SCP-3637
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Maiasaura.jpg

博物館に移送されたSCP-3637。

アイテム番号: SCP-3637

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル: 事案3637-Aを以て3637-ラマ事象は完全に終結し、SCP-3637はNeutralizedに再分類されました。事案3637-Aの1年後、SCP-3637は完全に発掘され、財団フロント企業が経営する博物館へ移送されました。

説明: SCP-3637は、モンタナ州██████から50kmの地点で古生物学的採掘調査中に発掘された、化石化したマイアサウラ(Maiasaura)の骨格です。SCP-3637の発見当時、古生物学チームは明確な音源の無い大きな咆哮を耳にしています。

SCP-3637は、雷雨がSCP-3637の直上で発生する、もしくは通過する度に1回ずつ、3637-ラマ事象を起こします。

3637-ラマ事象において、SCP-3637付近の風速は時速およそ140kmまで増大し、大きな咆哮が響き、半径119m以内にある塩の結晶がSCP-3637へと引き寄せられて、対象を完全に包み込みます。これに続いて、稲妻がSCP-3637を直撃し(SCP-3637はこれによる損傷を受けません)、塩の結晶は癒着してマイアサウラの成獣の骨格、以下SCP-3637-1を形成します。SCP-3637-1はその後、SCP-3637から離れて歩き去ります。風速は正常に戻り、3637-ラマ事象は終了します。

SCP-3637-1は漫然と彷徨い歩く傾向があり、時折吠えながら前脚で地面を掘り返します。SCP-3637-1は雨の侵食によって移動が不可能になるまで徘徊と掘削を継続します。侵食が進むにつれてSCP-3637-1の声はより大きくなり、掘削はより急速かつ必死の様子を呈することが注目されています。雨はSCP-3637-1の近傍に、対象が完全に溶けるまで降り続けます。一度に存在できるSCP-3637-1個体は1体のみです — 3637-ラマ事象は現在のSCP-3637-1が溶けるまで再発しません。

SCP-3637-1は、過去に掘り返した場所や特定の財団職員を記憶することが可能です。この現象への説明として、SCP-3637-1は繰り返し出現する同一の実体、または集合記憶を共有する実体群だとする仮説が立てられています。

事案3637-A: 18/5/13、財団の古生物学チームはSCP-3637の位置から約11km離れた場所で、数十個の卵の化石を収めたほぼ完全なマイアサウラの巣を発掘しました。当時は雨が降っていなかったにも拘らず、3637-ラマ事象がSCP-3637の位置で即座に発生し、形成されたSCP-3637-1は大声で吠えながら巣の方角へ走り始めました。この際、SCP-3637-1は地面から塩分を吸収して体長15mまで巨大化し、容易に障壁を乗り越えました。現地職員は高圧ホースでSCP-3637-1の無力化を試みましたが失敗に終わりました。収容違反後、SCP-3637-1は余分な塩を排出して本来のサイズである9mに戻り、巣に向かって進み続けました。応援部隊に出動要請が掛けられ、巣の近くにいた職員は撤退するように指示されました。巣に到着したSCP-3637-1は、巣の隣に横たわって卵の化石に鼻を擦りつけた後、崩壊して塩の結晶に変わりました。

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