
SCP-3564の回収地点を調査する予備研究チーム。実体は写っていない。
アイテム番号: SCP-3564
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3564は現在、サイト-06-3の大型実体収容棟に収容されています。SCP-3564は概して財団側の要求に協調的であるため、その協力姿勢を維持するために、毎週様々な演劇著作物(シェイクスピアの手掛けた作品が好ましいが、必須ではない)の読み聞かせが認められています1。SCP-3564の振舞いの如何なる変化もサイトのHMCL監督者に報告すべきです。
SCP-3564の食事要件は成人3人分と同等であり、文書3564-D1で概説されています。深刻な筋委縮の可能性がある為、SCP-3564には毎日最低でも3時間の身体運動を行うことを推奨しなければいけません。
説明: SCP-3564は身長およそ3mのヒト型生物(頭部欠落)です。この実体は並外れて高いレベルの筋肉量と、複数の四肢や臓器における腫瘍状の成長部位を特徴としており、ウィリアム・シェイクスピアの遺体から未知の手法を介して成長したように思われます2。内臓器官系の異常な大きさと形状にも拘らず、致命的な合併症は生じていません — 殆どの場合、SCP-3564の内部組織は人間に見られるそれを模倣しており、上胸部に配置された中心脳塊と未発達の腎臓系のみが大幅な偏差です。SCP-3564は、正常な手段による聴覚的・嗅覚的・触覚的な知覚と、未知の(異常と推定される)手段による視覚的な知覚が可能です。
収容下において、SCP-3564は存命中のシェイクスピアのそれと一貫した性格特性を示しています。首腔の内部に位置する舌と声帯によって発声が可能となっています(ただし声は理解できないほどに不明瞭で歪んでいる)。SCP-3564はシェイクスピアの著作に非常な関心を表明しており、収容チームによるシェイクスピアの様々な戯曲やソネットの朗読会に肯定的反応を示します。SCP-3564の全般的な知能の低さと記憶力の乏しさ(適切に形成された脳組織の欠如を暗示している)のため、対象の起源や構築に関するこれ以上の洞察は得られていません。
回収: SCP-3564は1956/04/23、ある知名度の低い異常な団体がロンドンのハックニー区で活動しているという匿名のタレコミに続き、同区にある使用されていない倉庫から発見されました。SCP-3564は目的の不明確な大型タンク内に収まっており、有機組織の培養のために設計されたと思しき数多くの難解な機器に取り巻かれていました。火災被害によって技術の大半は復元不可能になっていましたが、ごく少数は研究目的で財団の管理下に置かれました。
この機器の近くには、古典文学、16世紀を模した時代設定に適切な衣装、幅広い劇の上演に相応しい小道具などが大量に収蔵されていました。全ての物品は著しく摩耗しており、数ヶ月間、もしくは数年間に及ぶほぼ日常的な使用を示唆していました。翌週に予定されている劇の公演について詳述した複数の印刷チラシが倉庫の外装に貼り出されていましたが、おそらく素人が手掛けた図案と倉庫の場所が原因で、民間人の注目を集めることには失敗していました。
SCP-3564に加えて、6体の死体が倉庫の裏手にある小さな敷地に埋められているのが発見されました。それぞれの死体(SCP-3564-1から-6と指定)は遺伝的にSCP-3564と同一で、栄養失調・壊死・重度の生理学的異常の兆候を示しており、SCP-3564-2に至っては皮膚が完全に欠落していました。
SCP-3564の創造に関与した人物、団体、または組織についての調査が進行中です。
補遺: 事案3564-F/ベーコン: 1992/10/16、サイト-06-3でSCP-████の収容システムが自然故障し、極めて大規模な収容違反が発生しました。バックアップシステムはSCP-████の異常特性を完全には抑制できず、結果的にサイトの地下構造が回復不能な損傷を負いました。この事案中、SCP-3564は他数体の異常実体とともに脱走しましたが、生命を脅かす特質を持たないために、回収は低優先度の任務と見做されました。SCP-3564は46時間後、30km離れた本屋の地下で発見されました。
SCP-3564は当初、再収容の努力に抵抗した(激しく取り乱した様子で支離滅裂に発声していた)ものの、暫定機動部隊トゥー-ベータ(“反ストラトフォード派”)の到着に際して不本意ながらも降伏し、沈静・確保されました。SCP-3564はこれ以上の事件を起こすことなくチャンバーに戻り、数日後にインタビュー3564-0041が行われました。