アイテム番号: SCP-371-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-371-JPの発生を防止するため、企業秘密等の漏洩防止や災害時の危険性などを理由として、窓が存在する、外部に面した部屋において10人以上の会議を行わないよう自治体等を通じて指導してください。SCP-371-JPの介入が確認された場合には会議の参加者にクラスA記憶処理を行ってください。また、議事録や映像記録等が存在した場合はSCP-371-JPの情報および発言を削除してください。
説明: SCP-371-JPは、現時点で3体(SCP-371-JP-1~3)が確認されている人型実体です。現時点では出現は██県███市、███県██市、██県██市、北海道██市、東京都██区で確認されています。SCP-371-JP実体はいずれも特殊部隊風の服装をしており、素肌や顔等は識別できません。具体的な外見等のデータは以下の通りです。
番号 | 外見 | 声質・話し方 | 備考 |
---|---|---|---|
SCP-371-JP-1 | 濃いグレーの覆面に暗視ゴーグルを着用。服装はセルビア国家憲兵隊のそれに酷似しているが、迷彩模様が赤色を基調としたものになっており、また部隊章等は丸型に黄色一色、周囲に「To be or not to be, that is the question」と書かれた未知の標章に置き換えられている。 | どちらかというと高い成人男性の声。かすかに関西方面の訛りが感じられる。 | 実行した場合非常に大掛かりになり、かつ費用がかかると考えられる発言をする傾向がある。 |
SCP-371-JP-2 | 黒い覆面とモスグリーンのシールド付きヘルメット、ドイツ国防軍のガスマスクを着用。服装はFBIの人質対応部隊のそれに酷似しているが、本来「FBI」と書かれている部分には「設備47」と書かれている。 | 低めの、若い女性の声。ガスマスクを着用しているにもかかわらずくぐもって聞こえる事はない。 | 法律に明確に違反する、過激かつ危険な提案をする傾向がある。 |
SCP-371-JP-3 | 薄いグレーの覆面に米軍の制式ヘルメット、防塵ゴーグルを着用。服装はアメリカ陸軍特殊部隊群のそれに酷似しているが、防弾チョッキのみ日本の海上保安庁のそれを着用している。ただし本来「海上保安庁」と書かれている部分には「UNOWEN」と書かれている。 | かすれた老齢男性の声。いつでも敬語で話している。 | 何らかの宗教的儀式を行うことの提案をする傾向がある。 |
SCP-371-JPは上記の地域に存在する、以下の条件を満たした場所に出現する事があります。
これらの条件をすべて満たしていると、SCP-371-JPが出現する可能性があります。
会議の開始から数十分後4、SCP-371-JPは会議が行われている部屋の窓を破り室内に突入します。突入方法は屋上からのラペリングであり、窓を破壊して室内へ侵入します。これまでの例では防弾性能のあるガラスを破壊し侵入した事例も確認されています。この際ガラスが破壊される事などにより大きな騒音が発生しますが、会議の参加者含めその近辺にいる人々がその事に関心を持つ事はありません。また、外部で雨や雪が降っていた場合には内部へ吹き込む場合もありますが、それについても関心を持つことはなく会議終了まで放置されます5。
会議中の建物にSCP-371-JPが侵入すると、SCP-371-JPは会議に参加します。SCP-371-JPの途中参加に対して会議の参加者と周辺にいる人々が特別な反応を示すことはなく、あたかも最初からいたかのように扱います。会議において、SCP-371-JPは常軌を逸した提案や意見を出す傾向があります。例としては以下の通りです。
SCP-371-JPの発言例
- 新発売のソーセージの広報のため、打ち上げが予定されているロケットに相乗りの形でソーセージを搭載させ、大気圏外から大気圏突入させる(大手食品メーカーの会議に「参加」した際の発言。発言者はSCP-371-JP-1。)
- 缶・瓶のリサイクルの啓発のため、全高20mほどの巨大な缶と瓶のオブジェを作成し、テレビ局にそれを破壊する様子を生中継させる(NPO団体「[編集済]」の会議に「参加」した際の発言。発言者はSCP-371-JP-1)
- 紙の辞書の普及のため、人通りの多い場所で性犯罪者を辞書で撲殺する催し物を行う(書籍メーカーの会議に「参加」した際の発言。発言者はSCP-371-JP-2。)
- 生活保護の不正受給の防止目的のため、パチンコ店に出入りする不正受給者を斧で殺害する(██市役所での会議に「参加」した際の発言。発言者はSCP-371-JP-2。)
- 保育士の現状を広報するため、保育園で月に1度割り箸で高さ3mの祭壇を組み立て、その頂上に処分するぬいぐるみを置き、祭壇に火を放つ儀式を行う(NPO団体「[編集済]」の会議に「参加」した際の発言。発言者はSCP-371-JP-3。)
- 年に1度、リチャード・ニクソンの肖像画に対し全人員が3時間礼拝し、その後肖像画を海へ流す儀式を行う(██████の会議に「参加」した際の発言。発言者はSCP-371-JP-3。)
これらの発言は正式な発言として議事録等がある場合にはそれに記録されます。なお、議事録においてはSCP-371-JPは日本人のそれに比較的近いように思われるものの、実際は存在しない名前6で記されますが、会議参加者はそれについても疑問を抱くことはありません。
会議終了後、SCP-371-JPは全員速やかに部屋のドアから退出します。ドアから出た瞬間にSCP-371-JPは消え去るため、その行方は不明です。SCP-371-JPがすべて退出した後、会議参加者および周囲の人々は窓ガラスの破損等の異常に気づきます。しかしながら、なぜ窓ガラスの破損等が起きたかどうかは覚えていません。また、SCP-371-JPについても「そういえば見慣れない人が会議にいたような気がする」といったような、非常に曖昧な記憶しか残っていません。しかしながら、映像記録や議事録はSCP-371-JPの消滅後も改変されないため、発言内容や外見、声質等を確認することは可能です7。
補遺: これまでの出現例でSCP-371-JPの提案が受け入れられた事はありません。しかしながら、その理由がすべて「つまらない」「陳腐である」「効果があまり見込めない」といったものであり、その提案自体の違法性や異常性を指摘したものでない点であることに注目すべきです。