SCP-351
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アイテム番号: SCP-351

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-351の全複製は安全な財団収容データベースに保存し、ミーム部門職員のみがアクセスできるようにしてください。試験が実行される場合、試験対象、及び、感染の可能性の有る職員へのアノマリーの影響を無効化する為に、SCP-351-1のみから構成されるSCP-351の"空の"複製が使用されます。

ボットI/O-シャノンSHANNON、及び、I/O-ミネルバMINERVAが、定期的にオンラインウェブ上でのSCP-351の複製の出現を検査します。標準オンラインアノマリー収容プロトコルに基づいて、発見された複製は当該サイトからダウンロードされ、その後削除されます。SCP-351が大衆の大部分に影響する事象の際の大規模記憶改変を防ぐ為に、機動部隊ψ-13("伝送終了文字EOT")が編成されています。当該部隊のエージェントは標準ミーム検疫プロトコルに従うと共に、前述の空複製を表示する電化製品を装備して、それを1日2回の頻度で見てください。

アノマリーが記憶に埋め込まめる限界の特定試験が進行中です。

説明: SCP-351は、毒性ミームエージェントを含むアスキーASCIIコードのプレーンテクスト(.txt)ファイルであり、それはファイルを見た被験者の人物に、アスキーアート1として偽の記憶を埋め込みます。アノマリーの主要部分SCP-351-1は、既知のエンコード基準では対応する記号のない30個の記号の連なりで、これがファイル全体をミームベクターに変換します。

当該ファイルに更に文章が追加された場合、それはSCP-351が埋め込む記憶の基礎となり、その文章の詳細さが被験者の"記憶memory"から思い出せる詳細さに対応します。思い出される記憶の全てが非常に鮮明で、なおかつ、全ての記憶処理に対して抵抗します。ファイルの複製(SCP-351-A)は同様の性質を示します。しかし、被験者がSCP-351-1以外の文章を欠いたSCP-351やファイルの複製(以下、"空白")に暴露すると記憶が"空の"記憶に置換され、埋め込まれた記憶が完全に取り除かれる結果となりました。これは逆にミーム感染を取り除く主要な方法です。

埋め込まれた記憶について被験者は、それが明確に思い出せるのにも関わらず、直接性や他の記憶のような豊かさに欠けていると報告します。これは記憶が基礎としている単語の連なりが本質的に、通常の記憶が基礎としている知覚的クオリアを欠いている結果であると理論化されています。

ファイルにミーム感染した被験者(以下、SCP-351-B実体)は、友人や同僚のような彼らに関わる人物に、彼らの偽の記憶を埋め込むことができるようになります。どのような媒体でも実体が参加した会話では、実体がSCP-351の記憶について話す結果となり、会話自体が参加した全員に影響の有るミームベクターに変えられてしまいます。これらの影響された人物もまたSCP-351-Bとなり、同様の方法でミームを拡散できるようになります。

以前存在しなかった記憶が加えられる以外にも、SCP-351-Bは幾らかの他の認知的影響を経験します。未感染の人物と会話していないかぎり、実体は感染以前のように振る舞います。また、SCP-351の記憶と実際の記憶の矛盾に関して質問されても彼らはそれを無視します。SCP-351-B実体には暴露していない人物よりも顕著に高い割合で無気力・快感・感覚の症状が見られます。

補遺.1: SCP-351文章サンプル

以下の文章は発見時のSCP-351-A実体から抜粋されています。ファイル内容の完全な複製は文書351-RT/267で利用可能です。

実体番号: SCP-351-A5


あなたは森の中を前進している。生存者の仲間の持つ懐中電灯と頭上で爆発していく宿敵の爆弾以外、全てが闇だ。爆発は目も眩む火花。体と銃にこびり付いたジョンJohnの血はまだ温かい。後ろを振り返るたび、彼がそこに居ていつも通りに笑っていると期待する。だが、彼はそこには居ない。焼夷弾が全てを焼き尽くしてしまった。

ヤシの木が揺れて裂けて、その香りが鼻をくすぐる。宿敵の兵士が林冠から現れて、下降しながらあなたを撃つ。弾丸が体を貫くと、経験したことも無い程の、焦がし突き刺す痛み。それは千のヒアリが開いた傷を駆け巡る感覚だ。運良く地に倒れたあなたは奴らに無視された。他は違った。仲間の絶叫。眼前には血に濡れた泥だけ。

これが宿敵のしたことだと知り、それ故にあなたは憎悪する。かの宿敵を。この時から、あなたは命を賭して敵と戦うこと、そして、敵との永遠の戦いに備えて[座標編集済み]を目指すことを誓った。ジョンの為、生存者の為、世界の為。


回収: アラスカ州デナリDenali国立公園の、遺棄された軍産複合体のコンピューターから発見。当該地域の他のファイルには、SCP-351-A5の複製を複数のオンラインフォーラムに拡散する計画が立案されたことが示唆されていたが、不明な理由によりそれは実行されていない。

実体番号: SCP-351-A19


赤信号を無視して車を走らせたことは無い。今は青信号で、道路には歩行者も車も無い。視界は霞んでいない――あなたは素面だった。暗かったが、前照灯が点いていたお陰で道路が良く見えた。妻はあなたに叫んでいなかった。彼女の頭は肩に寄り掛かっていた。

あなたは他の車が来るのが見えたとき蛇行できた。あなたは道路の正しいright側に居て、彼らは間違った側に居て、だからあなたは間違えていない。あなたの車が衝突するのも、風防が砕けるのも有り得なくて、それが起こるのは理に適っていない、あなたがあの時に蛇行したのだから。シートベルトは締められており、誰かが窓の外に飛び出すなんて有り得なかった。血は見えなかった、あなたの体のガラスの破片も、彼女の体のも。

次の日は彼女との結婚一周年記念日だった。盛大なパーティーだった。彼女は笑い声を上げて、笑顔で、かつての自分の研究室仕事がいかに良いものだったかを語った。その後の日々も幸せだった、その後の月々も。彼女とはいつも一緒で、彼女は消えなかった。記念日から4ヶ月間の歓喜。

あなたのせいじゃない。


回収: 2006/12/04のサンドラSandraホルトHoltの自殺後に彼女の個人用コンピューターから発見。


関連ファイル:


補遺.2: 実験ログ351/1

2007/01/09に、研究員フェルディナンドFerdinandフォーティアーFortierは、SCP-351の記憶改変能力の限界を特定する予備試験の許可を得ました。SCP-351-A実体に自動処理で文章を挿入し、それをDクラス被験者に見せて感染させ、彼らに記憶を描写するよう命ずることによって、フォーティアー研究班は試験を行いました。ミーム拡散の恐れを最小化する為、その後に空白が被験者、及び、全研究班に見せられました。

補遺.3: "ブリキの木こりTin Man"計画

2007/03/29に、研究員ルシンダLucindeベリンガーBehringerがCP-9906の通常監視を行っていたところ、アノマリーの認識災害効果が全てのミームフィルターシステムを貫通し、ベリンガーをミームベクターに変換しました。収容違反の前、ベリンガーはあらゆる記憶処理薬を周囲に充満させ、自身も実験的反ミーム標識に暴露していました。アノマリー、並びに、彼女が取った手段が累積したことにより、彼女の人格・記憶・ほぼ全ての精神構造が消去されました。この結果、ベリンガーは重度の植物状態になり、生命維持が確保された後も、以前の状態に戻る手段は発見されませんでした。

2007/04/21に、倫理委員会はベリンガーの人格と記憶を再構築する為、SCP-351を用いた実験を許可しました。"ブリキの木こり"計画に分類されたこの計画では、ベリンガーの全データベース情報・同僚との文通記録3・個人日誌の記入が収集され、それらを用いて彼女の精神状態を回復し得る極めて詳細な文章が書かかれました。当該文章では既知の全思考・人生経験・記憶・人格特徴が年代順に纏められています。2007/10/01時点で、文章は5万単語を含むに至りました。

新たな情報が一切記入されなくなったとき、当該文章は特殊なSCP-351-A複製(SCP-351-AΔ)に指定されました。2007/10/10に、研究員ベリンガーは当該ファイルに暴露されました。彼女には最初四肢の微かな動きのみが確認されましたが、1時間後には病室を動き回り始めました。翌日、インタビューが実行されました。

精神的苦痛によって、研究員ボーサイドはコンピューター端末の"空の器"を見ないで退出してしまい、標準セキュリティープロトコルに違反しました。これは"ブリキの木こり"計画に関わる全職員への、SCP-351-BΔの記憶構成要素のミーム拡散をもたらし、サイト警備に警報が入った後に彼らは隔離されました。

通常と異なり、空白実体に暴露したところ、被害を受けた職員のSCP-351-BΔに関する記憶はほぼ完全に消去されました。これは埋め込まれたSCP-351-AΔの記憶が実際のSCP-351-BΔの記憶に極めて類似していたためそれらが混同され、埋め込まれた記憶の消去が実際の記憶を消去してしまった、と理論化されています。SCP-351-BΔの知人全員が"ブリキの木こり"計画に従事し、ボーサイドのプロトコル違反に居合わせため、SCP-351-AΔが本来基づいていた記憶全てが喪失しました。

研究員ボーサイドはSCP-351に関する全ての研究から異動し、類似のインシデントの再発を防ぐ為、新たなセキュリティープロトコルが導入されました。一方で、ミーム拡散を防ぐ為の隔離環境でSCP-351-BΔが有効活用できることが示されています。感情情報を取り除き、忠誠度を増した文章を用いてSCP-351-AΔを修正することによって4、SCP-351-BΔは一貫した方法で日常的に、有益なミーム研究活動を行えるようになりました。

被験者に医療支援を自動的に行える生命維持システムが完成したことを受け、SCP-351-BΔは無期限に財団に奉仕できることが期待されています。

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