アイテム番号: SCP-3551
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 全ての膨らませていないSCP-3551実例はサイト-42の保管ロッカー-51に収容されます。
膨らませたSCP-3551-1実例は標準的なヒト型生物収容チャンバーに収容し、付属のSCP-3551-2実例は没収して異常兵器ロッカー-52に保管します。SCP-3551-1実例群に割り当てられている警備員は、継続的な協力姿勢を保証するために財団標準コンバットナイフを装備します。SCP-3551-1実例群にはあらゆる鋭利な物体が即座に致死的結果を招くという印象を抱かせ続け、また同様に全ての回収した実例にもこの作り話を信じ込ませなければいけません。
SCP-3551-3実例群は、エアロック・チャンバーで施設の他区画と隔てられた1つの収容室に保管されます。SCP-3551-3実例群には追跡装置が取り付けられます。SCP-3551-3実例の性質上、民間人による目撃への対処は低優先度と見做されます。
機動部隊アルファ-23(“おせっかい地球人”)は未収容のSCP-3551実例を追跡・傍受します。
説明: SCP-3551は、SCP-3551-1から-3と指定される同梱販売の空気注入式玩具製品群を指します。SCP-3551のパッケージには“ワンダーテインメント博士のプワッと侵略軍!”という製品名があり、その下には内容物の具体的名称が記されています。また、以下の文書が付随しています。
君は第三種膨張遭遇をもう経験したか?
さぁ、今ならできるとも! 君はワンダーテインメント博士のプワッと侵略軍パックの地球征服の仲間となるのだ! ワーオ!
侵略者の軍団を編成し、地球を征服しちゃおう! 彼らがレーザーをぶっ放し、UFOが空を飛翔するのを見てみよう! 侵略エイリアンの言葉を聞き、夜は彼らのクールな光線銃のライトショーを楽しもう! この世の外からワクワクがやってくる!
空気かヘリウムを用意すれば、お楽しみの始まりだ!
注意: ワンダーテインメント博士および提携者は、レーザーの誤用による視力喪失には責任を負いかねます。
SCP-3551の異常性質は空気またはヘリウムで膨らませるまで発現しません。完全に膨らませた当該オブジェクトは膨張したままの状態を維持します。これはアイテム内部に空気を収めているプラグが自発的に密封状態になるためであり、それゆえSCP-3551は容易に収縮させることができません。SCP-3551を構成する材質は、穿刺に対する弾力性を持ちますが、高熱には脆弱です。
SCP-3551-1実例は、一般的な“グレイ型宇宙人”の姿をしており、色合いは様々です(資料写真参照)。各実例には“インベーダー”という商品名とその実例が自称する名前を記したタグが付随します。SCP-3551-1実例は知性体であり、未知の手段を介した流暢な英語の発話が可能です。SCP-3551-1実例は“地球を征服”して“人類を奴隷にする”ことへの永続的な欲求を持ちますが、無害であり、やや無能です。概して頭が悪く目標を達成することが不得手であるにも拘らず、SCP-3551-1実例は幾つかの点で極めて知的な振舞いを示します(事案3551-01参照)。
SCP-3551-2実例は、1950年代のサイエンス・フィクション系メディアで描写されているレーザー武器をベースとした空気注入玩具の銃です。パッケージでは“レーザー・ブラスター”と表記されています。当該アイテムには発射時に光るLEDライトが外付けされています。SCP-3551-2実例は比較的無害な弱い赤色レーザー光線を発射しますが、繰り返し目を狙って撃った場合、一時的・長期的な失明を引き起こすことがあります。サングラスの着用は適切な防護措置の役割を果たします。
SCP-3551-3実例は小型であり、しばしばメディアにおいて目撃証言や言及が為される“空飛ぶ円盤”に似せてデザインされています。上述した2種類の実例と違ってタグは付随せず、パッケージでは“UFOフライヤー”と表記されています。膨らませると、対象は近傍を未知の手段で飛行することが可能となり、夜間には外付けのLEDライトが点灯します。SCP-3551-3実例は若干の知性と同種実例間での社会性を示しており、階級構造を有するグループを形成した例も存在します。SCP-3551-3実例は時折SCP-3551-1実例とも交流しますが、-1実例がしばしば“乗船”を試みるため、接触を好まない傾向があります。
財団は、FBI異常事件課が行った捜査によってSCP-3551アイテムの存在を把握しました。異常事件課のエージェントは標準的なUFO目撃証言の調査を行っており(後に-3実例と確認)、非膨張および膨張状態の実例を収めた木箱が複数置かれている倉庫を偶然発見しました。UIUエージェントは直ちにこの発見を財団に通知しました。以来、財団はSCP-3551実例を発見し続けています。
事案3551-1: ██/05/18、カナダの█████町で、廃屋に隠れたSCP-3551-1実例群によってローカルテレビ放送がハイジャックされました。関与した4体の実例は、放送内容の転写ではA~Dと指定されています。当該実例群の正式な指定番号や更なる情報はパティンソン博士に要請してください。
事案3551-02: 1体のSCP-3551-1実例が突風に飛ばされ、パニック状態でサイト-██に着陸しました。当該実例は尋問を受け、近隣の丘から“敵の基地を調査”していたと述べました。実例は更なる意思疎通を拒み、収容下に移されました。
事案3551-03: SCP-3551-1実例の集団が、-3実例2点を伴い、カリフォルニア州██████でプールパーティー襲撃を試みました。実例群はパーティーの参加者に捕獲された後、財団エージェントに回収されました。
事案3551-04: 無関係な調査中、エージェント ██████・ピアースは捜査の一環として廃品置き場を訪れ、1体のSCP-3551-1実例に遭遇しました。対象は廃品置き場の番犬が噛んで遊ぶための玩具として使われており、降伏を宣言しつつ助けを求めていました。エージェント ピアースは自身の発見を通知し、回収チームが到着しました。尋問を受けた地所の所有者███ ████氏は、当該実例が廃品を盗もうとしているのを見つけたと明かしました。████氏には記憶処理が施され、実例は収容下に移されました。移送にあたり、対象は不承不承ながらも回収チームに感謝の意を示し、「いつかはお前らのえげつない戦闘獣の倒し方を学ぶだろうけど、今日のところは敗北を受け入れてやる」と述べました。
文書3551: ██/04/12、以下のメモが、未開封のSCP-3551実例群を収めた複数の保管倉庫の住所を添えて、サイト-██に郵便で届きました。
SCP財団へ
プワッと侵略軍パックのカラフルなリトル・スペース・インベーダーと関連製品を収集してくれるあなたたちの努力には感謝している。あなたたちが彼らと楽しい時間を過ごしているのを見ると、我ながらこの製品ラインを製造打ち切りにしてしまったことが恥ずかしくなる。彼らにあなたの施設で素敵な住まいを与えてくれてありがとう。彼らを全員見付けられることを願うよ、親愛なるコレクターさんたち。
多分もっと大規模で改良されたものになる復刻版の予定計画があるけど、そちらは暫く待ってほしい。それまで、外宇宙からのワクワクを楽しんでおくれ。
敬具
ワンダーテインメント博士