SCP-3756
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アイテム番号: SCP-3756

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 財団は国際的な宇宙機関1によって配布されるガニメデ関連の情報を監視します。SCP-3756の収容を支援するために、暫定サイト-9354がテキサス州イエローヒルに確立されています。現地は民間人の立入禁止状態を維持し、アクセスはレベル3職員に制限されます。

説明: SCP-3756は、アメリカ合衆国テキサス州と木星の衛星ガニメデの地表面に同時に存在している、ラウンダーハウス・スクウェアダンスホールの空間的な位置です。

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CGRD-1のイラスト

この異常性はダンスホールの訪問者には自明のものではなく2、ガニメデ側の地表や大気の影響は敷地内のどこにも見られません。何らかの手段でSCP-3756に入ると、対象は地球とガニメデに同時に存在することになります。SCP-3756内で地球上の人物が取った行動は、ガニメデの複製体によって模倣されます。

発見: 2010年10月14日、ガニメデから微弱かつ連続的な無線放送が検出されました。内容の完全性は85%以上が損なわれていた半面、信号は無作為の送信でないと断定するに十分なほど整ったものでした。更なる調査のため、財団探査機J4D33が2011年7月26日に打ち上げられました。

更新: 2017年5月1日、FPJ4D3はガニメデの軌道に入った。抽出された情報の記録はFPJ4D3ログ1-3で閲覧可能。

補遺:

FPJ4D3 ログ1:

日付: 2017年5月7日

対象: ガニメデに由来する未確認の無線放送。

プロジェクト主任: リチャーデット博士


[記録開始]

0114 GMT: FPJ4D3はまず、ガニメデ由来放送の発信源の上を通る軌道上で送信位置に入る4

0115 GMT: FPJ4D3はガニメデ発信源に向けて、アレシボ・メッセージ5の放送を開始する。

0118 GMT: FPJ4D3はアレシボ・メッセージの送信を終了し、ガニメデ放送を増幅して地球に送り始める。

0151 GMT: ガニメデ放送が解読され、1949年に録音された“Foggy Mountain Breakdown”6と特定される。

0152 GMT: リチャーデット博士が以下の内容を送信することを許可される。
“こんにちは、このメッセージは近隣惑星から送られたものです。私たちはあなた方の現状に関する情報を求め、平和を望んで訪れました。あなた方は英語を理解していますか?”

0255 GMT: ガニメデ放送の増幅版が地球に到達する。メッセージの転写は以下の通り。
“チンピラのくせに最新の機械なんか使いこなしやがる。失せな! こちとらダンス対決の真っ最中だってのに、良い所で邪魔しやがって!”

更なるメッセージの送信は承認されない。FPJ4D3は、0414 GMTに観測範囲の外へ移動するまで、発信源の写真データの収集に利用される。

[記録終了]



FPJ4D3 ログ2:

日付: 2017年5月20日

対象: ガニメデに存在する未確認の建造物。

プロジェクト主任: リチャーデット博士


[記録開始]

0014 GMT: SCP-3756からの放送を受信するため、FPJ4D3が再び軌道位置に入る。37分後にその時点での放送の性質が識別されるまで、接触は試みられない7

0051 GMT: 以下のメッセージが地球からSCP-3756に送信される。
“こんにちは。前回話した時、ダンス対決をしていると仰いましたね。それについてお聞かせ願えますか?”

0152 GMT: SCP-3756放送の増幅版が地球に到達する。メッセージの転写は以下の通り。
“おい、アンタ、スクウェアダンスの話を聞いたこと無いのか? 俺たちゃ皆そのために集ってんだ。だから音楽に割り込むのを止めてくんねぇかな? 常連が苛立ってる。”

0233 GMT: 以下のメッセージが地球からSCP-3756に送信される。
“あなた方は何処に位置していますか?”

0301 GMT: SCP-3756放送の増幅版が地球に到達する。メッセージの転写は以下の通り。
“またアンタ? 何かのイタズラか? ウチはボウリング場とドラッグストアの間だよ。さ、失せな。今夜はレディースナイトなんだ。”

[これに続き、電話の受話器を本体に叩き付けるような音が聞こえる。SCP-3756からの更なる放送は受信されない。]

0314: FPJ4D3がSCP-3756の送信範囲から出る。

[記録終了]



FPJ4D3 ログ3:

日付: 2017年6月2日

対象: SCP-37568

プロジェクト主任: リチャーデット博士


[記録開始]

0247 GMT: FPJ4D3がSCP-3756上空の軌道位置に入り、小型ガニメデ探査ローバードローン CGRD-1を衛星地表面に送り込む。送信されたカメラ映像は以下の通り。

CGRD-1は空気圧アームを伸ばし、SCP-3756のドアを開ける。映像は、現代のファッション傾向に沿った服(紐ネクタイ、つば広帽子、特大のベルトバックルを例外とする)を着た人間27名の間にドローンが入ったことを明らかにする。全ての人物がCGRD-1に注目する。

SCP-3756-19がCGRD-1に近寄って調べる。

SCP-3756-1: “いったいこりゃ — ダーラ、お前が注文したのか、この… ドローン?… っぽいやつ。”

SCP-3756-2:10 “今週はコーンチップとビールしか注文してないけど。何かコレ、ローバードローンとかいうのに似てるね。ニックのじゃない?”

SCP-3756-1: “ニック、アホな玩具なんかここに走らせてきてどういうつもりだ?”

未特定の話者: “…こいつ踊れるかな?”

信号反応時間が思いがけず低減した結果、複数のコマンドがCGRD-1によって矢継ぎ早に実行される。カメラ映像は、ドローンが空気圧アームを振り回しながら敷地内を動き回る様子を映している。

SCP-3756-1: “こりゃいいや、見ろよあの暴れっぷり!”

0350 GMT: FPJ4D3がSCP-3756の送信範囲から出る。

[記録終了]

補遺2: 2017年6月3日、テキサス州イエローヒルのローカル新聞に“地元ダンスホールにロボット乱入、ロボットダンス披露”という記事が掲載されました。財団資産が展開されました。

補遺3: ラウンダーハウス・スクウェアダンスホールは後日、財団フロント企業によって買収され、暫定サイト-9354が現地に確立されました。CGRD-1は敷地内から除去されると非実体化しました。FPJ4D3からの更なる映像は、CGRD-1がガニメデ側の建造物の外に存在することを確証しました。地球外財団前哨基地を建造する際に、ガニメデ側のSCP-3756を拠点として利用するための研究が現在進行中です。

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