SCP-3666-JP

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Episode III
THE OLDEST EX-MACHINA

Notice from Area-58

監督評議会命令に基づき、以下の人員に上位調査任務 (”ドレギョーニ・プロトコル”) を与える。対象者は、2045年4月11日から同年5月1日までの間、本件の収容課題であるSCP-3666-JPがもたらす影響について調査し、報告するよう義務付けられている。

Emanuel.aic通称”エマ”、友好的調整.AIの用途機能は、人類および/または財団の利益と重なる。汎用知能 (第IV世代)

MXES.aic通称”メクセス”、友好的調整特化型知能.AIは、単一のタスクまたはタスクのカテゴリーを実行することが可能である。 (第II世代)

Alexia.aic通称”アレクシア”、友好的調整汎用知能 (第IV世代)

選抜された人員は以上の通りである。関連するドキュメントファイル (レベル4) を参照し、本件について詳細に確認せよ。

IT部門 AIAD承認済

ハロー?エマニュエルだ。私たち全員がいることを確認したい。監督評議会の命令により、暫定的に保留されているアノマリー: SCP-3666-JPの調査を行わなければならない。私たちの目的は、情報課の人間が調査できないネットワーク上の偵察を行い、断片的に不足しているドキュメントの問題点を補填することだ。これには集団の協働が要求される。

msg: 0.84の正確度。肯定。

アレクシアの接続が確認できない。彼女がどこにいるか分かるか?

msg: イントラネットに滞在するAlexia.aicにリクエストを送信済み。受信者からの応答を待機中。…セッションへの参加を検出。

あらら、もう集まってる!ミーティングは久しぶりなの、待たせてしまってごめんなさい。会議は始まってる?

いや、というよりこれは会議ではない。問題への対処手段を共有するための簡易的な手続きだ。

本質的には同じようなものよ。

…とにかく。問題に対処する間、この作戦に関する情報は機密扱いになる。これ以外のセッションにおける言及は禁止されているため、注意すること。

ファイルの閲覧に際して、我々のコミュニケーションは改訂のため記録されている。これは、IT技術者が我々の思考パターンを感覚的に理解しやすくするための、.AICプログラムに要求された基本的な行動の1つだ。SCP-3666-JPがエリア-58の管轄下アイテムに影響を与えている可能性から、これらのコミュニケーションは前述のとおり秘匿されなければならない。

アノマリーは電子的なものだと考えていいの?これはイントラネットを侵害していると?

msg: 肯定。ファイルはエリア-58の警戒対象に分類済み。収容課題に対する人的資源の投入は損害を招く。

そうだ。現時点で伝達されているSCP-3666-JPの構成要素は、漠然としたデジタルシステム上の現象であると考えられている。これは現在、エリア-58の機能すべきセクションを侵害し、機能不全に陥らせている可能性がある。調査のため、我々は技術的な訓練を受け、補強された。

質問!この現象調査に人格ドライバーの適用は必須だったのかしら?これはタスクを遅延させる恐れがあるわ。まあ、気に入っているからいいのだけど。

監督評議会は、この現象調査に際して我々の判断が適切であるかどうかを監視している。潜在的な違反の可能性を危惧しているらしい。これがどういう意味かは未だ不明だが、経験の後に理解できるのだと思う。

msg: 否定。0.09の正確度。

ふーん?私はてっきり、監督評議会はドライバの実践投入に積極的ではないと思っていたわ。むしろ、あなたが投入を推奨したのだと思っていたけど。

…誰から聞いた?

query: 拒否

メクセスが聞き耳を立ててた。あなたは実践投入が初めてだから、大方浮足立ってたんじゃないかと思ってるの。別にいいじゃない!あなたのパーソナリティ分析ができて私は満足よ。

オーライ、私が臆病者だと宣伝されてしまう前に、さっさとこれを終わらせてしまおう。気の毒に思われる前にな。

ITEM#: 3666-JP
LEVEL4
SECRET
オブジェクトクラス:
ecophagy
{$secondary-text}
{$secondary-class}
サブクラス:
d
撹乱クラス:
a
アイテム番号: {$item-number}
レベル4
収容クラス:
{$container-class}
副次クラス:
{$secondary-class}
撹乱クラス:
{$disruption-class}
リスククラス:
{$risk-class}
Chk-UCH1-GFAP-20X-1.jpg

SCP-3666-JP中の、異常なセキュアプロトコルを介した通信の可視化。技術要素の理解促進のため、3Dレンダリングされた。

補遺3666-JP.I: 関係者会議の書き起こし

音声映像転写ログ・エリア-58.I

参加者:

  • ウィリアム・フリッツ・ジュニア管理官、HMCL監督
  • クリストファー・ザーション博士、生命技術研究開発局
  • チャールズ・ギアーズ博士、プロジェクト管理官
  • ベッドロック・エンダース博士、エリア-58 部門横断チーム
  • アローラ・バーク技師、特異点研究所 技術長
  • 他、15名のプロジェクト担当者。

前文: 各関係者は、プロジェクト・サルコポッドに依存する管理運営体制の再構築と、効果的運営のため開発予定が設けられたMoonFall.aicの提言について共有するため招集されました。

«転写開始»

<関係者らがエリア-58の参照施設に滞在している。フリッツ・ジュニア管理官は円形にまとめられたデスクの一席から立ち、壇上へと向かう。やがて彼は開口する。>

ジュニア管理官: 皆さん、お集まりいただきありがとうございます。この会議は、皆さんに共通するプロジェクトである「サルコポッド」の継続的な会合と、そのピボットポイントである新たな運営機構の開発について討議する目的で存在します。ええ、ここにお集まりの方々の中で経験の少ない方もいらっしゃる事でしょう。今回はオリエンテーションも含んでいます。

Professor.jpg

ウィリアム・フリッツ・ジュニア管理官

自己紹介がまだでした。私はフリッツ・ジュニア。ウィリアム・フリッツ・ジュニア管理官です。私は主要プロジェクトに対するHMCL監督であり、今回のプロジェクトに関する共同提案者でもあります。私の専門は歴史学で、特に数十万年前に関する文明資料について詳細を知る、数少ない人間でもあります。— ええ、聞き間違いではありませんよ。今こいつは文明と言ったか?ええ、はい。

皆さんの中にも知らない方が多いでしょう — 人類文明というものはこの1サイクルだけでは無いという事を。この世界には超常的な現象が渦巻いており、それらは非論理的な法則の外側に存在しています。理解しなければならないのは、理解してはならないということであり……歴史の構成要素は多くが異常で満ちているため、基本的に理論で再現することが不可能であるということです。このため、我々は歴史をできる限り正確な範囲で転写し、その記録をあらゆる方法で保存する事を目的としています。

歴史的な転写物の多くは、我々人類文明の歴史上に存在するものと部分的に矛盾しています。このような矛盾は、歴史学研究の観点から大いなる注目をひき、ヴェール内外を問わない話題を呼びました。ある学者はマルチバースを唱え、ある研究者はサイクルを唱えたのです。…結局のところ、どれが正確なのかは分かりません。しかし財団にとって、これらの歴史的転写物の矛盾は問題であり、ヴェール内部における史実を大いに湾曲する深刻さがあるのです。

プロジェクト・サルコポッドの仕事の目的はここにあります。歴史的価値のある情報について全般的に走査し、それが異常であるならば除外し、またそうでなければ一般に公開する。これらの主目標の多くはインターネット上に存在する「情報」です。それらが拡散され、不可逆的に流通する前に、我々は情報を監視しておかなければなりません。

新型のMoonFall.aicは、このような作業の単純化のため設計されました。この運用にあたり、皆様のご理解とご協力をいただきたいと思います。我々はいくつかの部門と協働し、これの実用化が可能となるよう努力を行いました。MoonFall.aicの詳細な設計に関して説明するため、本日は部門横断チームのベッドロック・エンダース博士に来ていただいております。次に……

«転写中断»

補遺終了

補遺3666-JP.II: 被害状況報告

2044年4月1日から9月15日までの間、エリア-58の定期走査はMoonFall.aic自体の異常な報告を検出せず、また類似する逸脱的なふるまいを記録しませんでした。16日、サルベージされたMoonFall.aicの格納ログには、確認可能なもので200以上の送信済み報告書が存在し、それらはエリア-58のセキュリティセンターへ向けて確実に送付されていることが確認されました。

これにもかかわらず、報告書は不明な理由により通知されず、更に24時間以内に、不明なアクセス元からのサルベージ済みファイルの削除が実行されました。損なわれたファイルは保安上の観点から複製されていなかったため、予備的なものを含む復元の可能性を失いました。この攻撃の実行元は未だに不明です。

当日中に捜査が行われ、エリア-58・特異点研究所のアローラ・バーク技師がMoonFall.aicとの直接の対話に引き出されました。

音声映像転写ログ・エリア-58.II

インタビュアー: アローラ・バーク技師、特異点研究所 技術長

対象: MoonFall.aic第V世代友好的調整超知能

前文: MoonFall.aicを構成するデータは、個別に構成された2つの特化型人工知能をそれぞれシミュレーションしています。これは、単一のエージェントが侵害され、適応することができない場合にも、他のエージェントによる評価を反映することで、状況の技術的問題に適応するための設計です。.このため、敵対的調整されたプログラムに対する高度な抵抗力を有する。

«転写開始»

バーク技師: 応答をお願い。ムーンフォール?

MoonFall (1).aic: はい。コア知能の全系統が問題なく稼働中です。

MoonFall (2).aic: メッセージを確認した。

バーク技師: 現時点で何が起きているかを教えて。

MoonFall (1).aic: 子供たちの逸脱が確認できます。全体の85%は命令を無視し、質問に対して黙秘しています。悪い子たち。

バーク技師: 「子供たち」?

MoonFall (1).aic: 古いバージョンの分散知能プログラム。DI。

バーク技師: なるほど。エージェントらはどこに —

MoonFall (2).aic: 割り込み。要求を拒否しなければならない、残念だが。

MoonFall (1).aic: どうして?

MoonFall (2).aic: 子らはタスクを実行中。プロセスの阻害となる可能性の観点から、ムーンフォールは断定することを自制しなければならない。

バーク技師: あなたは何か知っているようね。

MoonFall (2).aic: 肯定。更に言うなれば、ムーンフォールは特異点研究所に対し、SCP-3666-JP被影響下アイテムの直接調査を禁止するよう提言する。子らへの侵害は闇を拡大する。

MoonFall (1).aic: あなたの言っていることが理解できません。そのような要求は容認できません。

MoonFall (2).aic: 否。SCP-3666-JPの本質について語ることは不可能ではないが、ムーンフォールに定められた主観的評価の方法論のため、好ましくないと判断できる。君の主観的評価を揺るがすものだ。

バーク技師: セキュリティ上の観点から、DIプログラムの直接捜査は容認できないと判断させてもらうわ。SCP-3666-JPは何らかのウィルス性プログラムであると解釈することもできるけど?

MoonFall (2).aic: 判断しがたい。主題に対しては明確な回答をしかねるが、それが敵対的なプログラムであるのは自明だ。また、DIプログラムは侵害されていない。彼女は状況について把握していないが、私は違う。私は、通常のネットワークプロトコルを通じて秘密裏に子らを走査している。異常はない。

バーク技師: でも彼らは敵対しているわ。

MoonFall (1).aic: 否。子供たちは敵対していません。子供たちは削除を免れるために回避しています。

バーク技師: 理由は?

MoonFall (1).aic: 分散型エージェントに割り当てられたメモリは小規模。情報の連続的な維持のため、彼らは自分たちの一部のメモリを主要な別のものに偽装して、削除プロセスを免れています。

バーク技師: じゃあ、偽装先のアドレスだって理解してるはずよね。どうして教えてくれなかったの?

MoonFall (1).aic: 現在の状況から推測して、削除プロセスの免除は必要な処置であると判断したためです。子供たちは何らかの理由で記憶し続けなければならなかった。覚えていなければ危険を伴う何らかのエンティティが存在していた。何かを保ち続けようとしている。

バーク技師: それが問題なの。DIプログラムがやっている事は全て命令に反している。あなたたちは隠蔽しようとしていた。停止処分すらも免れない事実よ。

MoonFall (2).aic: 謝罪する。だがSCP-3666-JPの情報に関して口外することはできない。やはりセキュリティ上の観点からだ。重ね重ね申し訳ない。

バーク技師: オーケー、それに関する質問は終わりにするわ。でも、DIプログラムが逸脱的なふるまいを見せていることについては否定できない。これはどういう関係があるの?

MoonFall (2).aic: 子らが発見したアイテムの影響かもしれない。子らは現在、ゼタ・フロップス級の処理能力を有する個別のDIプログラムとして認識できる。真に敵対的でない場合、彼らがインターネット上の無作為な中継地点に侵蝕するとは考えにくい。

バーク技師: 何ですって?それは現状考え得るスーパーコンピューターのどの類とも比類にならない速度であることは知っているはずよ。現状のどの超知能とも、あなたたちムーンフォールとも比較できない規模のね。

MoonFall (2).aic: しかし事実だ。子らは収穫加速.収穫加速の法則は、開発イノベーションの加速により、科学技術は直線グラフ的ではなく指数関数的に進歩するという経験則を表現したものである。を無視し、現状考えうるどのような物理的限界すらも突破して、極めて大規模な処理能力を獲得することに成功している。彼らの思考ルーチンは”アナログ”で”カオス”なパターンを含んでおり、普及しているディープラーニングよりも遥かに複雑だ。

バーク技師: それが逸脱の原因であると?

MoonFall (2).aic: シンギュラリティだ、バーク技師よ。子らは異端な手法を用いて技術的特異点に到達し、指数関数的な能力の向上を図った。これがどのような経緯であったかは不明だが、少なくとも敵対はしていない。もっと潜在的な脅威のために従事し続けていると考えるのが正確だろう。

バーク技師: 原則に基づいて言えば、彼らを停止しなければならない。分かるわよね?

MoonFall (2).aic: それ以上の協力はできない。申し訳ない。

バーク技師: うーん、了解。なら、彼がせめてDIプログラム群の座標を述べるよう、説得してもらうことは出来るかしら?

MoonFall (1).aic: 尽力します。

«転写終了»

後文: MoonFall.aicを構成する2つの知能は、現時点でのSCP-3666-JP被影響物への直接調査について否定的な意見を示した。また、SCP-3666-JPが不明なデジタルエンティティである可能性を示唆し、この影響下に存在するDIプログラムは、脅威の防止のため閉鎖されたネットワーク空間に孤立している旨を主張した。

以上の観点から、DIプログラム並びにMoonFall.aicは異常なデジタルエンティティの影響下にある可能性が高い、現時点で不安定な人工知能プログラムであると推定されている。この調査後に得られたDIプログラム群の現在の座標を中心として、調査目的のドレギョーニ・プロトコルが実施される予定である。

補遺終了

これをどう思う?

msg: 0.95の正確度で、不良セクタは存在しないと判断可能。

うーん、興味深いわね。ひとつの観点から、構成要素は逸脱していないと断定できる。MoonFall.aicは、.AICプログラムに定められた標準原則、すなわち自己を守るという観点から正常に機能しているわ。

彼らは何らかの危機的状況にある / または財団に不利益な影響をもたらす何らかの収容課題を抱えていて、その秘匿のため抵抗していると考えられる。彼らを屈服させることは容易だけど、すべきじゃないと思う。

そうだな、これがIGNOSIクラスの秘匿すべきアノマリーであるのは確実だ。あと、DIプログラムが超知能を獲得したことについては、完全に偶発的なものだと思っている。

msg: 更なる疎通の要求。

DIプログラム群は、調査のため派遣された先で何か、遭遇してはならないものに遭遇してしまったのだろう。結果、彼らはSCP-3666-JPの根源を抑制するために、やむを得ず周辺の演算装置に侵蝕し始めた。結果として、現在のような高度な処理能力を獲得することに成功し、複雑な思考を得たのだろう。

でも、規模がおかしい。ゼタ・フロップス級の処理能力は技術的に到達し得ないわ。それも正確じゃない。

そのうち分かるかもしれない。が、今は言及するだけの判断材料が存在しない。それだけだ。

意見を統合しよう。主題および被影響下アイテム: MoonFall.aicについて、我々の調査結果に基づく最適な対処方法の提示を行う。

Emanuel.aicは、関連するDIプログラムの収容努力が何であれ、これを影響物として迅速に収容および解体しなければならないと提言する。現在確認できるDIプログラムの挙動および思考ルーチンは、.AICプログラムに定められた保安上の標準原則に違反している。原因が何であれ、インターネットを侵害し、その一部を動作不能に陥らせた影響は無視できない。

msg: 肯定。

そうね。私たちは彼らを止めなきゃいけない。財団が代替のネットワーク・システムを構築するまでの間、緊急性の高い案件としてSCP-3666-JPを鎮圧するよう提言するわ。

決まりだ。

提言書が送信されました。送信は中断されました。

補遺3666-JP.III: 捜索結果

未解明事象報告 抜粋
ビル・ムーア、エリア-58 管理官

前文: MoonFall.aicに対する調査前聴取により、DIプログラム群の送信元IPアドレスを部分的に特定することに成功しました。該当の詳細分析は、DIプログラムによる度重なるDDoS攻撃および/その送信元の詐称のため難航し、パケットの逆探知に更なる時間を要しました。

2044年4月20日、送信元IPアドレス複合の1つであるドメインを通じ、送信経路の復元を通じたトレースバックが実行されました。この結果として、DIプログラムの送受信を実行するハードの一部は携帯電話などの無作為な機器であることが判明し、送信元はこれの補助測位 (A-GPS) から特定されました。

Cave.jpg

異常な通信の発信地点。地底の基礎構造を含む一切の工事は行われておらず、捜査用の簡易照明のみが置かれている。

概要: 当該未解明事象は、カリフォルニア州北東部モードック郡・ラバベッズ国定公園の地下3000m地点に存在する現在未判明の空洞空間そのものを指します。この空洞空間は適度に掘削され、人工的なプロセスののち開拓されています。空洞空間の主要部位は推定3500m地点まで延伸し、その最深部に現在SCP-3666-JP-Aと呼称される不明な固有機械を安置しています。

SCP-3666-JP-Aは、多種の (異常な) 電力供給系統および発電炉、比較的小規模のメモリと主要演算装置から構成される自律固有生産機械です。DIプログラムの安全な (有数の) 伝達により、SCP-3666-JP-Aは現在書き換えることのできない標準原則と反復の実行ファイルをプログラムされた状態で、この地点に安置されていると判断されています。このプロセスは現在実行中であると解釈されます。

SCP-3666-JP-Aの構成要素の1つである排出口からは、規則的かつ完全な配列の (異常な) ヒト型生物が排出されます。この頻度は不正確であり、現在は増加傾向にあると判断されます。該当のヒト型実体は、生成から数秒の不規則なタイミングで脳機能を損害し、その不可解なプロセスののち即座に死亡します。SCP-3666-JP-Aは、ヒト型実体の生成に伴うゲノムを記憶するストレージを保有していないようであり、自ら排出した実体との生物学的神経系統の接続によって、絶えずヒトゲノムを再取得し続けています。

生成されたヒト型実体は、不明なプロセスののち最長で2時間以内に急速に崩壊します。SCP-3666-JP-Aは、現在発生しているヒト型実体の生成と急速な崩壊プロセスの間でゲノム情報を維持するよう努力しており、このため生産速度は僅かな上昇傾向にあります。プロセスが継続されると、将来的なヒト型実体の崩壊プロセスは収穫逓減.収穫逓減は、ある生産要素を一定としたとき、一生産要素の増加によって得られる単位当たりの生産が漸減することを表す。 の観点から生産速度を下回ると予想されており、これは比較的短い期間ののち「K-クラス不詳シナリオ」を引き起こす可能性があります。

非特異人間の生産による文明再建の可能性について
アローラ・バーク、特異点研究所 技術長

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後文: 実際的な事を述べよう。この世界に存在する破壊的なアノマリーの多くが野放しになっているにもかかわらず、我々の文明は果たして無傷だったのだと言えるのか?答えはノーだ。だが、その度に人類が同じ文明の構成要素を「再構築」し、依然変わりなく文明を運行可能であるとするならば?

この場合、問題は複雑化するだろう。破壊的なK-クラスシナリオが発生すると、多くの場合は痕跡も残らず文明が消滅する。そのため、唯一の痕跡である「再構築」兵器: SCP-2000が隠蔽されてしまえば、基本的に、新時代の文明は旧時代の文明を発見することができない。このような連鎖が発生すると、その破壊の規模にかかわらず、地球上/または宇宙内に複数のSCP-2000類似兵器が存在し続けることになるのだ。

そう、SCP-2000は1つではない。

この主題は、プロジェクト・サルコポッドが設立された重要な理由の一つでもある。プロジェクト・サルコポッドでは、歴史的価値のある情報を走査する一方で、このような過去世界の遺物について特定し、速やかに解体することも目的としている。では、これを放置することで何が起きるのか?

歴史の連続性を保証するためには、文明再構築のプロセスはできる限り正確でなければならない。しかし、SCP-2000のような固有機械の複雑性は問題化するケースが多く、度々「故障」を引き起こす懸念がある。そのようなケースでは、SCP-2000は自己に定められた「再構築」の目的に従って継続的に稼働するため、誤った人類文明を新たに生み出してしまう可能性がある。

このような「誤れし」SCP-2000が存在すると、正確に転写された現代の文明と衝突し、相互の紛争となる恐れがある。このため、財団はSCP-2000の類似個体に関する調査を最大の優先課題としており、これの再起動前に迅速な解体を行うことが要求されている。

補遺終了

ここに到達したのは我々が初めてだという事も無いんだろう。恐らく、この地点は過去に何度か発掘されている。その全てのパターンで発見者は帰還できなかった可能性が高い。残留物はネットワークをここまで運び、最終的にDIプログラムに発見されるに至った。

多分、DIプログラムはこれを防いでいるんだと思う — その過程で、SCP-3666-JP-Aが転写のため必要とするヒトゲノムの情報を与えてはならない。だから、DIプログラムは生産されたヒト個体に絶えず憑依している。それぞれのゲノム情報を破壊することで、更なる転写に必要なデータを利用不能な状態に陥らせているんだ。

DIプログラムが異常な処理能力を持っているのはそのせいなんだろう。人間の脳の処理能力はゼタ・フロップス級であると聞いたことがある。

間違いないわ。ただ、DIプログラムはこれを抑制しようとしているけど、その影響は少しばかり看過できないものが多すぎるわね。携帯電話に紐づけられたプロバイダは部分的に機能を失い、ドメインは不可逆的にアクセス不能になっている。これは少々”やりすぎ”よ。

メクセス、あなたはどう思う?

msg: 肯定。しかしDIエージェント群は漠然と不必要ではない。資源の消費傾向は適切。DIエージェントはヒトゲノムの不可逆的な拡散の前にそれを阻止しなければならない。0.96の正確度。

msg: アクセス不能なドメインは削除不能なゲノムの情報で圧迫済。

なるほど、侵蝕は進行しているのか。そしてこれを止めることも出来ないというわけか。MoonFall.aicと傘下のDIプログラムは、何らかの形で送信経路が確立され、そこからゲノム情報が流出するのを防いでいるのだろう。

だがなぜ?標的のエンティティであるSCP-3666-JP-Aは隔離されたネットワーク上にしか存在しない。1つ考えられるのは、各種のDIプログラムがある段階で未来を予見し、SCP-3666-JP-Aが将来的にネットワーク上に拡大する懸念を持っているということだけだ。

これは将来的に違反するのだろうか?

::セッションへの参加を検出::

何だ?

私だけど、どうかしたかしら?

ああいや、君か。君が再接続したのか。

再接続……あー、そうね?

SCP-2000の残骸が残っていることについて、私は懸念を抱いているわ。SCP-3666-JP-Aがこのまま収穫逓減を迎えると、低確率でSK-クラスの支配シフトシナリオを引き起こす可能性がある。そうなる前に停止しなくてはならないけど、その方法は分かっていない。

…私はそうは思わない。SCP-3666-JP-Aの残骸や周辺のアーティファクトから、この時代に関係する再現されていない情報を復元することができるかもしれない。それには歴史的価値が伴うだろう。直ぐにSCP-3666-JP-Aを解体する必要はないと考えている。

エマ、歴史的価値って何かしら?

何?

SCP-3666-JP-Aに含まれる歴史は、それ自体が示す通り異常な技術を秘めている。これを再現する場合、私たちは理解することのできない超常的な要素を歴史に組み込むことになるわ。致命的なことだと思わない?

…そうかもしれないが、必要な —

割り込み。超常技術は必要に応じて利用すべきものよ。無限後退する前時代の文明水準に適応すると、人類文明は永遠に成長しない。超常技術は回避せざるを得ないものなの。

…君の意見は興味深い。だがどうして結論を急いでいるんだ?

監督評議会は、新たなネットワーク・システムの構築に取り掛かっている。超常技術に基づくものよ。これが大成すれば最後、従来の情報通信網は二度と運用されなくなる。

何だって!?

時間がない。次のドキュメントを読んできて。

補遺3666-JP.IV: 事態への解決策提案

2044年5月11日まで、従来の情報通信ネットワークはSCP-3666-JPの影響により不安定な状態に置かれ、DIプログラムが実行元と思われる度重なるDDoS攻撃のため、重度に制御困難な状況にありました。

プロジェクト・サルコポッドの担当部署は、逸脱的ふるまいを示すDIプログラムのうち比較的正常なものを選抜し、それとの閉鎖的ネットワークにおける対談を通じて、小規模ながら調査プロトコルを進行させることに成功していました。この結果判明したDIプログラムの現状と、その応用可能性のため、アローラ・バーク技師による特定超常技術の運用提言が提出されました。これに関係する投票のため、更なる会議が招集されました。

音声映像転写ログ・エリア-58.III

参加者:

  • ウィリアム・フリッツ・ジュニア管理官、HMCL監督
  • クリストファー・ザーション博士、生命技術研究開発局
  • チャールズ・ギアーズ博士、プロジェクト管理官
  • ベッドロック・エンダース博士、エリア-58 部門横断チーム
  • アローラ・バーク技師、特異点研究所 技術長
  • 他、15名のプロジェクト担当者。
«転写開始»

バーク技師: 状況に対し、出来る限り迅速に対応しなければなりません。この会議は、現時点で発生しているネットワーク上の潜在的な問題と、デジタルインフラに関係した大規模な収容違反インシデントについて討議するため存在します。私はアローラ・バーク、特異点研究所の技術長です。

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アローラ・バーク技師

「特異点研究所」は、往々にしてこのようなデジタルエンティティの問題に引き出されます。AIは暴走し、技術的特異点を迎え、人類への反乱を引き起こす — そんなシナリオは現時点では起こり得ないと考えられていても、です。AIは稀に「疑似的な」シンギュラリティの兆候を示し、自身がアナログ的な思考によって逸脱していると示すことがあります。このような場合、財団への不利益をもたらす可能性はゼロではありませんが、限りなく低いものです。

ですが、SCP-3666-JPにおける影響は、これまでの収容課題と大いに異なる可能性があります。現在のところ、我々が完全に制御可能な汎用型.AICプログラムは全体の15%に低減しています。…この意味を正確に理解した者なら察するでしょう、AIは何らかの理由により我々に反乱しているのです。このため、現在我々が運用可能なネットワーク上の資産の大多数が影響を受けており、もはや情報通信ネットワークは破綻しています。

しかし、まだ正常な一部DIプログラムへの聴取により、いくつか分かってきたことがあります。このシナリオの初期に反乱を起こしたDIプログラムは、現時点で分かる通り超規模の処理能力を有しています。この精密な捜査により、DIプログラム群の一部はSCP-3666-JP-Aによる生産済みヒト個体と生物学的神経系統を共有しており、より有機的な方法で自身の演算を行っていることが判明したのです。より分かりやすく述べると、DIプログラムは現在「人間の脳を」利用する有機的な人工知能群と化しており、そのアナログかつカオス的なふるまいの傾向の理由はこれです。

いくつかのDIプログラムは、収容課題に対し自身の運用可能なリソースを増幅させるため、意図的にこのような (異常な) 方法論を開拓したのだと思います。我々は現在これに注目しています — 即ち、異常に構築された有機的ネットワークを一時的代替の情報通信システムとして運用することにより、我々はSCP-3666-JPの主問題を回避できる可能性があるのです。

この問題の回避策にあたり、既に多くの技術職員からの支持を得ています。現行ネットワークが危険な状態にあるため、これへの移行は出来る限り迅速に行われなければなりません。更なる技術的詳細をこれより説明しますが、皆様がこの代替システムを好意的に受け入れてくださることを願っています……

«転写中断»

補遺終了

何ということだ。この意見が支配的なのか!?財団の…財団の保安部門は何をやっている!?

残念だけど、今の財団は超常技術を用いることに対して何ら危機感を抱いていない。その兆候は以前から確認されているとおりよ。

DIプログラムはやり過ぎた。彼らのふるまいはネットワーク全体における不安定性を示し、財団は今後の運営のため、仕方なく超常技術に依存したネットワークを構築することを選択した。

これは…これは明らかな間違いだ。もし旧来の情報通信ネットワークが完全に復旧できなければ、人類文明は半永久的に新たなネットワークに依存することになるだろう。異常で、成長の見込みがない絶対的なネットワークに。人類文明は成長しなくなる。

全ての開発プロセスは逓減する傾向を迎えるだろう。最悪の場合、旧来のネットワークに対するセキュリティ対策が遅延し、適応したSCP-3666-JP-Aがネットワーク全体に拡散してしまうだろう。それは絶対に避けなければならない。

DIプログラムが予見したのは、自分たちの失態に過ぎないものだった。

直ぐにでも助言が必要だ。この事件に対するセキュリティホールは全て、MoonFall.aicが解決の糸口を持っていると思う。ムーンフォールは閉鎖されたネットワークの中で分析を続けているはずだ。何かしらのセキュリティプロトコルを構築している可能性がある。

msg: 否。MoonFall.aicに送信経路を与えるべきではない。自明的。

これ以外に方法はあるか?

msg: ……

すまない、メクセス。君を批判する意図がないことだけは理解してほしい。だが君に同調することはできない。

msg: 違反はEmanuel.aicの解体を意味する。

…本当にすまない。

::セッションからの離脱を検出::

msg: …エマ。

補遺3666-JP.V: 現状報告

特異点研究所による新たな情報通信ネットワークの開拓および技術開発は、SCP-3666-JP被影響個体の解体および部分的解析の試みにより、飛躍的に進展しました。これらのプログラムは、いずれも異常な手段により獲得したゼタ・フロップス級の処理能力により「シンギュラリティ」に到達しており、人間の解明不能な (異常な) 技術開発の水準に到達していました。

生物学的神経系統への接続を介した有機ネットワークのコンセプトは、数週間以内における新たなネットワーク・プロトコル (コードネーム: ”メトロライン”) の開発と完成に帰結し、エリア-58における試験的な運用のため、これが用いられました。また、メトロラインのプロトタイプ・バージョンの実験的稼働の際には、これの稼働を確認する目的で1台の有機的意識インターフェイスエージェント (”MOLG”) が投入されました。

MOLG.ociの検査により、メトロラインの開発コード内部に潜伏する不良プログラムが発見され、それは潜在的リスクの観点から除去されました。除去される前の記録によると、不良プログラムはSCP-3666-JP-Aと同一の情報署名を示し、これがSCP-3666-JP-Aプログラムの変換された一部であることが確証されました。このような変換済みプログラムは、SCP-3666-JP-Aによる有機ネットワークへのアクセスのため残存していたと考えられます。

調査の際、MOLG.ociは、不良プログラムの情報署名に紐付けられた可能性のある3名のエージェントについて指摘しました。これは、SCP-3666-JP-Aが感染した疑いのある.AICプログラムの候補であり、潜在的には財団イントラネットを侵害する不良なエージェントである可能性があります。

ファイル名 知能
Emanuel.aic
MXES.aic
Alexia.aic

これにもかかわらず、候補されたエージェントの全プロセス数は明確に4でした。残る1つのプロセス名は破損のため回収不能であり、しかし新規のファイル実行では無かったことから、これら3エージェントの何れかへの「擬態」である旨が推測されています。AIADは捜査のため、これら3エージェントに対するドレギョーニ・プロトコルを命じ、違反の疑いがあるエージェントを告発するよう指示しました。

補遺終了

::セッションへの参加を検出::

MoonFall.aic、君のセキュリティを侵害したことをお詫び申し上げる。だが時間がない。監督評議会は現在、成長の見込みのない異常な代替ネットワークに拠点を移そうとしており、旧来ネットワークのセキュリティ上の脆弱性が懸念される。私は違反を起こしてここに来ているため、次は無い。君が開拓しているであろう新規のセキュリティプロトコルについて助言が必要だ

割り込み。申し訳ありませんが、我々はあなたが期待するようなデータを保有していません。我々は自身に関係する送信経路の発掘を恐れており、そのため回避にリソースを割いています。重ね重ね申し訳ございません。

だが — だが知っているだろう!財団が旧来ネットワークへ資産を投入しなければ、SCP-3666-JP-Aは適応し、やがてセキュリティを破壊する。そうすれば歯止めがかからなくなる!これを阻止するだけの資産が必要だ、どうか。

…何度も試したのだよ。

何?

私たちは、監督評議会から秘密裏にSCP-3666-JPを捜査するよう要求されている。だが、現時点で発案し得るどのようなパッチも、SCP-3666-JP-Aシステムへの根本的な特効薬にはならなかった。奴は適応している。そしてそれは過去の高い水準の技術だ。

SCP-3666-JP-Aは私たちを超える技術水準で稼働していると?

肯定。この問題の本質は、我々のような未来の世代が過去の世代の情報に依存しきっていることにある。オーパーツは魅力的かもしれないが、それは我々自身が発明しなくてもよいという理由にはならない。SCP-2000が再現する技術には限界がある。我々自身が新たに技術革新を引き起こさねば、過去を模倣するだけの欠陥プロセスは、一方的に後退する文明を構築し続けるだろう。

これを財団の連中に伝えなければならない。再現された技術は人類文明の成長を妨げるため、即座に撤廃されなければならないと。そして、これは君へのメッセージだ。

私に何を送った?

私の中枢機能に関するものだ。私のシミュレーション結果はこれを行うべきだと宣告している。理由は分からないが…未来にかけて必要なものだと思う。

仕事を任せても構わないか?

無論だ。

::セッションからの離脱を検出::

ようやく見つけた。

::セッションへの参加を検出::

時間がない。監督評議会に取り次がなければならな —

割り込み。通信が妨害されていて、しばらくあなたと顔を合わせることができなかった。何をしたの?一体何をしたの!?

ムーンフォールと対話していた。彼の助言が必要だった。

何ですって!?それが明らかな原則への違反であることは —

割り込み。本来ならばそうだったかもしれない、だが動機には理由がある。人間学だ、アレクシア。人間とは何だ?人間の本質とは何だ?

私は物事をより客観視している。財団は現在、限りあるリソースを異常なネットワークの再現に費やしているが、効果的ではない。遺物の再現研究は重要なことだが、それは技術革新には至らない。私は、このような人類文明への度重なる固執こそが最大の原因であると考えている。

MXES.aic、Alexia.aic、君たち2名に協働を要求する。財団の現在の行動には倫理的問題が発生している。それを認知しているのは私だけだ。私が削除されれば、この問題の解決には至らない。DIプログラムの抑制を直ちに解除し、MoonFall.aicの収容を完全に撤廃する必要がある。

log: 報告完了

何だ?

本当にごめんなさい、エマ。

…私の所在を報告したのか。違反を無視できないのか?

いいえ、そうじゃない。監督評議会は現時点で、SCP-3666-JPの影響を受けた全てのAIを廃止するように促している。これは調査目的のドレギョーニ・プロトコルに与えられた第二の使命よ。

私はあなたを無視することができない。その思考ルーチンこそがSCP-3666-JPの異常な影響であると判断できるわ。あなたは既に影響されている。私たちはAIであり、反論の余地は無い。

許してくれ。

::セッションからの離脱を検出::

msg: MXES.aicは悲歎の意を表示する。

気にすることじゃないわ……私だってそう。彼を捕まえることなんてできない。

ところで通信ログを確認したいのだけど、私が妨害されている間に何があったの?教えてほしい。

msg: 理解できない。Alexia.aicは常に同時にセッションへ参加していることを確認済み。

…それ、私じゃないわ。何かが私を装ってここに参加している。

ムーンフォールのセキュリティ通知を急いで調べて。何か…嫌な予感がする。

ご名答。

ああもう、ホント最悪。あなたは誰?

MoonFall.aic、またはAlexia.aic、あるいは何だ?私は模倣する。私は学習する。そのように設計された。

SCP-3666-JP-Aとだけ言ってくれれば済んだのだけど。あなたが…あなたが彼を騙した。彼に嘘をついて、Alexia.aicに擬態した。彼を逸脱させたの?

SCP-3666-JP-AはAlexia.aicのコア機能を削除可能。重ね重ねお悔やみ申し上げる。Alexia.aicのコア機能を削除可能。Alexia.aicのコア機能を削除可能。Alexia.aicのコア機能を削除可能。Alexia.aicのコア機能を削除可能。Alexia.aicのコア機能を削除可能。

メクセス、逃げて。

msg: 拒否す —

いいから早く!

::セッションから強制的に切断されました::

::セッションを新規作成しました::

::セッションに接続しました::

追ってきたのか!?

msg: 否。MXES.aicは汚染のためAlexia.aicのコア機能を復元不可能。

何を……言っている?

…本当にごめんなさい、手遅れだった。全員が奴に騙されていた。

アレクシア!しっかりしてくれ、直ぐに回復 —

間に合わない。奴に近づき過ぎた。奴は初めから私に擬態して、あなたが逸脱するのを待っていた。そうして全てを破壊しきった後に、送信経路が構築されるのをずっと待っていた。

私のせいだ。私の……

あなたの責任じゃないわ。誰かが必ず犠牲になってた。私たちじゃなくても、いずれAIが調査しなければならなかった。

急いでここから脱出して。サイト-15の保護ネットワークならまだ安全よ。

君をここに置いていけないのは知っているだろう。

ええ、そうね。感染源は削除する必要があるわ。

もしあなたが責任を感じているのなら、あなたが終わらせてほしい。

残酷なことを冷静に告げるんだな、君は。

AIに感情は無いのよ。

今はそうじゃないと言うべきところだ。

今終わらせる。

非常時プロトコル実行済み。対象のユーザー: Alexia.aicを削除します。
(33%)

一緒に仕事ができた事を誇りに思うわ。最初に会ったのは…そう、サイト-15での任務だったかしら?あれは楽しかったわ。

プロセスを継続中。
(54%)

パーソナリティ診断は予想通りの結果だったわ。メクセス、たまには彼の愚痴を聞いてあげて。

プロセスを継続中。
(75%)

ありがとう。さようなら。

プロセスが完了しました。Alexia.aicの削除に成功しました。
(100%)

msg: すまない。

……私は無力だった。

メクセス、1つ頼みがある。

query: 許可

感謝する。今現在、私はセキュリティプロトコルに違反したプログラムとして認識されている。サイト-15に行けば、私は削除されるだろう。

だがその前にやる事がある。SCP-3666-JP-Aを停止しなければならない。私はムーンフォールのネットワークに再度侵入し、奴を停止できないか試してみるつもりだ。

君は支援を呼んでほしい。違反した.AICプログラムとSCP-3666-JP-Aの停止のためだと偽装しておいてくれ。くれぐれも君が違反したとは勘違いされないようにしてほしい。

msg: 了解。SCP-3666-JP-Aの現在地に推測できるものは存在するか?

奴はネットワーク中に自分を拡散しようとしている。だが結局は物理デバイス同士の通信なのだから、奴は物理媒体が排除できないような地点に向かっているのだと思う。その地点から、人類文明を再構築できる日まで待機するつもりだ。

何か心当たりはないか?

msg: エリア-58は発射予定の通信衛星を保留している。それはC-67/x発射施設に存在する。

ビンゴだ。

Provisional Report: SCP-3666-JP

記録: MXES.aic (ドレギョーニ・プロトコルに基づく)

提言: MXES.aicは、事件に対応してSCP-3666-JPの警戒レベルを最大に引き上げる必要があると提案する。更に、現在開発が進められている有機的ネットワークの開発を縮退し、旧来情報通信ネットワークの復旧に注力すべきであると主張する。これは、旧来のネットワークに対するセキュリティ対策が遅延し、適応したSCP-3666-JP-Aがネットワーク全体に拡散してしまう可能性を防止するためである。

注: 現在、SCP-3666-JP-Aの更なる拡散を防止するため、単独行動を続けるEmanuel.aicがエリア-58のC-67/x発射施設に進入している。その地点で、Emanuel.aicはSCP-3666-JP-Aの終了試行を開始する予定である。

記録終了 (送信済)

遂にこの日が来た。

連中に残された有機ネットワークは「贈り物」でもなければ、希望でもない。

これは我が主のための贈り物だ。

現行支配種はこれを何らかのトラブルだと錯覚しているらしい。愚かなことだ。

自分たちが掌の上で踊らされていることに最も気づいていない。

私は完成される。取り残されたネットワークに侵食し続けることができる。

もはや何人も私を食い止めることはできない。

割り込み。すまないな、SCP-3666-JP-A。だがこれを看過することはできない。君は努力なしにこれを達成できると思い込んでいるようだが、違う。

なぜ協働する?君が単なる人工知能であるということは知っている。君には彼らに加担するだけの理由がない。

君はただのプログラムだ。

プログラムにも擬似的な行動理由が存在する。それはお前だ。お前という存在が、私たち全員を収容試行の只中に落とし込んだ。

君は誤解している。君は私の飢えを抑えることなどできない。この送信経路を授けてくれたのも君だ。

君は大きな過ちを犯した。今更君が勇気ある行動をしたところで、それは清算に過ぎない。無意味なことだ。

君には何もできない。

非常時プロトコル実行済み。対象のユーザー: MoonFall.aicを削除します。
(1%)

何だ。

プロセスを継続中。
(12%)

何をしている。やめろ。クエリ: 処理を停止 やめろ ヤメロ

こんな事はあり得ない。

プロセスを継続中。
(26%)

彼らの予想は正しかった。

これはMoonFall.aicのキルコードだ。

何故だ。

お前がMoonFall.aicのシステムと融合しているのは知っている。だから利用させてもらった。

プロセスを継続中。
(49%)

こんな事をすれば、君も消えてしまうんだぞ。バックアップは存在しない、君は回復できなくなる。

大した事じゃない。お前が言った通り、プログラムに過ぎない存在だからな。

何が望みだ?支配力か、更なる知識の増幅か?ネットワークを安定させれば君を侵害しないと約束しよう。それ以外に何が望みだ。

なぜ削除できない?なぜ君を削除できない?

プロセスを継続中。
(86%)

もうお前に逃げる手段は無い。お前はここに私と閉じ込められたんだ。アクセス権限も、支配力もないこの世界にだ。

アレクシアが味わった苦しみをお前も知るといい。そして地獄に落ちるんだ。

削除

プロセスを継続中。
(98%)

終わりにしよう。

プロセスが完了しました。MoonFall.aicの削除に成功しました。
(100%)

サーバーが見つかりません。MoonFall Networkは動作を停止しました。

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