SCP-3732-JP
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アイテム番号: SCP-3732-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: Webクローラーによって、SNS上のSCP-3732-JPに関連すると思われる投稿が抽出されます。当該投稿より、SCP-3732-JPの出現場所を特定し、エージェントを派遣してください。回収されたSCP-3732-JPは内容を記録した後に処分してください。

SCP-3732-JPの対象となった人物が存在していた場合は、カバーストーリー「交通事故」などを適用し、回収してください。対象はサイト-8121にて収容されます。倫理委員会により、対象には他の対象との交流や、娯楽に勤しむ権利が与えられています。対象のその他の管理方法について人型オブジェクト標準収容プロトコルを参照してください。

説明: SCP-3732-JPは日本国内において出現が確認されている貼り紙です。SCP-3732-JPの材質およびその物理的性質について異常な点は確認されていません。

SCP-3732-JPは電柱、駅構内などの任意の人物によって発見されやすく、違和感を抱きにくい地点に出現する傾向が見られます。また、SCP-3732-JPは人物/機器の視野から死角となっている地点に出現するため、その出現の正確なプロセスは不明です。しかしながら、目撃証言や出現地点周辺の記録からSCP-3732-JPは瞬間的に当該地点に出現しているものと思われます。

SCP-3732-JPには出現地点によって微小な差違が確認されるものの、概ね共通した内容が印刷されています。以下はその例です。

脊髄バンクに協力していただけませんか?
あなたの協力で、救える命があります

今も多くの人がドナーを待っています。
あなたの脊髄を少し貸していただけるだけで助けられる命があります。
どうかご協力お願いします。

協力していただける方は以下の電話番号に連絡をお願いします。

以上の文章の下記に掲載されている電話番号に電話を行った人物(以下、対象)は瞬間的にその脊髄および脊椎が消失します。電話番号に対する調査によって、当該番号が既に放棄された番号であることが判明しています。脊髄が消失しているにも拘らず、神経活動には影響を及ぼしません。具体的には、呼吸、消化、排泄、運動、思考などが可能です。また、脊椎の消失についても姿勢の保持、制御には影響がなく、本来近位で椎骨に起始する筋肉群は空中に付着する形で機能を維持していると観察されます。

多くの対象は当該番号に電話したことについて「良いことをした」「人助けをした」などの好意的反応を見せます。これがSCP-3732-JPに存在する心理的な作用によるものかは判明していません。当報告書執筆時点で、対象の脊髄および脊椎が実際に公共の医療機関において治療行為に使用されたという記録は確認されていません。また、対象に脊髄および脊椎が復元された事例は現在確認されていません。 補遺を参照してください。

補遺: 2022/3/1、対象の1人である長谷 修也氏の脊髄および脊椎が復元されました。長谷氏は2015/6/14にSCP-3732-JPの対象となり、現在までサイト-8121に収容されてきました。長谷氏より以前から脊髄を消失していた対象が存在していたにもかかわらず、長谷氏が脊髄復元の対象となった原因は判明していません。

脊髄の復元に伴い、頸椎が32個追加された形で、長谷氏の首の長さは約50cmに伸長しました。そのため、現在、長谷氏はサイト-8121人型オブジェクト収容チャンバーにて他の対象と隔離した状態で収容されています。身体構造の変化によって長谷氏は生命維持が困難な状態となったため、以下の対処が行われました。

  • 首の保持を行える筋力が存在しないため、長谷氏の身体に首を固定する器具を取り付けました。
  • 椎骨の増加に伴う嚥下筋群の機能不全に対して、胃瘻の増設を行いました。
  • 気管の伸長に伴う死腔換気量の増加を主因とする呼吸不全に対して気管切開を行い、気管カニューレを取り付けました。

当事案の情報は精神状態に悪影響を及ぼすことが予想されるため、他の対象に対しては秘匿されます。

脊髄復元の際、長谷氏の居住する部屋の内部に、以下の内容が表記された紙片が出現しました。

ご協力いただき、ありがとうございました!

あなたの協力で命を救うことができました!
脊髄を提供してくださったあなたのおかげです。

7年お貸ししていただいたので、利子を含めて84cmのお返しとなります!

改めて、本当にありがとうございました!

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