SCP-3542
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カオス・インサージェンシーの襲撃後、SCP-3542から押収された物品。

アイテム番号: SCP-3542

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-3542はサイト-952のユプシロン棟にある標準的なヒト型生物収容室に収容されます。SCP-3542と交流する職員は、実験時以外の会話を許可されません。

SCP-3542の収容室は、従来的な錠前、生体認証スキャナー、ランダム生成パスワードが登録されているパスコードロックを組み合わせた合計15種類の施錠機構で封鎖されます。家具、寝具、追加の衣類を収容室内に持ち込むことは許可されません。食料は液体またはペースト形式で提供する必要があります。1日2回、SCP-3542は収容室内で拘束され、全身の開口部を検査されます。SCP-3542の体内で発見された物質や、収容室内で発見された物品は全て除去、破壊しなければいけません。

SCP-3542は定常的な監視下に置かれます。SCP-3542が収容室のドアに接近した、またはカメラ視点が不鮮明になった場合、収容室内に鎮静ガスと麻酔薬が流し込まれます。

サイト-952のあらゆる書類は、少なくとも2名の財団職員による校正と承認を受け、エラーが内在しないようにします。全ての資材、機器、リソースは文書記録に残され、何処でどのような目的に用いられたかの目録を作るための領収書が発行されます。

説明: SCP-3542は本名をレナード・ディ・ジャチントという28歳のフランス/イタリア系男性です。SCP-3542は強力な現実改変能力を有し、頻繁に行使しているにも拘らず、それを自覚していないようです。

SCP-3542の現実改変能力には既知の制限がありませんが、主にSCP-3542自身が緊急事態への対処に用いる物品や資材の作成という形で発現します。SCP-3542が作成した物品は多くの場合、その作成目的に異常なほど有効です。SCP-3542はまた、視認されていない時に瞬間移動または空間転移が可能であるように思われます — しかしながら、後の分析ではSCP-3542が目的地へ移動できた経路や理由が必ず示されます。

加えて、SCP-3542の近傍では定期的に緊急事態が発生し、SCP-3542は例外なく収容室からの脱出方法を見つけ出して緊急事態の解決を支援します。緊急事態や近傍の出来事に反応する際、SCP-3542は常に典型的な“ヒーロー”のように振る舞い、“ザ・レッド・フォックス”という名前を自称します。SCP-3542は自身が対処する緊急事態に異常な理解を示し、しばしば即座には関連性を見出せないような物品や解決策を提供します。緊急事態がSCP-3542の異常性によって引き起こされているのか、SCP-3542がただ対処しているだけなのかは未だ不明確です。

補遺SCP-3542-1: 以下はSCP-3542が関与した全ての事案と、それに対応する収容プロトコル更新のリストです。

緊急事態: ヴァンダービルト博士が使用中のペンを誤って破損した後、目まいを感じ始めた。

解決策: SCP-3542はガスマスクと鉛筆を持って、即座にヴァンダービルト博士のオフィスの外に出現した。更なる調査の結果、ペン内部のインクの一部が、空気に反応する毒物に置換されていたことが判明した。この毒物はカオス・インサージェンシーが使用するものと結び付けられた。

収容プロトコル更新: 監視映像の検査で、SCP-3542が収容室を離れ、サイト-952の備品保管室からガスマスクを盗み出したことが判明した。プロトコルが更新され、SCP-3542の収容室に複数の施錠機構が取り付けられた。備品の行方をより良く追跡するため、サイト全体の運営方針が更新された。

緊急事態: 事務的なエラーの結果、ガソリン1バレルが同量の調理油と取り違えられ、サイト-952の食堂で大規模火災が発生した。

解決策: SCP-3542は小さな水入りバケツと消火器を持ってカフェテリアに出現した。火災の規模にも拘らず、SCP-3542はカフェテリアに入り、炎を消し止めた。どのような経緯で炎が急速に燃え広がり、またどのようにしてSCP-3542が速やかにそれを消火できたかは不明確である。消火班が対応した時点で、火災は既に鎮火していた。

収容プロトコル更新: 事案の調査で、SCP-3542は自らのコスチュームから外したボタンの1つでドアをこじ開けたことが判明した。より多くの施錠機構がSCP-3542の収容室に追加された。サイト全体の運営方針が更新され、複数の職員が事務処理と資材配備の校正/検証を行う必要が生じた。

緊急事態: 反ミーム異常の実験に必要な記憶補強薬が、致死性の毒物と入れ替えられた。

解決策: テラー博士が毒物を摂取した直後、解毒剤入りの注射器を持ったSCP-3542が現れ、即座にテラー博士に注射した。その後、残りの毒物も発見され、記憶補強薬の保管エリアから除去された。テラー博士は、注射による左肩の痛みを除き、体調は良好であると報告した。

収容プロトコル更新: SCP-3542収容室の検査で、施錠機構の裏側に挿入された安全ピンが発見された。収容プロトコルが更新され、より多様な施錠機構が用いられるようになった。

緊急事態: SCP-███の実験中、異常な雲が実験室内に形成され、強酸の雨を降らせ始めた。

解決策: SCP-3542は、酸に耐性を持つと思われる数本の傘と、重曹の入った箱を持って出現した。無防備な職員に傘を配布した後1、SCP-3542は重曹の箱を雲に投げ付けた。これは雲を中和し、全ての降雨を通常の水に変化させた。実験室から雲を除去する手段はまだ発見されていない。

収容プロトコル更新: 撤去された天井のタイルは、床から10mの高さに位置するにも拘らず、SCP-3542が換気システムに侵入したことを示す。収容プロトコルが更新され、全ての天井タイルが追加のボルトで固定されると共に、天井に到達する補助になり得る全ての家具が除去された。監視カメラがSCP-3542収容室に追加された。

緊急事態: 財団サーバーへの攻撃により、SCP-058の収容室が解放された。

解決策: 収容室のドアがSCP-058が通過できる幅まで開く前に、自転車用ロックを持ったSCP-3542が出現し、ドアを固定した。自転車用ロックは財団職員がサイバー攻撃を撃退し、SCP-058収容室のドアを閉鎖するまで持ち堪えた。如何にして自転車用ロックが激しい損傷に耐え得たのか、またどのようにして収容室のドアに設置されたかは現在不明である。

収容プロトコル更新: 監視映像は、SCP-3542が収容室に追加された全ての施錠機構を、夕食の鶏肉の骨を使って開錠したことを示した。これが数字入力ロックと生体認証ロックに対してどのように作用したかは現在不明である。職員の注意がサイバー攻撃に向けられていたため、これは当時報告されなかった。収容プロトコルが更新され、SCP-3542には液体またはペースト形式の食事のみを与えるように明記された。

緊急事態: カオス・インサージェンシーによる本格的なサイト-952襲撃。

解決策: SCP-3542はマントと“万能ベルト”を身に付けて出現した後、非常に攻撃的な水鳥を召喚できるゴム製のアヒルの玩具、自律活動する破壊不可能なごっこ遊び用の手錠、未特定の白いゲルが入った瓶2、書籍“バカでもわかるスーパーヒーロー”などの物品を使用して、襲撃部隊の全員を鎮圧した。財団職員が到着した時、SCP-3542は無意識のCIエージェントを“万能紐”で一まとめに縛り終えたばかりだった。

収容プロトコル更新: 収容保守点検の輪番スケジュールに誤植があったため、定期的なSCP-3542の開口部検査に立ち会う武装警備員は推奨された人数よりも少なかった。財団のガイドラインに反して検査が実施された結果、SCP-3542は収容違反した。関与した職員は懲戒処分を受けた。収容プロトコルが更新され、開口部検査時にSCP-3542を拘束するために必要な職員が増員された。

緊急事態: 尋問中、CI構成員の1人がテラー博士の暗殺を試みた。

解決策: 補遺SCP-3542-2を参照。

収容プロトコル更新: 監視映像は、SCP-3542が“職務が呼んでいる!”というメモを残して、単純に収容室から消失したことを示した。収容プロトコルの更新は保留されている。

補遺 SCP-3542-2: 3週間の強化尋問の後、捕獲されたカオス・インサージェンシー構成員の1人(CI-104)が、自分たちの任務に関する情報開示を志願しました。以下はその後のインタビューの書き起こしです。

テラー博士: 君たちの任務と動機について話す気になったと聞いている。

CI-104: その通りだ。

テラー博士: では、直ちに本題に入る。どうやってこうも容易に施設内に侵入できた?

CI-104: 我々のうち4人ほどが潜入任務に就いていた。施設の全体図をマッピングしていたんだ。本部からも時々、軽い混乱を起こせという指示を受けていた。

テラー博士: では、記憶補強薬に毒を仕込んだのも、酸の雲が発生した事件も君たちの仕業だな?

CI-104: 待て、酸の雲だと?

テラー博士: それぞれ肯定及び否定だと取る。何故、大規模な攻撃を試みた?

CI-104: 獲物を回収する時期が来たと、本部から合図があった。我々は、ここの保安体制は秘密裏に脱出するには厳しすぎるから、何か… 大胆な作戦に踏み切る必要があると判断した。

テラー博士: 待て、つまり君たちの潜入任務は、この施設に何かがあると既に知ったうえで、それを回収するために始まったのだな?

CI-104: そうだ。

テラー博士: 内部情報をCIに流したのは誰だ?

CI-104: そうだな、あれはきっと—

SCP-3542がCI-104の背後に出現し、ステーキナイフで刺殺する。

テラー博士: な—

SCP-3542: 感謝は要らぬ、市民。命を救うのはあくまでも仕事の一環だ。

テラー博士: おい、勘弁してくれよ!

室外の警備員が入室し、SCP-3542を拘束して収容室に連れ戻す。

これはSCP-3542が他者を殺害した唯一既知の事例です。他のカオス・インサージェンシー構成員はこれ以上の情報開示を志願しませんでした。

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