アイテム番号: SCP-3664
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-3664の収容と研究を管理するための自動化システムが整備されています。SCP-3664に割り当てられている3名の財団スタッフが毎週1回、実験チャンバー3664に向かい、うち2名が監督を務めます。チャンバー内に入った研究者は当該兵器に関する完全な情報を提供され、監督スタッフの指示に従って実験を開始します。実験の終了時、SCP-3664の使用に必要とされる情報を除去するために、全ての研究者は対抗ミームAsi-Alephに曝されます。
研究チーム3664の全メンバーは、SCP-3664の知識に曝露する前に、ミーム部門で思考管理訓練を受講しなければいけません。空想癖やその他類似の傾向がある人物はチームへの参加を認められません。マリオン・ホイーラー上級研究員の指示に従い、実験チャンバー3664は当該兵器の詳細な情報開示が認められる唯一の場所とされています。SCP-3664が生成する認識災害現象によって完全に汚染された人物は、適切な拘留下に置かれます。
説明: SCP-3664は完全に概念構造体としてのみ存在する形而上学的な兵器です。あらゆる物理形態を欠いているため、SCP-3664と相互作用する唯一の手段は、相互作用について考えることです。
SCP-3664を使用した職員は、レーザーと対戦車兵器の部品を組み込まれたアサルトライフルに似た武器としてこの異常概念を説明します。複数箇所が破損していると報告されています。外見については曖昧な詳細のみが提供可能であり、図で描写しようとすると影付きの長方形が描かれる結果となります。説明の詳細を改善する唯一既知の手段は、記憶補強薬の使用を介したものです。
対象者とSCP-3664の相互作用に必要な最小限の情報は、外観の説明です。説明が完了すると、対象者はSCP-3664を発砲する様子を思い浮かべることによって、実際にSCP-3664を発砲できます。これは対象者の付近で異常な出来事を引き起こします。
当該兵器の機能を推測する試行錯誤のプロセスを通して、研究者たちは異常事象とそれらに対応する試行を以下のリストに纏めました。
試行 | 結果 |
---|---|
発砲/トリガーを引く | プラズマで構成された3つの飛翔体が対象者の前方に発射され、命中するまで視線に沿って飛び続けます。 |
身を覆う/隠れる | 対象者は2分間、周辺環境から全ての感覚刺激を受け取らなくなります。時折、対象者は微かに周囲の物体や動きを感じ取ります。 |
追跡ビーコンを有効化する | 対象者は背後の一地点から、静かな“ポーン”という音を繰り返し聞き取ります。最初の追跡ビーコン実験以降、対象者は全ての実験で音を聞き取っており、SCP-3664を使用するごとに短時間持続します。 |
自分を撃つ | 対象者は煙や灰色のフォーマルスーツを着用した人物を知覚できなくなります。 |
一次レーザーを有効化する | 1つの不明瞭な飛翔体が対象者の前方から発射され、最も近くにいる人物の頭部を貫通します。この過程で傷は残りません。被弾した人物は概念的に劣化し始めます — 外見上の詳細はあまり定義されなくなって視覚的にぼやけ始め、被弾者は自らのアイデンティティの詳細を忘却します。自己の実在を疑い始めた時点で、被弾者は恒久的に消失します。記憶補強薬を与え、被弾者のアイデンティティに関する偽の情報を提供すると、この効果は逆転して終了します。 |
殴打する | 対象者は消失し、1分後に再出現します。再出現時、実験チャンバーは深刻な損傷状態にあり、壁や床には内臓が出現します。人間の眼球組織を除いて、これらの内臓は全て非人間の識別不可能なものです。SCP-3664についての知識を持つ他の研究者たちは、この出来事の発生後に“安堵”を感じたと報告しています。 |
二次レーザーを有効化する | 対象者の視認範囲にいる人物は、自分たちのいる環境が急速に劣化し、構造が変化し、周辺領域が崩壊して床下の“穴”に落ちてゆく様子を知覚し始めます。これは重度の見当識障害を引き起こし、影響者が感覚過負荷を経験した時点で終了します。自分が穴に転落したと知覚した人物は完全な脳死状態になります。この出来事の発生中、記憶補強薬が影響者の血流内に存在しています。 |
ロケット弾を発射する | 未特定。対戦車兵装の実験予定を詳述するファイルは存在しますが、研究チーム3664のメンバーたちは、計画に携わった研究員や実際に行われた実験について如何なる記憶も有していません。 |
自爆 | 「あなたは機動部-[不明瞭]エージェントではありません。アクセスを拒否します」という単調な声が知覚されます。このコマンドの更なる実験は禁止されています。 |
フェイルセーフ/最終手段 | 1つの不明瞭な飛翔体が対象者の前方から発射され、命中時に人間の血液から形成された認識災害シンボルを描き出します。シンボルに影響を受けた人物は、自らが“重大な任務”に関与している機動部隊エージェントだと恒久的に信じ込みます。影響者はこれ以上の詳細情報を提供できません。 |
SCP-3664が財団に発見された経緯は不明です。
補遺: 2014/2/5から、研究チーム3664のメンバーは実験中に侵入的な思考を経験していると報告し始めました。これらの思考は、研究員たちが切断された四肢、流血する人間、銃火器の一斉射撃について突然考え始めるという形式を取っていました。2014/2/13、リンダ・ワード研究員は自分が負傷者を掴む様子を思い浮かべました。防弾保安装甲を着用した男性がワード研究員の隣の地面に出現し、繰り返しアメリカ手話で意思疎通を試みました。
追ってくるFOLLOWED-話すTELL-銃GUN
1分後、大きな破砕音が聞こえ、男性は死亡しました。死体(SCP-3664-α)の検査は、全身にある大きな裂傷や既知生物と一致しない咬傷を明らかにしました。SCP-3664-αの顔の特徴、ID、指紋、その他全ての潜在的な識別要素は不明な理由によって全く知覚できません。死体の後頭部にある財団記章のタトゥーはこの影響を受けていません。
この事案以来、追跡ビーコンが発する告知音は激しさを増しており、SCP-3664使用者の周囲の至るところから聞こえると報告されています。研究チーム3664メンバーがSCP-3664の記憶を唐突に失っている件は調査中です。研究員たちの頭部に残された咬傷や巨大な穴についての目撃証言は確証されていません。