SCP-3591-JP


評価: +12+x
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アイテム番号: 3591
レベル2
収容クラス:
euclid
副次クラス:
{$secondary-class}
撹乱クラス:
ekhi
リスククラス:
notice

臨時通達

インシデント3591-238-0001のため、特別収容プロトコルが暫定的に改訂されました。

SCP-3591-JP-A-238と同様の、特別収容プロトコルの適用外となる実例の発生・発見が起こった場合、緊急報告としてレベル4管理官へ送達してください。

特別収容プロトコル (暫定): SCP-3591-JPの収容は、その発生源となるSCP-3591-JP-A群の特定および確保により実行されます。ヒト (Homo sapiens) 以外のSCP-3591-JP-Aの発見・確保については、暫定的にSCP-3591-JP事例の発見をもって対処に当たります。

各国の医療機関および児童福祉機関に在籍するエージェントによって新規に発生したSCP-3591-JP-Aの早期発見および確保を行います。生後1年以内の確保が望まれますが、遅くとも生後3年以内には対象を特定、確保しなければなりません。SCP-3591-JP-Aの確保の際には、その保護者であった人物および関連する非財団職員に対しての記憶処理および各種カバーストーリーの適用を行います。

未収容状態のSCP-3591-JP-Aにより発生したSCP-3591-JP-Bは、適切なサイズの低脅威度コンテナに収納されます。実験・記録その他の理由でサンプルの採取が必要な場合は管理官に申請のうえで許可されます。ただし、SCP-3591-JP-Bがミーム的・反ミーム的特性を持っていた場合、サンプル採取は認められず、気密コンテナに保管の上で担当研究員および概念部門による処理が行われます1

確保したSCP-3591-JP-Aは財団原生部門の所管する規定のエリア (エリア-3840、エリア-5488、エリア-6912、エリア-8640、エリア-9900) に移送され、エリア内にあるサイトのいずれかにて収容されます。いずれのサイトもその地理的特性および収容方法の特性から、未開拓地の現地人集落を偽装しています。

SCP-3591-JP-Aを含む収容エリアはそれぞれ、財団言語学部門の監修を受けた専用の言語のみを公用語とする状態に置かれます。原生部門の許可と研修を受けていない財団職員のエリアへの接近、およびエリア内で英語を始めとする高度な言語体系を使用することは禁止されます。特に、対象物・現象を指して「SCP-3591-JP(-A, -B, -Bʹ)」と発声すること、およびSCP-3591-JP-Aに高度な数体系を学習させることは重度の収容違反リスクと見做され、研究目的であっても禁止されます。抜粋されたインシデントログも参照してください。

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エリア-3840遠景


説明: SCP-3591-JPは、SCP-3591-JP-A群に指定される人物が何らかの具体的な数を想起する際に、物理的実体(SCP-3591-JP-B)を出現させる現象です。全ての実例においてSCP-3591-JP-Aは先天的に獲得される異常な性質ですが、外見・身体能力・認知能力・脳機能・遺伝的およびミーム的形質等について共通項は確認されていません。財団の記録上 (前身団体および蒐集院記録を含む) SCP-3591-JPを初めて確認した1876年から2023年12月までに、187人のSCP-3591-JP-Aが収容されています。

SCP-3591-JP-Bは多くの場合で、想起される際に思い浮かべた外見2の、未知の素材からなる形態で出現し、また想起された個数分出現します。SCP-3591-JP-Bの素材は一定していませんが、およそ「ぬいぐるみ」「マシュマロ」「クッキー生地」「人間の███」に例えられる範囲の柔軟性と触感を持っています。既知の実例においては生物を想像した場合でも同様の素材で構成された非生物の実体が出現しているため、脅威度は低いと考えられます。

SCP-3591-JP-Aが数の想起の際に特定の外見を想像しなかった場合、自身の形状および外見に関する反ミーム的特性と自身が「その数そのもの」であるという強いミーム的・認識災害的特性を保持するオブジェクトを1個だけ出現させます(以降SCP-3591-Bʹと呼称します)。反ミーム性とミーム性の両方の効果によって、SCP-3591-JP-Bʹは「その数そのもの」であるという以外の情報をほとんど認識・伝達することができません3。大きさは一定しておらず4、原理上サイズの限界は上界下界共に存在しないものと考えられています。

SCP-3591-JP-Bʹが適切な方法で処理されなかった場合、それを知覚していた人物および物理的に近い位置にいた人物から、その数の認識が失われます。失われた認識はSCP-3591-JP-Bʹを視認ないし物理的に接近している時に限り回復し、自然に回復することはありません。特にSCP-3591-JP-Bʹの通常の収容および保管は半永久的かつ重篤な認識災害を収容サイトにもたらす危険性があります。適切な処理方法および認識災害の影響を緩和・除去するセラピープログラムが概念部門によって開発されており、SCP-3591-JP-Bʹの適切な処理後であればこのプログラムによって認識が回復できることが確認されています。

SCP-3591-JP-AによるSCP-3591-JPの誘発を抑える方法を、2024年現在財団は把握していません。具体的な数でさえあれば出現するSCP-3591-JP-Bの個数の上界は存在しないと考えられており、財団の記録上では最大で約400,000個 (推定) のSCP-3591-JP-Bが同時に発生しています。具体的でない「多い」「少ない」「およそ」などの語彙に対してSCP-3591-JPは発生しませんが、例えば「いくつか」と言及する際に正確に6個の実体を想起した場合は、その想起に従って6個のSCP-3591-JP-Bが発生します。

SCP-3591-JP-Aの内在観念に現象の規模が依存しているという不安定性と、数という根源的な概念に関連しているという言語学的困難から、原野部門を始めとする複数部門の協力による現在の収容プロトコルが確立されました。言語学部門の監修したまたは開発したSCP-3591-JP用の言語は、数体系および論理体系に関する語彙の著しい欠如5を特徴としており、これによって発生するSCP-3591-JPの規模を抑えます。

SCP-3591-JP-Aに対して数体系を学習させることは統計的にほとんど確実な6収容違反を招き、極端な場合にはNK-クラス“グレイ・グー”シナリオ、YK-クラス“軌道破局”シナリオ、重力崩壊あるいはそれ以上の物理学的現象によるZK-クラスシナリオなどを誘発する恐れがあるため禁止されています。


実験記録: 以下のインタビューおよび実験記録はSCP-3591-JP-A-062の協力およびその環境のために実行が許可されました。現在、継続でない新規の実験およびインタビューの実行はレベル4管理官の許可を必要とします。


インシデントログ (抜粋): SCP-3591-JPの発生は完全には抑えられていないため、収容下における極小規模のSCP-3591-JPはインシデントログに記載しないこととなっています。データベースに管理されているインシデントログの原本には、

  1. 未収容のSCP-3591-JP-AによるSCP-3591-JPの発生すべて
  2. 収容下で6個を超えるSCP-3591-JP-Bを発生させた事例すべて
  3. 収容下で外寸1m×1m×1mを超えるサイズのSCP-3591-JP-Bを発生させた事例すべて
  4. 収容下でのSCP-3591-JP-Bʹ発生事例すべて
  5. 例外的に記載すべきと考えられる事例すべて
  6. 上記に限らず、掲載除外規準を満たさない事例すべて

が記載されています。原本の閲覧は担当管理官に申請を行ってください。


補遺 (暫定): インシデント3591-238-01により、SCP-3591-JP-Aはヒトに限らないことが確認されました。

番号: 3591-238-0001
日時: 2024-06-11T11+09:00
場所: ██████████, ██市, 愛知, 日本

状態: 収容外 (発見記録)
出現個数: 合計2個
出現様態: 飼育員である██ ██および██ ██に外見が類似した人形、人体様の触感。

状況: 研究飼育されていたチンパンジー (Pan troglodytes) 個体である-A対象によって生成。目撃された異常なプロセス (SCP-3591-JP) のために財団へ通報された。

対応: SCP-3591-JP-A個体は同日中に隔離された後、その後もSCP-3591-JP-Bを数度生成した (インシデントログ3591-108-0002 ~ -0006) ため、霊長類の収容設備を持つサイト-8169へ移送された。施設職員には原則的に記憶処理で対応されたが、目撃した飼育員は本人の希望および同意の上でSCP-3591-JP-A個体の飼育員としてサイト-8169に雇用された。

当該インシデント発生時までSCP-3591-JPは人間が引き起こす異常症候だと考えられていましたが、これにより他の哺乳類あるいは知性体一般に起こりうる可能性が示唆されています。

また、異常医学・認知科学・超常脳科学の専門家を中心とした研究チームは、インシデント報告およびこれまでの各部門の研究報告から、「異常の主体がヒトやヒトを含む知性体にあるのではなく、空間それ自体の内包している性質である可能性を否定できず、また現時点では有力な仮説の1つに挙げられる」として、SCP-3591-JPの指定を変更することを提言しました。この提言は分類委員会および収容委員会に承認され、SCP-3591-JPはその現象に指定されることになりました16

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