SCP-3654
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海洋サイト-821へと誘導されているSCP-3654

アイテム番号: SCP-3654

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 海洋サイト-821は弟島に建てられており、第2次世界大戦期の船舶を補修・修復した経験を有する職員が配置されています。職員はSCP-3654の捜索のために父島列島周辺海域の巡視を行ってください。もし予定の期日までにSCP-3654が発見されなかった場合、調査チームはボニン諸島1に属する別の島へと派遣されます。

SCP-3654は発見され次第、海洋サイト-821へと曳航ないしは護送され、同サイトで補修と燃料の補給を受けます。船室内で発見された物品に対しては干渉せず、文書による記録を行ってください。予想されるSCP-3654の消失の前に、船内には武器弾薬及び戦闘糧食が設置されます。SCP-3654への余剰次元センサーの追加を希望する職員は、現在のプロジェクト監督者に相談してください。

説明: SCP-3654は、第二次世界大戦期の魚雷艇である、PT-658の代替型式であると推測されています。SCP-3654の外観には数十年間の継続的な使用によるものと一致する摩耗が生じています。SCP-3654の内部には、保管場所へと変えられた寝台が残されている、8人用の居住区画が存在します。船内の私物はアメリカ人兵士が乗員であったことを示していますが、現存する文書や標識に書かれている言語は、現時点では未だ解読されていない言語です。船長室から発見された地図は、SCP-3654が日本本土を対象とした侵攻軍に所属している、ないしは所属していたことを示しています。

SCP-3654の主要な異常性は実在と非実在のサイクルであり、各期間はそれぞれ約29日間継続します。SCP-3654が消失する際に、生命を有する有機物が共に転送されることはないと考えられています。複数の場面において、SCP-3654はエンジンを使用せずに自立した行動が可能であることが観察されています

SCP-3654は1978年に、ボニン諸島の調査を行っていた民間の研究船によって初めて発見されました。当時、実体は激しく損傷しており、3つのエンジンのうちの2つは動作していませんでした。実体は、泥の覆いと腐敗した植物によって構成された、にわか作りの迷彩によって覆われていました。最初に行われたSCP-3654の分析においては、部分的に焼かれたカレンダーのページが積み重なったものの上から、大量の破壊ないしは粉砕された計時器と時計が発見されました。また防御用の砲塔の横には、撃破数のカウントであると推測される、チョークによる印が存在しました。

補遺: SCP-3654ないしはSCP-3654の内部の物品の注目すべき変化は以下に記録・リスト化されています。

日付: 1980/██/██

記録: 7番寝台から、兵士の写真と数本のアルコール飲料のボトル、及び乾燥した熱帯性植物の小さな山を除いて、個人の私物が消失していることが発見された。

日付: 1980/██/██

記録: 防御用の砲塔の横のチョークによる印が、平均6点から27点へと劇的に増加した。

日付: 1982/██/██

記録: 舵輪の近くにメモが留められているのが発見された。メモの内容には軍需物資や食料の要求であると思われる記号や絵が含まれていた。試験期間の後に、収容プロトコルにこれらの物品の投入が加えられた。

日付: 1982/██/██

記録: SCP-3654消失時の戦闘糧食の投入の実行後に、別のメモが舵輪の近くで発見された。メモには炎上している日本の船舶と時計の図像が、粗雑な描写によって描かれていた。

日付: 1983/██/██

記録: ヤシの幹から作られた日時計がチョークによる印と共に、SCP-3654のデッキで発見された。

日付: 1983/██/██

記録: 日時計が消失しているのが発見されたが、印は残っていた。船体を調査したところ、ヤシの幹が断片へと粉砕され、8番寝台の下へと隠されていたことが明らかになった。

日付: 1985/██/██

記録: 複数の船員が彼らの寝室をエンジンのより近くへと移動させたと思われる。寝台と新たな寝室の間には、チョークによる中途半端な線が引かれていた。

日付: 1991/██/██

記録: 船長室が荒らされているのが発見された。船室の中央からは破壊された懐中時計が発見された。

日付: 1991/██/██

記録: ヤシの幹と金属棒から成る障壁が、貨物区域への侵入を妨げていた。障壁からは複数の貫通弾痕が発見された。幾つかの貨物コンテナの背後からは、多数の日付がランダムに線を引いて消されている紙のカレンダーが発見された。

日付: 1998/██/██

記録: 複数の祭壇と積み重ねられた薪が、全焼ないしは半焼の状態で、SCP-3654の全体から発見された。

日付: 2009/██/██

記録: 船内は極めて多数の手書きの時計の文字盤、カレンダーのページ、及び彼らの言語によって描かれた記号によって覆いつくされていた。

日付: 2014/██/██

記録: SCP-3654は小さな入り江で発見された。SCP-3654には意図的に穴が開けられていた。後に血液であると判明した茶褐色の大きな染みが、デッキの中央で発見された。

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