SCP-3535-JP
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アイテム番号: SCP-3535-JP

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-3535-JPは現在使用調査中です。調査、実験を行いたい場合は忠誠度テストを受験したうえで担当職員へ申し出てください。

説明: SCP-3535-JPは全長50cmの消防斧です。

SCP-3535-JPの異常性は他のオブジェクトが有する破壊耐性への著しい抵抗にあります。SCP-3535-JPが破壊耐性を有するオブジェクトに対し使用された場合、その材質にかかわらず、一般的な消防斧によるものと同様の損傷を与えることが可能です。これは破壊耐性に付随した不死性に対する抵抗も有していることが確認されています。

SCP-3535-JPは20██/██/██、兵庫県芦屋市において発生したSCP-███-JPの出現に対し、被害を受けた住民が所有していたSCP-3535-JPを使用したことで異常性が判明しました。当時発生したSCP-███-JPは破壊され現在無力化されたと判断されています。使用した住人は上腕部の骨折と手関節の捻挫を負ったものの、記憶処理ののち日常生活に復帰しています。

この事案を受け、複数の検証、実験を行った結果SCP-3535-JPの異常性が原因であると判断され、その有用性からSCP-3535-JPはThaumiel指定を受けました。

インシデントレポート3535-JP-01 - 日付 20██/██/██

20██/██/██、SCP-3535-JPの輸送中、GoI-2722"鉄錆の果実教団"による襲撃を受けました。GoI-2722構成員は破壊耐性装備を有していましたが、SCP-3535-JPの使用により人的損害を出すことなく対処が完了しました。この事案時、SCP-3535-JPを使用した機動部隊員により、以下の特記事項が確認されました。

  • SCP-3535-JPが使用者の意図とは異なった軌道で振るわれる。結果として使用した部隊員は軽度の捻挫を負った
  • SCP-3535-JPを使用したにもかかわらず、当時帯同していた財団車のドアノブのみ破壊できなかった

特記事項の2例目により、SCP-3535-JPの破壊耐性に対する抵抗に対する耐性を有しているとしてドアノブのオブジェクト指定が議論されました。以下はその議論中に護良研究員によって挙げられた提言です。

護良研究員の提言(抄)


今回の事例において破壊されなかったドアノブをオブジェクト指定することに私は反対します。理由を述べる前に、推測を述べさせていただきます。私はSCP-3535-JPの異常性はマスターキーのようなものであると考えています。

以下の画像をご覧ください。

MasterKey.jpg

これはマスターキーの構造を示すものです。何故複数の鍵穴を同じ鍵で開けられるのか、手元にある鍵を見るだけでは不思議に思うでしょう。しかし何のことはありません。仕掛けは鍵の方ではなくシリンダーの方にあるのです。通常の鍵はシリンダー内のピンに合致した鍵でないと引っかかり、開けることはできません。しかし、絵を見れば分かる通りマスターキー"対応のシリンダー"は、この切れ込みがマスターキー用にもう一つ作られているのです。つまり、マスターキーは全てを開けられる鍵ではなく、"特定のシリンダーが対応できる鍵"なのです。

ここで話を戻しましょう。今回の事案、どうしても注意は破壊できなかった対象に向けられるでしょう。しかし注目するべきは、SCP-3535-JPが予期せぬ軌道を取ったという点です。つまり、その軌道こそがSCP-3535-JPに対応したシリンダー内の切れ込みと言えるのではないでしょうか。これまで我々が認識していた"破壊耐性"とは、その切れ込みを巧妙に隠したものであると言えるのではないでしょうか? 破壊されなかったものは特定のシリンダーを有していなかっただけではないでしょうか? SCP-3535-JPは全てを破壊可能な斧ではなく、おおよそ全ての構造が内包した切れ込みに合致するものだとは考えられないでしょうか?

もしそうであるならば、真にオブジェクト指定するべきは、鍵ではなくシリンダー。

それもシリンダー本体ではなく、内部に存在する"切れ込み"ではないでしょうか?

この意見を受け、現在SCP-3535-JPを使用した際の軌道に対する調査が進められています。この調査が完了した場合、SCP-3535-JPのオブジェクト指定は解除され、Aアイテムに再指定される可能性が存在します。

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