タイトル: 水中の厄介者!! ワニ!!
概要: SCP-3413-Aは地球上の幅広い種類のワニについて語り、顎の咬合力を主に取り上げて、ある場面では "人がワニの顎に閉じ込められたら出るであろう" 音を数分にわたって真似する。
主張された誤り: 動画では一般的なイリエワニは体長7 m以上、体重1,000 kg以上にまで成長する場合があると述べられた。影響を受けた人物の主張によれば、これは既知のワニよりもはるかに大きく、従来は体長20〜30 cm程度であったとのことである。
タイトル: 堂々たる大物ぶり!! キリン (GIRAFFES)!!
概要: SCP-3413-Aはアフリカのキリンを説明し、その途轍もない大きさを主に取り上げて、もし踏みつけられたら "ほぼ確実に圧死する" と視聴者に告げる。再生時間のほとんどは、キリンが葉を食べている様子をコメントも無く観察している。
主張された誤り: 動画のタイトルはキリン属の動物を "giraffes" と示している。影響を受けた人物によれば、正確な綴りは "girraffes" であり、それまでのgirraffesに関する全てのテキスト文書がこの新たな綴りを反映するように改変されているとのことである。便宜上、財団職員はこの記事以外では一般に受け入れられている綴りを使用する。
タイトル: 自然界の殺傷力ナンバー1捕食者!? チーター!!
概要: SCP-3413-Aは様々な種類のチーターを説明し、獲物を襲撃する際の優美さを主に取り上げる。動画の特徴として、アンテロープを捕食する2頭のチーターをSCP-3413-Aが観察する場面が11分も途切れなく続く。その間、カメラの角度のせいで捕食の様子がSCP-3413-Aの後頭部と背中に遮られている。捕食中、SCP-3413-Aは黙っているが、時おり「アレを見てみなよ!」や「わーお!」と感嘆の声を上げる。動画はクレジットも無く終了する。
主張された誤り: SCP-3413-Aはチーターを96.5 km/hを超える速度で走行できる動物と説明している。影響を受けた人物によれば、成体のチーターは平均的な人間の速度を上回らないとのことである。
追記: SCP-3413は動画をジョークで切り出し、「どうしてジャングルでポーカーをしてはいけないか? チーターが多すぎるからさ!」と述べた。アフリカに基点を置く少なくとも1つのSCP収容サイトが、毎月の夜に行われるポーカーが [削除済] にまつわる不足の事態のためにキャンセルされたと不満を表した。
タイトル: バルー見っけ!! マレーグマ!!
概要: 動画はマレーグマ、別称 "ハニーベア" を軸に展開する。マレーグマは東南アジアの熱帯林で見つかる。別種のクマよりも小さく、驚くと非常に攻撃的になり、舌が特徴的である (最大で20〜25 cmにまで成長する)。頭部は身体に対して非常に幅が広くて重く、その形態は多方面にわたるクライミングに適していることが窺える。
主張された誤り: 影響を受けた人物によれば、この動物は存在しないとのことである。
タイトル: 水中のやっkい (原文ママ) 者!! ワニ!!
概要: この動画は最初の動画の旧版であると思われる。編集が極めて少ない上に音声の混合も乏しく、SCP-3413-Aの発言が判別しにくくなっている。旧版と最終版の最大の相違点は、動画が暗転してからも続く、SCP-3413-Aと不明な集団との音声の存在である。以下はこの音声の書き起こしである。
<ログ開始>
SCP-3413-A: 上出来だったかな? 俺は完璧だと思ったけども。
不明: 訛りを入れなくていいよ。もう終わったから。
SCP-3413-A: (以降のSCP-3413-Aの発言には顕著な中西部訛りがある) おっと! すまんね。君もなんだかこっちの喋り方に慣れてきたろ。(笑い声)
不明: ああ、まあな。なあ、デイブ。少し腹を割って話をしてもいいか?
SCP-3413-A: いいぞ、バンバン来なよ。ああ、バンバンと言っても銃声のことじゃないからな! (微かな笑い声)
不明: ワニについて色々言ってたな、ほら、体長20フィートのワニがいるとかって。あれ全部デタラメだって分かってるよな?
SCP-3413-A: 何を言ってるんだい? 自分の目で見ただろう、とても大きかったじゃないか!
不明: 確かに見たが — その、な…… 昔フロリダに住んでたが、(不明瞭) はあんな見た目じゃなかったぞ。前は何というか、サラマンダー並みの大きさだった。朝起きればバスルームをうろちょろしてるような奴らだ。てっきり放射線とかの影響で巨大化したおかしな突然変異ワニを見せびらかしてんだと思ってたが、その後でみんなそういう大きさだって言ったよな。そんなわけがない。
SCP-3413-A: 君がよく覚えてないだけさ! 俺はワニがどれくらい大きいか知ってる。君も見たじゃないか。俺の息子はいつもよくワニを描いたものだった、今も覚えて —
不明: 今は息子さんの話をしてるんじゃない! サラも言ってた、(不明瞭) ったし、俺だって言った。息子さんは間違ってる。誓って言うがサラは獣医だ。息子さんが彼女よりも動物に詳しいわけがない。
SCP-3413-A: 会ってもないくせに。あいつは天才なんだぞ。
不明: お前だってほとんど — 最後に息子さんと話してからどれくらい経った? 今すぐ電話をかけて、マレーグマが実在するのか訊いたらどうだ?
(沈黙)
不明: なあ、当時の息子さんって何歳 (不明瞭) の頃は6歳くらいだったよな? もう気が変わったかもしれんぞ。
SCP-3413-A: あいつは天才だ。動物のことなら何でも知ってる。大きくなったら動物園を経営して —
不明: 大きくなったら? それが何年前の話か分かってるのか? 息子さんはもう自分の子を持っていてもおかしくないぞ。
SCP-3413-A: 今に分かるよ。君はまだマレーグマを見たことがないだろう。息子はクマが大好きなんだ。一目見ればどういうクマか完璧に分かる。あいつは —
(動画が終了する)
タイトル: サファリ・ダイブの生放送Q&A!! 愛してるよ、君たち!!
概要: この動画はライブ配信であり、内容はSCP-3413-Aが中流階級のアパートの室内にある机の前に座りながら、チャンネルの構想を説明し、自分のシリーズが "これほどまでに成功した" ことに興奮を露わにして、チャットで投稿された質問に手短に答えるというものであった。視聴者は財団職員の [編集済]、ユーザー名 "lionlover09"と、動物学研究チームのメンバーの [編集済]、ユーザー名 "armlessTiger" の2名だけであった。
<ログ開始>
SCP-3413-A: さて、男女諸君blokes and sheilas! 君たちの質問に答える時が来た! 今日はそんなに時間はないが、きっとみんなの多くがこのサファリ・デイブから答えを聞きたがっていることだろう。だから、今がチャンスだ!
lionlover09: どこにすんでますか
SCP-3413-A: lionlover09さん、「どこに住んでますか?」あー、良い質問だが、残念ながら答えられない。俺や仲間のプライバシーは守らないと!
armlessTiger: 貴方のことを教えてくれませんか?
SCP-3413-A: armlessTigerさん、「貴方のことを教えてくれませんか?」うーん、そんなには言えないな。これはサファリ・デイブに関する番組じゃなくて、動物に関する番組だからな!
lionlover09: どうしてどうがをつくってるんですか
SCP-3413-A: lionlover09さん、「どうして動画を作ってるんですか?」そうだな…… この中でスティーブ・アーウィンを覚えてるって人はいるかい? 君たちの世代じゃないかもね。スティーブ・アーウィンはこれまで生きてきた中で最っ高にクールな男だった。クロコダイル・ハンターだったのさ! 息子はクロコダイル・ハンターをよく直に見ていたものだった。あんな小さな子をテレビから引き離すのに苦労したんだよ! それくらい大好きだったんだ。ミスター・アーウィンはもういないけど…… ひょっとして俺ならできるんじゃないかって思ったんだよ。そうすれば息子も喜んでくれるって。そして今、ここにいる! 大勢のファンに、たくさんの愛。
lionlover09: どうしてうそをつくんですか
SCP-3413-A: おっと、またlionloverさんか。好奇心旺盛な子だね?「どうして嘘を —」あっ、ああ、すまない。嘘は吐いてない。間違えるだけなんだ。そう…… サファリ・デイブのような偉大な冒険家でも、動物のことなら何でも分かるわけじゃない。間違いを言ったりもある。すまない。俺は忘れっぽいんだ。色々ごっちゃになる。でも、俺がうっかりしても子供たちは必ず知っている。息子は、あいつは動物のことなら何でも知っている。
armlessTiger: マレーグマの情報はどこから仕入れたのですか?
SCP-3413-A: armlessTigerさん、「マレーグマの情報はどこから仕入れたのですか?」簡単さ! 調査結果は全て息子から仕入れた! あいつは動物に関しては天才的で、マレーグマのことなら何でも知っていた。マレーグマがいる前から知っていたくらいだ! アイツが一番好きな動物でな。いつもマレーグマを描いていて、その生き物は今までで最高に興味をそそる見た目をしていたよ!
armlessTiger: 貴方の息子について詳しく教えてくれませんか?
SCP-3413-A: 「貴方の息子について詳しく教えてくれませんか?」あー、どこから話そうか。あいつは俺の人生の光だ。動物が大好きな奴でな。いつも絵を描いてて、クロコダイル・ハンターを観た後はTVに映ってたワニやらヒョウやらを色々描いてたっけ。それを何時間も。あいつが描く動物は最高にイカしていて、実在するとは思えないほど野生的でな、そんでもってこっちに寄って「パパ、これがマレーグマだよ」って。信じられるか? 今があるのも全てあいつのおかげさ。
lionlover09: むすこはどこにいますか
SCP-3413-A: 「息子は —」ああ。その。ここにはいない。ママと一緒だ。けど元気にやってるって信じているよ。今はきっと動物の研究とか、動物園の建造とか、まだ的確な表現すら無いすんごいことをやっているはずだ! あいつはそういう子だよ。あちこちを飛び回ってるんだ。
armlessTiger: 貴方の息子がどこに住んでいるのか教えていただけますか?
SCP-3413-A: すまない。もうこの話はやめにしないと。だってさ、みんな、これはサファリ・デイブのワイルド・ワールドなんだぞ! ここは動物の話だけにしよう。誰か、サファリ・デイブに次回取り組んでほしい動物はいるかな?
(SCP-3413-Aが追加の質問を20分間待ち、最終的に生放送を終了する。)