SCP-3446-JPの一例。
アイテム番号: SCP-3446-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3446-JPはサイト-8139の中危険度物品収容ロッカー内にて保管されます。ロッカーは怨念遮断加工を施したものを使用し、外部に霊的影響が及ばないようにしてください。
警察内に潜入しているフィールドエージェントによって、SCP-3446-JPに関連していると思われる通報/事件記録がSCP-3446-JP対策チームに報告されます。対策チームによって当該事件がSCP-3446-JPに関連していると断定された場合、警察に扮した調査部隊によって残存しているSCP-3446-JPの回収、関係者に対するインタビューが行われます。調査終了後、関係者に対してカバーストーリー「違法薬物の乱用」などを適用してください。また、使用者に関しては記憶処理の後、警察に引き渡してください。
SCP-3446-JPの流通ルートの追跡が現在進行中です。
説明: SCP-3446-JPは特定の儀式を行うことで異常性を発揮する粉末状の物体です。複数の物質の混合物であることが判明しており、現在までに
- 木材
- 綿
- 鉄
- 動物の組織の一部
が含まれていた事例が確認されています。また、多くの場合で人間の体液──具体的には血液、髄液、羊水──が付着した痕跡が確認されます。
SCP-3446-JPには微小な霊的実体が付着していることが確認されています。実体は微小であるため、SCP-3446-JPの干渉力は非常に弱いものとなっており、周囲の環境に対して及ぼす影響は僅かなものとなっています。しかしながら、500g以上のSCP-3446-JPを互いに密着した状態で保管した場合は部分的に周辺環境に対して悪影響1を及ぼす可能性があります。また、通常の霊的実体と同様に当該実体群は他の実体との共鳴および誘引などを行うことが確認されています。担当チームによる実体の霊素配列に対する調査の結果、当該実体は原材料がSCP-3446-JPへと粉末にされる際に、原材料に憑依していた霊的実体が原材料と共に粉砕された結果として発生した可能性があることが判明しました。ですが、報告書執筆時点で霊的実体を活動状態のまま粉砕する技術は発見されておらず、製造に未知の技術が使用されているものと推測されています。
SCP-3446-JPは特定の手順(補遺1を参照)を用いてその一部を摂取することによって、付着している霊的実体が体内にて一斉に昇天することとなります。連続的に大量の霊的実体が昇天することによって、霊的実体の意識体が転送される形而上空間2に接続された双方向ポータルが短時間出現します。そのため、摂取者の体内は当該空間と接続されることとなります。形而上空間の性質は人間の集合意識に大きな影響を受け、特に当該空間は一般的な「天国」「死後の楽園」のイメージの影響を強く受けています。そのため、当該空間には一部の霊的実体の意識体の侵入が不可である等の性質を保持しており、特筆すべきことに、「天国は快楽に溢れている」「楽園にいる人は幸せである」等のイメージによって当該空間は「快楽」「幸せ」等の肯定的イメージの形而上座標に位置しています。すなわち、当該空間は「幸せ」や「快楽」そのものに非常に近い存在となっています。結果的に、当該空間と接続した摂取者は非常に強い快楽を経験します。摂取した際の効果は薬物等に類似していますが、実験の結果として当該空間との接続の方がよりドーパミンが分泌されることが判明しています。
報告書執筆時点で、一部のコミュニティにてSCP-3446-JPの売買/使用が確認されています。SCP-3446-JP使用時の症状は薬物を使用した際のものと類似しており、SCP-3446-JP乱用者と通常の薬物乱用者の症状の区別は困難であるため、異常が一般社会に露呈する可能性は低いです。しかしながら、使用者が増加した場合、SCP-3446-JPを適切に使用しない事例が増えることが予想され、対処が困難になる可能性が指摘されています(補遺3を参照)。そのため、現在財団は薬物使用防止キャンペーンを設置し、SCP-3446-JPの使用者の増加を阻害を試みています。また、SCP-3446-JPの製作者(補遺2を参照)に関する情報を調査し、製造方法/製造場所の特定を試みています。
補遺1: 以下は、実験および使用者へのインタビューから判明した、SCP-3446-JPの異常性を発揮するための儀式の一部です。全ての儀式の詳細な方法を閲覧したい場合はSCP-3446-JP対策チームに問い合わせてください。
使用物: 霊的対抗性を持った紙3。
手順: SCP-3446-JPを細い線状に並べ、霊的対抗性を持った紙を筒状にしたものを鼻に挿入する。そのままSCP-3446-JPを鼻へと吸い込む。
備考: 霊的対抗性を持った紙の作用によってSCP-3446-JPに付着している霊的実体は昇天することとなる。また、鳥居や茅の輪くぐりに代表される「くぐる」という儀式的行為が昇天を容易にしていることが予想される。
以上の方法は使用者の内で最もポピュラーな方法で、即効性が高い。また、ドーパミン分泌量も比較的高い。これは昇天の起きる箇所が脳に近いことによって発生しているとの提言がなされているが、詳細は判明していない。
使用物: ドライハーブ用ヴェポライザー4。
手順: ヴェポライザーにSCP-3446-JPを詰めた後に加熱し、その蒸気を口から吸引する。
備考: 密閉した状態での加熱というのは火葬等に儀式に類似しており、それが昇天を補助している可能性がある。また、燃焼させてはいないものの、御焚上の要素も含まれておりそれが鎮魂を補助している可能性がある。
以上の方法は、煙や匂いが少なく、秘匿性が高いため多くの使用者に用いられている方法である。しかしながら、昇天量は他の方法と比較し少ない──すなわち、分泌されるドーパミンの量が少ないため、一部の使用者は霊的対抗性を持った物品と同時に加熱することで昇天量を増加させていたことが判明している。
補遺2: 使用者がSCP-3446-JPを入手する経路を追跡した結果、SCP-3446-JPを製造/販売または販売の仲介を行っていると思われる組織を発見しました。“Entertainment & Enterprise社”と表記されている当該組織はSCP-092-JPやSCP-216-JPに関連している、主に広告を制作する要注意団体です。複数のオブジェクトの発生に関与しているとして追跡を行っていますが、報告書執筆時点でその正確な規模およびメンバーの詳細は判明していません。
以下は当該組織によって作成されたと推測されるSCP-3446-JPを宣伝するWEB広告の抜粋です。
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補遺3: SCP-3446-JPの流通に伴い、不適切な摂取を行う事例が増加しています。これは使用方法の伝播よりSCP-3446-JP自体の流通が早いことや、単にSCP-3446-JPを通常の違法薬物と思い込み使用していることが原因だと予測されています。
以下は報告書執筆時点で財団が認知している事例の一部です。
概要: 儀式を完遂することなくSCP-3446-JPを摂取したことによる霊障5。
詳細: 霊的実体を体内に長時間留め、密着することによって霊障が発生する可能性がある。具体的な症例としては、金縛り、悪寒、幻覚が挙げられる。これらの症状は通常の薬物の禁断症状とみなすことも可能ではあるが、専門医などに診察された場合には異常が露呈してしまう可能性がある。また、周囲の霊的実体との共鳴によって摂取者が霊的実体を誘引してしまう可能性がある。
概要: 長時間保管したSCP-3446-JPを使用したことによる健康被害。
詳細: 前述の通りSCP-3446-JPに付着している霊的実体は共鳴作用によって他の霊的実体を誘引し、その結果としてSCP-3446-JPに新たに実体が付着する例が確認されていり。多くの場合、付着する実体は微小なものだが、長時間SCP-3446-JPを霊的対抗措置を行わずに放置した場合、実体が以前の2倍ほどの量になることが確認されている。
そのような状態のSCP-3446-JPを使用した場合、より過剰なドーパミンが分泌され、幻聴や幻覚の症状が強まる。また、全ての実体が昇天せず一部が体内に留まる可能性がある。
特に後天的に付着した実体が悪霊6であり、その量が既存の付着していた実体の7割以上の場合、対象は既存の空間に加え、一般的に地獄と呼称される形而上空間に接続する。通常の場合と同様の原理により、対象は多大な苦痛を感じる。具体的には、「鼻を焼かれたような感覚」「針を飲まされたような感覚」と形容される。この場合、対象の苦痛は快楽を大きく上回るが、これは天国に対する正のイメージよりも地獄に対する負のイメージを上回っている7ことに起因すると予想される。
これらの症状はSCP-3446-JP使用者のコミュニティにおいても認知されている8が、コミュニティ内に異常知識を持っている人物が存在せず、通常のSCP-3446-JPと放置されたSCP-3446-JPを見分けられず、現代社会において霊的実体は悪霊となる事例が多いため、以上のような事例が多く発生している。









