SCP-3574-JP
評価: +68+x
blank.png

アイテム番号: SCP-3574-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3574-JP発生地域の葬儀場には必ず1人のエージェントが常駐します。SCP-3574-JP発生が確認された段階で周囲の撮影機器、録画機器を使用不可としてSCP-3574-JPの収容違反を阻止することが求められます。SCP-3574-JPを撮影した媒体は速やかに回収し、SCP-3574-JPの異常性を認知した一般人には記憶処理措置を行ってください。

説明: SCP-3574-JPは岩手県██市██地区において執り行われる葬儀及びそれに付随して発生する現象の総称です。

██地区において行われる葬儀は、宗派、参加人数、実施形態にかかわらず、全て鳥葬1として執り行われます。SCP-3574-JPは軽度の認識影響を有しており、██地区内においてはSCP-3574-JPが当然の事象であると受け入れられています。この認識影響は██地区外には及ばないことから、画像、映像による記録及びその確認は容易ですが、葬儀という特殊状況であるため、一般常識の範疇として撮影、録画は拒否される傾向にあります。SCP-3574-JPの収容違反が現在まで確認されていないのはこれらの影響によるものと推測されています。

SCP-3574-JPは各宗派の法要が終わり、一般的に被葬者を火葬する段階で以下のプロセスを経ながら発生します。

①法要が終了した段階で周囲の人物2が被葬者の身体を裁断する。3

②裁断された被葬者を容器4に収め、葬儀の参加者全員で開けた場所5まで移動する

③容器の中の被葬者を地面へ降ろす

④被葬者が全て降ろされ、参加者が約10mほど離れた段階で、被葬者の周囲に最大で20羽の鳥類が出現する。この出現の瞬間は現在段階で確認することができていない

⑤鳥類が被葬者を捕食する。凡そ30分ほどで捕食は終了し、それまでの間参加者は歓談する

⑥鳥類が捕食を終了した段階で消失し、SCP-3574-JPが終了したと判断される。

SCP-3574-JPは██地区において葬儀に参加していたエージェント・新田が認識補強薬を摂取していたことにより偶然発見されました。以下は発見時のエージェント・新田による記録映像です。

映像記録3574-JP-01 - 日付 20██/██/██

[再生開始]

A.新田: えー、博士、映ってますか?

北畠博士: はい、確認できています

A.新田: では改めて、こちらはエージェント・新田。要注意団体の関与している可能性がある人物と接触するため、██地区の名士の葬儀に参列したんですが、明らかにおかしなことが始まったのでサイトに連絡、ウェアラブルカメラを用いて初期調査中です。内容は葬儀の際中、突如鳥葬が行われることになったらしく、えー、故人が、その、ミンチにされました

北畠博士: 周囲の人物は何も違和感を訴えていないのですね?

A.新田: はい、みんな当たり前のように談笑しています。どうも参列前に服用した認識補強薬で自分だけが気付いているみたいです

北畠博士: 分かりました、現在はどこでしょうか、斎場、もしくは火葬場ではないように思えますが

A.新田: はい、故人をミンチにした後、開けた所に移動する、ということで山中の広場みたいなとこに来てます。……今、故人が棺桶から地面に撒かれました

北畠博士: 鳥葬台や祭壇のようなものは確認できませんね。故人はチベット仏教に関与していたりなどはしませんか?

A.新田: いえ、まったく。一般的な念仏宗でしたね

北畠博士: そうですか、ではやはり異常な現象と考えるべきでしょうね。しかし鳥葬といっても腐肉食の鳥は日本では多くない、考えられるのはカラスですが……

[画面が大きく乱れ、小さな叫び声が確認される]

北畠博士: どうしましたか?

A.新田: いえ、すいません、ちょっと驚いて。今カメラを合わせますが突然デカい鳥が出てきまして

[A.新田がカメラを操作し、出現した生物にピントを合わせる]

北畠博士: これは……

[15羽のダチョウが死体を捕食している]

A.新田: ダチョウですね

北畠博士: ダチョウですね、岩手にダチョウ。確かに異常事態ではありますね

A.新田: あっ、見てください

北畠博士: どうしました?

[A.新田がピントを合わせる。ダチョウの足元に小さな影が確認できる]

A.新田: キーウィもいます

北畠博士: 本当だ、キーウィもいますね

[再生終了]

SCP-3574-JPにおいて出現する鳥類のうち約98%はダチョウ、残り約2%はキーウィであることが確認されています。
SCP-3574-JPの起源は現在時点で不明です。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。