3/3740-JP LEVEL 3/3740-JP
CLASSIFIED
特別収容プロトコル: SCP-3740-JPの収容はその性質上困難であるとされています。SCP-3740-JPの対象には記憶処理を施し、カバーストーリー「居眠りと夢」を流布した上で解放されます。SCP-3740-JPに関連する映像は回収され、財団データベースに記録されます。
説明: SCP-3740-JPは以下の条件を満たした際に出現する人型実体です。
- 任意の人物(対象と表記)の目の前に鏡が設置されている
- 対象の付近に刃物が存在している
- 対象を含め、2名以上の人物が空間内に存在している
SCP-3740-JPは対象の目の前に設置された鏡の中に出現します。SCP-3740-JPの外見は対象を鏡写しにしたようなものです。
SCP-3740-JPは軽微な反ミーム性を有しています。これにより、記憶補強剤を摂取していない状態では対象以外の人物はSCP-3740-JPを知覚できません。また、後述する対象への身体的影響についても違和感を抱かないことが確認されています。対象はSCP-3740-JPの記憶を保持することができますが、それも時間経過によって忘却されていく傾向にあります。
SCP-3740-JPは出現後、対象に対して「自身を認識しているか」という旨の呼びかけを行います。この際に対象がSCP-3740-JPに対して反応を示さなかった場合、SCP-3740-JPは消失します。対象が反応を示した場合、SCP-3740-JPは対象への対話を試みます。対話内容の詳細については補遺3740-JP.1を参照してください。
対話時のSCP-3740-JPの口調、声音は対象のものに類似しています。SCP-3740-JPは対話を終えると同時に消失します。また、対話時の対象は発声が不可能になることが明らかになっています。
補遺3740-JP.1: 映像記録
以下はエージェント・越山が偶発的にSCP-3740-JPと接触した際の映像記録です。当該記録を発端として財団はSCP-3740-JPを認知し、特別収容プロトコルが制定されました。
<前略>
SCP-3740-JPが出現する。実体はエージェント・越山の姿をとっている。
SCP-3740-JP: 俺のことが見えているか?
エージェント・越山は明らかに驚愕しているが、周囲の人物が実体に気付くことはない。
SCP-3740-JP: 声が聞こえているか?認識しているか?目が合っているか?
発声が不可能なことに気付き、エージェント・越山が首肯する。
SCP-3740-JP: そうか、気付いているか。
沈黙。
SCP-3740-JP: ならば一つ質問がある。確認と言った方が正しいかな。
SCP-3740-JP: 結構言いにくいんだけど、その⸺
実体は苦い顔を浮かべている。
SCP-3740-JP: これ、どう考えても切りすぎだよな?
沈黙。
SCP-3740-JP: いや、切り始めた頃から違和感はあったんだ。でも切り終わる頃にはこう、なんかいい感じになるんじゃないかって。
エージェント・越山が首肯する。
SCP-3740-JP: でも見ろよ、もうすぐ切り終わる雰囲気だぞ。この髪型でか?
SCP-3740-JPが頭を搔く。
SCP-3740-JP: ほら、もう店員さんハサミ置いてるじゃんか。満足気なこった。
SCP-3740-JP: いやマジで気の毒だよ。このザマ晒しながら帰るなんてさ。
SCP-3740-JP: そんじゃ、そういうことで。
SCP-3740-JPが消失する。
店員: はい、終わりましたよ。どうです、いい感じでしょう!
エージェント・越山: あ、はい。最高っす、マジで。
エージェント・越山が席を立つ。
<後略>