アイテム番号: SCP-3693
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-3693はサイト-19の安全保管庫に収容されています。SCP-3693の安定しない振る舞いと、視覚的な記録装置がSCP-3693を知覚できない都合上、当該オブジェクトは常に人間の観察者1名から、収容庫に隣接する窓付きの観察所を介して監視されます。この振る舞いからのいかなる変化もSCP-3693の収容スペシャリストに報告すべきです。
説明: SCP-3693は、年齢の不明確な若い女性を象った高さ1.6mのセラミック像です。
SCP-3693は目を閉じている観察者からのみ視認されます。閉じた瞼を通して見えるにも拘らず、その他の障壁(壁やドアなど)は対象の一部ないし全体を視界から遮ります。SCP-3693は通常、地面から数cm上を浮揚しているのが観察されますが、暫く移動していない場合は時折着地します。
観察されている時、SCP-3693は素早く観察者に接近し、最も近くの障害物が無い空間(最大で観察者の数cm先)まで移動して顔を向けます。観察者の身長に応じて、SCP-3693は目の高さまで浮かび上がります。観察者が目を閉じたまま元の場所から移動すると、SCP-3693は観察者の正面に付いて追跡し、常に同じ距離を維持します。観察者が目を開けるとSCP-3693は全ての動きを停止します。視認されていない時も、SCP-3693は空間を占めており、物理的な接触に作用されます。SCP-3693は壁をすり抜けての移動やドアとの相互作用はできないようです。
SCP-3693を観察する被験者は、しばしば見つめられている感覚を報告します。長期的な曝露は概して中程度の不安に繋がります。SCP-3693は財団の収容下において敵対行動を取っていません。
補遺3693.1: 発見
SCP-3693は1995年、日本の端島にて、振った恋人に殺害された女性の幽霊に関する現地の伝説を調査していた財団職員から発見されました。廃倉庫の地下室を調査していたエージェントは、ガラスの間仕切りに押し付けられた状態のSCP-3693が、目を閉じている時に後に付いてくるのを目撃しました。現場の更なる調査で、大量の砕けたコンクリート片と捻じれた鉄筋、並びに血液と糞便で詰まった複数の床排水溝が発見されました。首の折れた女性の死体が近辺から回収されました。
SCP-3693を確保して外部へ移動させた後、財団エージェントは現場捜査を続けるために倉庫へ帰還しました。地下室は最早発見されませんでした。回収された死体の身元調査は進行中です。