SCP-3713
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SCP-3713-18終了後にPoI-3713の携帯電話から復元された画像。ファイル名は"notanexit"。

アイテム番号: SCP-3713

オブジェクトクラス: Keter Neutralized1

特別収容プロトコル: ロバート・ドレル博士はPoI-3713専任のサイコセラピスト/カウンセラーとして、月一回以上の頻度で面会を行います。必要に応じて、視聴覚を介した各種コミュニケーションツール2が活用されます。異常現象の発生またはその兆候が確認された場合、ドレル博士はその進行状況を直ちに報告する義務があります。そのような報告が不要である場合、倫理委員会の指示に基づき、面談の内容は秘匿され、記録に残されません。

説明: SCP-3713は、 1898/11/17から2015/08/07の期間に北緯49.90°, 西経97.14°(カナダ、ウィニペグ)から北緯18.24°, 西経66.04°(プエルトリコ、カグアス)までの区間で発生した一連の現実崩壊イベントです。各イベントは合衆国政府により法的に認知されている都市でのみ発生し、該当都市の境界から1km外側までの領域に影響を与えました。一度に影響される都市は一つに限られていました。

SCP-3713イベントの発生に伴い、住民(SCP-3713に指定)の各々は自身がミュージカル・プロダクションの一員であるかのように振る舞うようになります。ここで、舞台と道具は現実に存在する街そのものです。SCP-3713イベントの脚本は事例間で差異がありますが、事象に先立って発生した出来事に概ね依存しています。一例として、SCP-3713-13の主要なストーリーはイベントの数週間前から計画されていたクリスマスパレードの中止に関するものでした。4名から6名の人物(SCP-3713-A Primeに指定)で構成されるランダムな集団がプロットの主演者となり、多くの場合に5名から10名の助演者を伴います。

領域内に新たに侵入した物体や人間はオブジェクトの影響下に置かれ、徐々に舞台道具あるいは演者に変化します。物体に対する影響は即時的に現れ、人間に対する影響は5分から6時間をかけて現れます。後者の影響速度は、SCP-3713-A Primeからの距離に応じて変化します。SCP-3713-A Prime実体が一箇所に集中している場合、影響速度はより大きくなります。イベントの終了に伴い、約99%の物体および人間が曝露前の状態に戻ります。

SCP-3713イベントは大まかなプロローグ、第一幕、インターミッション、第二幕に沿って進行しますが、場合によっては二度目のインターミッションと第三幕を伴います。SCP-3713の異常影響が最初に現れる段階がプロローグに指定され、その開始時に多くの物体が舞台道具に変化します(厳密な測定は困難であり、不確定な要素が含まれます)。プロローグの開始と同時に、SCP-3713-A実体の大半は複雑な感情表現を行う能力とコミュニケーション能力を失います。インターミッションは、SCP-3713-Aの全員が(属する家を持つ場合)帰宅することにより特徴付けられ、次幕の開始時に0名から18名の演者が瞬間移動します。劇の完結後、SCP-3713-Aの全員がSCP-3713の境界部に集合し、礼を行います。

礼が終わった瞬間にSCP-3713の影響は消失します。各SCP-3713-Aは帰宅し、翌日以降は通常の行動に移ります。未知の反ミーム効果により、SCP-3713-Aであった人間はいずれもSCP-3713イベントを異常なものとして認識しません。一回以上の記憶処理を施されたSCP-3713-Aに異常性は見られません。

補遺3713-1 | 記録されたSCP-3713イベント一覧の一部抜粋3

補遺3713-2 | SCP-3713-18イベントの更なる詳細
SCP-3713-A Primeの一員でありながら、カミラ・マルケス(PoI-3713に指定)はイベントの際に一度も歌唱に参加せず、複数のシーンにおいてSCP-3713の想定されたプロットを逸脱する行動を取りました。イベントの序盤では平静を保っていたものの(友人らが悪戯を仕掛けている、あるいは劇の練習を行っていたと考えたためか)、彼女は続く歌唱パートの多く(特に大人数の関与するもの)で恐怖と動揺を示しました。SCP-3713-18の大部分でSCP-3713-A群は彼女の態度を無視し、通常の演技が行われているかのように振る舞いました。

PoI-3713は第三幕の終盤で歌唱中のSCP-3713-Aに取り囲まれ、集団と共に移動することをを強いられました。強い混乱を示した彼女は、群衆から抜け出し、カグアスの南方のグアヤマに向かって走り出しました。PoI-3713がSCP-3713-18の境界に接近するに従い、影響領域は彼女の前方約1kmに渡って拡大しました。

グアヤマに到達すると、PoI-3713は1000人以上のSCP-3713-Aの集団に遭遇しました。実例は全員が歌唱しており、歌詞のメインフレーズは「誰かが怠けている」5でした。PoI-3713は群衆に持ち上げられたものの、窓を割って建物に侵入することで拘束を脱しました。三階建ての建物の屋上に到達したPoI-3713はその場所に約一時間留まったものの、SCP-3713-Aが換気装置を伝って屋根に到達し始め、PoI-3713は後ずさることを強いられました。最終的にPoIはその場で振り返って下へ飛び降りました。

地面と衝突する直前にPoI-3713は消失しました。消失から3時間後、SCP-3713の全事象が停止しました。約72時間に渡って同じ場所に立っていたカグアスのSCP-3713-Aは、脱水と栄養失調の症状を示しました。PoI-3713の脱出の試みの際に生じた交通事故や出血により、18名の死者が発生しました。大規模な記憶処理および偽造情報頒布が実施され、医療人員が負傷者の手当を行いました。

PoI-3713は無意識の状態で道路上に再出現しました。頭に複数の痣、前腕に複数の大きな切り傷がありましたが、原因は不明です。PoI-3713は直ちに集中治療を施されました。2週間の治癒期間の後にPoI-3713は社会復帰し、財団のセラピストが宛がわれました。発見以来、SCP-3713は映画・劇・日光に対する恐怖症と、PTSDの症状(基本的に前述の三種の恐怖症に起因する)、写真と映画に対する著しい興味(恐怖症にも関わらず)を示しています。PoI-3713の精神状態を考慮し、母親のセシリア・マルケスには事象に関する情報の一部が情報漏洩に関する警告と共に提供されました。執筆現在、新たなSCP-3713イベントは発生していません。(最終更新: 2024/08/09)

補遺3713-3 | PoI-3713の集中治療時に回収された情報
一週間の治療の後、PoI-3713は会話が可能な状態になりました。直ちにインタビューが実施され、以下の通りに記録されました。


以後のインタビューでも新たな情報は得られず、PoI-3713は依然としてドアへの強い興味と不安症全般の症状を見せました。PoI-3713が有するSCP-3713に関する知識と独特な精神疾患を考慮し、倫理委員会はPoI-3713に記憶処理を施さずに社会復帰させ、財団所属のセラピストに状況の推移を報告させることを決定しました。本対応は執筆時点の今日まで継続しています。(最終更新: 2024/08/09)

PoI-3713の携帯電話からは、「⊙ ⊙」と題されたビデオファイルが回収されました。携帯電話の性能にも関わらず、ファイルは3840 × 2160、120FPS、18分26秒のフォーマットで、容量を3MBしか占有していませんでした。撮影開始時刻は7月31日の23:48であり、SCP-3713-18で最後にPoI-3713が消失した時刻と一致します。映像は所々で時間が前後し、複数の位置から撮影されたものであると推察されます。

補遺3713-4 | 以後の異常現象
2024/11/02、セシリア・マルケス氏はPoI-3713の失踪を報告しました。調査の為に一名の財団エージェントが自宅を訪問しました。以下はマルケス氏を対象として実施されたインタビューの転写です。

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