アイテム番号: SCP-358
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-358の精神的副作用のため、SCP-358は実験中を除いて常に封鎖し、全ての窓には板を打ち付け、侵入者がないことを確認するために定期的に警備員を巡回させます。建物全体の気密性が維持されるべきであり、空気の漏出や強行侵入の兆候は即座に報告してください。実験時を除いて、建物内で発見されたいかなる人物も即座に退出させ、尋問と観察のために勾留してください。
説明: SCP-358はイングランド███████████の郊外に位置する放棄された外傷センターです。建物を取り巻く地面にはこの地域に見られる植物が生い茂り、完全に見捨てられた場所の景観を示しています。建物の外観は風化していますがそれ以外の部分は完全で、窓と入口は不法侵入や破壊行為を防ぐために板が打ち付けられています。内部の空気は平均して45℃で乾いており、発生源不明の熱く乾燥した突風が廊下を吹き抜けています。探査と監視によって、発光する球体から完全な形の亡霊に至るまでの、典型的なタイプIII擬似霊的兆候 (心霊現象) の特徴を持つ異常活動が明らかとなりました。これらの全てが疲弊した様子を見せ、時折水を求める動きを行います。見分けのつく亡霊は、過去において精神機能を回復可能な時点の平均(47分)を越えてSCP-358に曝された個人であるように思われます。これらの個人の大半は財団の精神観察施設で保護されており、監視カメラ映像は、SCP-358内での亡霊の出現時にも彼らがその居室に存在していることを示しています。
多くの事例(██%)で、SCP-358に進入した個人は見当識障害の感覚を訴えますが、この感覚はSCP-358内で過ごす時間と共に減弱します。さらに彼らは喉の渇きが増大することを報告し、これは極度の脱水と熱疲労を示唆する症状に一致し始めます。これらの症状は直接の点滴を含む水分補給によってさえも和らげることはできません。曝露を続けた場合、対象は熱中症の特徴を示して精神退行の度合いを緩やかに強め、これは急激な解離性障害に至ります。概して、47分を越えてSCP-358の影響を受け続けた個人で精神機能を回復したものは存在しません。残る█%の対象はSCP-358の影響を受けませんが、後に何らかの影響が出現する可能性があるため観察下に置かれるべきです。
稀に、SCP-358の影響を受けた対象が明らかな中毒によって突然死することがあります。剖検では常に、血中から一般的な北米の砂漠に生息する地上性捕食者1種以上の毒素が発見され、通常これはニシダイヤガラガラヘビ (Crotalus atrox) のものです。
SCP-358は1983年██月██日、20歳と22歳の2人の男性が施設への侵入後、周囲の状況を認識できない様子で構内を徘徊しているところを地元の法執行機関によって逮捕された際にSCP財団に発見されました。健康診断では、身体的には砂漠環境への曝露に似た副作用しか見られませんでした。しかし、個人の心理評価では自己認識と位置の特定に関する知的能力が失われていることが明らかになりました。引き続いて行われたCTスキャンでは異常は見つかりませんでした。警察と医療機関の報告書はSCP財団職員によって収集され、現在行われているSCP-358の実験に繋がりました。
補遺358-01:
監督者の実験記録、██-██-19██:
実験継続時間: 30分
被験者は女性、██歳、█フィート██インチ、がっしりした体格。
進入時、被験者は内部が熱くて乾燥していることを観測。建物からの退出後、被験者は目眩を起こし、僅かな脱水状態にあることが観察された。被験者は靴の中に砂が入っていることにも気付く。砂はさらなる実験のために回収された。
補遺358-02:
監督者の実験記録、██-██-19██:
実験継続時間: 1時間
被験者は男性、██歳、█フィート██インチ、肥満気味。
被験者は前回の実験と同様に建物に入り、内部の乾燥した状態について述べる。さらなる探索によって、病院内のレイアウトが同時代、同所の他の病院と異なっていることが明らかとなった。SCP-358からの退出時、被験者はここが何処で、自分が誰なのかについて尋ねる。医療検査では被験者の脱水症状が明らかとなり、喪失した体液の補充のために水が与えられた。被験者の靴からは砂が回収された。被験者は身体的には完全に回復したが、その精神状態は回復せず精神観察施設Aで保護されている。
補遺358-03:
監督者の実験記録、██-██-19██:
実験継続時間: 2時間
被験者は男性、██歳、█フィート██インチ、屈強な体格。
他の実験と同様、被験者は建物の進入時に熱くて乾燥した状態を観測し始める。被験者はSCP-358内の部屋を調査する命令を与えられる。1時間の経過後、被験者は脱水を訴え始め、僅かな混乱を示し始めた。SCP-358への進入から2時間後に被験者との連絡が途絶し、Dクラス職員が被験者の回収のために送り込まれた。Dクラスは玄関近くの部屋で意識を喪失している被験者を発見し回収。被験者は静脈点滴の直後に意識を回復した。覚醒時の被験者は遷延性意識障害の状態で、精神的に機能しないことが観察され、精神観察施設Aに入院した。血液検査では、カリフォルニア南部の砂漠における咬傷被害者に見られる痕跡量の強毒性ガラガラヘビの毒素が発見された。補遺358-01と358-02で述べたように、被験者の靴は砂で満たされていた。
補遺358-04:
████/█/██、巡回警備員はSCP-358の北ホールで水を乞うヒト型の亡霊を映像に収めました。映像の比較から、亡霊は補遺358-03の実験で用いられた被験者Cと同等の外見で、行動にも同様の癖が現れていることが確認されました。精神観察施設Aの被験者Cは無反応のままで、イベントの発生中もその行動に変化は見られませんでした。