呼んだんです。もしかしたら助かるかもって思ったんです。でも、助からなくて。その場には小さくなった、あのヘアバンドだけがあって。……今なら分かります。きっと、俊はあのヘアバンドに殺されたんだって。苦しかったから、あんなに泣いてたんだって。あんなに泣いて反省したのに、私はそれに気付かなかった。そのうえ、俊を見捨てるようなことをしたんです。だから、罰があたったんじゃないかって、そう思っちゃうんです。

箕田博士: ……心中お察しします。

日奈子氏: 私がちゃんとした親だったら、こんなことにはならなかったのかもしれないのに。私は、私は……。

«記録終了»


終了報告書: 日奈子氏は記憶処理を施したうえで解放されました。また、後の調査により、俊氏は言語能力が未発達であり、喃語の発声しかできない状況にあったことが明らかになりました。このため、SCP-3411-JPの収縮が過剰になり、結果として俊氏の頭部が収縮に耐え切れず破裂したと判断されました。



特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。