アイテム番号: SCP-3511
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-3511はもはや異常特性を有していませんが、最低限の収容は必要です。1名の財団エージェントがSCP-3511がその異常性を再獲得しないか監視します。該当する事象が確認されれば、以前の収容プロトコルが適用されます。
SCP-3511は必要なだけの設備と家具を備えた標準ヒューマノイド収容セルに収容されます。SCP-3511はサイトのセラピストに1週間に1回面会しなくてはなりません。SCP-3511を勾留する試みは全てが遠隔操作の非戦闘用ドローンを用いて行われます。SCP-3511の食事には肉が含まれてはなりません。
説明: SCP-3511は身長170cm、体重65kgのラテンアメリカ系のヒト女性です。SCP-3511は貧血気味であり、たびたび血行不順や気絶の発作を起こします。
SCP-3511の異常性は動物界に属する生きた生命体にのみ作用します。該当する生物はSCP-3511から7cm以内に接近することができません。この力はSCP-3511自身には影響しません。
回収ログ: SCP-3511はウィスコンシン州オークリンで放送された小さなラジオ番組における以下の会話をラジオ走査ボットが検知したことで財団に発見されました。
司会A: ジムだ。
司会B: そしてキャリー。
司会A: そしてようこそ、ジムとキャリーのお困り相談室へ。今日は子どもについて悩みがある方からご相談を頂いてるんだ!
司会B: あとは悩んでる子供からも!
司会A: よし、じゃあ早速最初の相談者だ、もしもし?
通話相手: こんにちは。
司会A&司会B: こんにちは!
司会A: さて、あなたは子どもについて悩みを抱えているとお聞きしていますが。
通話相手: 私─ええ、ええ、そうです。
司会B: では、僕達がご相談に乗りましょう。
通話相手: ええと、私は教師なんですが、ある一人の生徒を受け持っているんです。本当に静かな子で。
司会A: よく言うじゃありませんか!
司会B: 静寂は時折、何よりも恐ろしいものだって。
通話相手: ええ、そう考えてくださると思っていました。彼女は最近、ひどく……気難しくて。私が彼女の宿題について尋ねてもそんな態度で返すんです。時には授業を丸々サボったり。でも、ここまでは反抗期の子供にはごく普通のことなんです。
司会A: では、それがいつおかしくなり始めたんです?
通話相手: 学校の最終日です。私たちは試験を終えて、子どもたちは家に帰る準備をしていました。でもエリカはそのとき……起き上がって扉のところに立ったんです。子どもたちは帰ろうとしましたけど、彼女のいるところを通れなかった。
司会A: 彼らは彼女を外に押し出さなかったんですか?
司会B: ええ、ちょっと押してやればいいでしょう。僕は運動場では毎日そうやってましたよ!
通話相手: いいえ、そうはなりませんでした。彼らは彼女を押せなかった。触れることすらできませんでした。
司会A: 触れないって?
司会B: シラミでも持っていたんですか?
通話相手: いいえ! 彼らは言葉通り彼女に触れなかったんです。子どもたちは近付いていって、そして……単に止まった。みんな不安で喧嘩も始まったんです。ホールにいた生徒たちは何が起きてるのかと周囲に集まってきました。でも数分後には、私の生徒たちはみなただそこに立って彼女を見つめたんです。私は彼女に動くよう言いましたが、彼女は私をじっと見てこう言いました。「気付いてよ。私はここにいたいの。私は私を見てほしい。私は触れられたい。それがいやなら、先生が私を動かして。」
司会A: そりゃ……そりゃおかしな話だ。
司会B: もし僕の子どもがそう言ったら、キツく叱ってやりますがね。
通話相手: ええ、私はもしかしたら思い違いをしているかもしれません。私はそんなにあの出来事が異常だったのか覚えていなくて……同僚や校長と話し合いました。彼女のご両親にも話しましたが、ただ困惑されているようでした。申し訳ないことに、ご両親は本当に快活な良い方たちだったんです。
司会A: 気は確かですか? 何かおかしなことが起きているように聞こえて─
司会B: 心療内科にでもかかることをおすすめしますよ。
通話相手: でも、これは─
ガチャッ。
司会B: さて、次の相談へ移ろう!
エージェント・テニスンが関連のあるオークリン居住者に聞き込みを行い、収容以前のSCP-3511について必要な情報を収集するため派遣されました。SCP-3511が通常ではないと気付いている住人もいましたが、いくつかの理由から超常的であるとは認識していませんでした。最も特筆すべきインタビューは高校生のタイラー・オスローに対して行われたものです。
テニスン: こんばんは。
オスロー: ええ、えっと……刑事さん?
テニスン: テニスンさんと呼んでくれればいいよ。エリカ・ストロスさんについて妙な経験をしたって聞いてね。
オスロー: はい、そうです。僕は6歳のときから彼女を知ってます。一緒に小学校に通いましたが、全く親しくなかったです。ええ、僕たちはまるっきり仲良くなんかなかった。
テニスン: 詳しく聞いても?
オスロー: 小学校のころ……僕はあまり良い子ではなくて。彼女とは運動場でよく喧嘩をしていました。何で喧嘩していたのかは覚えていません。幸い、僕らは小学校を出た後は違う道を歩みました。彼女の両親が学校を変えさせたそうです。いいことだと思いますよ、彼女は守られたんです。
テニスン: 何かはその後に起こったのかい?
オスロー: それから10年も経っていない頃です。ええっと、彼女は公園で僕を見つけ、こっちに向かってきました。僕は彼女を小学校の時以来見ていなくて……変に思ったんです。僕は友達と川辺をうろうろしていたところで、彼女がこっちに向かってくるのを見ました。エリカだと気づくには時間がかかりましたよ。僕が彼女に何をしているのか聞くと、僕に向かって叫び始めたんです。「このクソ野郎」だとか「お前が私をこんなにしたんだ」とか。
テニスン: 何のことを言っているのか心当たりは?
オスロー: 僕は全くそんなことをした覚えがありません。でも彼女は歩き続けて、同時に僕は川に向かって進み始めました。まるで彼女が僕をそっちへ押し出しているみたいに。彼女は僕が水中へ落ちてしまう前に止まりました。僕のかかとは川の端についていて、彼女を見ることしかできなかった。僕が「ごめん」と言うまでたっぷり5秒はかかりました。聞き入れてはくれたみたいですが、最適な言葉ではなかったようなんです。でも、なんとか彼女は踵を返して去っていきました。
テニスン: 他に何か……出来事を覚えているかな?
オスロー: いいえ、でも、あれ以来彼女をあまり見ません。
テニスン: わかった。協力に感謝するよ。
このインタビューの後、SCP-3511は遠隔操作ドローンにより勾留されました。関係のあった全ての住民はクラスC記憶処理を施されました。SCP-3511の両親も同じく記憶処理を行われ、娘は交通事故で死亡したと伝えました。収容翌日、SCP-3511にはサイト当直のセラピストが割り当てられるべきだと見なされました。以下はセラピストによる最初の会話記録です:
ウェイ: こんにちはエリカ、私が君を担当するセラピストだ。
SCP-3511は沈黙を保っている。
ウェイ: この環境が君にとってストレスなのはわかってるけど、君を家に帰らせる方法と君の状態について話がしたい。
SCP-3511は未だ沈黙している。
ウェイ: 今協力するような気分でないなら、また明日来るよ。
ウェイは部屋を出ようとする。
SCP-3511: 待って!あの……
ウェイは席に戻る。
ウェイ: どうした?
SCP-3511: わたし、あ、私はここがどんなところかわからないけど。私はいつまででもここに閉じ込められるんでしょ。もしかしたら永遠に、かもしれない。えっと、そうよね?
ウェイ: ちょっと違うけどね。加えて。ことによると君の両親について話ができるかもしれない。彼らは君について、私達にほとんど何も教えてくれなかった。君の親はどんな人達なんだ?
SCP-3511: ……イカれてる。
ウェイ: ほんとに?
SCP-3511: 完全にイカれてるわ。あそこは。
ウェイ: 詳しく聞かせてもらえるかい?
SCP-3511: 家は……あそこは、居心地がよくなかった。心が落ち着いたことなんてなかったよ。あれは……もう話したくない。
ウェイ: とても役に立つことだと思うんだ。ゆっくり進めていこう。もしかしたら普通の家族によくあることかもしれないし、君の両親は君が言うようなイカれたヤツなのかもしれない。
SCP-3511: ……ヒトデよ。連中は私をちいさなヒトデちゃんって呼ぶの。でもそんな可愛いもんじゃない、なんだか癪に障る呼び名。それはいつもいつもすごく、すっごく狂った名前に思えた。連中は「私たちはヒトデを守らなくちゃいけない」「私たちのちいさなヒトデさんは我らのちいさな蛍光魚」「私達を果てまで導いてくれるもの」って言うの。
ウェイ: オーケイ。これはいい一歩だよ。少し話を変えてみようか。僕らは君の旧友のタイラー・オスローと一度話したんだ。彼からは、君はその状態のことを彼のせいだと思っている、と。これについて詳しく聞くことはできる?
SCP-3511: あ、それは、あの、ううん……あまり話したくない。その、どんなこと考えてたとか、思い出したくないの。
ウェイ: いいだろう。今日の話は終わりにしよう。
補遺 SCP-3511-1: 収容から二週間が経過し、ウェイ博士はSCP-3511がどのように異常特性を獲得したのかを究明するため、SCP-3511にその両親について更なる質問の試みを行いました。以下がその会話の記録です:
ウェイ: またこんにちは。
SCP-3511: こんにちは……
ウェイ: 今日は話せる? 君の両親についてもっと話を聞きたいんだ。
SCP-3511: うん……たぶん大丈夫。
ウェイ: よし。どこから話を始めたいとかあるかい?
SCP-3511: あまり。あ……いや、なんでもない。
ウェイ: どうしたの?
SCP-3511: いや、前に私がヒトデって言われて育てられた話をしたじゃない? 私はあの、その、あそこから始めたいな。
ウェイ: いいね。
SCP-3511: 連中が家で私をどう呼んでたかの話しかしてなかったから。
ウェイ: 外でも変わった風に呼ばれてた?
SCP-3511: 「未成年者」。連中は私をそう呼んでた。外で誰かと私の話をする時は、ママは決まって「あの子はまだ子どもだから」って言うの。もしくは似たような感じに。両親は変わった目で見られた時もあったけど、誰もあまり気にかけなかった。
ウェイ: 君はそのことを怒ったりした?
SCP-3511: あまり……
ウェイ: どんな風に思った?
SCP-3511: ええと……大したことだと思わなかった。私は周囲にいる価値がない人間だったの。だから他の人も私を無視してたし…… 先生だってそう。ねえ、親でさえ私を軽く見てるのに、誰かがそれよりマシに私を扱ってくれると思う?
ウェイ: 先生は君を軽視してた?
SCP-3511: そういうことじゃない。単に無視されてたの。いつだって払いのけられて育ってきた、誰か他の人と話してなさいって。私は時々それについて当てつけみたいなこともしたけど、気難しい子って言われた。私は保健室の先生に看てもらわないといけなかったのかもしれないけど……
ウェイ: 先生に?
SCP-3511: つまり、こういったことは小学校の時だけ起こってたの。それ以前は……話した通り。
ウェイ:わかってるよ。今日はいい方向に進めた。もうあまり話したくないなら、今日の話は終わろうか?
SCP-3511: そうしたい。
ウェイ: OK。また来週だ。
補遺 SCP-3511-2: 収容から5ヶ月目、セキュリティ記録はSCP-3511の異常行動を記録しました。夜、SCP-3511は左を向いて眠り、意図的にその腕に血行不良を引き起こしました。SCP-3511はその起床後すぐに、血行不良の左腕を様々に動かし始めました。SCP-3511の精神状態に関する不安のため、以下のインタビューが実施されました:
ウェイ: やあ。
SCP-3511: こんにちは。
ウェイ: 普段は君にいつ話をするか決める権利があるんだけれど、今日はこの、ちょっと気にかかる君の習慣について話したいんだ。
ウェイはSCP-3511の直近の行いに関する映像を見せる。
SCP-3511: ああ、これ。うん。
ウェイ: 僕らはこれが君の精神に何かよくない影響を及ぼしているんじゃないかとか、あるいは、もっと重要なことだけれど、これが君の精神状態を表しているのかもしれないとかの心配をしている。
SCP-3511: うーん、これは私が小さな頃からやってたことなの。生まれてから数年ぐらいの頃にね……これを始めた。ママとパパが私を長いこと無視した後によくやった。
ウェイ: もっと聞かせてくれる?
SCP-3511: うん……えっと、その……これをやると、時々私は自分の体をまるで他人の体みたいに感じるの。左腕の血を絶てば、腕がまるで他人のものみたいに感じられて、その後右手でそれを掴む。腕が完全に麻痺したら、それで自分の体を触ったり、背中を叩いたりしてみる。もしかしたらわかってるかもしれないけどこれは、これは私を普通にしてくれたりなんかしない。先生が自分の脈とか息を自分で感じてるのと同じ。大した気休めにもならないけど、せめて私が誰かを触ってるような気分にはさせてくれる。私の検査はロボットでやったでしょう? そしてそれは、とても……とても冷たいの。シリコンチップ、鉄のねじ、プラスチックのコップ。みんな、とても冷たい。
ウェイ: 寂しい思いをさせてすまない、でも─
SCP-3511: 私がどのぐらいの間、誰にも触られずに生きてきたかわかる? 6年だよ。なぜだと思う?
ウェイ: あのね、僕はそのことを話しに来たわけじゃないんだ。
SCP-3511: タイラー・オスローが私の頭をぶん殴って、私が血まみれで包帯を頭にぐるぐる巻いて家に帰ってきたから。両親は大慌てで私を地下に引きずっていった。下で何をされたのかは覚えてない……何もかもが曖昧なの。覚えてるのはママが「全て私達のヒトデちゃんが育つまでの辛抱だから」みたいなことを言ってたことだけ。それは私の頭の中で響き続けてる。ずっと忘れられない。
ウェイはSCP-3511が落ち着くまで待った。
ウェイ: わかった。上司に君がもっと他人と触れ合える機会を得られないか掛け合ってみる。僕と話すのはいいことだけど、色々な人と話したほうが今言ってくれたようなことをマシにするにはいいだろう。不足がないかは聞きに来るけど……機械は僕たちが君に触れる手段なんだ、わかってほしい。
SCP-3511は沈黙を保つ。
ウェイ: エリカ? これは君の助けになるかい?
SCP-3511: ……ありがとう。
このインタビュー通りのウェイ博士の要請はSCP-3511のスケジュールに組み込まれました。財団職員はSCP-3511と超常組織との繋がりについて調査を進めていましたが、オークリンにおける彼らの住宅は発見できませんでした。SCP-3511の母親と父親に関する調査は今なお進行中です。
補遺 SCP-3511-3: 収容から13ヶ月後、SCP-3511の食習慣は一定の変化を見せました。SCP-3511は肉の消費を控え、食欲が落ちているようでした。SCP-3511が完全に食事を摂らなくなった時、臨時の治療的な会話が試みられました。
ウェイ: こんにちは、エリカ。
SCP-3511: こんにちは。
ウェイ: またある習慣に気付いたんだ。君の食生活について。
SCP-3511はウェイから目を逸らす。
SCP-3511: 大丈夫よ。あなた達は予算を節約すればいい。
ウェイ: 色々調べてはいるけど、君は僕らに負荷をかけちゃいないよ。これが僕らのやることだ。
SCP-3511: でも私は何をすればいいの? ただここで人生を浪費するの?
ウェイ: 君の社会的な経験の幅を広げてきたけど、君が望むなら、僕らはー
SCP-3511: ううん。そんなことを言いたいんじゃないのはわかるはずだよ。
ウェイ: 何が言いたいんだい?
SCP-3511: つまり、私はいつだってここから出られないことはわかってる。でもただ……私は誰かが慈善事業について話してたのを聞いたわ。休日に運ばれてくる食べ物の入ったバスケットにだってお金を出してる人がいる。私が何に気付いちゃったかわかる? 私はなんにもしてないの。私は……私はただここにいるだけ。そしてこんな風にここにいるのがやっと。誰かの肩を叩いてあげることすらできない。誰かは私に気付いてくれるかもね、でもその人は私を感じ取ることはない。私はこの世界でずっと一人。
ウェイ: 多くの人がそんなことを考える。自分がいなくても世界は何も変わらないんじゃないか、と不安になる同僚は大勢いるよ。
SCP-3511: でもその人達は拘束されてる? 週に二度、護衛されながら散歩することでしか外の光を感じられなかったりはする? そうじゃないでしょう。私はお金を浪費してるだけ。あと、あなたの時間を1週間に1時間半ほどかな。私は他人に触れたいの。文字通り誰にも触れないなら、何か代わりのものでもいい。何かの一部でも、成し遂げたことを感じたい。でもただ無気力になることだけしかできないっていうなら、私は安楽死されてるも同然だよ!
SCP-3511は座ったまま錯乱し、両手で頭を抱えた。
ウェイ: 僕らがそんなことをしないのは、君にはもっと価値があるからだ。君がより世界と関わりたいなら、僕らは君に何ができるか見極めよう。前みたいに何か上司と計画を考える。必要なことはなんでも言って欲しい。それまで、君の精神状態を悪くはしたくないんだが、何かできることはない?
SCP-3511: ……抱きしめて欲しい。
ウェイ博士の要請を満たすため様々な措置が試みられましたが、SCP-3511の無力化まで効果は認められませんでした。
インシデント SCP-3511-I: 20██/██/██、SCP-3511は無力化しました。その日はSCP-3511の18歳の誕生日でした。
SCP-3511は起床し、その肩を擦った。数分後、もう一度肩を擦ったが、困惑した表情だった。シャツの背中をめくって小さな虫刺されの跡を確認した。SCP-3511の表情は驚いているものへ変化した。
SCP-3511: わたし……私、やったんだ。
SCP-3511は収容セルの扉へ駆け出した。
SCP-3511: ねえ! ねえったら! 来て! お願い! 先生に私は普通に戻ったって言って。誰かと触れ合いたいの! お願いだから!
セキュリティ職員がSCP-3511収容セルの扉に歩いてくる。
SCP-3511: お願い! 手だよ。手だけでいいの。 お願い!
警備員: すみませんが、あなたを外には出せません。
SCP-3511: じゃウェイ先生を呼んで!お願い! 緊急で面会だとかなんとか言ってよ!
警備員はお互いに見合わせて困惑する。呼び出しが行われ、30分後にウェイ博士はSCP-3511の収容セルにやってくる。警備員が扉を開け、ウェイ博士が中へ入る。
ウェイ: やあエリカ。一体どうし──
警備員が止める前に、SCP-3511はウェイ博士に抱きつき、泣き始める。
ウェイ: なぜ…… ああ、これは僕らの最後の面会になるね。
ウェイは警備員へ下がるように合図し、SCP-3511を抱きしめ返す。
この事案の後、SCP-3511は無力化を認められるまで追加の試験を行われました。SCP-3511はクラスC記憶処理を施され、適切なカバーストーリーを適用されてオハイオ州グリーンズデールへ解放されました。