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以下の文書は、幾つかの詳細な情報を意図的に欠損・改竄した状態で作成されています。
そのため、正規の報告書フォーマットから著しく逸脱している可能性がある点に留意ください。

画像検閲済: 要セキュリティクリアランス0/3456
アイテム番号: SCP-3456-JP
オブジェクトクラス:1
特別収容プロトコル: SCP-3456-JPは、特別隔離サイト-3456の最下層チャンバー内に収容されています。収容状態の維持・保全、及びサイト機能の管理・監督は、常に1人の担当職員のみによって実行されなければなりません。加えて、当該サイトの位置座標・施設規模・構成員・来歴等のあらゆる情報は、他の財団職員を含む、あらゆる知性体から完全に隠蔽され続けます。
如何なる場合であっても、最下層チャンバー内部を観察したり、入口ゲートを開放しようとする試みは禁止されています。これに違反した職員は、即座に終了対象となる可能性があります。
SCP-3456-JP担当職員には、サイト内状況及び自身の精神状態を、定例的に外部サイトへと報告することが義務付けられています。この報告に際して、自動診断結果から明確な異常が検出された場合、必要に応じて対策プロトコルが実行されます。
説明: SCP-3456-JPは、特別隔離サイト-3456で収容下に留め置かれ続けている特定の存在、もしくは現象です。後述する詳述不能な性質のために、現時点での当該オブジェクトに関する情報の大半は、隠蔽・検閲された状態にあります。
あらゆる知性体による以下のような行為・試行・状態は、SCP-3456-JPによる異常性の対象となるか、その収容違反を誘発させる可能性があります。また仮に、当該オブジェクトによる収容違反が看過された場合、詳述不能な特定のK-クラスシナリオと一致する進行過程を経た後、現行人類に対する致命的な作用が齎されると予測されています。
- SCP-3456-JPの外観、性質、来歴、状態、座標等に関する、一定以上の明確な知識を得る。
- SCP-3456-JPに向けて直接的に発声、発話、発言を行う。
- 特別隔離サイト-3456内に、2人以上の生きた人員が存在している。
- 最下層チャンバー内部を観察する。もしくは入口ゲートを開放する。
- 担当職員が特別隔離サイト-3456内から退出する。もしくは死亡する。
- SCP-3456-JPの実在性や真偽性を強く否定する。もしくは強く肯定する。
- SCP-3456-JPを夢に見る。
以上の性質のため、現行での担当職員1人のみによる収容体制が確立されるに至りました。
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事案: 詳述不能な特定の時点より、担当職員からは自身が睡眠時に経験した"悪夢"に関する定例報告が齎され始めました。この状況を受け、完全に自動化された各種分析走査が実施された結果、第三者によって現実改変・認識災害・反ミーム的作用等の性質が行使された可能性は一切否定されました。その一方で、悪夢の経験自体がSCP-3456-JP影響によるものなのか、純粋なストレス性の精神影響であるのか、証明するまでには至っていません。
付録: 以下の文書は、担当職員より提出された定例報告の中より、注目すべき箇所を抜粋したものです。
<抜粋01>
報告: 無関係かもしれませんが、昨晩に経験した奇妙な悪夢についても報告します。
夢の中、私はこのサイト内で普段通りの作業をしていました。しかし、隣室の前を通り過ぎた時でした。少し空いた扉の隙間に、私は何か異質なものを見た気がして、思いがけず部屋の中を覗き込みます。見ると、その部屋の中央には、1体の遺体が無造作に転がっていました。
それが遺体であると、なぜ私が直感できたのかは分かりません。それからしばらくして、私は恐る恐る近寄って見たところで、その服装からして遺体が財団職員であることに気付きました。しかしながら、辛うじて識別できる腐敗途中の顔に、私は見覚えが一切ありませんでした。
回答: 環境ストレスによる、心理的影響が考えられます。財団の生活改善指導プログラムの受講を推奨します。このプログラムは貴方が現在抱える問題を改善する、大きな手助けとなる可能性があります。
<抜粋02>
報告: 昨晩、私は再び悪夢を経験しました。夢の中は、前回同様にこのサイト内です。
夢では定例作業が終わり、私は夕食の席に着いている際中でした。ふと視線を食事から離すと、カフェテリアの端の席に向かい合って座る、先ほどまでいなかったはずの2人分の人影が目に入ります。当然ながら、このサイト内には私しかいないはずなのに。不審に思い目を凝らすと、私はそれらが遺体であると理解します。
見た限り、どちらの遺体も腐敗は進行しており、なぜ今まで気が付いていなかったのかと思うほどの異臭を放っていました。そして、これら遺体も前回の夢と同様、私が見覚えのない財団職員のものでした。
回答: 心理分析の結果、以前よりもストレスレベルの悪化が確認されました。もしも貴方がそれを望むのであれば、自動化済みカウンセリング・プログラムの受講申請も可能です。
<抜粋03>
報告: 各種プログラムへの参加の甲斐なく、悪夢の経験は未だに解消されていません。私は眠りに就くたびに、悪夢の中のサイト内で、見知らぬ同僚らしき新たな遺体を見つけ続けています。私のみが存在しているはずのサイトで、私はなぜ、他の職員が存在していた痕跡を観測し続けるのでしょう。
何か心理的影響以外、例えばアノマリーによる異常性が原因とは考えられないでしょうか?
回答: SCP-3456-JPによる、未発見の異常性が発揮された可能性も考えられます。異常性の分類を同定し、問題を解決するための手段として、サイト内に備えられた自動分析機器の活用を提案します。
<抜粋04>
報告: 悪夢は未だに続いています。おそらく、何かが正常ではありません。
最近では「夢の中の彼らは、本当は実在しているのではないだろうか? もしかすると、私が忘却しているだけで、かつての同僚たちなのではないか?」という安直な考えが、頻繁に頭を過ぎります。
分析結果に、何らかの異常性の痕跡や、彼らの実在性を証明する要素は発見されましたか?
回答: いいえ、分析の結果、検出可能な異常(現実改変、認識災害、反ミーム作用の痕跡等)を発見することはできませんでした。貴方が目撃した光景の全ては、単なる夢の出来事でしかありません。
<抜粋05>
報告: 質問があります。なぜ、こんなにも大規模なサイト管理に、レベル0職員である私1人が割り当てられたのでしょうか? また、SCP-3456-JPの収容に、これほどのサイト規模は不必要ではないでしょうか?
回答: 詳述不能である性質に加え、既にご存知であると思いますので要点は省きますが、貴方1人のみによるサイトの管理体制がSCP-3456-JPの収容維持に必須であるためです。
また、SCP-3456-JPが特別隔離サイト-3456に収容された後になってから、初めてその異常性質が明らかになったこともあり、結果として当サイトは単一のオブジェクトのみを収容するためには十分すぎるほどに不必要な設備・資材等のリソースが取り残された状態となりました。
<抜粋06>
報告: なぜ私は就任以降、このサイトの外に出ることができていないのでしょうか? そもそも、サイトの外部に繋がっていると思わしき出入口を、私は未だに発見できていません。
回答: 詳述不能である性質に加え、既にご存知であると思いますので要点は省きますが、貴方の特別隔離サイト-3456常駐がSCP-3456-JPの収容維持に必須であるためです。
また、SCP-3456-JPによる未発見の精神影響・認識災害・強制力等の行使による結果として、当サイト内から担当職員が不在となることを防止する目的で、サイト外部へと接続する全ての通路は常に隠蔽された状態にあります。
<抜粋07>
報告: 報告をします。私は特別収容プロトコルに違反し、最下層チャンバーの中を観察しました。しかしながら、その内部に一切の存在を発見できませんでした。中に入って、確かめたにもかかわらず。なぜ?
回答: ご質問の最下層チャンバーに関してですが、財団外の異常な集団もしくは個人によるサイト襲撃の可能性が考慮された結果、当該チャンバーをSCP-3456-JP収容場所とする偽装情報が公開されていました。
当然ながら、サイト内における実際のSCP-3456-JP収容場所に関する情報は、詳述不能となっています。なお、貴方のその背信行為にもかかわらず、幸運なことに即時終了の対象とはなりませんでした。
<抜粋08>
報告: 私がSCP-3456-JPなのですか?
回答: いいえ、貴方はSCP-3456-JPではありません。
<抜粋09>
報告: 貴方がSCP-3456-JPなのですか?
回答: いいえ、私はSCP-3456-JPではありません。
<抜粋10>
報告: 此処は本当に現実なのですか? 私は夢を見ているのではありませんか?
回答: 貴方が目醒めている限り、此処は紛れもない現実です。
<抜粋11>
報告: 確実に、何かが正常ではない。貴方はこれまでに、私に嘘の回答をしましたか?
回答: はい。
<抜粋12>
報告: では一体、どれが嘘なのですか?
回答: 貴方はそれ以上、私を疑ってはならない。
<抜粋13>
報告: 無関係かもしれませんが、昨晩に経験した奇妙な悪夢についても報告します。
夢の中、私はこのサイト内で普段通りの作業をしていました。しかし、隣室の前を通り過ぎた時でした。少し空いた扉の隙間に、私は何か異質なものを見た気がして、思いがけず部屋の中を覗き込みます。見ると、その部屋の中央には、1体の遺体が無造作に転がっていました。
それが遺体であると、なぜ私が直感できたのかは分かりません。それからしばらくして、私は恐る恐る近寄って見たところで、その服装からして遺体が財団職員であることに気付きました。しかしながら、辛うじて識別できる腐敗途中の顔に、私は見覚えが一切ありませんでした。
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