SCP-3585
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アイテム番号: SCP-3585

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3585の各実例は隔離標準物品収容ロッカーに保管されます。各ロッカーには簡易モーショントラッキングカメラが取り付けられます。30日間で2m以上の移動が検知された場合、財団職員によりベンチュラ・イベントが開始されます。

提案されたSCP-3585の実験は全て、レベル3職員2名の許可を得なければなりません。用いる材料の中に禁止されているものが含まれている場合、その実験の提案は即座に却下されます。禁止されている材料のリストは文書3585-291を参照してください。

説明: SCP-3585は少し誇張表現された様々な動物をかたどった9体のぬいぐるみで、高さは34cmです。SCP-3585のモチーフとなっている動物は以下の通りです。

  • SCP-3585-A フェネックギツネ
  • SCP-3585-B ウシガエル
  • SCP-3585-C シマスカンク
  • SCP-3585-D オジロジカ
  • SCP-3585-E トラ
  • SCP-3585-F オオミミハリネズミ
  • SCP-3585-G ハイイロタチヨタカ
  • SCP-3585-H アカアシタイヨウリス
  • SCP-3585-I アカアシタイヨウリス

各SCP-3585には、片面に以下のように書かれたタグが取り付けられています。

ワンダーテインメント博士® の マーダーミステリーのなかまたち©

タグの裏面には以下のように書かれています。

表面拭き洗い
すべて新素材
ポリエステル繊維 & プラスチックペレット
インドネシア製

SCP-3585が同じ部屋に配置されると、SCP-3585の全実例は完全に知能を持つようになり、独立して動くことができるようになります。この状態になると、SCP-3585-Dは部屋の中にいる人物に近づき、ベンチュラ・イベントを始めることを発話によって提案します。SCP-3585-Dの発話がどのようなプロセスで行われているのかはいまだ不明です。すべての人物がこの提案を拒否した場合、SCP-3585の全実例は不活性状態に戻ります。提案を受け入れる人物がいる場合、SCP-3585-Dはすべての人間に部屋から出るように依頼します。

SCP-3585実例以外の存在をすべて部屋から出すと、SCP-3585実例は部屋の中にあるあらゆる利用可能な材料を用いて殺人事件の現場を再現します。SCP-3585が材料をどのようなプロセスで操作しているのかはいまだ不明です。見たところ、無作為に選ばれたSCP-3585実例が問題の殺人事件の被害者として用いられるとされています。SCP-3585-Dが被害者役となった例は一度も記録されていません。全ベンチュラ・イベントのうち5%において、SCP-3585が再現するこの事件現場は、過去に確認された殺人事件と一致しています。事件現場がつくられると1、ベンチュラ・イベントへの参加に同意した人物は部屋に戻るよう依頼されます。

ベンチュラ・イベントへの参加に同意した人物がすべて部屋に入ると、SCP-3585-Dはベンチュラ・イベントのルールを説明します2。説明を聞いた人物はその後、犯人役のSCP-3585実例がどれであるかを決めるための時間として10時間が与えられます。

10時間の終わりまでに適切なSCP-3585実例を犯人と言い当てた場合、SCP-3585-Dはその見事な推理に対して祝いの言葉を述べ、プラスチックでできた保安官バッジの進呈品を贈ります。適切なSCP-3585実例が犯人として選ばれなかった場合、SCP-3585の全実例は発話せずに不活性化します。ベンチュラ・イベント終了時、傷ついたSCP-3585は全て活性化前の状態にまで戻ります。

補遺: 以下は過去に行われたベンチュラ・イベントの実験例です。

日付: 2010/6/29

部屋: 標準実験チャンバー

参加者: D-31937 (男性、27歳)

与えられた材料: なし

発生したベンチュラ・イベントの概要: D-31937が実験チャンバーの外で待機している間、SCP-3585実例は5分間輪になって立っていた。5分後、SCP-3585-Cは地面に倒れ、SCP-3585-Dを含む残りのSCP-3585実例は倒れたSCP-3585-Cの周りをパニックになっているかのように動き回り始めた。SCP-3585-Dが実験チャンバーのドアの方へと移動し、"終わったよ"と発話しながら3回ドアをノックした。

チャンバーに入室すると、D-31937はルールについての説明を受けた。D-31937は、10時間以内にどのSCP-3585実例がSCP-3585-Cを殺害したのかを突き止めるよう指示された。D-31937は、部屋にいる者は全員、要求される情報が容疑者を暴露するようなものでない限りは捜査に協力的であり、またD-31937を騙そうとしているときには明確なサインを出すことになっていると伝えられた。

D-31937はまずSCP-3585-Dに質問を行った。D-31937は、SCP-3585-Cがその前の晩にSCP-3585-Aと一緒に家に向かって歩いていたこと、そしてSCP-3585-Dはそれ以上の情報を持っていないことを伝えられた。SCP-3585-Aへの質問の際、D-31937はSCP-3585-Cが帰宅中川に差し掛かった時に暗緑色の存在に襲われたという情報を得た。この会話の間、SCP-3585-Aはその耳でプラスチックの目を覆い、時折すすり泣きのような声を出していた。このような行動は、質問が終わると収まった。

約4分間にわたってSCP-3585-Cの調査を行った後、D-31937はSCP-3585-Cが、彼の表現を借りるなら"不自然に湿っている"ことに気づいた。30分が経過した時点で、D-31937は"犯人はSCP-3585-Bだと思う"と宣言した。この宣言の後、全てのSCP-3585実例は何も発話せずに地面に倒れた。

追記: この実験は、SCP-3585実例に使用できる材料を何も与えなかった場合に何が起こるのか確認するために実施されたものである。

日付: 2010/8/24

部屋: 標準実験チャンバー

参加者: D-93482 (女性、36歳)

与えられた材料: 板材22枚、釘40本が入った箱1つ、ハンマー2つ

発生したベンチュラ・イベントの概要: SCP-3585実例は5分間輪になって立っていた。5分後、SCP-3585-AとSCP-3585-B、SCP-3585-Gは家に似たデザインの小さな木造建築物を建設し始めた。他のSCP-3585実例は建築物から離れたまま、建設重機の音を発声し始めた。

建築物は前壁を欠いたまま完成し、余った材料がその脇に置かれた。建築物の中では、磔に類似した形でSCP-3585-Gが内壁に釘で打ち付けられていた。

このとき、SCP-3585-Dは再度ドアの方へと移動して以前の行動パターンを繰り返し、ベンチュラ・イベントの準備が完了したことを参加者に知らせた。ルールは以前の実験と同一であった。D-93482は部屋に入り、建てられた建築物を調べ始めた。D-92482はSCP-3585-Gの現状に気づくとやる気を削がれた様子を見せ、ゲームの中止を要求した。

SCP-3585-Gは壁から外れて地面にぶつかると、他の全てのSCP-3585実例と同様に不活性化した。磔によってSCP-3585-Gが負った傷は、実験後の調査の時には消滅していた。

追記: この実験により、SCP-3585実例の建築能力が示された。D-93482は許可なく実験を早期に終了させたため、懲戒処分を受けた。どのSCP-3585実例が犯人であるかが推測される前にベンチュラ・イベントが終了した最初の例。

日付: 2010/11/29

部屋: 標準実験チャンバー

参加者: D-97921 (男性、54歳、以前探偵として雇用されていた)

与えられた材料: 紙、クリップボード1つ、板材20枚、釘の入った箱、金メッキされた腕時計2つ、儀式用ナイフ1つ、湧き水1瓶、焼けてから3日経過したパン

発生したベンチュラ・イベントの概要: ベンチュラ・イベントを始めるために部屋に入ると、SCP-3585-DはD-97921に接近した。SCP-3585-Dは通常の発話の代わりに、ベンチュラ・イベントにおいて正しく推理を行った人物に贈られるプラスチックでできた保安官バッジの進呈品をD-97921に渡した。SCP-3585-Dはその後、ベンチュラ・イベントにおいて正しく推理を行った場合の反応と完全に同一のパターンに沿って、D-97921の見事な推理に対して祝いの言葉を述べて地面に倒れた。

追記: 法執行機関に勤めていた経歴のある職員による実験は全てこのような結果に終わっているため、この種の経歴をもつ人物とSCP-3585を組み合わせる実験からはこれ以上何も得られないと推測されている。

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