SCP-3757
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アイテム番号: SCP-3757

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 現在、不明な個体数の未収容のSCP-3757が存在しています。捕獲したSCP-3757個体は、薄暗い標準昆虫型収容セル内で集団で飼育されます。給餌のため、2日に1度使い古しのゴム製タイヤが収容セル内に配置されます。

SCP-3757の影響を受けた領域は、地表から2mの高さに広げた黒色の防水シートで隠蔽され、周囲を金網で包囲されます。さらに、領域内が"建設中"であることを示す標識が領域の外周に沿って配置されます。全ての備品は、SCP-3757の変態が完了(平均3週間)し、領域内からインシデントの証拠が全て除去された場合のみ撤去が許可されます。

中西部ハイヴ・ディテーリング&リストーレーション合同会社に関する手がかりを捜索するため、財団エージェントがアメリカ合衆国中西部に派遣されています。

説明: SCP-3757はlampyridae(一般的にホタルとして知られている)に酷似した昆虫の一種です。SCP-3757は、わずかに体長が大きい(平均22mm)点と、他2つの主要な生物学的差異を除けば、通常のホタルと完全に同一です。

1つ目は、下腹部の前面及び発光器官の上側に位置する出糸突起の存在です。この出糸突起は十分に機能的であり、多くのクモ類のものに似た形状の網を形成することができます。研究員により、SCP-3757の体長が大きいのは網を体内により効果的に蓄えるためであると結論付けられています。

2つ目のSCP-3757とホタル科の昆虫との顕著な生物学的差異は、SCP-3757の網にあります。SCP-3757の網は様々な構成素材からなっており、最も一般的な素材は絹ではなくプラスチックとゴムです。SCP-3757の大半は1種類の素材のみを合成する能力を示しますが、一部の個体は2種類以上の素材を生成することができます。

さらに、SCP-3757は植物の花粉や蜜ではなく、非有機的な素材を餌とすると考えられています。実験の結果、SCP-3757は網を生成するためにその素材と同一のものを摂取する(例:ゴムの網を作るためにゴムを摂取する)わけではないことが判明しています。そのため、これらの素材を如何にして生成しているのかは未だ不明です。

発見: 財団はアイオワ州バーリントンにあるパーキンス公園で発生したインシデントにおいて、初めてSCP-3757に関する情報を入手しました。この公園には遊び場があり、市の職員によると、数年前は非常に人気があったようですが、保護者間の安全性に対する不安から、ほとんど人の往来がなくなっていたようです。最も典型的な解説は以下の通りです。

  • 錆びた手すりのついた、様々な高さの滑り台
  • チェーンから外れたブランコ
  • 遊具に描かれた落書き
  • 破損した木のベンチ(座板がバラバラになっているものが少数あり、極端な場合では座板が完全に失われている)
  • 大多数の遊具の下で繁茂している雑草

インシデントログ:

2017/08/20, およそ10:00pm CST: 夕方にジョギングをしていた市民が、地域警察機関に遊び場を破壊する企てだと考えられていたことについて報告していた。さらなる詳細な調査の結果、SCP-3757の群れが遊び場全体を網(後の調査により、素材がゴム化合物であることが確認された)で覆っていた。その後まもなく、警官隊に潜入していた財団エージェントがこの文書の冒頭に記載された手順に従い、封じ込め開始のためサイト-319からの援助を要請した。

2017/08/21, およそ7:00am CST: SCP-3757の群れによって作られた共同の網は、遊具を覆う繭に似たドーム状の構造物を形成し、硬化していた。この繭の全体としての強靭性はプレキシガラスに近く、厚さは推定9cmであると判明した。繭の表面を破るための機動隊動員の許可を求める要請がサイト-319の管理官に送信された。要請は却下された。

2017/08/25, およそ2:30pm CST: SCP-3757個体群が繭の頂点にある亀裂に入っていく様子が観察された。この時に数匹の個体の回収に成功し、研究のためサイト-319に持ち帰った。

2017/08/25-2017/09/09: 繭内の非常に微細な振動が容易に観察できるようになる。繭内から、プラスチックが軋んでいる・金属がカチンと鳴っているようであると描写される音が聞こえる。研究員により、燃えているゴムに類似した臭気が指摘される。カメラを用いて繭内を観測する試みが実行されるが、侵入時にレンズを覆うSCP-3757由来と推定される硬いプラスチックにより、カメラが機能停止に陥る。

2017/09/10, およそ11:15pm CST: SCP-3757は繭から退去し、公園の領域から脱出しつつあるようである。数個体のSCP-3757の起源地点への飛翔ルートを追跡する試みは、各個体が異なる場所に移動し、大多数は常食とする芝生の上の装飾品や水まき用ホースに飛来すること、またさらなる調査においてもSCP-3757とそれらの地点との関連を全く発見できなかったことにより、失敗に終わる。

2017/09/13, およそ6:00am CST: 入り口になっている頂点の割れ目を起点として繭が割れ始める。これは2.5時間継続する。この過程が終了すると、遊び場に幾分かの改造が施されていることが明らかになる。徹底的な調査の結果、全ての遊具が新品になっているように見えることから、以前に周辺地域から得られた証言は見当違いであったことが証明される。大きな遊具には、戯画的なカリバチの巣と下部に"中西部ハイヴ・ディテーリング&リストーレーション合同会社"という文字がかかれたロゴが刻印されている。清掃中にSCP-3757は全く発見されず、繭の破片が研究のため採取される。

補遺: ウェブ上の結果からは中西部HD&Rを発見できず、有用な情報を得られる建築業者間の商取引記録も存在しませんでした。

発見インシデントから1ヶ月後、バーリントン市議会へのカバーストーリーが準備されました。財団エージェントによって遊び場が繭の崩壊以降に異常な活動を全く示さないことが確認された後、財団によって設立されたダミー会社が遊び場に新規追加された物品の権利を引き取ることで、パーキンス公園の遊び場の"グランドリオープン"が開始されました。

発見インシデントから9ヶ月の間に、4件のSCP-3757関連事案が追加で観測されており、アメリカ合衆国中西部の財団によって確保されています。事案が発生した公園には、遊び場がメンテナンスされていない、もしくは現在の安全性基準を満たす改修が行われていないという共通した特徴が存在しています。全ての遊び場が安全となった場合、SCP-3757の公共区域の改修が終息するのか、あるいはSCP-3757が他のレクリエーション地域に"再配備"されるのかは不明です。

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