SCP-3583
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アイテム番号: SCP-3583

オブジェクトクラス: Neutralized Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3583を収容下に置く全ての試みは、対象が自己分解して構成部品群に変わり、新たな実例が3日以内に出現するという結果に終わったため、収容はSCP-3583の動向監視と情報管理を重視します。財団職員はSCP-3583が愛着を示している学校に従業員として潜入します。監視のために、財団職員3名が毎登校日の終わりにSCP-3583に乗車します。行動パターンSCP-3583-2に関する認可された実験の際を除き、4名以上の職員が乗車することは認められません。

標準的なインターネット監視Botは、SCP-3583の内部から撮影された動画の更なるコピーを検索するため、動画共有サイトを監視するように設定されています。該当する動画は全て削除されます。

説明: SCP-3583は複数の異常性を示すスクールバスです。最も明白なのは自律活動性を有している点です1。また、緊密な検査の結果、SCP-3583は多種多様な適合しないスクールバスの部品が、未知の力で一つに束ねられたものであることが判明しています。

SCP-3583はオクラホマ州[編集済]の町にある[編集済]公立学校と結び付いています。毎登校日の午後3:20になると、SCP-3583は学校の外にあるバス発着所のランダムな位置に出現し、ドアを開けて7分間待機します。この休止期間中に、最大56名の児童が自分の意思で乗り込むことができます(成人も最大8人まで乗車可能であり、各成人は明らかに子供2名に等しいものと見做されている)。もし7分後になっても乗客数が自らの希望に満たなかった場合、SCP-3583は警笛を鳴らし始めます。これは、可聴範囲内にいる全ての児童が遁走状態に陥り、他の活動を放棄してSCP-3583に乗車する認識災害影響を及ぼします。可聴範囲に十分な数の児童がいない場合、警笛の音は徐々に音量を増します。

自らが希望する数の乗客を収容したSCP-3583は、バス発着所から消失して異常な空間に入ります(以下SCP-3583-A)。SCP-3583-Aは一見してすぐ分かるほど明白に[編集済]の町に基づいている空間ですが、複数の逸脱があります。暴力的な町民暴動、地震・火山活動、頻繁な高圧放電、重力の矛盾、建造物火災、捕食性の大型動物相、民間人の大量処刑を伴うあからさまな軍事衝突、様々な程度の腐敗・身体切断状態にある自律移動性を有した死体などが含まれますが、それらだけに限定されません。

SCP-3583-Aの中で、SCP-3583は成人を何名乗せているかによって、2種類の異なる行動パターンに従事します。

行動パターン 1 (成人0~4名): SCP-3583は児童1名の住居に対応する場所に到着するまでSCP-3583-Aを走行します2。到着時、SCP-3583は通常の空間に帰還して問題の児童を降車させます。SCP-3583は再びSCP-3583-Aに戻り、別な児童の住居の対応箇所へ向かい、全ての児童が降車するまでこの流れを継続します。その後、SCP-3583は同じようにして全ての成人を住居へ送り届けます。最後の成人が降車するとSCP-3583は消失します。

行動パターン 2 (成人5~8名): SCP-3583はSCP-3583-Aを退出して、歴史的に大量の死傷者が発生した場所を訪れます(特定された場所には世界貿易センタービル、カオラック、ポンペイ、南京などが含まれる)。SCP-3583が出現する時間は、問題の事件が発生する数日~数週間前です3。SCP-3583はその後、出現地点の周辺を45~150分ほど走行してから、改めて行動パターン1に従事します。

インタビューログ 3583-08F2X; インタビュー対象: ████████校長

████████校長: もっとずっと早く来てほしかったもんだ。あいつが最初に現れた当時は6回も通報したぞ。何でこんなに時間がかかった?

エージェント パテル: その、調査したところですね、どうやら、えー、何処かの時点で — 我々が事態を把握する前に、という点は強調しなければならないのですが — 通報を処理した人物は、あの、あなたが酔って幻覚を見たのだと決めつけていたようでして。

████████校長: …あのロクデナシめ。とんだロクデナシだ! 言っておくがな、私はこの15年と5ヶ月間で一滴も飲んでないぞ! 私がまた酒に手を出したとか抜かしたのは何処のボケナスだ? [編集済]か?!

エージェント パテル: 本当に申し訳ないのですが、お答えできません。実際に知りませんし、知っていたとしても言えません。

████████校長: <溜息> そうか、分かったよ。じゃあ、私たちの通報でないとしたら、どうやって知った?

エージェント パテル: 何人か、オンラインに動画を投稿した子供たちがいたのです。

████████校長: ああ、クソ。

エージェント パテル: さぁ、話していただきましょう。全員の記憶を消すまでたっぷり1週間も掛かりました。

████████校長: そんな事ができるのか?

エージェント パテル: 我々にできる事は数多くあります。

████████校長: だが、あいつが帰ってくるのを実際に止めるのは無理なんだろう。

エージェント パテル: …確かにそれはできないかもしれません。

████████校長: バラバラになる前にどれだけ遠くまで引っ張っていった?

エージェント パテル: 実を言うと、最初は安全なガレージの中に停めていました。しかし今では、我々が学校の敷地から引っ張り出すとすぐさま分解してしまいます。

████████校長: 知ってれば忠告できたんだが。最初のうちは自分たちで処分しようとしたんだ。タイヤを固定してスクラップ置き場まで牽引した。途端にボーン、バスの部品が道路中に散らばる有り様だ。

エージェント パテル: 合法的に学校の敷地を拡張すればどうにかなると提案した者もいたのですが…

████████校長: うん? まさか、先月あちこちにいた測量士はそれが理由か?

エージェント パテル: ええ、慌てて近所の土地を残らず没収するより、小じんまりと始めた方が良いだろうと思いました。結局は何の違いも得られなかったのですが、まぁ、余分な1000平方フィートを満喫していただければ幸いです。

████████校長: ハ。君らのようなメン・イン・ブラックのお役人がやりそうな事は色々と予想してたが、まさか新しい校庭を貰えるとはな。危うくここを閉鎖する気だと思いかけていたよ!

エージェント パテル: 実際それも真剣に考慮しました。

████████校長: …ほう。

エージェント パテル: しかし、もし閉鎖してあなた方がここに居なくなったら、あのバスは別の学校に狙いを付けるかもしれない。そのリスクは犯せません。ですから、あれを見張るために、ここの職員に何人か息のかかった者を忍ばせます。

████████校長: 何人?

エージェント パテル: あー… 多くてもせいぜい6人ぐらいでしょう。

████████校長: そんな予算は無い。

エージェント パテル: いえ、給料はこちらが出します。

████████校長: ハハ。そりゃ良い事だ。

エージェント パテル: うーん… かもしれません。ともかく、帰る前にあなたにはお礼を言いたかったのです。

████████校長: えっ?

エージェント パテル: この件で大いに融通を利かせてくれたでしょう。大抵の場合、えー、異常な存在をその場に放置しなければならない時、現地の人々は取り乱すのですがね。

████████校長: まぁ、それはな。本気で厄介払いしたかったら、通報を止めたりしなかったさ。

エージェント パテル: 上司たちがその説明を聞きたがるでしょう。

████████校長: あいつがここにいても構わないとだけ伝えるんじゃダメなのか?

エージェント パテル: ちょ、ちょっと待ってください。あなたは あれを受け入れると言うんですか?

████████校長: <溜息> いいか。正体が何であれ、あいつは明らかにスクールバスになりたがっている。そして仕事ぶりはそれほど悪くない。つまりだな、異次元地獄はこの際脇に置くとして、あいつは完全な無事故無違反を貫いてるんだ。これが始まってもう5年になるが、ケンカで怪我した子供すら一人も出してない。生身の運転手にはとてもできない事さ。それに… オーケイ、正直な話をしても構わないか。

エージェント パテル: どうぞ?

████████校長: 君はスクールバスが1台でどれだけ経費を食うか知ってるかね? 燃料や維持費や運転手を数に入れないバス単体での話だぞ? あいつが姿を見せてから浮いた分で、ウチは音楽教師を雇えたんだよ。

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