SCP-355-JP
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SCP-355-JP

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SCP-355-JPの実験が行われた財団私有地。自転車がSCP-355-JP-Aとして生産され、駐輪用機にUSBコネクタ部の挿入を試みている。画面上部では、SCP-355-JP-Cとなったオレンジ色の車3台が、他車(右上)を捕獲しようと追跡している。中央左上部にわずかに見えるものは捕獲された車。

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JP-Aに取り付けられているUSBコネクタ。

アイテム番号: SCP-355-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-355-JPは、サイト8181内の標準ロッカーに収容されています。実験の為にSCP-355-JPを使用する際は、レベル3以上の職員の許可を得てください。

説明: SCP-355-JPは、異常な特性を持ったUSBメモリーです。外観、形状は通常のUSBと変わりなく、同一規格の物が一般に市販されています。

SCP-355-JPの異常性は、「USB挿入口を持つ機械」1(以下、オリジナルAと呼称)に対象を接続すると発現します。

SCP-355-JPがその状態で固定されます。この状態のSCP-355-JPは██トンの力を加えても引き抜くことができません。一定時間経過後、その固定が解かれ、対象を引き抜くと、周囲に「車輪を持った構成物」(以下、SCP-355-JP-A)が1体から██体現れます。現在確認されているSCP-355-JP-Aは、玩具の車、自転車、自動車、[編集済み]などです。"生産"されるものは、オリジナルAの種類によって変化します。

SCP-355-JP-Aは、全体のいずれかの位置に巻き取り可能なコードが取り付けられ、その先端にはUSBコネクタが付属しています。コネクタ部は、SCP-355-JPのそれとほぼ同じ性質を持っています。

SCP-355-JP-Aは、自律で稼働し、移動を行います。このとき、運動エネルギーをどこから得ているのかは不明です。SCP-355-JP-Aは「USB挿入口を持つ他の機械」(オリジナルB)を発見すると、USBコネクタ部をそれに挿入しようと試みます。その場合、また異なるものが"生産"され、SCP-355-JP-Bが1体から██体出現します。また、オリジナルAとオリジナルBが似ているものであれば、JP-BもJP-Aと似たものとなります。

これらのサイクルは永続的に繰り返され、SCP-355-JP-C,D,E,と"生産品"は増加していきます。

SCP-355-JP-Aは、ときたま「USB挿入口のないもの」にコネクタの挿入を試みる場合もあります。これはバグのようなものではないかと考えられています。

オリジナルA(SCP-355-JPが挿入されたもの)が破壊されると、SCP-355-JP-A,B,それらすべてが異常性を失います。

実験記録355 - 日付19██/08/██

目的: SCP-355-JPが市街地で使用された場合の想定。
実施方法: 財団私有地にて実地。市販されているノートパソコンにSCP-355-JPを使用する。私有地には同じパソコンが████台、Dクラス職員の運転する車(USB挿入口があるもの)が██台配置されている。Dクラス職員たちには、「追いかけてくるものがあれば捕まらぬように逃げること」「"生産品"に群がられた場合、すぐに脱出すること」を指示している。

時間 状況
0:00:00 SCP-355-JPをノートパソコンに使用。パソコンはオリジナルAとなる。オリジナルAはいつでも破壊できるように配置。
0:00:54 SCP-355-JPの固定が解かれる。対象を引き抜くと、4台の自転車型SCP-355-JP-Aが出現。JP-Aたちはすぐさま自律で動き、移動を始めた。
0:01:11 JP-Aのうち、1台がドアを突進で破り、設置された仮住宅に侵入。住宅内に設置されたパソコンにUSBコネクタを挿入し、パソコンはオリジナルBとなる。この時点から数十秒の間に他のJP-Aも同じ行動をとる。
0:02:03 生産が完了し、自転車型JP-B複数が出現。JP-A,Bは合計で18台となる。再びJP-A,Bたちはそれぞれに移動を始める。
0:02:09 JP-Aのうち、3台がD-1101の乗る自動車(2号車)に向けて移動を開始。乗車しているDクラス職員もそれを確認し、逃走を開始。他JP-A,Bも次々にパソコンを発見し、USBを挿入している。
0:02:57 この時点でJP-A,Bは合計で50台以上となる。
0:03:11 JP-Aの3台に追いつかれ、D-1101は2号車を破棄して脱出。JP-Aの3台は、追跡時、チームワークを駆使しているような行動が確認された。JP-Aのうち1台が、2号車内のUSB挿入口にコネクタを挿入。2号車はオリジナルCとなる。JP-Aの他2台は、周囲を警戒するように動きまわる。
0:03:13 JP-A,Bの15台が、それぞれに1号車、4号車、7号車、8号車、15号車へ追跡を開始。この時点で、23台のJP-A,Bが奇妙なもの(壁、ゴミ箱、駐輪用の固定具)などにも挿入を試みていることが確認されている。
0:04:01 オリジナルCの生産が完了し、6台の自動車型JP-Cが出現。JP-Cは移動を開始。ほぼ同時に3号車、6号車、22号車を発見し、追跡を始める。数秒で追いつかれた車もあり、乗車員は脱出。JP-Cは同号車にUSBコネクタを挿入。
0:04:54 衝突事故が発生したため、オリジナルAを破壊し、実験を停止。

結果: 衝突事故を起こしたDクラス2名が打撲を負う。他に怪我人は無し。
分析: "生産"は非常に素早く行われる。市街でSCP-355-JPが使用された場合、甚大な被害が出ることが予想される。

SCP-355-JPは、長野県の村落で「車が勝手に動いた」という警察への通報が財団の目に止まり、発見されました。事件には財団の機動部隊が出動し、自動車型のJP-Aを全て破壊することで対処しました。この事件で1名の市民が死亡しています。

車のナンバープレートから元々の所在地(同県の自動車生産工場)を特定し、他機動部隊がそこを急襲したものの、内部は既に無人でした。前日の夜まで稼働していた形跡があり、ほとんどの機材やパソコンは破壊されていました。捜査を行ったところ、JP-Aと同型の自動車(オリジナルA)が残されており、車内にSCP-355-JPがあったことから、対象が発見されました。オリジナルAが破壊されたことで、同事件は完全に停止しました。工場内には東弊重工社のロゴマークが確認されており、関連性については以前調査中です。

補遺1: 死亡した1名は1█歳の少女です。死体には、合計で2█以上のUSBコネクタが挿入された形跡があり、主に臍、耳、口、[削除済み]に多くの形跡が残されていました。解剖を行った結果、[編集済み]内から玩具の車型JP-Aが1█個発見されました。体内でJP-Aが動きまわったことによる内臓損傷が死亡要因と結論付けられています。

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