アイテム番号: SCP-349
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-349はありふれた墓地に類似し、財団業務の機密や墓地への来訪者に対する明白な脅威ではありません。現行の収容プロトコルは一定の遠隔監視、偶発的な不正侵入を防ぐための物理障壁の維持、墓地の状態を損なう破壊行為その他の脅威に対処する対応チームの割り当てに限られています。想定される墓碑の増加に応じて、墓地を拡張する計画が存在します。
説明: SCP-349-01に指定された人工物は、およそ400年前に作られた巨大な花崗岩の墓石です。最初の碑文は"ニコラ・フラメル"と読め、"1376-1606"の日付が続いています。これらの碑文の下には、大文字で幅広に刻まれた"お前は失敗した"という銘があります。墓石には破損と部分的な浸食があり、正面部分をはっきり横切る複数の巨大なひび割れが存在します。このオブジェクトは███████████にイングランド、バース近くの墓地用地にて発見され、系譜学愛好家であるエージェント███████によって報告されました。
SCP-349は周囲3kmに誰もいない森の中に位置する墓地です。これはSCP-349-01が発見された場所を徹底的に捜索した後に発見されました。部外秘のSCPに関する情報を暗示するものであったため、エージェント███████は当該区域を封鎖し、財団に連絡しました。
墓地は一対のゴシック様式アーチ門を伴う黒い錬鉄製のフェンスに囲まれています。中には世界中かつ有史時代(おそらくそれ以前の時代も含む)を通しての様々な人物の小さな記念碑が設置されています。当該区域は不明な手段を通して明らかに維持されており、フェンスの範囲内では雑草の成長と自然浸食が抑制されています。碑銘は簡潔かつ悪意あるもので、刻銘した者は各人物の死に対する非難を熱心に主張しているようです。一部の碑文は特に悪意に満ちた、執念深い内容であり、刻銘した者と葬られた人物の間にある個人的な敵意を示唆していると思われます。(調査 349-Bを参照してください。)
歴史的な記録の分析によって、言及されている人物たち(大体が伝承上の存在として知られる)の一部は実在が確認されています。全ての実証された歴史的人物は、多様な手段を通じて永遠の命を追い求めたか、おそらく実現したと考えられています。この人選には██████████████████████、あるいは[データ削除済]といった人種・種族のような、不死性を持って生まれた人々は含まれないようです。同定された人物には、仔細がはっきりしない、とある秘密の儀式によって不死を得たとだけ知られている、またはその存在が公には秘匿されている人物が含まれます。この中には、財団の記録でのみ知られている████████████████████も含まれています。さらに、墓石群はクリストファー・コロンブス、フランシス・ベーコン卿、アリベルト・ハイムといったかなり時代が下った後世の有名人物についても相当数言及しています。
最後に、有力な記録あるいは伝承が存在しない忘れ去られた人物の小グループが存在します。その一部は、各地各時代において裕福であったか奇抜であったことから僅かな名声を得ていた人物と暫定的に同定されています。完全な情報は調査 349-Bで閲覧可能です。
SCP-349にて言及されている人物たちは、平均寿命より長い100年程度の年月(平均値)を生きたようです。墓石に記載されている最長の寿命を持つ人物は、古代の聖書福音書との綿密な比較研究を通して、"さまよえるユダヤ人"(750年)であると考えられています。この人物の想定される死に基づき、[データ削除済]であると仮定されています。
追悼碑の素材、デザイン、遺体の処理法、埋葬様式、宗教的象徴、碑文の言語はすべて故人が生きていた時代・文化に準ずるようです。最も古いことが確認された墓碑は互いに噛み合うよう溝が入れられたゾウの骨の山であり、理解不能な絵文字と部族のマーキングが施されています。解読された最古の碑文はシュメール語のもので、単一の岩の上に"心臓喰らいのKu-Aya": "お前は奴隷として自らの一族を売り渡し、家族の肉を貪り食らい、そしてその報いを受けた。"との文言が捧げられています。ほとんどの墓の遺体はそれぞれの経年に応じた分解状態にあり、いくつかの古い遺体はほぼ塵と化しています。多様な埋葬方式にも関わらず、精密検査は墓地の過半数(~90%)において覆いとなっている物体への引っかき傷、あるいは地表まで掘り進もうとした痕跡が見られることを明らかにしました。それにもかかわらず、これまでの発掘では例外なく遺体か一組の白骨が出土しています。
様々な墓地の確認された経年、それらが暗示する歴史的正確性、それらが保持する現代の不死者に関する財団機密知識の立証された精通性は、SCP-349が単なるでっち上げではないことを示唆しています。研究を容易にし、当該オブジェクトを作成した実体(群)との接触が可能であるかどうかを確認するため、収容体制は確立されています。これら実体群の積極的な介入が、██████████████および財団管理下にあったSCP-149-Dの[データ削除済]中の終了をもたらしたと考えられています。
まったく腐敗していない特異な遺体が二体出土しましたが、一方の保存状態は死後の環境によるものでなく、故人が生前に見せていた特性に由来するものであると思われます。もう一方の遺体は、ブリタニカのCalothisosi(矢の斉射や剣の直撃に耐えることができたらしい、あまり知られていない伝承上の人物)の遺骸です。遺体の顔は両方とも極度の恐怖に染まっており、その口は絶叫しているかのように歪んでいました。
補遺349-A: 共同墓地の深部において、互いに関係のない死体群が保管してある地下墓地とショベルが発見されました。ショベルは意図的に死体群と一緒に、かつその上座に置かれていました。死体群の身元調査は[データ削除済]。当該墓地の存在を仄めかす情報が公共に流出する[データ削除済]のようなケースを防ぐため、厳格な収容が課されています。
碑文調査349-B:
ニコラ・フラメル
1376-1606
お前は失敗した
サン・ジェルマン伯爵
1713-1901
ナイストリック
ティートーノス
B.C.465-B.C.370
お前が真に望んだ姿
ガラハッド卿
1222-[損傷により読解不能]
穢れなき汝の心はいつまでも残り続ける
クリストファー・コロンブス
1451-1520
全く新しい世界を探検せり
フランシス・ベーコン卿
1561-1739
子供たちのことを考えろ
アリベルト・ハイム
1914-2008
最終的解決
機密備考349-C: SCP-349の真実性は、それらが保持する超常人物に関する機密情報によって裏付けられました。以下の事件は墓地内の墓標で言及されています。その区画に埋葬されたと思われる人物は、言及された人物と明確に同定されています。
- 財団が以前にその存在を確認し、不死を達成した人間として登録した[データ削除済]の人物たち。前述の人物の内の一名は変死を遂げ、もう一名は財団の監視下から逃れ行方をくらましている。その他█名の所在は現在不明。████████████は限られた接触を通じて、彼らが"狩られている"こと、財団が守ってくれるとは信じていないことを表明しました。
- [データ削除済]の同一個体群。血清は明らかに効いており、被験者は[データ削除済]まで副作用を示さなかった。[データ削除済]まで明らかなパラノイア症状が持続。死体は回収されなかった。
- SCP-███に指定されている████████████の泉水を用いた実験によって、明確な不死性を獲得し、強大なKeterクラスの人間となったSCP-149-D。彼を保持していたセルの封じ込めは彼の117回目の誕生日に破られ、以後SCP-149-Dは回収されていない。(当時は逃亡し、野放しになっていると推定されていた。)無傷の遺体から回収されたDNAはSCP-149-Dのものと一致した。