アイテム番号: SCP-356
オブジェクトクラス: Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-356の遺体は、サイト-23にある長期生物学的保管ユニット73Aで連続的に凍結保存します。スタッフには、SCP-356が1986年以降、アメリカ合衆国・ロシア連邦・アゼルバイジャン共和国の各政府から重要参考人と看做されていた旨が通知されます。これに従い、該当の国家または関連独立体とともに働く財団の接触担当者は、SCP-356が1986年に収容され1987年に死亡したことを知らない状態が保たれなければなりません。
更新: 承認された研究目的を除き、電話を受信可能な電子機器はSCP-356の10m以内に近づけるべきではありません。
説明: SCP-356は享年62歳のユーラシア系人間男性であり、身長1.76m、体重81.5kgでした。SCP-356から約3mの範囲内に電話を受けることが可能な装置(従来の固定電話・携帯電話・通話可能なソフトウェアを有するコンピュータ端末など)がある場合、その装置は休みなく着信し続けます。応答せずに放置するとこれらの着信は無期限に継続し、止むのは電話に出た時のみで、受話器を置くと再開します。全ての観察されたケースにおいて、SCP-356の存在に関連する着信の発信元を追跡する試みは、全て受信機そのものが発信源であるという結果に終わりました。
SCP-356の存在によって発生した着信に出ると、正確にSCP-356と一致した声で話す未知の実体(SCP-356-A)が応答します。SCP-356-Aは独自の意思を持って話し、SCP-356に関する様々な情報について、多くの場合は彼の勤務記録やプロの関係に焦点を当てた会話を行います。SCP-356-Aはまた、SCP-356の精神状態と思われる事柄を描写し、時にはSCP-356が考えている事だと主張する物事について述べます1。SCP-356-Aは、SCP-356にとって不快または苦痛である話題に引かれる傾向を示しました。
SCP-356は1986/04/01、財団がオペレーション・キャットウォークの一環として██████████████████にあるCIAのセーフハウスに手入れを行った際、他12名の人間・ファイル12348ページ・コンピュータ3台・ビデオ録画115時間分と共に回収されました。SCP-356を含め、この作戦で回収されたオブジェクトの█つが後にSCPとして分類されました。
補遺356-1: 1987/08/09、SCP-356は急性の心筋梗塞を起こし、これが心停止および心不全にも繋がりました。財団の医療スタッフはSCP-356を蘇生させることが出来ず、その日遅くに臨床死と看做されました。SCP-356は1987/08/11を以て、事実上EuclidからNeutralizedに再分類されました。
補遺356-2: 2009/04/15、長期生物学的保管ユニット73Aのメンテナンス作業員から、個人的に所有している携帯電話が、未知のソースから繰り返し絶え間ない着信を受けたという報告がありました。
記録の確認後、研究スタッフはこの現象の原因をSCP-356の遺体まで追跡できました。研究者たちは文書化目的で電話に応答しましたが、回線上に識別可能な声はなく、著しい風やその他の空気の動きと一致する背景音と、パチパチという静的なノイズが聞こえるのみでした。通話を切ると、携帯電話は長期生物学的保管ユニット73Aから持ち出されるまで同様の性質の呼び出しを受け続けました。
追加の実験とオブジェクトクラスの再分類は保留中です。